劇場公開日 2022年4月8日

  • 予告編を見る

「「共産主義とは何か?」を垣間見ることが出来る作品。」親愛なる同志たちへ caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5「共産主義とは何か?」を垣間見ることが出来る作品。

2022年4月10日
Androidアプリから投稿

やはり、共産主義や社会主義とは何かを知らなければならない。
格差のない社会、弱者救済、社会保障などと、甘い餌を撒いて、人々を隷属への道へと誘いこみ、共産党への忠誠を誓わせ、秘密警察、密告などを通じて人々の自由を奪っていく。
そこには、一部の特権階級と、平等な貧しさがあるのみだ。
この映画は、1962年6月にソ連南部ノヴォチェルカッスクの機関車工場で起こったストライキに端を発した銃撃事件を描いている。
食料や物資の不足と価格の高騰に加え、賃金が下げられたことに労働者の不満が爆発し、ストライキが発生。そのストライキを鎮圧するために、時のフルシチョフ政権は民衆を銃撃し、多くの死傷者を出した。
その銃撃の現場や、負傷者を見た者は、守秘義務を課され、ストライキを扇動したり、参加した者は逮捕されたという事件だ。
銃撃現場のアスファルトに付いた血糊が消えないことを上層部に報告すると、その上を新しいアスファルトで舗装し直すよう指示され、その場所でダンスパーティーが催された。
死体の一部は病院に運び込まれたが、ほとんどの死体は郊外の墓地などに埋められた。
主人公リューダは共産党員として国家に忠誠を誓い生きてきたが、一人娘がストライキのデモに参加し、行方不明となる。
リューダは身の危険を冒し、娘の居場所を探し回るが…。
少し描き方に甘いところがあるようにも感じられるが、ソ連の実態についてはわからないため、批評は避けたい。
ぜひ、劇場で確認してください。

caduceus