劇場公開日 2022年6月10日

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FLEE フリーのレビュー・感想・評価

全46件中、21~40件目を表示

3.5あくまで個の数奇な人生物語

2022年6月19日
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鑑賞方法:映画館

どうしても社会問題を絡めて見てしまう作品だったけれど、なるべく雑音・雑念を捨て、あくまで一個人の人生物語として観賞したいなーと思いつつ、今この世界情勢では尚更にあらゆる情報がむしろ邪魔になってしまうなぁなんて思ったり・・・決して難しい作品ではありませんが、複雑な内容です。
味わいのある絵ではあるけれど、個人的には、アニメの質は予想通りあまり芳しいものではないと思いました。しかし、あくまでアニメという手法を最大の武器として何かを伝えようとしている志は強く感じます。
今やアニメを用いたノンフィクションというものは珍しいものではありませんが、ただ情報を伝達するということよりも、なるべくその時の思いや感情を強く伝えようとしている意図を感じました。それが良いか悪いかはかなり微妙なところもありますが、物語として捉えると、偏見や偏狭といったものから脱却して、自由な観賞を存分に堪能できるかも─。ロシアが舞台にもなっているので、できれば去年見たかったなーという思いです。
音や音楽の音響にも強いこだわりや迫力を感じて、相当臨場感がありました。そういった意味からも、ドキュメンタリーというよりも─といった感じです。

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SH

4.5紛れもなく傑作。

2022年6月18日
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鑑賞方法:映画館

①映画の間中ウルウルしっぱなしだった映画は幾つもあるが、映画の間中胸(の左上くらいかな)が痛かった映画は少ない。②一本前に『PLAN75』を観たが、勿論全然違うテーマの話とは言え、まだ選択肢のある社会・世界に住んでいて幸せだなと思う。アミンやその家族(ほか劇中の沢山の人達)にはFLEE(逃げる)という選択しかなかったのだから。③アフガン戦争の是非(しかしアメリカも酷いね)や背景を描くのが主目的の映画ではない(勉強せねばとは思わされたけれど)。④アミンがつかざるを得なかった嘘を具現化したシーンや回りで何が起きているのか五里霧中でわからなかった場面を輪郭の曖昧なアニメーションにしているのが却って臨場感を伝えてくる。⑤出てくる2匹の猫がとても可愛い。

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もーさん

4.0不公平

2022年6月18日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

ドキュメンタリーのアニメ?
アフガン、デンマーク、ゲイ?

何のことやらと思いましたが、アカデミー賞で話題になったということで、観てみました。

あまりに自分とかけ離れた話でしたが、時代が多少重なっているため、主人公に寄り添うことができました。

親ガチャという言葉がありますが、これは、国ガチャ時代ガチャだなと思いました。
わたしたちは、生まれてくる国やタイミングを選ぶことができません。でも、それによって人生が大きく異なってきますよね。わかっているつもりでも、忘れてしまいます。

自分は、密入国の船が北欧に向かっていた頃に、客船側にいた人間です。平和な日本に生まれて良かったとかいう話ではなく、不平等は変えられない現実で、申し訳ない気持ちになりました。

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Mikikar

2.5観て後悔した。

2022年6月18日
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鑑賞方法:映画館

この映画を褒めた記事を読んたので、鑑賞してみた。アフガニスタン難民の話で、悲惨な現実を見せられることはわかっていたはずなのに、足を運んでしまった。ドキュメンタリーをアニメーションを使って表現する方法に興味を持ったと思える。
時々、アニメーションから外れ、報道の映像に替わる。こうゆうやり方もあるんだと感じた。

