はりぼてのレビュー・感想・評価
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富山市の政務活動費不正受給
富山市の政治家たちのドキュメンタリー映画
チューリップテレビが政治家の不正を報道で暴く。政治家は不正が明るみになり不正に得たお金を返還し辞職する
チューリップテレビもコロナの補助金を不正受給して返還する。悪者しか出てこない
市町はコメントする立場にないですべて乗り切る。不正はしてなさそう
ウミは出し切らず隠すもの。
政務活動費を巡る、議員、市長、職員そして後援会の護送船団的悪事。何も富山市に限った話ではないのだろう。
JNNは「全国自治体を調べてみた」をシリーズにしたら良いのにと思いきや、(おそらく永田町からの圧に屈し)報道に支障が出る結末に。日本の暗部をさらに露呈する始末。
政治への不信を通り越して、そりゃ無関心にもなるわ。
余りにも稚拙な犯罪
第二の議員報酬とも称され、全国の地方議会で不正使用が後を絶たない政務活動費(政活費)、城崎温泉(豊岡市)に195回の空出張を繰り返した兵庫県議の野々村竜太郎の2014年7月1日の号泣会見がTVで報じられ呆気にとられましたね・・。
本作はその翌年、富山市議会で連鎖辞職騒動を巻き起こした不正議員への取材活動を描いたチューリップTVの報道ドキュメントです。
領収書の改ざんなどすぐにばれるのは子供でも分かりそう、余りにも稚拙な犯罪、謝罪したり開き直ったりする当事者と他人事のような為政者、地元の損得しか考えない市民が御用聞きのような議員を輩出してきたことは自明ですね、本作はまさに日本の政治の本質を突いた悲喜劇です。
当時、チューリップTVの報道キャスターで取材の中心人物でもあった五百旗頭幸男(いおきべ ゆきお)監督は、不正を働いた議員が悪いのは基よりだが単純に正義感で片づけられない根の深さを感じている、はりぼてとは日本の戦後民主主義を象徴する言葉として用いたとも語っていた。
退社シーンでやっぱり会社に圧力があったのかと思ったが真相は不明、五百旗頭氏は石川テレビに転職後も石川県議会に矛先を変えた「裸のムラ」を撮っています。
さんざん報道されているので映画にしてまで観ようとは思いませんでしたが、色々考えさせられる良作でした。
久々の映画館 3月20日以来 その後オリンピックが中止となり日本中...
久々の映画館 3月20日以来
その後オリンピックが中止となり日本中がパニックになって
映画どころではなくなった
で再開1本目
富山の小さいTV局のドキュメント番組をベースにした作品
ドキュメントだがコメディ しかし笑ってていいのか…という
議員たちのすっとぼけぶりとかこずるさとか
演技での表現は無理レベルだ
演技論について考えさせられる
ホントの会話ってつるつるしゃべれなかったり
主語と述語が対応してなかったりする
でもそれを劇で見せるとわかりにくくなる
分かり易くするには言語明瞭である必要がある
でもリアルからは遠ざかる…
最初議員に丸め込まれる記者が監督のひとり
こいつの無邪気さも最高のスパイスになっている
一番の悪役は市長(あ 役ではないか悪か)
なんかよくわからん制度論で
自分は当事者ではないとケムに巻く 要は逃げる
最後はダサいジャケットを着てオールバックになっている
口先だけ こういう人間が大嫌いだ
古臭い議員の方にまだ親しみを感じるほど
どうでもいいほのぼのネタを隣の女子アナが読んでいるときの
キャスター(もう一人の監督)の微妙な表情
記者の異動とか退職とかが圧力やそんたくを匂わせる
テーマ音楽 タイトルも素晴らしい~愛すべき人間の性~
あと山根基世のナレーションがよかった
抑揚を押さえながらちょっととぼけた感じ
あぁ面白かった
他人ごとじゃないッス
私が住む石川県金沢市と映画の舞台:富山県富山市はお隣で県庁所在地同士、つながりは深く、特有のライバル意識があり、仲の悪さもよく指摘される関係である。また、どちらも保守王国で体質的に同じではないかとの思いがある。この映画への注目度が高いのも当然だ。
映画では、疑惑の議員に対してチューリップテレビの二人がインタビューをする。ファーストコンタクトでは議員側は余裕しゃくしゃくである。しかし自分に突きつけられた刃が「真剣」であり、かわすことができないと悟るや表情が一変する。急にしどろもどろになるか、沈黙せざるをえない。そして場面は急転直下、辞職会見のシーンに変わるのだ。その際の表情は数日前の「わしは先生様でござい」と言わんばかりの自信満々なものとは打って変わってこの上なく情けなくしょぼくれたものとなる。
