劇場公開日 2021年2月19日

「映画俳優・松村北斗の誕生の瞬間!」ライアー×ライアー ディンゴさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0映画俳優・松村北斗の誕生の瞬間!

2021年2月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

初主演映画というのは、その俳優の今後の名刺代わりになると私は思っています。
浜辺美波『君の膵臓をたべたい』、奥平大兼『MOTHER マザー』など、
まだ名前が知られていない若手俳優達にとって、
他の映画やドラマに出演した際に「あの映画の主演の子か!」と、
映画ファンや世の中に名前を知らせる為にとても大事です。

そして今作は昨年ジャニーズから新たにデビューしたSixTONES・松村北斗さんのデビュー後の記念すべき初主演映画です。

私は個人的に松村氏の事は俳優として知っていました。
ドラマ『黒の女教師』で1話で榮倉奈々と真正面からぶつけて来た演技にあるシーンに衝撃を受けて、
それを鮮明に覚えていましたが名前まではその時は知りませんでした。
ですがドラマ『パーフェクトワールド』で義足の青年役で明暗の心情の切替と表情が見事で、
あの時の少年かと思い出して名前を覚えました。
その後SixTONESがデビューして初めて松村氏がジャニーズのアイドルだと知りました。

今作で初主演となった訳ですが、正直いうと彼がこの題材を選ぶ事が意外でした。
過去出演作のドラマや映画「少年たち」(この松村氏の演技が見事なのでおススメです)を見る限り、
コメディは彼に合っていないのではと思っていました。
ましてや記念すべき初主演映画にラブコメはどうかと不安でした。

ですが、これが見事にハマり役でした!
普段はクールな性格で女性から凄くモテるイケメンですが、
恋人といるとまるで子犬のような無邪気な性格でコロコロ表情が変わるのです。
振り幅が大きいこの主人公を大袈裟にせずリアルに演じたのは、
松村氏の実力があっての事でしょう。

今作を見て松村氏に感じたのは、彼は良い意味で個性が無いと思います。
顔や体格といった見た目、
性格や言葉遣いによる中身、
これらの個性が強いと俳優本人にしか見えず、
役として見る事が出来ないのです。
それが作品や演出によって良く見える事があるかもしれませんが、
そういった作品はごくわずかです。
松村氏はそういった無駄な物が一切なく、
どんな場面でもどんな役でも取り込んで役そのものになれる才能があると思います。

同じジャニーズ事務所の岡田准一さん、二宮和也さんもそういった才能があり、
映画俳優として第一線を走っています。
松村氏には先輩の彼らの背中を追って、
今後も多くの映画に出演して経験を積んで欲しいです。

「ラブコメか、どうしよう…」と観る事に躊躇している方、
是非新星の映画俳優・松村北斗をその目で観て下さい!!!

ディンゴ