私をくいとめてのレビュー・感想・評価
全44件中、1~20件目を表示
のんしかあり得ない!
とても良かった。人と関わることで、救われることもあれば辛い目に遭うこともある。それでも、隣にいる「その人」の存在が必要な時もある。「(私を)よろしくお願いします」と言える人が。
ただ、おひとり様の人生だって良いではないかとも思う。だから、出てくるキャラがみんな誰かと一緒になっていたのは少し引っかかった。澤田さんも結婚してたし。
多田くんは優しいがマイペースな男だ。LINEの返事が微妙にズレてるし、聞いてることに答えない感じ。運転中に悪態をついていたのも気になる。みつ子が下着を干していたことに気づいて、バイクの駐車位置を変えに行ったのは優しいと思うが。しかし、のぞみさんが最初に言っていたように、誰かと一緒にいるためには、そのために頑張らなくてはいけないのだ。人間はもともと1人なのだから。
みつ子が皐月に「おめでとう」と言い、皐月が「ありがとう」と返すシーン。2人が互いのそれまでの気まずさを確認し、和解した瞬間だ。みつ子の妊娠を知らされていなかった小さなショックと、皐月の事前に言えていなかった小さな罪悪感。そういう「小さなトゲ」は徐々に大きくなり、互いの仲に割って入る。そのトゲが綺麗に溶けた瞬間だ。
キャラクターがストレスを抱えた時、動けなくなるシーンが多い。じっと耐えているのだ。耐えながら、誰かに助けを求めている。みつ子は、皐月も耐えているのだと分かったからこそ、和解できたのだ。
吉住さんが無礼な男たちに最低の絡み方をされているシーン。みつ子は自分が耐える経験をしていたからこそ、吉住さんの我慢を察知できたし、助けられずに苦しんだ。2人の苦しみが痛いほどに伝わってくる。
のんの、自由気ままで「不思議ちゃん」な明るさが、みつ子という役にピッタリだし、対人関係に悩み、苦しむ姿もすごく良かった。「不思議ちゃん」は繊細で人より悩みやすく、内側に抱えやすい人だ。もちろん、のん本人がどういう人か私は知らないが、等身大の彼女を観た、という感じがした。
Aという自分は誰にでも存在し得る。悲しい時、悩んだ時に自分を励まし、助言をくれる自分だ。特に孤独な人間には、そういう自分が必要である。ただ、中村倫也の包容力のある声はAに合っている気もするし、合っていない気もする。自分を肯定してくれる都合の良い声に聞こえてしまうからだ。自分にとってのAは、もう少し厳しくあるべきものだ。自分を肯定するもう1人の自分の声は必要な時もあるが、中村倫也の声は優し過ぎる。だから、他者に踏み出すためには、そして隣にいてくれる他者がいれば、Aは存在しなくてもいい。 Aのイメージを中村倫也本人ではなく、中肉中背のおじさんにしたのは、そこら辺に自覚的だったのかな。あれがイケメンだったら、これからもみつ子はAに甘えて、Aという存在から卒業できず、「よろしくお願いします」と生身の人間に言えなかっただろう。「言葉を形にする」ということは、他者に自分の言葉を投げてみる、ぶつけてみる、ということなのかな。
満足度高めです。
お腹いっぱいになりました。
最初から最後までずっと飽きずに観れました。
自分も「A」という存在を渇望してしまいます。
イタリアに行く機内での演出がめちゃくちゃいいですね。
役者さんの演技も素敵でした。
既婚者でも
お付き合いの方がいても
同居家族がいても
基本的にはみんなどこかおひとり様であるように思います。
それが良くもあり寂しくもあります。
なので
自分の人生をより豊かにしたいと思った時、
「A」という存在はうってつけの相棒だと思いました。
「A」が消えている時は大丈夫な時で、
不安な時は「A」を頼りにしてしまう。
もし、「A」を越えるような人生最良の伴侶に出会えない
としたら「A」の存在は必須です。
ようは自分自身のこころも持ちようで人生の豊かさはどうにでも
なるのかもしれませんね。
そんな力をもらえる作品でした。
もう一回観てみようと思います。
のんが過剰に評価が高いのは
何故なんだろうか・・・
だれを演じても常にのんで個性が強すぎる気がする。
前野さんだったんだやっぱりのシーンは盛り上がりましたが、
ダラダラといつまでも続くストーリーに感じました。
なんだかな~でも面白い!
