「子供を思う親ごころは、万国共通。観ていて、辛かった。」親愛なる同志たちへ いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
子供を思う親ごころは、万国共通。観ていて、辛かった。
主人公が「スターリンが恋しい」と2度か3度発言する。私には信じられない言葉だ。存命中、スターリンと毛沢東は、百万単位ではなく千万単位で人を殺しているからだ。
ソ連・フルシチョフ時代に起こったストライキ鎮圧事件が舞台だ。ウクライナ侵攻とあいまって、ソ連・ロシアを非難するレビューが散見する。ロシアの肩を持つ気はさらさら無いが(くれぐれも誤解しないでほしい)、このような歴史に埋もれた、又は隠ぺいされた虐殺事件は、どの国にもあるのでないか。死者の大小の違いはあるけれど。幸いにも民主主義国家では言論の自由が保証されているから、起こりにくいだけだ。
どのような政治体制にあっても、人は生きていかなければならない。民主主義国家に生まれた人は、その幸運に感謝する。また、圧政下に生まれても、この映画のように良い人は必ず存在する。ちょっとは希望が持てる。だが、日本の隣国たちは何とかならないものかと思う。
主人公の父が着ていた軍服は、帝政ロシア時代の軍服か。
KGBと軍の仲の悪さとか、発砲責任のなすり合い、ストライキや暴動に対処できない地方共産党組織、ストライキが起こった本当の原因を解っている共産党中央幹部等嫌な事ばかりで、身につまされる。結末は私には疑問だ。
コメントありがとうございます。
ラストは理解が追い付きませんでしたが、確かにあれが無ければ救いが無さすぎますね。
いずれにせよ、改めてロシア、ソ連の体制について勉強になる作品でした。
コメントありがとうございます。
仰る通りで、私も芸術面での凄さと政治面での振る舞いの隔たりがどうしても理解できません。
もし、自分がまだ20代の若者なら、その理由が知りたくてロシアの歴史や文化を勉強する気になってたかも、と思うほどです。