スパイの妻 劇場版のレビュー・感想・評価
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お見事にお粗末です!
内容の前に、映画としての手抜きが気になってしょうがない。
安っぽいセットだなー!邸宅も憲兵詰め所も会社の倉庫も、借り物感が半端ない。
神戸の洋館?三菱一号館美術館?どこかでみたな…っていう。いや、借りてるんだろうけど、デコレーションがおざなりで。
特に肝心要の、邸宅内の生活感が全くない。
そして特に!家や路面電車の窓の白とび、光での誤魔化しがひどい。私にはアニメの背景処理で屋外の書き込みを省く「白とび」にしか見えなかったんだけど、違うの?
背景や風景を作り込むのに金がかかるというのなら、映画なんて撮るんじゃないよ。元はドラマなのかもしれないけど。
ほんと、これでベネチア国際で銀獅子賞?大丈夫?金積んでもらった賞じゃない?
これが舞台劇だったらセットにはまだ目をつぶるも…。
舞台といえば、やたら仰々しいせりふ回しの蒼井優の演技も上滑り。
戦火の街並みも…。歌舞伎の遠見のようなぼやを前にして「お見事です」とかいわれても。
旦那が日本を敗戦に導いたわけでもあるまいし。
内容にしても、夫婦二人の関係性に深みが見えない。夫のだまし討ちが妻を守る為とは思えず、かといって正義のために闘うという信念も感じず、重荷になった女を捨てたようにしかみえない。
大層な大義名分を掲げてはいるが、ただ単に自由になりたくて、アメリカに密航したようにしか。
最後のテロップは、それでも夫にしがみつこうとする女の哀れな執念か。
台詞も演出も、出演人数も全部手抜きと陳腐さが漂う。
旅館の前、尾行者しかおらんやんけ。
踊り場で取り調べ、おかしいやんけ。
密航用の木箱、あからさまに一つだけ飛び出てるやんけ。
731部隊の所業をばらしたら、アメリカが参戦する?この理屈が一番アホや。
話の展開もかなり読めたし、というかそもそも旦那はスパイじゃないし。
作り手はこれでいいと思ってるのかな?邦画はもう時代物撮っちゃだめだと感じる。
蒼井優が原節子に見えた。
ひかりTVビデオ(独占見放題配信)で鑑賞。
ドラマ版は未見です。
蒼井優が原節子に見えた。誇張ではなく、はっきりそう感じました。時代考証のために言葉遣いが昔の言い回しだったせいもあるでしょうが(台詞回しはかなり上手かったように思います。当時の喋り方を会得するために戦前や戦後間も無い頃の秀作映画をたくさん観たに違いない)、それだけじゃない。
愛する夫に疑念を抱きながらも、大義のための行動に協力しようとする。それは何故か。妻だから。それ以外に無い。
そんな妻の心の動きを見事に表現した蒼井優の演技が小津安二郎監督作品などでの原節子の姿を連想させたのです。
当時本作がつくられていたならば、きっとこの役は原節子が演じることになったのではないかと思いました。
※修正(2023/05/15)
お見事です!
先日野田秀樹先生の「フェイクスピア」と言う舞台で、高橋一生さんの凄まじい芝居を観て、すっかり彼の芝居の虜になりました。
観るたびに別人になっている高橋一生さんの芝居を堪能したくて、コロナのせいで映画館で観そびれていた今作を拝見させて頂きました。
高橋一生さん演じる夫が日本国軍の闇に気づき、苦悩する様も素晴らしかったのですが、蒼井優演じる世間知らずの奥様が見事に変わりゆく様が何とも、はい、お見事です!