『勝手にふるえてろ』を観終わったときの感覚と似てます。タイトル通り「なんだかな~でも面白い!」ってとこでしょうか?それもそのはず同じ監督さんの作品でした。
『勝手に~』では松岡茉優さんを絶賛しましたが今度はのん(能年玲奈)さんを絶賛したいと思いました。なんだか名前が使えなくなったりして、まるでトレンディ御三家の加勢大周さんみたいでかわいそうです!
※御三家のあと二人っておわかりですか?織田裕二さんと吉田栄作さんですよ!織田さんは今でも世界陸上の人で有名ですが、吉田さんは今の若い子たちは知らないんだろ~な~?!ほら『マネーの虎』の吉田さんですよ!トレンディドラマ『クリスマス・イブ』で仙道敦子さんとダブル主演だった!えっまだ生まれてないってか?!じゃあ『なんでんかんでん』の川原社長も知らない?そうでしょうね~
すみませんすっかり脱線してしまいましたが『のん』さんですか今は、最近あまり見かけなかったのでチラシの印刷屋さんかと思ってましたが、とても役柄をうまく演じられ、もっと復活・活躍してほしい女優さんです。また大九監督の感性、素晴らしいですね!この2作品だけでも素晴らしい才能発揮というか女優さんたちの才能を見事に引き出してるんじゃないでしょうか。
皐月(橋本愛さん)の心の中を映し出す表情の演技とあまちゃん時代の本当に仲の良い二人がうまく絡み合ってとてもいい感じです。また変な勘違い野郎にぞっこんのノゾミ(臼田あさ美さん)も本当にいい味出してました。いるんですよね、蓼食う虫も好き好きっていうんですか、まあ人類全体のことを考えると色々なカップルが成立した方がいいことではありますが…
もちろん多田くん(林遣都さん)、脳内人格?「A」(中村倫也さん)の男優陣も素晴らしいのですが先に書いた女優さんたちが出色で少し影が薄くなってること、否めません。(でもダイワハウスのCMで情けない上野樹里さんの後輩(のち旦那)が中村さんだとは今でも信じられません)
あと今は無き大瀧詠一さんの『君は天然色』がストーリーにうまくはまっていて、原作にも登場させてるらしい綿矢りささんの感性にも賞賛の拍手を送りたいですね。
上映当時あまり話題にならなかった気がしますが、とても面白かったです。
いいね
他人事みたいだけど、他人事じゃない。
世の中で1人で喋ってる人って
こう言う感じの人もいるのかなと思いました。
狂ってないけど、それ外から見て1人で喋ってたとするのなら、狂ってますよね。
多田くんめちゃくちゃいいやつすぎませんか?
主人公も、かわいいし、そとでしゃべってるかんじ
ちゃんとしてるし変じゃないし
家への誘い方スムーズだし連絡下手には見えぬ。
敗者からのトラウマがあったりと
色々あったのでしょうが、2個違いって
対して離れてないですね。
これが10個違うとかで、もやもやあるならわかるけど
2個ってそこまで大きな差には見えませんでした。
終わり方、急にホラーみたいな。笑
でも、エンドロールで、ちゃんと、平和な
会話の中、飛行機を楽しんで乗れてる主人公がいたのでよかったです。
温泉でのシーンと飛行機のシーン凄かった
温泉でのシーンで、絡まれてる女芸人さんをみて苦しくなる感情は共感羞恥で死ぬ思いになるのと、何もできない自分に憤り、過去のトラウマを思い出すその感じ主人公の長台詞がまったく違和感なく表情も、泣きそうな目も訴えかけてくるものがあった。
飛行機のシーンも主人公の顔のアップと苦しそうな呼吸、Aの必死な声だけだけど凄かった。めっちゃ苦しくなった。
飛行機シーンで耳塞いでくれたの中村倫也さんの手じゃないでしょうか?