この変貌は観る者に滑稽に映り、客席からはたびたび笑いが起こった。これは本当に現実の出来事か?フィクションではないのか? そう疑ってしまうほどに呆れた展開が続く。渋りはてた彼らの言動はコメディそのものではないか。編集テクニックのなせる技もあって、登場する富山市議会議員達はあまりにも愚かしく、あまりにも非常識に描かれており、その傍らにいる富山市長は「私はコメントする立場でない」とあまりに無責任な印象を与える。
人間、弱みを突かれたらなんと情けない姿を晒すものか。
攻めている時は勇ましいが、守りに入った途端に醜い本性を現す。
ひるがえって自分は大丈夫だろうかと考えた。私は政治家でないし、権力者でもない。会社のお金、人のお金を着服するようなことはしていないし、何かしら不正に加担している自覚もない。しかし、自分の行動が100%オープンになったと仮定して、100分の100、天地天命に誓ってやましいことはない、と言い切る自信はない。たとえば、皆が職場で働いている時間中、プライベートなことに時間を使うこともある。もし誰かにそこを突っ込まれると返答に窮すだろう。
本映画のように数千万円の税金が不正に流用されるレベルではない。しかし私の”勤務時間中のサボりのようなもの”は、事の本質においてたぶんそれほど変わらない。言わば本人からすればちょっとしたズル。金銭感覚に大いにズレはあるにせよ「ま、これくらいは」と思っている部分において、議員も私も変わらない。議員の場合は市民の税金を着服したことになるので罪は大きいが、私だって会社から給与を得ているのだ。もし私のズルが発覚し、部下からどういうことかと詰め寄られたとする。私は社員たちの前でとんどもない醜態を晒すのではないか。そんな怖さを感じた。
富山市議会議員の世界にあまりにも非常識な慣習がはびこっていたために、非常にわかりやすい内容の映画となった本作。ただし疑問もいくつかある。なぜ五百旗頭氏は退職し、砂沢氏は異動になったのか。チューリップテレビとの間で問題があったのか。ならばこの映画をチューリップテレビが配給しているのもよくわからない。また、不正に着服された数千万円の政務活動費は、何に使われたのかが明らかでなかった。単に議員のポケットマネーになったのか、それとも何らかの政治活動に回っていたのか。不正に手を染めなければならなかった根底をえぐって欲しかった。
そして身近で素朴な疑問。我が街・金沢はどうなのか。ぜひ対岸の火事とせず、地元メディアの検証を期待したいところである。五百旗頭氏はチューリップテレビを退職して石川テレビに来たらしい。そのうちお会いする日も来るかもしれない。
すごくよかった
予算を着服する上に議員報酬を月額10万円上乗せしようとしていて、市議の腐りっぷりがひどい。その上指摘されると恫喝するし、昔はそのように声がでかいことでなんとか誤魔化しができていたのだろう。ひどい時代の遺物が滅びる様子を見るようだ。
ただ、富山の市議はほろんだけど、未だに自民党のGOTOを改めないような人たちははびこっているし、面の皮を厚くすればしのげるような風潮はひどくなってきている。
あっぱれ!!若手記者たち
途中までは
あっぱれ!!小さなローカルテレビ局チューリップテレビ
と、思って観ていたのですが
ラストで、あれ?
あっぱれなのは、若手記者たちだったのだな
と、考えが変わりました。
あんな賢くて正義感のある
若い人たちをこのまま
埋もれさせてはいけないと思いました。
この映画を是非多くの人に観てほしいと思います。
はりぼての政治家に、はりぼてのマスメディア。
そして、自分たちの生活に直結している政治に
関心を持とうとしない
はりぼての有権者(成人)であっては
いけないと強く感じました。
政治の行われ方を把握し
意見を持ち、行動・発信し、
共に社会をよりよくしていこうとする姿勢が
大切だと思いました。
あんなすばらしい若者がいるのだから
まだまだ日本も捨てたものではないと思います。
不正慣れ
今年一番の「コメディ」。
選んだ富山市民含めてね…。
このなんじゃこれは?の市議会議員の大量辞職は富山民でもないのにニュースが目について、忘れてない事件でもあった。
まだ進行中事案とは驚き。
(市議でこのサイズだと国会議員はどれだけズルしてるんだろう)
まさにコメディ
富山市議会議員の不正を追及するドキュメンタリーだが、これまさにコメディです。
政務活動費を不正受給してる嘘つき議員だらけ。
特に議長になったら不正が出てくる、次の議長も、その次の議長も。
辞職議員14名、引退1名、不正がバレても返金して未だに議員やってる人10名。
富山市民は怒りを通り越して呆れてるのかな。
最初に議員報酬月額10万円アップ請求がコメディの伏線で面白かった。
それと、市庁舎のデザインが斬新だった。アレは不正無かったのかな?
