劇場公開日 2020年10月16日

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「お見事にお粗末です!」スパイの妻 劇場版 REXさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5お見事にお粗末です!

2021年12月14日
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単純

寝られる

内容の前に、映画としての手抜きが気になってしょうがない。
安っぽいセットだなー!邸宅も憲兵詰め所も会社の倉庫も、借り物感が半端ない。
神戸の洋館?三菱一号館美術館?どこかでみたな…っていう。いや、借りてるんだろうけど、デコレーションがおざなりで。
特に肝心要の、邸宅内の生活感が全くない。

そして特に!家や路面電車の窓の白とび、光での誤魔化しがひどい。私にはアニメの背景処理で屋外の書き込みを省く「白とび」にしか見えなかったんだけど、違うの?

背景や風景を作り込むのに金がかかるというのなら、映画なんて撮るんじゃないよ。元はドラマなのかもしれないけど。

ほんと、これでベネチア国際で銀獅子賞?大丈夫?金積んでもらった賞じゃない?

これが舞台劇だったらセットにはまだ目をつぶるも…。
舞台といえば、やたら仰々しいせりふ回しの蒼井優の演技も上滑り。

戦火の街並みも…。歌舞伎の遠見のようなぼやを前にして「お見事です」とかいわれても。
旦那が日本を敗戦に導いたわけでもあるまいし。

内容にしても、夫婦二人の関係性に深みが見えない。夫のだまし討ちが妻を守る為とは思えず、かといって正義のために闘うという信念も感じず、重荷になった女を捨てたようにしかみえない。
大層な大義名分を掲げてはいるが、ただ単に自由になりたくて、アメリカに密航したようにしか。
最後のテロップは、それでも夫にしがみつこうとする女の哀れな執念か。

台詞も演出も、出演人数も全部手抜きと陳腐さが漂う。
旅館の前、尾行者しかおらんやんけ。
踊り場で取り調べ、おかしいやんけ。
密航用の木箱、あからさまに一つだけ飛び出てるやんけ。
731部隊の所業をばらしたら、アメリカが参戦する?この理屈が一番アホや。

話の展開もかなり読めたし、というかそもそも旦那はスパイじゃないし。

作り手はこれでいいと思ってるのかな?邦画はもう時代物撮っちゃだめだと感じる。

REX