SKIN 短編のレビュー・感想・評価
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短編(20分)
第91回アカデミー賞短編実写賞受賞した作品です。
ガイ・ナティーブ監督がSKIN長編の出資を募るために、
自己資金で製作した短編映画です。
これなら長編の製作費がすぐ集まる筈です。
とても傑作です。
レイシスト(人種差別主義者)の父親に育てられている少年。
スーパーマーケットで黒人に話しかけられます。
怒った父親はスーパーの駐車場で黒人をボロボロに痛めつけます。
数日後、少年の家に見慣れぬバンが止まっていて、父親は拉致されてしまいます。
そしてしばらくして帰って来た時・・・
悲劇は起こります。
父親はレイシストのプライドをズタズタにされる、ある処置をされました。
そして更に更に恐ろしい悲劇が・・・。
長編とは関連のないストーリーだそうですが、非常に衝撃的です。
もちろんSKINの長編と訴えるテーマは同じ。
目には目を肌には肌を
肌の色で人生が変わる
何を盾にして正しさを決めているのか、差別が終わらない深みに心が痛む
20分でこの緊張感、容赦ない感じ…それでも「伝記」と分類されていることが全てを物語っている気がする。
黒人差別とそれをする白人、ひょんなことから始まる地獄の堂々巡り。そこにただフィクションの色はなく、淡々と綴られていく。そう見えながらも、実は伏線を巡らせているから凄い。用意周到であり、妥協がない。
とは言え、日本にいると呑気に生きていても経験することのない世界。軽いジョークのような感覚で差別できる感覚が分からない。だが、何百年も敷かれていた構図は意識を変えない限りこのままなのだろうと思う。植え付けられたものとして存在している以上、完全に差別が無くなるとしたらどれだけ時間がかかるか…途方に暮れる。
これの長編もあるのか…。ちょっと耐えられる気がしない。というか、目を覆いたくなる様な事を受け止められる自信はない。世界のどこかで起きていること、今考えられるのはそれだけ。悲劇を目の前にしない限り、どう向き合えばいいのか分からなくなっている。
ヤラれたらやり返す?
スーパーのレジでたまたま視線が合った黒人男性にニコッと笑いかけた白人の男の子。子供にニコッとされたらニコッと仕返す、別に普通の事なのに。男の子の父親は「オレの息子にちょっかい出すな」と怒り出して酷い言葉を浴びせ、仲間と数人で殴る蹴るのやり放題。ひどい話だ!でもやられっぱなしではなくやり返した黒人男性と仲間たち。その方法が凄いな😣結果もなんとも皮肉!
そんなことをしたら、こんなひどい目にあっちゃうよ!だからやってはいけないよ!道徳の教訓になりそうなテーマ。でも白人至上主義という問題を取り上げたとても重く、色々な人種の人達が真剣に考えないといけない内容をギュッと20分に濃縮した、とても短いけど見応えのある映画。
人種差別にて行き着くラスト
長編版にある救いをかなぐり捨てて凄惨な印象を刻む力強い短編
長編版に先駆けて出資金製作された短編で、劇場公開時に長編と併映された上映もありましたが残念ながら近所ではやっていなかったので、公式サイトでの期間限定公開で鑑賞しました。
ネオナチの男ジェフリーは妻クリスティと幼い息子トロイと共に湖畔で休日を過ごした後立ち寄ったスーパーでトロイに話しかけてきた黒人男性ジェイディ因縁をつけ、家族の目の前で仲間達とジェイディに暴行を加えてしまう。後日突然現れたジェフリーとトロイの前に一台のバンが現れ、何者かに拉致されたジェフリーは今までの言動に対する凄惨な報復を受けることになる。
実話の映画化である長編とは全く趣の異なるフィクションですが、人種差別に対する深い怒りは同じ。あっという間に観終わってしまう短い尺ですが穏やかなトーンのイントロとは真逆の絶望的な結末は強烈な余韻を残します。長編のヒロインでこちらではジェフリーの妻を演じているのがダニエル・マクドナルド。『パティ・ケイク$』で演じた破天荒な主人公とは全然異なる慎ましい佇まいを見せる引きの演技を披露することで、凄惨な物語にかすかな救いをのぞかせます。
全てが凝縮されている
タイトルなし
親の洗脳に子供は影響される。
今起きている事実を直視せよと伝えているような。
こういう映画を直視することや、それに、この直視したことをゼミや仲間や学校で話し合うことが必要。
それによって個人考え、社会の一人一人が変わっていくと思う。こういう現実をみせないと、気づかない人が多い。私には関係ないと思っている人がいると思う。
この映画が伝えたいこと? この映画を観て、自分は何が変わったか? この映画の何がショックだったんだ? 何について疑問だった。なぜ、悲しい?
こういう映画こそ、人間の考え方に影響をあたえて変えると思うから、ぜひその国の背景も意識して討論などに使ったほうがいい。それに、なにか感じるから、心の中の痛みを吐き出してほしい。
親の教育の大切さ、子供は親に洗脳されてしまうから。ジェフリー(Jonathan Tucker)はネオナチ(胸にスワティカの刺青を入れている)で、伴侶と子供トロイと一緒に住んでいる。一見、ネオナチの家庭に見えないくらい、どこにでもいるような人間の家庭。しかし、ネオナチ仲間でいる時にトロイに銃の練習をさせている。スイカを的に射撃することに異論をしめしていた伴侶が、トロイが命中させると、それが微笑みに変わる。トロイの方は銃より、蛇に興味がありそうで、食事中もどこからかじったのか、蛇についての知識を両親に話す。
ある日ジェフリーはつまらないことで、スーパーで黒人男性に喧嘩を吹っかける。怒りの高揚が治らず、仲間をよび、一人の男性にみんなで寄ってたかって殴る蹴るなど、、、。この後は、いたちごっこ。
こんなどこにでもいるような家族にみえるが、ここに怖さが潜んでいる。親の影響で子供が育っていくのが良くわかる。子供は親が何をするかをよくみてる。
トロイが、心に残す傷はなみ大抵ではない。簡単に癒されるものではない。このタネを撒いたのがトロイの両親。
ネオナチの子供はネオナチとして洗脳されていく。もちろん反面教師もいる。この映画でトロイはネオナチにならないと思う。銃の恐ろしさを体験したから。ここで、1組の悪循環であるネオナチが断ち切れたと思う。その反面、ここまでしなきゃ断ち切れないのか。
蛇足
この映画を見終わって、監督はアメリカ人じゃないと思った。やっぱり。イスラエルからのユダヤ人で、何年か前、結婚して、米国に移り住んだらしい。おじいさんはナチの生き残りの方だとか??
これぞ短編の醍醐味!
報い
【”レイシストに対する壮絶な報復” ”負の連鎖”はこのようにして、続く・・。】
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