最後に、これは氷山の一角だろうと思う。どこの都道府県や市町村でも起きてるんじゃないだろうか?
チューリップテレビの様な報道機関が他に無いだけかも。
何が「はりぼて」なのか?
富山県市議会の自民党議員達の「政務活動費」不正使用に関するドキュメンタリー。
監督は、富山県のTV局「チューリップテレビ」に在籍する/していた五百旗頭(いおきべ)さんと砂沢さんの二人。この作品中に何度も登場する。日本には珍しい、「ジャーナリスト」と本当の意味で言える存在だ。
この二人が中心になって、市議会議員の政務活動費に関する情報公開請求を行って領収書などの情報を集めまくり、徹底的に調べていく。すると、「あれ?この領収書おかしいぞ」という情報がボロボロと出てくる。そして、それを報道する。その結果が14人の議員の辞職。中には不正受給が発覚したのに、まだ現役で議員を続けている人もいる。
議員達の言い訳が聞いていて面白い。
まさにコメディ。
しかし、これは「現実」だ。
皆が感じている通り、これは日本の縮図だ。
これが富山県市議だけの問題なわけがない。日本中の議員も似たようなものだろう。もちろん国会議員も。富山県市議の人たちは取材で「認めている」だけまだマシとも思えてしまう。
森友や加計、桜を見る会、黒川問題、ゴハン論法などを見るにつけ、国会議員のモラル低下の方がよほど問題の根が深い。議員のトップである総理大臣があの体たらくなのだから、地方などその他の議員のモラル低下は当たり前とも言える。そして、新しい菅政権の面子。「5G」と揶揄されているが、とにかく「爺さん」ばかり。頭の中はまだ「昭和」な人々。この作品で追求されているのも同じ爺さんである。どこを見ても年取った男ばかり。政治に関する未来が全く想像できない。まさに縮図だ。
(例外として若い議員が不法侵入で起訴されていたが、これも何かを象徴してる気がする。。)
結末として、五百旗頭さんはチューリップテレビを退職してしまう。
おそらく政治から圧力があったのだろう。局が忖度したのが見ていてわかる作りになっている。
政治もメディアも「はりぼて」だ。
これは富山県だけではない。日本中のすべてが「はりぼて」。段ボールで作った城みたい。
そして、当然それはその城の中に住んでいる市民・国民が原因だ。自分たちがどんな場所で暮らしているのか、全く関心がないのだから。コロナで少しだけ政治に注意が向いたけど、まだ数ヶ月しか経っていないのに、あの騒動をすでに忘れてしまった感すらある。コロナはまだ継続中で打てる対策はいくらでもあるはずだが、メディアはどこも「菅政権」一色。無責任に政権を放り出した人へのご祝儀で支持率をあげる国民。本当にどうしようもない。
できるだけ早いうちに、日本社会は一度崩壊してしまった方が良い。
ただ、この映画には「希望」が少し残っている。
メディアが正常に機能すれば、こういった不正をいくらでも明るみに引きずり出すことができる、ということを、五百旗頭さんや砂沢さんが証明してくれたことだ。
国レベルでも同じことを起こすことができる。
国会議員を厳しく追及していけば、間違いなく同じ結果を引き出せるだろう。
まぁ、その国政メディアの各局こそが、「記者クラブ」という日本で最大の「はりぼて」を構成する組織なわけだが。。。
最後に1つ。
まだ局に在籍してるだろう砂沢さんもこの作品の監督として名を連ねている。
勇気ある行動だ。退職という決断をした五百旗頭さんも同じ。
いつの時代でも、期待できるのは新陳代謝を起こせる若い人たちだ。
その希望を最後に感じられたのは良かった。
爺さん連中は、せめてその若い人たちの「邪魔」だけはしないことを願いたい。
清々しい
富山市にあるチューリップテレビの記者が、富山市議会議員の政務活動費の不正利用を追求してくのね。たぶん発端は、市議会議員の給与引き上げ条例が、お手盛りで可決されたことなの。
そこから、情報請求で政務活動費の領収書を入手して、実際には行われていない市政報告会で配られたとされる資料の印刷代を見つけんのね。
「これ、おかしいですよね」って市議会議員にぶつけると、最初はごまかすの。でも市議会議員も「お前の質問には答えない」という感じではなくて、「質問には答えるよ」って対応すんのね。当たり前のことなんだけど、それだけで、いいなと思った。