大切で好きすぎて、手も出せないような人だったら、
同じ空間にいるだけで意識して、息苦しくて、でも幸せで、すぐに気を遣ってごめんって謝っちゃうところとか、着飾って、かっこつけて、カッコ悪いとこ見せたくないと思う所がすごく伝わった。
悲観的になりすぎるシーンで、「皆んな悲しいんだ」木なのに死んじゃった犬だと思ってる。皆んな悲しい、辛い、寂しい、負の感情が溢れる
どうせ自分なんてループ
結婚してないと思ってたできる上司が実は結婚してた。
人に寛容になれるときは、つくづく自分の心に余裕がある時だなと感ぜられた。
親友がいきなり結婚して外国に行って、イタリアのあの食卓のシーンは言葉も分からず、でも盛り上がってるから取り敢えず愛想笑いしとこってなるやつで、
英語とかだとかろうじてジョークとかわかってたまに本当にたまに心から笑えるけど、
イタリア語ともなると、一言も理解できずにグラッチェばかり言って、心労がすごい。
親友はガラッと変わってしまったかと思ったら、外見ではペラペラ喋れて家族と楽しそうに過ごしてても、やはりそれなりの覚悟と、人には人の地獄というか苦しみがあったんだろうなと
お互いに顔を描くシーンで、主人公の方は顔を描かないという所も、微妙な距離感になってしまった感を演出していた。
イタリアにいるとき、多田くんからのメールで、好きな人とのLINEはなんでもない一言を深読みして、彼女と炊飯器使ったの?とか帰国したことを知らせる必要ない?とか自分の頭の中で会議が始まるんだけど、
帰国したことを伝えた瞬間、ご飯の誘いが来て、ご飯行って、東京タワー登って、告られて、付き合って
何か1つ行動を変えるだけで、こんなにも事態はうまく進んでいくんだなと、、
ヤブ医者にわいせつな行為をされても、それはただくんとは全く関係のない人だし、過去に何かがうまくいかなかったとしても、それはその時、場所、人、自分の感情、いろんな環境要因が合わさった上でそのときは不可だっただけで、
可になるまで、乗り越えるんじゃなくて、やり過ごす。
私も会社に入ったらナルシストが好きな面白い趣味の先輩欲しいな〜
逃げたくなって
ぽっちゃりの丁度いいAが
海にしてくれるシーンがすごく良かった。
下の会の迷惑な住人を不動産屋に言っても出ていかなかった、その理由は鍵を見つけるためで、そこの伏線回収もお見事でした。
演技がすごい
のんが三十路を過ぎた独身の女性を演じている所もそうだけど、演技そのものがすごいと感じた作品でした。
心の中の自分と葛藤するソロの部分では、二人でしているようなイメージさせられるくらいインパクトがありました。
「A」が言った「あなたは、あなたでしか無い」そんな言葉が僕の中で印象的でした。
今まで孤独に慣れてしまった自分が新たな世界に踏み込むのにとても勇気がいる。
そんな所で葛藤が起きる。
誰かに受け入れるてもらう事。誰かを受け入れる。
それは、とても勇気がいる事なんだなぁと感じました。
受け入れられなかったら、やっぱり自分がダメだからと思う気持ちになってしまう。
そんな気持ちになるかもしれないなら、今のままで変わらない方がマシと思ってしまう。
今の自分にもそんな所があるのかもしれないと気づきました。
それぞれにそれぞれの生き方があって、必要以上に相手に求めてしまうと相手も自分も苦しめてしまう事になるのかな。
この映画は、自分と向き合う事が苦手な人にとっては、色々と感じる映画がかもしれないと思いました。
とても良かったです。
能年玲奈以外は何がいいのかわからない
能年玲奈以外は何がいいのかわからなかった。
何事もない日々がダラダラ描かれていて退屈だった。
女性が見たらまた違う共感があったりするのだろう。
ホテルでのシーンでみつ子が突然拒否反応を示したが
唐突過ぎ。事前にある程度男性に対しての不安感など
表現していればともかくだけど。
またAが消えてしまったのもどうなのかと思った。
Aなしでもひとりでやって行けるという表現なんだろうが、
いったいいつタダくんにそんな信頼したのだろうか?
