「他者と他者性」私をくいとめて h.h.atsuさんの映画レビュー(感想・評価)
他者と他者性
他人といるのは息が詰まる。親子も夫婦も親友も、しょせん他人は他人だ。
でもひとりぼっちは淋しい。クリスマスとかまわりが賑やかになるほど、人恋しくなる日もある。
自分のなかにいる「他者」の存在。「A」。みつ子ほど鮮明な存在でなくとも、誰しも経験はあるのでは。どんなときでもAは自分の味方でいてくれる。でもそれは「他者性」であって本当の「他者」ではない。当然だ、Aは自分自身なのだから。
自分のなかにある「他者」と付き合いが強すぎるのも考えものだ。みつ子のように「共依存」の関係になってしまい、ほんとうの他者との付き合いに躊躇してしまう。かたや、社会性の強い「他者」が入り込みすぎると、何でも世間に忖度する息苦しい生き方になってしまう。
観る前はコメディ一色と思いきや、哲学的な作品で深く考えさせられる。他者との関係性がテーマにありつつも、まるでのんさんのひとり芝居のような感覚もある。
みつ子の役は、のんさんにしか表現できない。あらためてすごい表現者だ。
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masamiさんのコメント
2022年2月22日
h.h.atsu様コメントありがとうございます。それと多くの共感、フォローも感謝致します。
この映画はのんが最高でしたね。もっとスクリーンで観たいでしね。