「カラフル」私をくいとめて セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)
カラフル
おひとりさまを満喫していた光子が職場で出会った多田への恋心をきっかけに、人との距離感に戸惑いながらも自分以外の誰かに心を開いていく姿が爽やかに描かれています。
原作が面白くて、映画も楽しみにしていたのですが、期待通り面白かったです。
30歳を少し過ぎたおひとりさまのあるあるだけではなく、彼女達ならではの目線や気付きから学びや勇気をもらえました。周囲の無神経な言動や、冷たい視線に傷付き、怯えながらも“のんき”を装い、且つ舐められないようにと気を付けながら日々をやり過ごす姿が本当にイタイタしいくらい胸に突き刺さります。
おひとりさまを楽しみながらも孤独の影が常にチラついている。人との距離の取り方がわからない彼女は自由と孤独のバランスがとれない。唯一心を許せるのは彼女の脳内にいる“A”という相談役だけ。“A”は自分自身の声である事を頭のどこかでわかってはいるものの、孤独への恐れや自分への自信の無さが“A”という存在を作り出し、彼女は“A”との会話を止められない。
同監督、同原作者の『勝手にふるえてろ』では主人公の女性とその彼氏のキャラクターの濃さが印象的でしたが、本作では、主人公の光子と彼女を取り巻く女性達がそれぞれに色を持っていて、爽やかに彩られていました。光子の親友、職場の先輩や上司...立場や状況は違えど、彼女達はそれぞれに悩みや不安を抱えている。けれど、自信や覚悟を持ち、自分らしい生き方を楽しもうとしている。光子がそんな彼女達や多田と接していく中で、ゆっくりと自分のペースで自信を取り戻し、人と関わっていこうとする姿に胸が熱くなりました。
コメントありがとうございます。
綿矢りささん、『勝手にふるえてろ』といい、本作といい、この年頃のこじらせ女子的な感情の描き方が上手いなぁと唸ってしまいました。映画の方も原作の雰囲気が上手く出てましたね。脳内のAも優しいし、頼りになるし好きでした。
今晩は♪
「街の上で」にいいね!ありがとうございました。
とても好きな映画でした。
この映画も、30歳くらいのおひとり様の日常を描いて、あるあるそれそれと
共感しました。
綿矢りささんの原作映画は、とても微妙な感情を独自の視点で描いてて
驚かれますね(特に脳内のA・・・光子に優しかったですね)