あの時代の神戸の様子と小洒落た衣装、趣味の映画など、ココロをくすぐられる美しい映像が満載のなか、ささやかな思い違いから産まれた嫉妬心。少しずつ変わっていく妻。
ドラマ的には事件の当事者である高橋一生の目線で進んでいくのがスパイ映画の王道だと思いますが、ここであえて夫ではなく、世間知らずの奥様の目線で進んでいくストーリー。
実際に夫はスパイではないが、世間知らずの妻目線には国に歯向かう夫はスパイ。
大事な夫と一緒にアメリカに行くのは、あの女でなく私。
私はスパイの妻。すべての原動力は自分の幸せ。
貿易で他国と付き合い、視野の広い夫と夫との小さな世界しか知らない妻。
大きな世界で起きている荒波に正義のために戦う夫と小さな世界で人に言われた事を鵜呑みにして、利己的に戦う妻の対比。
戦前の社会に翻弄された夫婦の物語が本当にお見事でした。
妻には嘘がつけないと言うまっすぐな夫。自分の幸せのために人を見殺しにしたり、盗んだりする妻。
密航の密告は妻を守り、自分の正義を貫くためであり、裏切ったのではない。
エンディングの字幕での夫の死亡報告の偽造。
そして数年後妻はアメリカへ渡った。
たったそれだけの字幕。
私は夫に呼ばれたのだと解釈した。
途中で夫が妻を捨てる決意をした瞬間があったのか、二度見して確認したが、どの瞬間にも妻を捨てようとする気配は感じなかった。
そして実験で他国民が殺された正義の為に戦った夫が妻を捨てる訳があろうはずがない。
ほとぼりの冷めた数年後に妻をアメリカに呼び寄せたのだろう。
そして自分の幸せのために妻はアメリカに走った。
お見事なエンディングです。
真実は鑑賞者に委ねる
前から観たかった作品
ようやくdvd鑑賞
なのにうっかり寝てしまった部分があって、後ろから鑑賞し直した
最初見た印象は、優作のひどい裏切りと感じたのだけれど
後ろから見直すと全てが、優作の計算で深い愛が見えてくるから不思議だ
亡命資金作成の為に貴金属の買い物の際の聡子の浮かれきった様子、尾行に気づかない妻の様子は、メイドにでさえおかしいと気づかれているのに、本人はごまかせていると思い込んでいる稚拙さ
優作は、聡子に美しい育ちのよい妻であることしか望んでいなかった
その妻が、密航するとか(自分の糞便とともに食事をすること)想像さえ出来ずに、愛の為にできると思い込んでいる
そんなことをさせたくなかったこともあるだろう
そんな聡子に愛しさを感じながらそれは重荷で枷で、全ての計画を無にしてしまう恐れ
全て利用するしかなかったと思う
最後
戦後の翌年に、夫の死亡通知が届き偽造された後があり、それをみて聡子はその数年後渡米する
私は、優作は生きていて彼に呼ばれたと思う
病棟で昔の知人医に語る聡子の言葉が深い
彼女が見通していたのはここまでだったのだろうか
それとも彼の計画と愛までだったのだろうか
監督 黒沢清って知って少し以外だった
もっとえぐい話を感情的な映画にしたがる監督と思っていたからだ
楽しめました
スパイの妻とは何なのかな?!
まるで舞台を見ているよう!
そんなんでもないような、、、
ただいま起きてること
計算された素晴らしい作品
優作、聡子、甥の文雄、憲兵の津森、ドラモンド、野崎医師、死んだ女性 と、この作品は登場人物が少ない中、とても緻密に作られた作品だと思う。
見ていた時に気になった(フラグの立った)シーンがいくつかあった。
①序盤、趣味の撮影をしている際に妻聡子が「金庫の番号は覚えてしまったわ」と言ったこと
②イギリス貿易商ドラモンドが預かったフィルムをネタにゆすってきたこと
③聡子が船の船底に隠れていた時に船長とボブがあっさり居場所を教えたこと
①に関してはその後聡子が証拠品を盗むために金庫を開けて伏線は回収された。でもこれはおかしいと思う。大事な証拠品を聡子が見ている前で金庫にしまったからだ。
つまり優作はわざと聡子に証拠品を盗ませるよう仕向けたと考えるのが自然ではないか。
②ドラモンドはスパイ容疑で憲兵に捕まったが、優作が保釈金200円(約50万円相当)を支払って解放された。当時の憲兵の取り調べなら獄死だって充分あり得る事態から助けてもらった命の恩人をゆすったりするものか?見ていた時は「ひでーイギリス人」と思った。しかし後になってよく考えると聡子と別ルートでアメリカに行くための口実に優作が嘘をついたのではないかと。
③本当に聡子をかくまう意思があるなら憲兵に嘘の場所を教えてその隙に逃すとか手段はいくらでもあったはず。それをいともあっさり教えたということは、ここまでも全て優作から指示されていたのではないか。
それから満州に行ったのは何か情報を掴んだ野崎医師から調査依頼があったからではないか。野崎医師は終盤のワンシーンで聡子に面会に来た時に重要なことを語る。優作のことは全部わかっている、とようなそぶりで。
つまり、優作と野崎医師とドラモンドはスパイ仲間で日本を戦争へ向かわせ敗戦させることで修復を図ろうと企てたのではないだろうか?
