「【”この景色が美しいのは、自由だからだよ・・”黒沢清監督初期作品のテイストを漂わせる面白き疑似ユートピアー”あちら側”と”こちら側”の奇妙な繋がりーを舞台にしたSF作品。】」人数の町 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”この景色が美しいのは、自由だからだよ・・”黒沢清監督初期作品のテイストを漂わせる面白き疑似ユートピアー”あちら側”と”こちら側”の奇妙な繋がりーを舞台にしたSF作品。】
■劇中出てくる不思議ワード及び仕掛け
・”チューター” 黄色い服を着て、”疑似ユートピア”を管理している人々。
アオヤマ(中村倫也)は、現実世界で借金取りに追われている際に、”チューター”のポールに助けれられ、”疑似ユートピア”に来た。
・”デュード” お前みたいな感じのスラングだが、今作品では”疑似ユートピア”で、無為に暮らす人たちを指す言葉のようだ・・。ある女性チューターは”あちら側”では使い物にならい連中が・・”などと言っている。
・””疑似ユートピア”に”入室”する際に、首に埋め込まれる装置”
無断で外室しようとすると、ノイズが脳内に大音量で流れ、動けなくなる。
・”ただいまから、絶賛タイムです”
”ただいまから、ディスリタイムです”
と放送が入ると、皆一斉に機械で何やら書き込みを始め、食料にありつく・・・。
―”あちら側”の世界で、イロイロな所で有効に使われているようだ・・”-
・時折、”デュード” 達はバスに乗せられ、”あちら側”に行って、”投票”をする・・。
ーコレマタ、”あちら側”の世界で、”有効”に使われているようだ・・”
・社交場のプール。男女が共有。お気に入りの人には部屋番号を書いた紙を渡す。一番人気はプロポーズ抜群の緑(立花恵理)。
ー女王様キャラであるが、ある哀しい過去を抱えていた・・。ー
■そして、徐々にこの町のルールを理解し始めたアオヤマの前に、ある日紅子(石橋静河)がある決意を秘め、現れる・・。
アオヤマは、紅子と緑の娘と3人で、”あちら側”へ脱出しようと試みるが・・。
<荒木伸二監督(兼脚本)。
良くもまあ、ここまで奇想天外な世界を考えたモノである。
漂う世界観とチープさが(褒めてます)初期、黒沢清監督の”こちら側”と”あちら側”を描いた数作品と、何となくテイストが似ているなあ、と思った作品である。>
<2020年10月10日 安城コロナワールドにて鑑賞>