スパイの妻 劇場版のレビュー・感想・評価
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日本を貶めたいだけの事実に基づかない妄想映画
米国の国立公文書館は2007年1月18日、
731部隊(関東軍防疫給水部)が満州で行った細菌戦研究などに関する
米情報機関の対日機密文書10万ページ分を公開した。
米国立公文書館が公開した10万ページの資料で判ったことは、
731部隊(関東軍防疫給水部)は細菌戦研究はしていたものの、
戦争犯罪となるような細菌戦や生体実験を行った証拠は全くなかったということだ。
731部隊を裁いたソ連のハバロフスク裁判については、
ロシア人の極東研究者ボンダレンコ氏は裁判そのものを国際法違反だと批判している。
ソ連共産党政治局員による共産主義洗脳教育が行われた結果の口述記録であり、
「行っていないことでも、行ったと言わない限り日本に帰れない」と
脅迫されながらの供述に、信憑性などあるのだろうか。
証拠能力など皆無であることは明らかである。
この点を踏まえてこの作品を観ると、チャンチャラおかしい。
この監督にはアメリカが正義に見えるらしいが、
インディアンの土地を奪い、アフリカから黒人を拉致して奴隷にし、
原爆で非戦闘員の民間人を大虐殺するような国の何処に正義があるというのか。
蒼井優は素晴らしい女優になった
10年以上前に、蒼井優の初めての演劇出演、野田秀樹の「南へ」を観たが、その時は声も出てなくイマイチだと思った。しかし久しぶりに観た彼女の演技は、往年の名女優のような貫禄を感じさせるものになっていた。
劇場版じゃなくて申し訳ない
なんかNHKさんが放送してくれたので、ついタダで見てしまったが、こんなんで感想書いてもいいのだろーか。ま、いっか。
どうも物語には乗り切れない。すごい嘘っぽくて。優作のやりたいことも、聡子の行動も、なんか説得力がない。甥っ子を人身御供にして平気なのか。津森は元々サディスティックな素質があったのか、戦時下でそうならざるを得なかったのか。どこかで腑に落ちる場面があればなー。なぜベネツィアは賞をくれたんだろうか。
でも、絵はきれい。拷問シーンも背中から見せるし、空襲で人が死んでるだろう場面も、聡子の表情だけで語らせるし、とても品がある。服装や建物などもいい。高橋一生の白スーツ、めまいがするほどステキ。蒼井優の明るい色のワンピースや、お着物姿も美しい。あと、言葉づかいが文学的。お嬢様がそのまますてきな奥様になった感。まさに階級があった時代のものでございますわね。少しは真似してみようかしら。
いいと思う面もあったが、自分としては不完全燃焼な映画だった。無料万歳。
BS4Kで鑑賞
ココ最近、BS4Kでの映画視聴にハマっている。
画質は8Kからのダウンコバートで非常に綺麗である。
時代背景もリアルに作り込まれており見応えがあった。
蒼井優の上品な台詞回しが当時の雰囲気を醸し出していた。
昭和初期の日本は徐々に軍国化していき、戦争反対を唱えれば売国奴扱いされる時代だった。
その中で満州関東軍の細菌部隊、いわゆる731部隊の人体実験や細菌兵器開発を告発しようとすれば、確実に国家反逆罪で死刑となったであろう。
この映画の登場人物は実際の史実では無いフィクションであるが、満州の731部隊の人体実験は事実である。
731部隊が実験を行っていたのは、中国東北部の旧満洲にある秘密研究所。実験材料とされ、亡くなった人は3,000人に上るとも言われている。NHKが収集した国内外の数百点に及ぶ資料から、軍人だけでなく、東大や京大などから集められたエリート医学者たちも、人体実験を主導していた実態が浮かび上がった。専門知識を持った医学者が集められ、組織されたことで、実験が大規模に進められていったのだ。
中国東北部ハルビンの郊外20キロに、今も731部隊の本部跡が残る。部隊は、周囲数キロに及ぶ広大な敷地で極秘に研究を進めていた。四角い3階建てのビルには最先端の研究室が並び、その中央には周囲から見えない形で牢獄が設置され、実験材料とされた人々がとらわれていたという。
このような日本の戦争犯罪を描いた映画は少ない。
当時の情勢からこのような内部告発(ディスクロージャー)を実行できる人間は少なかっただろうが、妻を共犯者にしない為に旦那が一芝居うった所は良かった。
結局、離れていてもより深い絆で結ばれたって事をこの映画は伝えたかったのだろう。
中々の昭和レトロなロマンスであった。
暗い日曜日のような悲劇の時代のロマンスというのは、より深く麗しく輝きを放つのである。
