「凄惨な流血を際立てさせないセピア色映画」親愛なる同志たちへ カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
凄惨な流血を際立てさせないセピア色映画
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1962年のソビエトはロシアにとって、もう過去扱いなんですかね。
前半の物価高騰の場面では、スターリンのときは物価はむしろ下がったというセリフが繰り返し聞かれました。
映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」が思い出されました。
世界恐慌のなかでロシアだけが景気がよかったのです。しかし、それは穀倉地帯(ソビエトの米びつ)であるウクライナから一方的に搾取強奪することによるジェノサイドによる見かけ上の繁栄でした。
理想論としての共産主義自体が悪いわけではないのでしょうが、KGBの存在や相互密告制度が暗く自由のない社会の元凶となっていました。冒頭の自由な男女交際描写はサービスショットなんでしょうが、それしか捌け口がないということなんでしょうか。党の下部組織に属し、優遇措置を甘受できる主人公はきつい性格の自分勝手な美人さんです。
KGBのイケメンオヤジはあきらかに美人さんに甘くて、ロマンス映画風に仕立てあげられたような感じでした。
不完全燃焼的な感じはやはりロシア国家体制への遠慮、忖度なんでしょうか?
セピア色だとアスファルトの血は全然わかりません。床屋さんの描写で充分なのですが。
靴下の穴には騙されましたが、それはそれで、良かったです。
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elleさんのコメント
2022年4月15日
最後をどう理解したら良いかわからず…
巡査が似たような靴下の穴空いてた女の子と間違えたのですか?
KGBオヤジが美人のためになら危険な橋を渡るのも理解出来ず…