Challenged チャレンジドのレビュー・感想・評価
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Social Inclusion(社会的包摂)をまなぶ、良質なtextbook
生産性や効率化が最優先される社会ではSosial exclusion(社会的排除/隔離)が叫ばれ、障がい者や高齢者、外国人は社会からはじき出される。
高度経済成長期の日本でもみられたが、社会が成熟後退する現代の日本にも、ふたたび不寛容な風が吹きはじめている。やまゆり園での殺傷事件と、その加害者の行動に賛同する声がネットで出ていたことはその典型。
そんな退廃的な社会の空気のなかで、一縷の希望を抱かせてくれる作品。
冒頭の瑞宝太鼓のパフォーマンスは圧巻。
ハンディキャップを意識させないレベルの高いプロフェッショナルな演奏に魂を揺さぶられる。
ヨーロッパでの支援施設の取り組みや障がい者の活動や思いが日本のメディアに出ることがないため、本作でのさまざまなな取り組みの紹介はとても参考になる。
政府が障がいのある人をどう支援するかではなく、区別されることなく共生できる社会。
みんなが相違点を認め合い、一人ひとりの個性が活かされる社会。
そんな社会のあり方を国や政府に求めるのでなく、個人やコミュニティでできることはあることを認識させてくれる。
少し離れたところから見守る視点
いろいろ魅力的なキャラクターが紹介されて面白いのですが、欲を言えば、個々のパーソナルなエピソードをもっと見たかった。瑞宝太鼓の演奏シーンは圧巻で、長崎に行って生演奏を見てみたくなりました。
挑戦を与えられた 彼らと私たちのお話
Challenged。
They are challenged by God.
(彼らは試練を神様から与えられた)
神様(日本だと、「天」の方が分かりやすい)から与えられた試練を課された人を、西洋では"障碍者"と呼ばれる。
その試練を乗り越えるべく、その人と周りの人たちは"挑戦"をする。
挑戦を課された人たちの誠実な姿勢が描かれる。
結婚生活や子育ての様子も紡がれてれいる。
24時間テレビとは違う、日々の生活が紹介されている。
田島良昭さんの、インタビューが面白い。おはよう作戦、笑ってしまった。
自分は何の試練を与えられたのだろうと考えてしまう。
その試練にどう立ち向かうのか、見ないフリでは済ませられない。自分の課題に向き合おうと思った。
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