当時のインテリ層から見れば、日本の戦争はいかに無謀でアメリカに勝てる見込みなどない事は誰にも分かっていただろう。
それにファシズムが進んで国民の自由が奪われて日本の未来に希望が持てなかったまさに狂った時代だ。
であれば、民主主義のアメリカに勝ってもらって狂った野望に取り憑かれた日本を健全な民主国家にするという使命を実行した事は、長い目でみれば我が国にとっては大義であったと言えるだろう。
主人公高橋一生は決してスパイなどではなく、国際主義の人道家であり英雄である。
現代で言えば、ロシアに亡命したスノーデンと言えよう。
歴史的事実として言える事は、当時の軍部や政治家が日本を破滅に追い込んでしまったのである。
今の時代も同様に誤った国の方針に従い同調圧力という空気に流され、体制側に媚びへつらう人間や官僚が日本をダメにしていっている。
この国を再生させる為には、真実を語り物の道理を貫く精神を取り戻す必要があるだろう。
狂った時代に飲み込まれるな。
戦争が人間を変える
変わらないのは、女だけ。幼馴染も、夫も、ある意味戦争に魅せられた。彼女は愛する夫と一緒にいたい、それだけの思いで生きた。彼女にとっては戦争や守るべき秘密など、どうでも良かった。お見事!はお見事だった。本当に狂った時代だと心から思う。
売国奴を美化したフィクション映画
①厳密には、夫はスパイではない
②妻に、やがてアメリカと戦争になり負けると言っていた夫
なのに、妻だけ日本に残し、一人アメリカへ亡命した夫
それを美談のように描いていることに、違和感を感じた
③実態人体は731部隊をモデルにしている
現実では、人体実験をしたという証拠資料は残っていない
しかし、劇中では実験映像のフィルムやノートが証拠として存在していることになっている
④当時の欧米では、毒ガスなどの生物・化学兵器開発が行われていた
また夫が亡命するアメリカでは、核兵器開発も行われていた
当時の世界の情勢を無視、日本国内からでしか物事が捉えられない井の中の蛙的な考え
見識の視野が狭い、一面的なものの見方しかできていない
⑤夫のようなコスモポリタン主義者は、現在のマスコミに引き継がれている
真偽が確かではない疑惑レベルの話を、さも事実のように脚色し貶める
結果、日本の国益を損なわせる
劇中では、国益ではなく多くの日本人の命を失わせた
⑥この映画は、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞、
カンヌ国際映画祭では万引き家族がパルム・ドールを獲得
近年の海外映画賞では、日本はこんなに酷い国ですよ、
とPRする映画が賞を取れる傾向にあるようだ
制作がNHK、編集に李英美に関わっており、鑑賞前の一抹の不安が的中しました
この映画は作り話フィクションですが、何も知らない人が見れば、
当時はこんなに酷いことが行われていたのかと、事実だと受け取るでしょうね
とにかく蒼井優が良かった
時代ものの作品は、観客としてその時代にタイムスリップできるかどうかが大事な問題で、蒼井優の台詞の第一声を聞いた瞬間から、僕はその時代へ軽々と飛ぶことが出来た。ありがとう、蒼井優!
蒼井優は、昔の映画をチェックして当時の喋り方や身のこなしなどを研究したのだろうか。特に現代劇とは違う時代性のある喋り方が良くて、洒落た古い映画を観ているような気分に誘ってくれた。
もちろん高橋一生も良かった。洋物を好み、スマートで嫌味がない紳士として登場し、蒼井優の芝居と噛み合っていて面白さを引き出している。
それから大河ドラマ「いだてん」のオープンセットを使ったという街のシーンも、豪華なセットで迫力があり、時代的な説得力を出すのに一役買っていた。
ストーリーも3人がかりの脚本とあって練られていて、夫婦がとある計画を進行させるハラハラドキドキ感まで盛り上げていく。
充分に面白いのだけど、盛り上げておきながらあっさり展開が終わってしまう部分もあって、尺が足りなくなったのかなと思った。事実、ラストは慌ただしく展開し、字幕で終わらせちゃったのは残念。最後の行の字幕は、とくに……蒼井優(の役の妻)がどんな気持ちで旅立ったのかに興味が湧きすぎて、「字幕だけで終わらせるなんて、もったいない~!」と、後を引きすぎて映画をひとり終わらせられなかった(苦笑)。
小難しい話はわからないけれど
小難しい歴史などはわかりません。
映像が綺麗、
シリアスな雰囲気の時点で楽しめる、
蒼井優の衣装がレトロで可愛らしい、
高橋一生が紳士でかっこいい、
二人の演技が素晴らしい、