人の考えはある日突然変わるものではない。
タダくんとこれからの期待も大きいことはあるかもしれないが
みつ子は不安の中にあり、沖縄は大きな一歩かもしれないが、
安直にAがいなくなってしまったことにやっつけ感を感じる。
それならもっとダラダラしたシーンをカットして
タダくんに対しての不安を描くべきだったのではと思う。
頑張って見たが橋本愛と能年玲奈のあまちゃんコンビが
見れたことだけで頑張って見ちゃった映画だった。
自己愛から他者愛へ
大九監督、原作家の綿谷りさの映画は、勝手に震えてろとも重なるが、自己を愛して、その先の他者愛を丁寧に描く
内省をAという声だけの俳優で表現し、主人公は常に自分の葛藤を自分との会話で内側に落とし込んでゆく
臼田あさみが劇中で言うように、 1人でいるときは孤独ではあるが傷つきずらく、他者といるときの方がよっぽど辛いし傷つきやすい
主人公は中盤、イタリアに行き、本当の孤独を味わう(Aが登場しないため)
この映画はイタリアのシーンの印象が非常に強い
本当の孤独の中から、他者との共感を経験し成長していく、橋本愛との写生シーンは映画的にみても最高に美しいし感動的だ
風呂場でのLINEのやりとりとタイミングは、これまでのどの映画のチャットシーンよりもリアルで繊細だと感じた
日本に帰ってからが人生の本当の山場であるが、主人公はAと別れる事を決断し、他者との共存に努力する
手を繋ぐシーンなど、至近距離の映像がとても綺麗で新鮮だ
独特の魅力がたくさん詰まった繊細な恋愛映画
追記
吉住がほぼフルでネタを披露するが、この映画のテーマと重なり、細部にわたって丁寧に作られていると感じた
のんの演技について、ただただ最高すぎる
勝手に震えてろでも同じことが言えるが、予告編の雰囲気が少し違うのでは?(ポップすぎて惹かれなかった)
のん
のんの仕事とプライベートでの感情の演じ分けが上手く喜怒哀楽全てを表現されていて観ていて凄く面白い!
もう1人の自分との自問自答の掛け合いはテンポ良く進んでいくので心地よく、ネガティブな内面など真に迫ったところも包み隠さず出せていたので良かった〜。
本音を爆発させながら全てをさらけ出すシーンはとても心を打たれ痛快!!
特にお気に入りのシーンはみつ子と親友の皐月との再会シーンで感動的だった。
自分はあまちゃん好きだったので、のんと橋本愛が共演していただけでも感激..観た甲斐があった。
【総合評価】
暗い場面もありますがそれを感じさせない程ロマンチックでポップな世界観はキラキラしていて大好き。
自分にもみつ子と同じような考えが多少は当てはまる事があるので共感できる作品でした。久々に笑顔になれる作品に出会えて良かった〜。
おひとりさまの気ままな生活とその終焉
いや、本当にいい映画だったわ……
元々能年玲奈改めのんが『あまちゃん』の時から大好きなので、どうしても贔屓目にはなってしまうのだけど、大人の演技ができるようになった彼女が見せる様々な表情が、いずれも素晴らしい。温泉で「いい加減にしなさいよ!」と怒りを滲ませる顔、Aに引きずり回され、素に戻った時の憤慨する顔、ホテルの廊下で感情を持て余して泣き叫ぶ顔、どれも良いのだが、一番はやはり飛行機着陸時の恐怖から「くーーーーーっ」で解放されたときの顔だろうか。もっと色々あるのだけど、語り始めたら留まらないのでこの辺で。
