私をくいとめてのレビュー・感想・評価
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【"お一人様は気楽かも知れないけれど、寂しくなって、時々悲しくならないかい?" 30代女性の、悩みながらも、成長していく”心象”を絶妙に描いた、可笑しくも、素敵な物語。】
■今作の素晴らしき点 -映像、発想の斬新さを含むー
・みつ子さん(のん:相変わらずの透明感。素敵な女優さんである。)が、脳内で依存しているA (声:中村倫也:発声での演技が、絶妙に上手い。中性的な声が実に良く合っている。)との面白き会話の数々。
- 今までに、このような形で、主人公と絡む、”脳内登場人物”-イマジナリー・フレンドでもない、自分・・。ー)を描いた作品があったであろうか?-
・飛行機嫌いのみつ子さんが、親友サツキ(橋本愛:久しぶりであるが、ドンドン美しさに磨きがかかっている・・)に誘われ、イタリアに向かう飛行機内で流れる「君は天然色」の見せ方。
ー 出発前、大瀧詠一と水との親和性を語るみつ子さんの言葉には、笑う。又、機内を漂う”風船言葉”に、クスクス笑う・・。センス良いなあ、大九監督。
みつ子さん、あんなに嫌いな飛行機に乗ってでも、親友に会いに行くなんて、ヤッパリ寂しかったのだね・・。
けれど、サツキが ”みつ子だけには不安の涙を見せるも” 異国イタリアの地で、イタリア人との夫との子がお腹にいる姿や、夫の家族と親しそうにイタリア語で話す姿を見て、”私、何やっているんだろう・・”と言う表情を浮かべながら、のんさんが絶妙に寂しそうに演じるのである。-
・みつ子さんが、年下営業マン、多田(林遣都)に惹かれているのに、(勿論、”草食系の”多田も・・)素直に”好き”と言えない姿。
- 料理を貰いに、わざわざ来るんだから、分かるでしょう!みつ子さん!じれったいなあ! 多田君もさあ・・。
多田の、料理を貰いに来る時の、みつ子さんの脳内イメージ、”托鉢の僧侶の姿”に、脳内でクスクス笑う。好きな人が来るんだから、もっと別のイメージを想像をしようよ!
ちょっとだけ、みつ子さんの”親戚のおじさん状態”になる・・。-
・みつ子さんが、Aに頼らず、多田との新たな一歩を歩み出す事を暗喩させる、実体化した”ちょっと太めの” A(前野朋哉)との、海岸のシーン。
(再び、脳内でクスクス笑う・・・。中村さんとのギャップが・・。前野さん、すいません・・・)。
ー このシーン以降、徐々に脳内フレンドAは、みつ子さんの中から、消えていくのかな・・。ー
<イロイロと、面倒な考えに絡み取られている、悩める30代前半の可愛らしい女性を、のんさんが絶妙に演じる、面白き作品。
演出含めて、とても良いですよ。>
■蛇足
・カーター君、存在感はバッチリだが(なんだ、あのテーマソングは!面白いじゃないか!)、君にのぞみさん(臼田あさ美さん:私の中では「架空OL日記」以来"お局女優"
として、君臨している)はもったいない。逆に”期間限定2W”になるのではないかな?
もっと、人間性を磨くように!(完全に、上から目線である。)
のぞみさんは、何故にカーター君に恋をしたのだろうか・・。謎である・・。
だれか私をくいとめてよ
スクリーンでのんが堪能出来て嬉しかった。
以下、ざっとした感想
・原作を読んだ時に感じた
「そもそもなぜAは異性として想定されているのか」という疑問が映画で主人公の異性からの加害行為とそのトラウマを詳しく描く事によってより分かりやすくなったと思った
・声だけの存在であるAは稀に暴走するが基本的に理性的であり、紳士的な態度と口調で主人公を助けてくれる
(原作では色白で小太りの記述がある)
映画で「ちょうどいい」と主人公が発言する容姿
→自分の中の安心できる異性像が欲しかったんだと理解できた
加害しない、信頼できる異性像が主人公には必要だった
・イマジナリーフレンドとの別れであり、魔女宅のジジの声が聞こえなくなる現象
・Aの声を演じる中村倫也が最後の海の場面で顔出ししたら倫也とのんのラブストーリーになっちゃう(そう解釈されそう)じゃん…(そうじゃないのに)と思ったので別キャストに差し替えられて良かったと思う
・橋本愛のくだりは完全に大人になったあまちゃんがやりたかったんだろうな…と思った
・林遣都、今作で「普通の男」をやったことにより案外男臭い顔立ちをしていると思った、あと数年経ったら阿部寛の系列になりそう
大丈夫だってば
旧 能年玲奈こと「のん」が年下の意中の人相手に、悩む悩む。おひとりさま30代。脳内の相談相手のAに時に的確なアドバイスをもらいながら一人食玩教室。一人温泉。一人焼肉。基本的に一人に慣れてしまって。Aのアドバイスがあっても一歩踏み出せない。のん は服装も醸し出す雰囲気も30代独身女性を好演している。「あまちゃん」の時はあんなにかわゆかった彼女が、少しくたびれた中年女性にしか見えない。そういえば映画館が明るくなったら会社帰りと思われる連れのいない一人の女性観客が観客の半数以上だった。ところで、のん。なんか知らんが、飛行機、と弄ばれる温泉女芸人には過剰反応。???
でもね、ワシおっさんだけど意中の、他社の甘いマスクの年下営業マンと最初偶然近所、偶然コロッケ屋で出会うまでは不確定要素あったけど、手料理を頻繁に自宅にもらいに来る時点で、男女の恋愛的にはすでにホームイン、ゴール命中、完全セーフ安全圏だってば。何を土壇場のホテルの製氷機前で絶叫混乱してる?
今時昭和の高度成長期前と違って、コンビニもファストフードもある時代。これは男女差別では無いけど料理のできない女子も多い。しかも製品以外の他人の握ったおにぎりも手料理も拒絶するのが潔癖症というより普通な時代。すでに手料理やり取りしている段階でSEX以上の高みに二人はあると言っても良い。男の胃袋を掴んだら強い、というかイケメン若い男子が好意のない女子の手料理なんて食わないってば。これがな、訳ありのくたびれたおっさんとか、刑務所帰りの負い目を負った男という設定なんか役所広司か高倉健みたいな設定だったら素直には物事は進まないけどね。
まあ結論はわかっていてもダレ場が無く、誰でも飽きないような作りではある。でも公開初日で昼1本、レイトショー1本は寂しいなぁ。
どっちかっていうと同僚のおひとりさま先輩が、社内の自称色男に尽くして、「期間限定」お付き合いする方が、痛い、痛い。心配になるよ。
あと、東京タワー、新顔のスカイツリーに東京の顔を譲るわけにはいかない広報部の意気込みを感じるね。「サイレント・トーキョー」でもシンボル的だったし、本作でもヤマ場に登場。老体に自ら鞭打っている。頑張れ!東京タワー!
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