東出昌大の相変わらずの棒演技とスタイルの良さ、
真相が最後の最後までわからなくて引き込まれる、
私レベルでの楽しみ方は
こんなところでしょう。
難しい話はわからないし、戦争ものの恐いやつは観られない人間でも、上記のような楽しみ方もできます。
歴史に詳しい人が観るには賛否両論でしょうが、このように雰囲気で楽しむのもありです。
日本映画のダメな所が出てしまった作品‼️
役者さんの演技、サスペンス的なストーリー等見応えのある作品でした。
只、予算の関係なのでしょうか?前半は、戦時中の建物や背景が緻密に作られているのに、空襲の場面では、爆撃の音だけ、福原が密航する船のシーンは、船全体が見えず船底だけ、さらにラストは海岸での撮影など安っぽさが浮き彫りになってしまい、映画を見ていたのにいきなり舞台を見せられている感覚に陥りました😂
他の日本の作品でもたまにあるのですが、最初だけを豪華に見せすぎて、後半が陳腐なセットになり、映画の世界観が最後で崩れてしまっていて本当に勿体ない作品です♪
2021年第1回目映画館での観賞映画
タイトルから想像以外には何ら予備知識の無かった、そして、NHKドラマであったことも後から知りました。海岸を放浪するシーンは不要じゃないかと、終わり方は大事ですね。
終息しないコロナ禍で、新宿ピカデリーは空いていました。
~「僕が従うのは国じゃない。万国共通の正義だ。」~
【賛否両論チェック】
賛:激動の時代にあって、窮地に立たされる夫を支え続ける妻の強さに、観ていて思わず圧倒される。
否:物語は非常に淡々と進むので、惹かれないと退屈してしまいそう。拷問シーンもあり。
なるほど、確かに雰囲気は「ザ・NHKドラマ」といった感じです。
満州で国家機密を知り、なんとか行動を起こそうとする夫と、そんな彼を支えてきた妻。戦争へと突き進んでいく時代のうねりの中で、1組の夫婦を通して感じるのは、やはり“妻”という1人の女性の強さです。恐るべき国家機密を知った時、夫・優作の人となりにも勿論変化が生まれますが、そんな彼の変化以上に、妻・聡子の「夫を守りたい」という気持ちが、彼女自身を強くしていくようで、そのある種の逞しさには頭が下がります。
戦時中のドラマ特有の、拷問シーンなんかもあったりして、苦手な人にはやや向かないかもしれませんが、淡々とした世界観の中に鬼気迫るものを感じさせるような、そんな作品です。
お見事でしたの意味?
お見事でした?ってどういうこと?
裏切られても使命を果たしたことへの賛辞?
それとも結果として自分が守られたことへの感謝の気持ち?
愛があったのか利用されただけなのか?
難しい。蒼井優が逮捕されることが高橋一生にとって利益のあることなのか?
蒼井優が逮捕されることが蒼井優を守ることになると予想しての密告だったのか?
何の意図があったのか分からない、そこは映画を見る者の判断に任せるということなのか。生き残っていたのか、最後アメリカに渡って再会したのかも分からない。わからないことばかりで強いインパクトのある映画だった。
終盤の失速感が酷い
大東亜戦争終盤からの歴史的事実に沿った、フィクション映画。連れ添っている夫について行きたい妻を演じる「蒼井優」の演技が冴えて、見応えのあって良かったんですが…。
終盤の映画の作り方が雑で「この終わり方は無いわ〜」って思いました。製作費が底をついてしまったのかと思うくらい終盤はショボい。息切れしたマラソンみたい。
フィクション映画だし、最後まで息が切れない盛り上がる映画を観たかったと思います。
旦那さんに誰より好かれたい奥様の物語、と思ったら、旦那の方がさらに...
旦那さんに誰より好かれたい奥様の物語、と思ったら、旦那の方がさらに上手、という映画。
東出さん、目の怖さと、高い背ゆえ姿勢悪いところが、機械みたい血の通ってない感じをさらに増してて適役。
いだてんのセット、もう何作か戦中の映画とってほしいくらい、よく出来ている。
痛い描写は個人的にはもう十分過ぎ、目と耳塞ぐレベル。
表情が訴えるもの
静かだれど秘めた熱い意志が漲る人物の眼に、引き込まれる映画です。スパイゾルゲみたいなイメージとは全然違うし、スパイとは違うけど、当時は密告者もスパイという括りなんでしょうね。こういう人が出てこれないから、今の日本の向き合い方に繋がったのかもなあ。と思いながら観ました。終始、登場人物の眼と表情で繰り広げられる心理的なぶつかり合いでした。さすがの黒澤作品です
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