心の中にいるもうひとりの自分と会話する人は、そんなに少なくないはずだ。だがみつ子におけるAのように、これほどまではっきりとした人格を持ち、時には人格交代まで起こしてしまうのは、有り体に言って多重人格障害と言っても良い。
しかし、このみつ子とAの会話によって生み出される独特の空気感が、このストーリーにグルーヴと可笑しさを与えている。それだけに、みつ子が多田くんと付き合いだした頃から徐々に距離を取り始めたAが、多田くんとの初めての夜(何もしてないけどね!)、最後に「ちょうどいい」姿を見せて消えた時に、そこはかとない寂しさを覚えたのだった。
いつかまた、みつ子がAと再会できる日が来るのを祈ってやまない。
なお蛇足を承知で言うと、繰り返しになるが『あまちゃん』からののんファンであるわたしとしては、やはりイタリアでの皐月との再会からの一連のシーンに涙せざるを得なかった。このキャスティング神かよ。
くちびるつんと尖らせて
google先生で「私をくいとめて」を検索した後に続けて大九明子監督を検索してたら、何故か「他の人はこちらも検索」に
「毎日 つまらない 独身女性」
ってあがってきました。毎日がつまらないって感じてる独身女性の方多いんですかね?答えなんて巷に溢れてますし大きなお世話でしょうけど、「趣味を持つのだ❗そして、できれば映画を趣味にするのだ‼️」って言ってあげたい。何故映画か?それは自分が好きだから✨自分が好きな物って人にも勧めたくなったりしますよね~。
そんなこんなで「私をくいとめて」です。ちょっと検索してみたんですけど大九明子監督って経歴がスゴい‼️大学を出て官庁の外郭団体へ就職、でも仕事が性に合わず4ヶ月で退職。その後、お笑い芸人や役者を経て映画監督って珍しい経歴ですよね。多分映画好きっていうより、表現者なんでしょうね。本作中の温泉でお笑い芸人が絡まれるシーンはもしかして実体験なのかも?
そういえばあのシーンの後でみつ子が嫌な記憶に苛まれるのはメッチャ共感しました。あるある、次から次へと嫌な思い出ばかり頭に甦ってくる時って。そういうのって一回ハマっちゃうとヤバいんですよね。そんな頭になった時には何か別の事やって気分転換するしかないんですが、なかなか難しかったりしますし・・・もう頑張れとしか言いようがない😣
みつ子はけっこうお一人様楽しんでるみたいでしたけど、「A」を作り出していたのはやっぱり何処かで寂しかったんでしょうね。お一人様は慣れちゃうと楽なので、そこから一歩踏み出すのが恐くなる気持ちもよくわかります。彼氏欲しいけどそれも恐いってハタから見るとメッチャ矛盾しているようですが、そういうもんなんですよね。進みたいけど進みたくないから誰かにくいとめて欲しい。矛盾なんて抱えてて当たり前なんです。
でも、みつ子は踏み出した。年下彼氏は物分かり良すぎな気もしますが、それでもみつ子にとっては大きな一歩だったはず。自分を救えるのは自分だけですが、自分が変わる機会って周りの人の影響が大きいですしね。自分だけのルーチンに凝り固まってると変化って起きにくいもんですし。見習ってチャンスは逃さないようにしていきたいもんです。
人の内面を時にコミカルに、あるときは情熱的に描く、テンポの良い展開が心地良く感じられる作品です。
星屑の町以来の、のんさんの実写出演。
今度はどんな姿を見せてくれるのかと、いつも楽しみにしています。
(※といいながら「8日で死んだ怪獣-」は見逃しました… しょぼん)
原作があることは知っていますが、内容に関しては知識無し状態。
予告や作品紹介から、 「イタイ女」 の話なのかな?
