ヒロシマ・ナガサキ 75年前の真実のレビュー・感想・評価
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科学者側の視点で描かれる原爆
広島と長崎への原爆投下の過程を、アメリカ側、特にマンハッタン計画に参加していた科学者たちの視点で捉えたドキュメンタリー作品。当時の科学者たちの肉声や記録映像がふんだんに使われている。きちんとアーカイブを残しているということ大前提として重要だ。この作品を作れること自体がアーカイブの大切さの証明だ。
科学者たちの間でもかなりの葛藤があったこと、被爆地に訪れた科学者がいて、医療行為に従事した人がその悲惨さを目の当たりにしていたことなど、日本で作られる作品とは異なる視点で原爆の恐ろしさを伝えている。悲惨な映像も一部あるので見る時はその覚悟をしていてほしい。
戦争途中で就任したトルーマン大統領がどのような情報に触れて原爆投下を決断したのかなど、政治の流れも詳細に描いている。
これはHuluジャパンとヒストリーチャンネルの共同制作だが、日本以外の先進国においても原爆投下の歴史的評価は変化しつつあることを本作は感じさせる。
評価=4:原爆は、ドイツに対する恐れから生まれた
米国での原爆開発の過程が、トップシークレットにも関わらず実際のフィルムに克明に記録されていた事に驚いた。日本だったら恐らく記録させないだろう。米国では、PDCAをきちんと回す文化が染み付いているのがよく分かった。日本は計画もあやふや、実施した結果もきちんと見ないで、精神論で突き進む。これが日本人の弱点だ。
核が無い平和はもう来ない
アメリカが必要悪だとか核爆弾を投下した事で、別の大勢の人々を救ったという内容を見て、落胆した。
原爆投下して数ヶ月、数年後でこんなにもアメリカと日本で明暗が分かれるとは虚しさを覚えてしまう。
日本にはもっと早く降伏を選んで欲しかったと悔やみ切れない。アメリカに攻められたのもあるが、日本軍の上層部のせいで、ここまで酷い惨劇が続いてしまった事が要因の一つだと思う。
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