私をくいとめてのレビュー・感想・評価
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満足度高めです。
お腹いっぱいになりました。
最初から最後までずっと飽きずに観れました。
自分も「A」という存在を渇望してしまいます。
イタリアに行く機内での演出がめちゃくちゃいいですね。
役者さんの演技も素敵でした。
既婚者でも
お付き合いの方がいても
同居家族がいても
基本的にはみんなどこかおひとり様であるように思います。
それが良くもあり寂しくもあります。
なので
自分の人生をより豊かにしたいと思った時、
「A」という存在はうってつけの相棒だと思いました。
「A」が消えている時は大丈夫な時で、
不安な時は「A」を頼りにしてしまう。
もし、「A」を越えるような人生最良の伴侶に出会えない
としたら「A」の存在は必須です。
ようは自分自身のこころも持ちようで人生の豊かさはどうにでも
なるのかもしれませんね。
そんな力をもらえる作品でした。
もう一回観てみようと思います。
誰か、私にブレーキかけて!!
2020年。
傷つきやすいナイーブなちょっとズレてる女の子を書かせたら、
天下一品の綿矢りさ。その原作を、
「勝手にふるえてろ」の大九明子が同じく監督・脚本を務めた。
主演の、のん。
のびやかでピュアそして清潔、そして情緒不安定で美女。
そんな、のんちゃん見てるだけで幸せ。
この映画の不思議ちゃんは、黒田みつこ(のん)の脳内に「A」という相談役がいること。
それが異性(男性)なのだ。
Aは絶対にみつこの味方。絶対に反対しない。励ます、褒める、慰める。
Aのお陰でみつこの精神はかろうじて持ち堪えている。
そんなみつこに年下の好きな人が・・・多田くんが現れる。
多田くん(林遺都)も、みつこの領域にズカズカ入ってこない優しい男性を好演。
脳内のAを、なんと中村倫也が声でサポートしてくれる。
ちょっと風変わりで、恋愛の微妙な空気や雰囲気を上手く吸い取っている映画。
(こじらせ女子、一歩手前のピュアさが、甘酸っぱい!!)
のんらしい映画。
ひとりはいいことなのかどうか
ほとんど見ない女優(のん)なので、珍獣を見ているようなおもしろさがあった。
心の声が聞こえるファンタジーだが黒田さん(のん)と多田くん(林遣都)が接近していく感じはけっこうリアルだった。
はじめからほのぼのした空気&コミカルなので、おひとりさまがたのしいっていうよくある話かと思いきや、黒田さんがひとり温泉旅行に行ったとき、ローカルな女性お笑い芸人に傍若無人なDQN客が絡んできて、黒田さんの闇があらわれる。
そこから映画のいんしょうが変わる。
黒田さんは心の傷をかかえている。その痛みを乗り越えるために、もうひとりの自分「A」をつくりだし、その声が聞こえるようになっている。
現実の辛さをしのぐために、そのような自己暗示方法を使っている人もいるだろう。
そんな黒田さんが朴訥でまっとうな男=多田くんとつきあうようになるまでが描かれる。
日本映画臭はなくて助かったが、編集がよくないと思った。このえいがは133分もある。まちがいなく30分はちぢめられる。回している時間がやたら長い。もっと早くシーンを切り替えていい。
だが映画はのんが牽引していく。あきらかにほかの女優とちがった。
生粋のモデルでなに着ても似合う人だった。にこやかにしているときは癒やし系だがギラッとさせるとおそろしい。笑顔からノーカットで愁嘆へ行ける。その豹変がすごいことに加えて端正な顔立ちと乳白色の肌。ずっとアップで映しているのに粗が見えない。いつでも、剥いたばかりのゆで卵のようだった。
また林遣都演じる普通の男=多田くんもじょうずだった。普通──とはいえ、現実には多田くんみたいなまともな人は珍しい。