などと予想しながら鑑賞。
のんさん演じた「みつ子」。
そのキャラ設定のキーワードが
・三十路
・おひとりさま
・仮面生活 (というか、本心を見せない)
・脳内パートナー(A)がいる AはAnswerのA
ひとりを満喫するみつ子
実は「ちょっと気になる年下の青年」がいる。
ふとしたきっかけから
彼にご飯の惣菜を作ってあげたりする間柄に。
この二人「みつ子」と「多田くん」の関係を中心に
時折脳内パートナー(A)との会話をはさみ、お話が進み
さてどうなる二人の将来は?…
◇
この作品、やはり
「のん」 あってこそなのかなと感じました。
色々なのんが見られて良かったのですが
特にラスト近くのシーン。
火山の噴火のような、渾身のモノローグ。 これは必見かも
見ていて息が詰まりそうでした。
のんの周りの人々も素晴らしかったです。
中でも会社の先輩女性を演じた臼田あさ美さん。
しっかりしていそうなのに恋した相手には献身的
盲目的な面がある反面、自分自身の価値観をもっている
そんな女性を好演してました。
上映期間が終わる間際の滑り込み鑑賞。
観られて良かった。
満足です。
◇あれこれ
おひとりさま
を、テーマにしていると先に書きましたが
男女問わず、また
どの世代にも当てはまる内容なのかも。
そんな気がしてきました。
自分をさらけ出すのも、他人を近づけるのも
とても勇気のいること。
「今の状態を壊してしまうかも」 という恐怖心。
年を重ねるにつれ、大きくなりますので うん。
脳内パートナー(A)
中村倫也が最後までフル出場。 声だけ…
あ 待て
あの海パン男が中村倫也だったか… (←違う)
※素朴な疑問
「もう一人の自分の声」
は何故男の声なのでしょう?
多田くん(林遣都)
29才の設定に不自然さは感じなかったのですが
のんと並ぶと、のんより年下には見えなかったかも…。
まあ、のんも実年齢より上の役でしたけど。
◇最後に
じぇじぇじぇ …。
(↑書きたかっただけです えへ…)
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
恋愛の扱いが現代的
快適なおひとりさま生活を楽しんでいる31歳のみつ子が、会社の取引先の営業マンで年下の多田くんに恋をする。ただそれだけの話だ。
だけどこれがめちゃくちゃ面白い!
や、みつ子が恋をするだけとか言っちゃうと、全ての恋愛映画がそうじゃないかと反論されるかもしれませんが、二人はおそらく最初から両想いだし、ライバルが存在するわけでもありません。普通の恋愛映画だったらみつ子の恋愛の障害になるものが外部や環境からもたらされますが、この作品にはそれがないのです。ただただみつ子が勝手に悩みうろたえているだけです。
じゃあ何が面白いのかというと、それは”A”の存在です。
みつ子は頭の中に”A”という相談相手を作っていて、他愛のないことから真剣な悩みまで何でも彼に話し相談しています。そうすると、いつも冷静な年上の男性である”A”は、いつだってみつ子に的確な言葉を投げかけてくれるのです。
この”A”の設定がとんでもなく秀逸です。普通なら”A”をみつ子の脳内彼氏か何かにして、”A”が恋の障害になったり、みつ子が”A”と多田くんの間で揺れ動くという設定にしたくなるところですが、”A”はいつも冷静で的確なアンサーをくれる存在にすぎず、みつ子の恋愛の障害にならないし、みつ子も”A”に特別な感情を抱きません。”A”はあくまでただの相談役という位置づけです。”A”がいることで、みつ子は独身30代の寂しさを感じずに、おひとりさまを満喫できるのです。
僕は最初、『何で”A”に名前をつけないんだろう?』と思いましたが、名前をつけちゃダメなんです。たかしとかひろしとか進一とか名づけてしまうと、愛着が湧いてしまったりします。そうすると恋愛の障害になってしまいます。無機質な”A”という名前でなきゃならないのです。
#大物演歌歌手
むしろこの映画では、恋愛こそが障害となります。恋愛が、これまでの快適なおひとりさま生活の邪魔をするのです。通常の恋愛映画とは、恋愛の扱いが逆なのです。ここが極めて現代的で、新しいと感じました。
でも実はみつ子は、おひとりさまを堪能しているといえば聞こえが良いですが、本当は新しい恋を待ち望んでいました。恋や人間関係に臆病で、他人とあまり深い仲にならずちょうど良い距離を保っていただけ。いつも自分を肯定してくれる”A”を作りだすことで自分を防衛していたのです。
だからみつ子は、おひとりさまでの行動範囲を一人温泉→一人海外旅行と広げることはできても、多田くんとの距離を縮めることはなかなかできません。
そんなみつ子の心理や行動に共感できる独身女性は多いのではないでしょうか。
みつ子を演じるのんも良かったです。人の悪口を言っても嫌味にならないし、31歳の大人の女性を演じてもどこか少女のような透明感があって。そりゃ独立騒動とかあっても監督は使いたくなりますね。
お一人様の胸の内
のんさんが愛くるしい。
この内容にこのタイトル!