そしてエンドロール。戦争も終わり目的を達成し偽造文書で別人になりすましてアメリカにいる優作の下へ、聡子は行った。
8Kで観たかった。
映画が始まってすぐ、なんだこの映像?
ドラマみたいな軽い感じで、やたら奥行きを感じるな
と思ったらNHKドラマを映画用に再編集してたのですね。
知らなかった。
映画とドラマで何が違うのかは分からないんだけれども、
映像の違いは分かって、
最後までこの映像に馴染めなかった。
舞台を見てるようだった。
普通のDVDで観たのだけど、8K映像で観てみたかった。
8Kと言えば家電屋さんのテレビコーナーで、
馬鹿みたいに綺麗な映像を延々と流して、
客の足を止めてるのをよくみるけど、
僕もそのうちの1人だけど、
その綺麗な映像で敢えて陰影でみせる演出に変態性を
感じた。もしかしたら8K映像で影のその先をみせるという
事だったのかもしれないけど、
光と影でみせる演出に食い入るように見てしまった。
後半になればなるほど、タイトルのスパイの妻と言う題名が
効いて来て、
スパイの妻を舐めるなよ!って話かと思いきや、
なるほどスパイの妻ねぇ…と言うラスト前の展開に
僕もお見事!と思いました。
「蒼井優人生NO.1演技」
前半の蒼井優ちゃん、この喋り方の演技が許されるの蒼井優だけって感じ...
前半の蒼井優ちゃん、この喋り方の演技が許されるの蒼井優だけって感じだった。他の人がやったら「わざとらしい」「やりすぎ」ってなりそう。
途中から話し方変わって気にならなくなったけど(逆になんで変わったんだろう…)。
私はそこまでだったけど、良作なんだと思う。
とにかく暗い画面が多い。
貿易会社の社長の優作が満州で甥とみたものは、日本軍が行っていた人体実験だった。
それを正義から告発しようとしたものの、時代は太平洋戦争に突入した頃。売国奴と言われるだけだった。
アメリカに亡命してこの現実を明らかにしようとするも、妻をも欺き、妻を売国奴にしようとするのを止めた愛情深いところ。
甥を犠牲にして告発をしようとするのは最初から優作の策略だったのだろうか。そのあたりも回収してほしかった。
昭和15年~20年頃の日本は群集心理のようなもので、トップが言い出したらそれは納得していなくてもYESと言わなければならない雰囲気である。その中で偽造の死亡届と見破り、アメリカに渡って再会できたのは唯一の救いか。
もっと相応しいタイトルなかったかな?
揺れる人物像と物語り
日本を貶めたいだけの事実に基づかない妄想映画
米国の国立公文書館は2007年1月18日、
731部隊(関東軍防疫給水部)が満州で行った細菌戦研究などに関する
米情報機関の対日機密文書10万ページ分を公開した。
米国立公文書館が公開した10万ページの資料で判ったことは、
731部隊(関東軍防疫給水部)は細菌戦研究はしていたものの、
戦争犯罪となるような細菌戦や生体実験を行った証拠は全くなかったということだ。
731部隊を裁いたソ連のハバロフスク裁判については、
ロシア人の極東研究者ボンダレンコ氏は裁判そのものを国際法違反だと批判している。
ソ連共産党政治局員による共産主義洗脳教育が行われた結果の口述記録であり、
「行っていないことでも、行ったと言わない限り日本に帰れない」と
脅迫されながらの供述に、信憑性などあるのだろうか。
証拠能力など皆無であることは明らかである。
この点を踏まえてこの作品を観ると、チャンチャラおかしい。
この監督にはアメリカが正義に見えるらしいが、
インディアンの土地を奪い、アフリカから黒人を拉致して奴隷にし、
原爆で非戦闘員の民間人を大虐殺するような国の何処に正義があるというのか。
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