劇場公開日 2020年9月4日

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「【”この景色が美しいのは、自由だからだよ・・”黒沢清監督初期作品のテイストを漂わせる面白き疑似ユートピアー”あちら側”と”こちら側”の奇妙な繋がりーを舞台にしたSF作品。】」人数の町 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”この景色が美しいのは、自由だからだよ・・”黒沢清監督初期作品のテイストを漂わせる面白き疑似ユートピアー”あちら側”と”こちら側”の奇妙な繋がりーを舞台にしたSF作品。】

2020年10月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

■劇中出てくる不思議ワード及び仕掛け

 ・”チューター” 黄色い服を着て、”疑似ユートピア”を管理している人々。
 アオヤマ(中村倫也)は、現実世界で借金取りに追われている際に、”チューター”のポールに助けれられ、”疑似ユートピア”に来た。

 ・”デュード” お前みたいな感じのスラングだが、今作品では”疑似ユートピア”で、無為に暮らす人たちを指す言葉のようだ・・。ある女性チューターは”あちら側”では使い物にならい連中が・・”などと言っている。

 ・””疑似ユートピア”に”入室”する際に、首に埋め込まれる装置”
無断で外室しようとすると、ノイズが脳内に大音量で流れ、動けなくなる。

 ・”ただいまから、絶賛タイムです”
  ”ただいまから、ディスリタイムです”
 と放送が入ると、皆一斉に機械で何やら書き込みを始め、食料にありつく・・・。
―”あちら側”の世界で、イロイロな所で有効に使われているようだ・・”-

 ・時折、”デュード” 達はバスに乗せられ、”あちら側”に行って、”投票”をする・・。
ーコレマタ、”あちら側”の世界で、”有効”に使われているようだ・・”

 ・社交場のプール。男女が共有。お気に入りの人には部屋番号を書いた紙を渡す。一番人気はプロポーズ抜群の緑(立花恵理)。
ー女王様キャラであるが、ある哀しい過去を抱えていた・・。ー

 ■そして、徐々にこの町のルールを理解し始めたアオヤマの前に、ある日紅子(石橋静河)がある決意を秘め、現れる・・。
 アオヤマは、紅子と緑の娘と3人で、”あちら側”へ脱出しようと試みるが・・。

<荒木伸二監督(兼脚本)。
 良くもまあ、ここまで奇想天外な世界を考えたモノである。
 漂う世界観とチープさが(褒めてます)初期、黒沢清監督の”こちら側”と”あちら側”を描いた数作品と、何となくテイストが似ているなあ、と思った作品である。>

<2020年10月10日 安城コロナワールドにて鑑賞>

NOBU