(この映画の多田くん(林遣都)はあまりにもまとも過ぎて、かえって、なにか/どこかで豹変するタイプの人に見えてしまう。だから二人っきりのシーンになると、製作者が意図していなかったはずのドキドキがある。隠しもった本性など無いのだが、映画慣れしている人はおそらくかれに「まじめのふりをしたサイコパス」のキャラクター気配を感じる──のではなかろうか。少なくともじぶんは感じた。)
原作を知らないが映画の真意は「おひとりさま」にたいする懐疑だと思う。
いまの世の中には、おひとりさまのドラマやエッセイなどが、星の数ほど溢れている。
バブル期に台頭してから今日までひとりの生活がたのしい──とする中産階級の話は連綿とつくられてきた。
はじまりは「おいしい生活」の頃。
『おいしい生活(おいしいせいかつ)とは、1982年にコピーライターの糸井重里が考案、翌年まで用いられた西武百貨店のキャッチコピー。』
(ウィキペディア、おいしい生活 (キャッチコピー)より)
以来、(ひとりで)これをやってみたり、あれをたべたり、こんなこともしてみたり、あんなことも挑戦してみたり、ひとりであることの自由度をつかって生活を満喫すると「おいしい」と誰もが言ってきた。
日本は一億総井之頭五郎と言ってもさしつかえないだろう。
が、ほんとは、おひとりさまなんて素晴らしいことじゃない。
一人でいる人間は、たいてい一人でいることしかできなくて一人でいる。
むなしいと誰かに言われたら「そうだね」と言うだろう。
友人も伴侶も欲しくはないが、友人や伴侶を欲しがる普通の人でありたかった。
一人でいることをさびしいと感じる、普通の人でありたかった。
さまざまなドラマやエッセイにおいて、一人でいることがカッコいいとかおしゃれとか独立独歩であるとか、そういうのはたぶん違う──とじぶんは思っている。
この映画もおそらくそこを突いている。(と思う。)
黒田さんも一人で生きていたほうが楽だけど、そこから脱するほうが人間らしいし、なにより大人っぽい。映画はそんなかのじょの謂わば脱皮を描いていた。と思った。
余談だが能年玲奈からのんになる途中で空白があった。なんらかのトラブルによって所属事務所はかのじょに約15ヶ月間しごとを与えなかった。また事務所からの離脱にともなって契約上、能年玲奈の名前をつかえなくなった。実情はわからないことだが改名が今後の女優業にプラス作用してほしいと思う。
アラサー女子の悩める日常なのか〜
心の中の自分「A」と日々語り合い、リアルの自分の悩める日々。
主人公はアラサー女子。
見るからに「こういう人いそう!」
と興味津々見入ってしまう。
発想として男でこんな人、あんまりイメージできない。
のんさんが演じるからより作品にリアリティが増してくる。
名演技なのだ。
でも見ていて、こんな人がいたら個人的には近づきたくないというのは本音だ。
どう見ても、こんな独り言だらけの人、危ないとしか思えない。
いや、既にメンタルがイッてる人だし💦
何にも疑心暗鬼。
基本的に自分のエリア外は信用しない。
こんな身勝手、自己肯定型は厄介だわ。
でも一人暮らし、チャンスを逸して気がつけばアラサー女子にって人は多いんだろうなぁ。
これを見て「あの人見た目は悪くないし、明るいのになぜモテない(彼氏がいない)のかな?」
って会話、あるあるです。
実はこういう裏キャラ持ちなんだろうと。
適齢期ってあるんです。
それを逃さない人。
これも社会適合能力なんだと気付かされたました。
一喜一憂
自転車の補助輪なしとか、入学式とかクラス替えとか、免許取り立ての高速道路の合流とか、初めての頃は怖くて仕方なかったのを思い出したり。
できたら嬉しい。でもできなかったら?あー怖い。妄想が行ったり来たり。出来たからって何も変わらないし、できなくてもダメじゃない。なのに自分との心の葛藤の、まぁ、うるさいこと。ネガティヴとポジティブの渦に呑み込まれそうになる。
このままでいたら楽だけど、置いてきぼり感は、やっぱ寂しい。。。
