人数の町のレビュー・感想・評価
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不思議な力のある世界観
設定が面白くて引き込まれる作品。後半唐突感が半端なくて、いきなり、愛してる?えっ?妊娠してる?えっ?って感じになるとこもありましたが、総合的にいい映画だと思います。
もし衣食住、性までが満たされた自由な世界があったら自分ならどう感じるだろうか。。私たちが当たり前のように目指している家族がいて愛がある世界はほんとに正しいのか。しかもそれが誰しも恵まれるわけではなく、大変で頑張って生きてつかみとらなければいけない世界より、人数の町のほうがいいのでは?様々な数字で見せつけられる社会問題の状況を見ると、こんな気持ちも成立する気がしました。
普通だったらありえない世界ですが、選挙代行投票や危険な治験、レビュアーとしての働きなど、人数としての価値によって、彼らをこの街で活かす意味を与えられていること、それらの見返りに食糧や物が与えられて彼らが働くようにしていること、チューター達にも強制的な感じはあまりなく、あくまでデュードの自由意志でこの街にいるようなスタンスであることが、妙にこの街にリアリティと存在の納得感を与えて恐ろしさが増しました。素晴らしい設定だと思います。
あんまり意識したことなかったけど、戸籍がないとこんなことになるんだな、、と思いつつ、、中村倫也がチューターになるという終わり方もよかったかなと思います。
全体的なB級感と雑な展開は否めないけど、中村倫也の演技もよく、立花恵理がとても美しくて、ストーリー展開が興味津々すぎて飽きない映画でした。賛否あるでしょうがわたしは好きな映画です。
不思議の国の中村倫也Ⅱ
「水曜日が消えた」は心あったまる系のサスペンス仕立て。今度は深夜枠TVドラマを彷彿させる、低予算ダークミステリー仕立て。良い選択してるなぁ、中村倫也って。この予算レベルの映画で主演を務める方が、大予算映画のチョイ役よりも絶対良いと思う。責任の重さを全うして得られる経験値は貴重ですよねぇ、良くわからんけど。
何にしても低予算です。多少のやっつけ感はあります。クオリティ的にはTVドラマ並かも知れない。が、今、このシナリオはTV局では通らないですね。明確に政権をイメージ出来る様にしてくれ。とか。活動家は出しちゃダメとか。難癖付きそうw 冗談抜きにすると、一番やばそうなのは、セックスを廻る取り扱いが、フェミな方々の怒りを買うだろうって点ですw
「人数の町」から眺める時も「外の世界」は美しい?
「人数の町」に馴染んでしまった哲也は「美しい」と言った景色を、紅子は「私にはそう見えない」と言います。
ラスト。「風景が美しく見えるのは、自由だからだ」。
え?え?えええええ?
ちゃうんじゃないですか?
自由を求める心が残っている時、「ただの線と色に見える」
「人数」の中の「1」になりきってきってしまったら「美しく見える」
ラストの哲也のセリフが意味深で、ダークっす。
さてさて。私たちが暮らすこの町は、「人数の町」と何が違うのでしょうか?なんて問いかけも、あるようなないような。
なんか、まぁまぁの雰囲気で良かったです。低予算の初監督作品として見れば、「次回作に大いに期待します!」でした。
でも、やっぱり、作品的には「水曜日」の方が好きやなぁ...
と独り言言いながらインターステラーに移動。
台風、まだ大丈夫そうなので...
3日たっても忘れられない
黒沢清作品をみているみたいだった。
始終モヤモヤした。
テーマはきちんとあるけれど、はっきりとした答えがないからスッキリと劇場を出られないのかもしれない。
でも、鑑賞後3日目になってもこの映画が忘れられない。
ふとした瞬間に、あの町の住民を思い出す中毒性のある作品。
何通りもの解釈があるからだろう。
借金や殺人やDV…などで、この世に居場所がない、どうしようもない人間を迎えに来る黄色ツナギを着た謎の男ポール。
衣食住が保証されるし、快楽をむさぼることができる謎の町に住む様々な人たち。
お金から解放され、子育てから解放され、暴力から解放され…個を捨てて単なる「数」になるという町。
でも、何故か幸せそうには見えない。
…そうか、この町には愛と自由がないんだ。
人との絆や大切なもの、感情の高揚感がない暮らし。
こんな暮らしを望んでいる人にとってはユートピア。
でも愛や自由を求めている人にはディストピア。
石橋静河さん演じる紅子がトリガーになって変化していくデュード蒼山。
中村倫也さん演じるデュード蒼山に自分を重ねながら町を体感した111分間だった。
居場所って誰かに用意してもらうものなのか?と問われた気がする映画。
人間って本当にどうしようもないけれど、大切にしたいものに出会えたときに頑張れるものなのかもしれない。
本作が映画初出演となる立花恵理さんのスタイルが抜群!
