劇場公開日 2020年9月4日

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「社会に蔓延る愚かさ、残る違和感の答えは現実にあるのでは」人数の町 かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5社会に蔓延る愚かさ、残る違和感の答えは現実にあるのでは

2020年10月15日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

近未来的SF要素とリアルが交錯した、ある種のイヤミス、に感じた。映し出される数字と、人数のために働かされる理由。ラストの着地は少し腑に落ちないが、答えは、現実のなかにあるのではないか。
そもそも、この監督は新人らしい。ここまで建設的な世界を造り上げただけでも驚き。しかし、その世界はあくまで、現実ととなり合わせなのである。だから、他人事に聞こえない。従事しているのは、リアルを塗り替えるためである。人間の都合を人間が造る。だからこそ、どこか気持ち悪くて、目を背けたくなるような節がある。ちょっと現実が怖くなるくらいだ。
問われるかのように突く、人間の愚かさ。この心に残るわだかまりの答えは、現実に落ちているのかもしれない。

たいよーさん。