で、質問をごまかしながら答えるんだけど、もう言い逃れできなくなって、けっこう簡単に不正を認めんの。それで議員辞職するの。不正をしてるのは一人じゃないから、次から次へと辞職で、もう大変だね。
不正もちょっと調べたらすぐ解るようなやつなの。それで口裏あわせも甘いから、すぐボロが出るんだよね。追求する記者側もうまくて、最小限の情報だけ出しながら、供述の矛盾を引き出してくの。
みててチューリップテレビの五百旗頭記者がキレ者なんだって解ってくるのね。この人が作戦立てて、インタビューも「こういう順番で聞いていけ」ってリハーサルしてたんじゃないかな。
市議会だから地元の名士が「まあまあ、やあやあ」でやってるんだよね。そこに若くて頭のキレる奴が切り込んでいったら、そらもうボロボロになるよ。だから追求される議員の方も「もう、そんな細かなところいつまでもツッコまないでよ」って感じなのね。
思ったのは、富山市の他の報道機関は何やってたんだってことね。多分、その気になれば、不正は暴けたはず。でもそこは大きな問題だと思わなかったか、市議会となあなあだったかのどっちかなんだろうと思う。
追求してくと、どんどん市議会議員のボロが出てきて、疑惑だらけなの。さあ、この調子でやってくのかと思うと、権力側の逆襲っぽいのが出てくる。五百旗頭記者と一緒にやってた砂沢記者が報道から外されんの。「経理です」って言ってたけど、まあ、左遷だね。どこかから、チューリップテレビ上層部にプレッシャーかかったんだよ。
地方局だから、スポンサーも地方だよね。その中には、疑惑の会派の支持者もいるはずで、そこから「広告とめるよ」と言われたら逆らえないとか、そんな事情があったんだろうなあと思ったよ。
五百旗頭を外すとハレーション大きいから、砂沢にしとこってのが、嫌らしいね。
そして、そうした動きを感じ取ったのか、五百旗頭記者はチューリップテレビ辞めるの。
ラストは別の記者が頑張って市議会議員に突撃してるんだけど、芸能リポーターみたいな感じになっちゃってて、あしらわれてた。五百旗頭記者や砂沢記者みたいな、押したり、引いたり、うまいことやりながら何かを引き出すってのはできないの。市議会議員側にしてみれば、安泰だね。
権力は腐敗しちゃうから、市議会議員たちのためにも、報道がきちんと監視できた方がいいんだよね。それで、今回は、ある程度それが働いたの。でも、なあなあのところもある。信頼してる議員に対しては、追求が甘くなってるしね。
この付かず離れずのバランスを保ちながら、互いにコミュニケーションをとって、「富山市にとって何が良いことなのか」を考えていくことができるといいなと思ったよ。
田舎らしさ、庶民らしさ、政治家らしさ、笑えて、そしてやるせない
ルールを守って領収証をちゃんと発行していればよかっただけで、不正への加担は明らかなんだけど、口裏合わせの業者は宛名が長すぎて書けない、やってられないんだと言ってのける。地元の名士たるセンセイから高額な受注を受けておいて「めんどくさい」はありえない。おとこ節と土下座に、「許してあげちゃっていいかも」とオバサマがた。田舎ってこんなかんじだろな。確信に触れぬよう紋切型のセリフで取材を終わらせたり、どうせ今でもそんなに変わってないんだろうし、政治ってそんなもんかなと思わせられる。
ドキュメンタリーは音声が聞き取りづらいことがあり、その点を減点。
https://bunshun.jp/articles/-/39669
ああ、チューリップTV.....
権力と馴れ合うのが当たり前となっている日本のメディアの中にあって、権力の監視というメディアの重要な役割をしっかりと果たしている報道機関があったのか!チューリップTV素晴らしい!と拍手を送りたくなったが…まさかこんなエンディングが待っていたとは…。
やっぱり日本人は、忖度しあって、馴れ合って、周囲と同調していくのが正しい生き方であり、出る杭は打たれて当然という価値観からまだ逃れることができないんだな、と悲しくなった。
日本に民主主義が根付くのは、あと数百年かかるんじゃないかな…。
ただ、この映画を制作した2人の監督には心からの拍手を送りたい。
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