体重を増やして体型変えてダメダメ人を演じた柳英里紗さんに拍手。
CMで有名な荒木伸二監督の初長編。
本編の前に挨拶映像が流れましたが面白い方でした。
今後の作品が楽しみです。
自由とは。そして、
住人契約を交わせば、デュード(住人)となり、
衣食住が保証されるある町。
住居は、集合住宅のような一室が与えられ。
食事は、商品を褒めたり、貶したり、ゲームをすれば食べ放題。
衣類は、治験のご褒美?に持てるだけもらえたり。
性の欲望は、気に入った人と話がまとまれば、その時限りでも交わり、発散することを許される。
プールがついているため、行きたくなればいつでも運動することも可能。
親子でも入居可能だが、別な施設に収容されるため、生活を共に送ることはできない。
独特なルールの中でも、借金取りに追われることもなければ、暴力もない。
自由なのだろう。
ただ、町から外に出ることは、決められた時以外不可能。
出れたとしても不快なノイズが耳鳴りし、歩行もままならないため、逃走は困難だ。
だから、自由なようで自由ではないのかもしれない。
戸籍はチュータ(管理者)らに管理され、本当に人数の町だ。
黄色いつなぎのチュータが私は不気味でならなかった。
不快なノイズはトラウマでしかない。
話が途中、駆け足で、んー?ってなることもあったが。
最後の最後に、デュードがチュータになっていて、衝撃だった。
でも、もしかしたら、チュータになっても、あの家族は誰かにまた管理されてるとしたら。。。
これが私の自由な感想で、自由な考え方でした。
とにかくわからない
とにかく、なにがなんだかわからない奇妙な映画だった。
黄色いツナギの人達が不気味。ツナギを着てる意味もわからん。パーカーを着ないといけない意味もわからん。
選挙やデモをして裏社会からお金もらって経済的に成り立ってるんだろうか?とか、なぜ数日居なくなっただけで戸籍が無くなったりするのか?、とか、首の後ろに打ち込まれたのは離れると音が大きくなるだけじゃなくGPS機能もあるのか?とか、いつ紅子がセックスして妊娠したのか?とか・・・
自分で考えろ、って感じの作品でした。
違和感ありまくり
最初の導入部分からずっと頭にはてな
何の説明もなく町での生活開始
話が進む事で色々と分かってきますが、とにかく唐突過ぎて取っつきにくいという印象
中村倫也以外の人物は何の躊躇もなく、町での生活を始める所に疑問・・・
そして、物語が展開して行く鍵となる人物紅子ですが、色々と頭がまわらないいきあたりばったりの設定なのですが、よくそれで社会人やってられるなというレベル
観ててずっとイライラしっぱなし、それに中村倫也が関わり始めると一気にポンコツ化
バスの中でいきなり愛してると告白。そんな描写あったか・・?
そして、みどりと逃げる逃げないの話の際にいきなり出てくる、戸籍がなくなっているという設定。唐突過ぎでしょ・・
んで、逃げる際にみどりの娘のモモを半ば拉致紛いで逃走、黒い機械を奪うも電池がほぼなく、道路に出るまで持たないという・・、重要な機械なんだから使わない時はフル充電してあるのが普通でしょ
そして、逃避行中に紅子妊娠発覚。時間経過の描写がないから誰の子なのかも不明。まあ、話の流れ的には中村倫也との子なんでしょうけど。
そもそも、戸籍ない、仕事もない、家もない、お金も無いそんな状況で子供作るとか頭おかしいんじゃないか?
終いには何故か普通の家で寝ていると思ったらチューターに就職、ここも特に説明無し。
終始観客に「観て察しろ」と言わんばかりの説明足らずっぷり。色々詰め込み過ぎて説明省いちゃったのかな・・。面白い設定だっただけに残念な映画でした
感覚に殴られて
とてつもない良作でした。
とてもタウンワークのCMを作っている監督が作り上げた作品とは思えないくらいエグかったです。
日本が抱えている問題、失踪、難民、失業、待機児童、それら全てを救済する様に見える町ですが、実態は悪事に手を添えてしまうような組織でした。救いようのない人たちが何も考えずに悪事に加担してしまう様子は見ていて痛々しかったです。
何をしても何をしても普通に生活できるのに、謎の消化不良になってしまうほど良い意味でスッキリしないストーリーです。
逃げても捕らえられ、最終的にはなりたくなかったものになってしまう。現実は厳しすぎるエンドを見させていただきました。途中途中挟まれる不協和音が不気味な雰囲気を醸し出していて良かったです。脇を固める役者陣の演技力不足や、ざっくりしすぎた展開は多少気になりますが、それを差し引いたとしても傑作です。ぜひ劇場へ。
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