ユーモアが最高に溢れてる!
自問自答の日々ではあるのだけれど、ちょっと…いや、結構深いテーマだった。
「勝手ににふるえてろ」にも通じる物語ではあるのだけれど、対話形式な分こっちの方が辛辣か。
なのだけれど、監督の視線というか、原作の持ち味なのか寛容の精神に溢れてる。
おそらく共感する人は多いと思う。
アレ程激しく情緒不安定にならないけれども、俺もその内の1人だ。
発する言葉は違えども、似たような感情を知ってる。そしてレビューを書きながら思う。
「そんな自分が可愛らしくないですか?」
そんなメッセージを感じたりする。
赤裸々は胸の内を豊かにぶち撒けるのんさんを応援してしまう。ネガティブに走り出す思考を引き留めてあげたいと思う。それはきっとスクリーンを通して、自分に投げかけてた言葉なのではないかと思う。
随分な長回しがあったり、奇妙なアングルがあったりと飽きさせない工夫とでもいうのだろうか?そんな工夫も主人公からの訴えのように感じてしまう。
とかく人間関係は面倒くさい。
自分の縄張りに土足で踏み込まれる不快感は、何度味わっても慣れていく事はない。
けれども、やっぱり、誰かを求めてしまう本能は衰えてはくれたりしない。
その繰り返しに消耗して、投げ出したとしても、差し出された手を叩いてしまう程の冷徹さを自分には持てない。
感情の海原で溺れそうになる主人公に手を差し伸べたはずが、抱えてみたら自分だったみたいな。
そんな感想を抱く人もいるかもしれない。
映画も登場人物もちょうどいい
独身や恋愛離れがスタンダードとなった現代において、本作の予告が他人事とは思えず興味を惹かれた人は多いと思います。(私も御多分に洩れずその1人)
みつ子が自身の恋愛感情に戸惑う様子は、独り身生活を謳歌する者としてリアリティがありました。独りが心地良い分、他人を通じて湧き出る感情が少し怖いんでしょうね。私はのんさんを初めて拝見しましたが、みつ子のマイペースな性格が見事にハマっていました。
そんなマイペースなみつ子に恋する多田君。彼のもどかしい態度は、奥手男子にとっては我が事のように思えたのではないでしょうか。みつ子とのコミュニケーションが徐々にハマってく展開に、私は2人の友人になったかのように嬉しくなりました。
みつ子と多田君の共通点は、2人が具現化されたAのように「丁度いい」存在であることです。2人は容姿が特別良いわけでなく、エリートでもありません。"大多数側"なのです。私は恋愛リアリティショーというコンテンツに興味がないのですが、その理由は登場人物達に恋愛におけるハンデがなさすぎて感情移入できないからです。「おめーらココで失敗しても他で幾らでもチャンスあんだろ!」って思っちゃうんです(…く、悔しい!)。そんな私にとってみつ子と多田くんの恋愛劇は心地良く、素直に応援しながら見ることができました。
ただし、この作品が映画とて良作かと問われると、そうではないというのが率直な感想です。
まず、全体的に無駄が多いです。例えば飛行機のシーン。「口びる」というワードをあれだけ強調して演出をしておきながら、最後まで口びるが重なるシーンはなし。登場人物の不器用な心に忠実になるのはいいのですが、バロメーターの高まる瞬間がなければエンタメとしては消化できない。
また、上映時間が133分の割に印象が薄いです。弱者の気持ちをキャッチアップするシーンが幾つかありましたが、大して響きません。脇を固めるキャストについても、皐月は大事な役回りの割に印象は薄く、カーターはキャラが濃い癖に上っ面のまま終わりました。
