「【"ケイブ・ダイバー達の勇気と自己犠牲による奇跡的な、”タイ・タムルアン洞窟”遭難救出劇をドキュメンタリータッチで描いた作品。】」THE CAVE サッカー少年救出までの18日間 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"ケイブ・ダイバー達の勇気と自己犠牲による奇跡的な、”タイ・タムルアン洞窟”遭難救出劇をドキュメンタリータッチで描いた作品。】
ー序盤は、救助に駆け付けた地元有志や、海外のケイブ・ダイバーたちに対しての、タイ政府の対応の悪さ、官僚主義的な態度 ”許可証が必要だ・・” に苛苛しながら、鑑賞。
又、冒頭字幕で流れたように、実際に当時救出劇に立ち会った方々が多数出演しており、”ポンプで洞窟内の水を吸い上げようと態々能力の高いポンプを多数持ってきたおじさんなど” 途中から、当時の”再現フィルム”として鑑賞。-
・この遭難は、良く覚えている。何故なら救出作業をしていたダイバーが一人亡くなっていたからだ。所謂、山で言う二重遭難である。
前半のタイ政府の疎かな対応を観ていると、当時の状況が良く分かった・・。
-海外のダイバー達がTVに映し出される、タイのダイバーの装備を見て”危ない・・、ボンベは二本背負わないと・・”と言う言葉が現実になってしまう・・。-
◆タイ政府も漸く、海外のプロケイブ・ダイバー達を受け入れ、救助作業は急ピッチで進む。ここから、漸く作品に、見応えが出てくる。
-的確な対応が遅いんだよ、タイ政府。
遭難が分かってから少年たちが発見されたのは、9日後である。
如何に”初動”対応が悪かったかが、良く分かる。ー
・イギリスのダイバーが救助要請を受けタイに赴く際、心配する妻の姿。
彼自身も過酷な救出活動に、疲労の色が隠せない・・。(この方は、実際の救助に当たった方のようである・・。)
この方以外にも、いち早く中国から駆け付けた方や英米のプロケイブ・ダイバー達の姿には素直に感動する。
・それにしても、タイの農村が哀しき舞台になってしまったとは言え、”お祈り”したり”きらびやかな踊りが出てきたり・・、でおいおい”と思ったら、
洞窟内の水を排出したが故に、田圃が水浸しになった農民たちが、政府からの補助金を”救助に回してくれ・・”と断ったり、“微笑みの国の文化って、複雑多様だなあ・・”とも思う。
◆ほぼ、海外のプロケイブ・ダイバーが主導して、救助作業は急ピッチで進められる。
少年たちを洞窟に大量に流入した水の中を”意識を失わせた状態”で救出する方法に魅入られる。
そして、この遭難を引き起こす要因にもなったサッカーコーチも、最後に同じ方法で搬出しようとするプロケイブ・ダイバー達。
だが、大人だからか時折、目を覚ましてしまい、焦るダイバーが頻繁に”身体を麻痺させる薬”を注射するシーンは、”頑張れ!ダイバー達”と心の中で、祈るように呟く。
―漸く、全員が脱出できたのは、遭難後18日目だった・・!ダイバー達に感謝の言葉を述べながら、抱き着く少年たちの親族の姿・・。ー
<序盤は苛苛しながら鑑賞したが、
後半の海外のプロケイブ・ダイバー達による、命懸けの救出劇は見応えがある作品。
繰り返すが、どんな遭難でも、”初動”対応が大切である事を、”元山男”が、再確認した作品でもある。>