「文字ではできない映像表現が良かった。」私をくいとめて だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
文字ではできない映像表現が良かった。
なにから、食い止めてほしいのかよくわからなかったが、いいタイトルだと思う。
『勝手にふるえてろ』を見損ねていて、だいぶ気になっているので、先に『私をくいとめて』を見た。
大九明子監督×綿矢りさ原作なので。よかったです。かなりポップな感じ。ところどころ分からない部分があった。
綿矢りさは、インストールと蹴りたい背中しか読んでないはず。
良さげな小説色々出してるみたいだし、時間が出来たら読みたいが、最近めっきり読書量が減り…
のんが主演で、親友役に橋本愛、のんの職場の先輩に片桐はいり。あまちゃんのアキとユイちゃんとあんべちゃんです。
アキとユイちゃんにはすぐ気づいたけど、あんべちゃんもいたことに帰宅するまで気が付かなかったです。
だって、ヘッドハンティングされてきた澤田さんがあまりにかっこよくて、あんべちゃんと重ならなかったんだもの…
これを演技力というのか!と思いました。
脳内相談役「A」をお供に年下の多田くんに恋するみつ子の日常に終始するのかと思いきや、結構多田くん以外の悩みや怒り、悲しみの描写が多かったのが以外でした。飛行機に乗れないとか、唯一の友達の皐月に抱く複雑な気持ちとか、過去に受けたセクハラ被害のトラウマとか、会社での立ち位置への葛藤とか、私的にはもっと掘り下げてほしかったなと思いました。
ところどころ分からないっていうのもこの辺りで、消化しきれない悲しみを持っているようなのに、その原因?とかを全然書かずにいきなり怒りと恐れが噴出するから戸惑うって感じでした。まあ尺とかあるし、もしかしたら原作でも書かれてないのかもだし…
特によかったとおもったのは、ローマへ向かう飛行機の中で、Aにイヤホンをつけて!といわれて付けたら、大瀧詠一が流れ、くちびるつんととがらせてーという歌詞に合わせたカラフルな風船が飛行機内を飛んできたところです。
映画的表現ですよね。あとAの手が耳を塞いでくれるところね。
Aの見た目が前野朋哉氏で、わたしもちょうどいいと思った。でも声がなんか前野氏?ちょっと向井理に聞こえるけど?とおもっていたら、声は中村倫也氏だったらしいです。
後は、ノゾミさん。カーターがすきなノゾミさん。東京タワーでのカーターの望みをすべて網羅すべくドラえもんのポケットみたいな青いカバンからササっと道具を取り出すノゾミさん。最高でした。面白かったです。
みつ子と多田くんのシークエンスは、ふつーというかよくわからんというか、みつ子の年収分からんけどええ部屋住んでるし、ダンスクの鍋だし、かき揚げとかあげられるし、こじらせてる感出してるけど、さらっと飛行機代出せたりするところから見てもお金あるやん、十分リア充では…?と思い、みつ子像が説得力がある姿で思い描けませんでした。
クックパッド見ながらにしろ、人にふるまえる体裁の揚げ物ができる人は、だいぶ力量あるとおもいますで?
会社でプチ局(やったかな?)として居座れるが、ローマと沖縄、年2回の飛行機旅行が出来て、お茶出しが業務に含まれる正社員?東京暮らし…?お茶出しが業務に含まれる会社員はもっと給料低くね?飛行機代は出せ無くね?親がこづかい一杯くれるんか?とか思いました。
あれ、愚痴が多い?でも面白かったですヨ?