本作はあくまでもほのぼのした恋愛物語であり、刺激抑え目の丁度良い作品なのです。
文字ではできない映像表現が良かった。
なにから、食い止めてほしいのかよくわからなかったが、いいタイトルだと思う。
『勝手にふるえてろ』を見損ねていて、だいぶ気になっているので、先に『私をくいとめて』を見た。
大九明子監督×綿矢りさ原作なので。よかったです。かなりポップな感じ。ところどころ分からない部分があった。
綿矢りさは、インストールと蹴りたい背中しか読んでないはず。
良さげな小説色々出してるみたいだし、時間が出来たら読みたいが、最近めっきり読書量が減り…
のんが主演で、親友役に橋本愛、のんの職場の先輩に片桐はいり。あまちゃんのアキとユイちゃんとあんべちゃんです。
アキとユイちゃんにはすぐ気づいたけど、あんべちゃんもいたことに帰宅するまで気が付かなかったです。
だって、ヘッドハンティングされてきた澤田さんがあまりにかっこよくて、あんべちゃんと重ならなかったんだもの…
これを演技力というのか!と思いました。
脳内相談役「A」をお供に年下の多田くんに恋するみつ子の日常に終始するのかと思いきや、結構多田くん以外の悩みや怒り、悲しみの描写が多かったのが以外でした。飛行機に乗れないとか、唯一の友達の皐月に抱く複雑な気持ちとか、過去に受けたセクハラ被害のトラウマとか、会社での立ち位置への葛藤とか、私的にはもっと掘り下げてほしかったなと思いました。
ところどころ分からないっていうのもこの辺りで、消化しきれない悲しみを持っているようなのに、その原因?とかを全然書かずにいきなり怒りと恐れが噴出するから戸惑うって感じでした。まあ尺とかあるし、もしかしたら原作でも書かれてないのかもだし…
特によかったとおもったのは、ローマへ向かう飛行機の中で、Aにイヤホンをつけて!といわれて付けたら、大瀧詠一が流れ、くちびるつんととがらせてーという歌詞に合わせたカラフルな風船が飛行機内を飛んできたところです。
映画的表現ですよね。あとAの手が耳を塞いでくれるところね。
Aの見た目が前野朋哉氏で、わたしもちょうどいいと思った。でも声がなんか前野氏?ちょっと向井理に聞こえるけど?とおもっていたら、声は中村倫也氏だったらしいです。
後は、ノゾミさん。カーターがすきなノゾミさん。東京タワーでのカーターの望みをすべて網羅すべくドラえもんのポケットみたいな青いカバンからササっと道具を取り出すノゾミさん。最高でした。面白かったです。
みつ子と多田くんのシークエンスは、ふつーというかよくわからんというか、みつ子の年収分からんけどええ部屋住んでるし、ダンスクの鍋だし、かき揚げとかあげられるし、こじらせてる感出してるけど、さらっと飛行機代出せたりするところから見てもお金あるやん、十分リア充では…?と思い、みつ子像が説得力がある姿で思い描けませんでした。
クックパッド見ながらにしろ、人にふるまえる体裁の揚げ物ができる人は、だいぶ力量あるとおもいますで?
会社でプチ局(やったかな?)として居座れるが、ローマと沖縄、年2回の飛行機旅行が出来て、お茶出しが業務に含まれる正社員?東京暮らし…?お茶出しが業務に含まれる会社員はもっと給料低くね?飛行機代は出せ無くね?親がこづかい一杯くれるんか?とか思いました。
あれ、愚痴が多い?でも面白かったですヨ?
全44件中、1~20件目を表示