テロルンとルンルンのレビュー・感想・評価
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量より質
2020年映画館鑑賞79作品目
2018年の作品
演者の皆さんが良い
特に岡山天音小野莉奈川上麻衣子西尾まりの4人がいい
岡山天音はこういう役がよく似合う
うまい
『アルプススタンドのはしの方』で演劇部の女子高生を演じていた小野莉奈もうまい
不機嫌な感じが良い
窓の辺りをしつこくドンドン叩くシーンが面白い
聴覚障害のわりに話す言葉は普通だが発症した年齢や程度の差によって違うのだろう
膝の辺りが痣だらけだが俳優業の前はソフトとかバレーとかに打ち込んでいたのだろうか
すっぴんの川上麻衣子も良かった
夫を爆発事故で亡くしそれが元で引きこもりの息子を抱えた幸薄い疲労感たっぷりなやつれた姿が良い
ヒロインの母親役の西尾まりも良かった
『パパはニュースキャスター』の西尾愛(めぐみ)として子役だった女の子が高校生の子供がいる母を演じても不自然さが全くなく板についている
昭和は遠くなりにけり
「名無しさん恐縮です」5ちゃんねるの芸スポ板である
なんJ鬼女VIP嫌儲例外無く全てにおいて気持ち悪い
映画くらいはネットから離れたいが現代劇では仕方がない
ヒロインに対するいじめはありがちだが虐められる方がやられてばかりでなく反撃したときは正直「いいぞいいぞ」と応援する野蛮な自分がいる
その一方で類に対する執拗な仕打ちはいくら何でも酷すぎる
リアルな竹原市民の民度さえ疑われる恐れをあるのに抗議しなかった竹原の市長は器がでかく偉い
この映画を観て竹原市民を侮辱する連中の方がよっぽど民度が低いんですけどね
窓越しの2人のやりとりがとても良い
忠海地区の景色が素晴らしい
特に最後の方の「下り坂」「類」「タクシー」「海」「島?」の組み合わせの映像がとにかく芸術的で素晴らしく感動的な美しさ
ヒロインの母親についてどう思うかは観た人によって違うだろう
たとえ勘違いとはいえ母親なら娘を心配するのは当然で警察沙汰も許容範囲だと子を持つ親の多くは多かれ少なかれ共感するだろう
逆に親の立場になったことがないどちらかといえば学校カーストの下の方で辛酸を舐めてきた陰キャの人たちはこの母親に対し深く反省し類と娘に謝罪しろと思うに違いない
数年前に川崎市の登戸通りで50代の引きこもり気味の男に通学途中の女子小学生と父兄さんが殺される通り魔事件があった
その事件に対する反応は松本人志と爆笑問題太田とでは全く違うものだった
娘がいる親の立場の松本は犯人にとても批判的で引きこもりの経験があった太田は犯人に少し同情的だった
ネットの多くは太田に共感し松本に批判的だった
つまり何がいいたいかといえば察してほしい
ところでいきなり「せんだい」に引っ越すとは驚いた
仙台だと思うが鹿児島の川内の可能性もなくはない
いずれにせよいい学校があるからって広島県人が親子揃ってそんな遠くに引っ越すことに僕は驚く
坊ちゃんみたいに赴任先の松山から生まれ育った東京に戻るような話ならわかるが
仙台市で1300円を払って49分の『テロルンとルンルン』
山形市で1300円を払って179分の『海辺の映画館 キネマの玉手箱』
映画館が同じグループで会員なのでこの値段で観ることができた
この2作品どっちがお得だろうか
価値観によって人それぞれだいぶ違うだろう
僕は断然前者の方だ
もう一度観てみたいのも前者の方
『新聞記者』は評価が高い一方で批判も多かったが『海辺の映画館 キネマの玉手箱』は不自然なくらいほとんどが高評価に感じる
『テロルンとルンルン』は49分でも映画館でお金を払って観る価値がある
少なくともヘトヘトに疲れたり体調が著しく悪くなることはないはずだ
痛みを知る人
父親が事故を起こしたことで世間から責められて引き籠もる青年と、聴覚障害をもつことで同級生に絡まれる女子高生が、窓越しに出会う話。
父親が花火を自作し事故死してしまい、「世間からテロリスト」と揶揄されると共に、心ない仕打ちを受け自分の世界に入るテロルン。
立ち向かい、相手に弱さを見せないけれど、やはり堪えているルンルン。
そんな二人が出会い、少しの他愛ない時間を共にする姿にホッコリしつつ、その傍らで本質をみようとせず世間のヤツらが勝手につくった空気と、それに流されるバカものどもに苛立ちを覚える。
嫌悪感と哀しさと優しさが入り混じったストーリーで、非常に判りやすいしとても面白かった。
それでも結論は変わらないだろうし、ルンルンママは反省していて欲しかったかなあ。
切ない
テロルンは引きこもりで家に落書きされたり誹謗中傷されたり色々と誤解されてるし報われない事も多いがそれでも精一杯生きてる。
ルンルンは難聴のハンディがあり、友達も居なくて孤独な中で引きこもりのテロルンと通じるものを感じたのかも。
主人公2人とも孤独な境遇、特に悪いことしたわけじゃないのにいじめられてる。ありそうな話だなぁ、と思う。
最後に、直したおもちゃをルンルンに渡させなかったのかなぁ、とも思ったけど、テロルンが持ってた方がいいのかも。
2人とも将来の光が見えたようで良かった。
ラストに救われた
みんな、悪いことした訳ではないのに、どうしてこうなってしまったのか…と思いながら生きていて、切なかった。
ラストも切ないけど、少し希望が見えて救われた。
映画って長さじゃない、内容だなと改めて思った。
あと、役者さんがみんな良かった。
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