「製作陣の熱い思いと矜持が結集したアクション作品」狂武蔵 しんかいぎょさんの映画レビュー(感想・評価)
製作陣の熱い思いと矜持が結集したアクション作品
最初に言っておきたいけど、山崎賢人目当てに見行くこと、従来のフォーマットに沿ったような時代劇を期待すること、いわゆるストーリー含む全体としていい映画を期待して見に行くこと、、、もしアナタがこれらに当てはまるようなら見に行かない方がいいし、もし見てしまって期待外れでご立腹であるなら、それはもう運がなかったというよりほかない。
ひとしきりこの映画への悪態をついて気が済んだなら、さっさと忘れてもっといい映画を探しに行った方がいい。
これはいい映画を提供しようというベクトルで作られたものではない。アクション俳優である坂口拓が、自身の求めるアクションの形をその当時のギリギリまでを突き詰めようとしてフィルムに焼き付けたものである。そして後年、それに共鳴したひとたちが再び集まり始めて、映画としての形に成立させたものだ。その動機は何か。アクションを通して限界のその先を見ようとする男の生きざまがあったからだ。
そのことからもわかるように、どんな批判を受けようとも、分かってくれる人に響いてくれれば、この映画が世に出て成功したといえる。
0点を付けようが批判してこき下ろそうが構わない。その批判はおそらく、常識的な映画の観点からすれば何も間違っていないはずだ。だがこの作品は、坂口拓と、そのアクションと、アクションにかける情熱と、それに共鳴した製作陣の全てをひっくるめて愛している人たちが、しっかり後の世に伝えていくから、アナタはなんの心配もしなくていい。
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