何にでも揺れる自分にイライラする。あーあるあるだね。良い映画でした。
カメラワークがなんか面白かった。のんちゃん可愛かった。中村くんには会いたかったぁ(笑)良い声してるね。優しい声に癒されました。
他者と他者性
他人といるのは息が詰まる。親子も夫婦も親友も、しょせん他人は他人だ。
でもひとりぼっちは淋しい。クリスマスとかまわりが賑やかになるほど、人恋しくなる日もある。
自分のなかにいる「他者」の存在。「A」。みつ子ほど鮮明な存在でなくとも、誰しも経験はあるのでは。どんなときでもAは自分の味方でいてくれる。でもそれは「他者性」であって本当の「他者」ではない。当然だ、Aは自分自身なのだから。
自分のなかにある「他者」と付き合いが強すぎるのも考えものだ。みつ子のように「共依存」の関係になってしまい、ほんとうの他者との付き合いに躊躇してしまう。かたや、社会性の強い「他者」が入り込みすぎると、何でも世間に忖度する息苦しい生き方になってしまう。
観る前はコメディ一色と思いきや、哲学的な作品で深く考えさせられる。他者との関係性がテーマにありつつも、まるでのんさんのひとり芝居のような感覚もある。
みつ子の役は、のんさんにしか表現できない。あらためてすごい表現者だ。
うーん、何故だか?
最初はついていけなかった。屈折してるし、攻撃的だし、病気だし。綿谷...
共感できないと長く感じる
頭の中に人が居て話し合いをする設定は既にあるが、この作品の場合は二重人格のひとりが相談役といったところで、コミュ障をこじらせて出来たもう一人の人格は精神を守るための防御反応なのだろう。
すると、この話は二重人格への依存から脱却していく物語と言える。そのため主人公に感情移入出来るかどうかで評価が大きく変わってしまう。
自分にとっては長いと感じるシーンや間も人によっては必要な時間なのだと思う。私にとっては3.5でも人にとっては4以上の価値がある。
なので、この作品を観るかどうかは主人公に共感出来そうかどうか、もしくは共感出来ないが設定に興味があるかで決めるのが良いと思う。そうすれば観て後悔する事は絶対にないはず。
カラフル
おひとりさまを満喫していた光子が職場で出会った多田への恋心をきっかけに、人との距離感に戸惑いながらも自分以外の誰かに心を開いていく姿が爽やかに描かれています。
原作が面白くて、映画も楽しみにしていたのですが、期待通り面白かったです。
30歳を少し過ぎたおひとりさまのあるあるだけではなく、彼女達ならではの目線や気付きから学びや勇気をもらえました。周囲の無神経な言動や、冷たい視線に傷付き、怯えながらも“のんき”を装い、且つ舐められないようにと気を付けながら日々をやり過ごす姿が本当にイタイタしいくらい胸に突き刺さります。
おひとりさまを楽しみながらも孤独の影が常にチラついている。人との距離の取り方がわからない彼女は自由と孤独のバランスがとれない。唯一心を許せるのは彼女の脳内にいる“A”という相談役だけ。“A”は自分自身の声である事を頭のどこかでわかってはいるものの、孤独への恐れや自分への自信の無さが“A”という存在を作り出し、彼女は“A”との会話を止められない。
同監督、同原作者の『勝手にふるえてろ』では主人公の女性とその彼氏のキャラクターの濃さが印象的でしたが、本作では、主人公の光子と彼女を取り巻く女性達がそれぞれに色を持っていて、爽やかに彩られていました。光子の親友、職場の先輩や上司...立場や状況は違えど、彼女達はそれぞれに悩みや不安を抱えている。けれど、自信や覚悟を持ち、自分らしい生き方を楽しもうとしている。光子がそんな彼女達や多田と接していく中で、ゆっくりと自分のペースで自信を取り戻し、人と関わっていこうとする姿に胸が熱くなりました。
楽してると言わざるを得ない
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