「何が『ラスト20分の衝撃』なのかを見誤ってはダメ」名も無き世界のエンドロール サチコさんの映画レビュー(感想・評価)
何が『ラスト20分の衝撃』なのかを見誤ってはダメ
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これって『成り上がって高嶺の花にプロポーズするってストーリーと思わせておいて実は10年かけた復讐でした』って衝撃?
違うと思う。クリスマスのプロポーズ大作戦が10年前も現在もヨッチのためだけのものだったという衝撃だと思う。
冒頭の会話
マコト「これから迎えに行ってくる」
キダ 「上手くやれよ」
穏やかな笑顔を浮かべる二人。切ない。
だってこれは復讐の成功を願った会話ではなく、天国のヨッチへのプロポーズが成功するように願った会話。キダはあの時点でマコトの気持ちも計画も全て知っていた。そのうえであの穏やかな笑顔。声色。……切ない。
あと、みなさん演技が素晴らしかった。
お気に入りはヨッチがキダの告白を断るシーンとマコトの告白を受けるシーン。きっとヨッチはキダの方に想いを寄せていたけれど運命に従ったんだなと感じさせる演技。露骨じゃなく(きっとキダを…)ぐらいの絶妙なお芝居。
それはラストシーンもそう。背後に立ちつくすキダをほんの少しだけ振り返るあの感じも最高。
そう。エンドロールの後に半年後を匂わせるのどうだろう?dtvはテレビCMで充分じゃない?キダは全てを見届けて二人のあとを追った説があってもいいと思う。まぁ、キダちゃんはヨッチの事を忘れないために死ねないだろうけど。
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