厳しい現実をみせられるので、興味のある方は覚悟を持って見てほしい。

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いなかびと

4.0事実を受け止めやすい

2022年6月17日
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アフガニスタン難民だったある青年の個人史ドキュメンタリー。
未だ青年が本名を名乗れないほどアフガンは危ないとのことで、身を隠すために選んだアニメーションという手法のおかげで、残酷すぎるシーンは『トゥルー・ノース』同様にまろやかになり、さらにはそれでも描けないほどの非道な行為はモノクロの抽象画っぽい線で描かれていたのが、事実を受け止める上では効果的でした。
『カブールのツバメ』『ブレッドウィナー/生きのびるために』『ミッドナイト・トラベラー』と併せて観たいですね。

アフガニスタンで半世紀にわたって起こっている戦争の恐ろしさと、イスラム原理主義が幅を利かせる中で性的マイノリティが生きていくことの過酷さがわかる作品でした。

また、今のソ連をロシアに置き換えると、ウクライナ(特にロシアの占領地域)のことに思い至り、似たようなことが起きているのであろうかと胸が痛くなりました。
作中、デンマークへと亡命するルートにウクライナの飛行場があり、その辺で胸が詰まってしまいました。

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コージィ日本犬

タイトルなし

2022年6月17日
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鑑賞方法:映画館

ロシアからマクドナルドが撤退したニュースをリアルタイムで感じながら、ソ連にマクドナルドがオープンした映像を眺める。

その熱狂のすぐ隣でひとりの女性が国家に蹂躙されて、事件にもならなかったということに救いのなさを突きつけられる。

人の心が貧しくなるのには、どういう過程があるのか。
世の中は一方で悪くなり続けてるんじゃないかとさえ思う。

「ミッドナイトトラベラー」
「チェチェンへようこそ」
「親愛なる同志たちへ」
「マイスモールランド」
鑑賞済みだったこれらの映画が随所に深みをもたらしました。

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たな

3.5平板なアニメーションからどれだけ脳内でイメージを増幅できるか

2022年6月16日
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鑑賞方法:映画館

先品中頻繁にロシアの警察の腐敗ぶりが登場する。現在の世界情勢に照らし合わせると「やっぱりロシアは」となりがちだが、そこは彼の国に限ったことではないだろうから、冷静に捉えるとして。
国外への脱出を試みるシーンは苛烈を極めているはずなのに、平板なアニメーションからは伝わってこないのがもどかしい。
更には難民として海外で暮らすにしても、その国により受け入れ方が随分と異なり、その後の生活も苦労を強いられる(差別が解消されないなど)が、そのあたりもデンマークはどうなのかが今ひとつ伝わらない。
結局、鑑賞した人の持つ国際知識や画像から得た情報をどのように増幅させるかによってこの作品の評価は非常に差がつくのだろうと思った。
それでも多くの人に届けたい作品ではある。

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ニコラス

3.5言葉を失う

2022年6月15日
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その言葉を吐き出さねばならない。
実話をアニメにする事。その表現が現実を現すか?
私は息苦しい痛みを感じた。
生き延びた人々に幸あれ。
死に行く人に想いをはせる。

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すぅ

4.0アフガニスタンから難民となり国外へ逃れた家族の物語。

2022年6月15日
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20年前ということは、2000年頃の話なのだろうか。
映画の中では共産主義政権ということだったと思うのだが、アフガニスタンの歴史は、ウィキペディアを見ても、よくはわからない。
アフガニスタンは歴史的に難民を産み続けていて、世界各地に散らばって存在するようだ。
主人公の少年の家族は、父親が連行され、身の危険を感じたため国外へ逃れた。
最初の地はロシア。ロシア以外に受け入れてくれる国がなかったようだが、観光ビザのため、やがて不法滞在者として暮らすことになる。
スウェーデンにいる兄が仕事をしながらロシアから脱出する資金を工面したが、家族全員は無理なため、最初は二人の姉が送り出されることになる。
そして、次に母と兄と少年の家族三人で脱出しようとするが失敗し、ロシアへ強制送還されたため、母と兄を残し、少年だけが再び送り出され、デンマークへと亡命してことになる。
しかし、一言で亡命と言っても、強制送還や命を落とす危険性もある。
体ひとつで異国へとわたり、人間としての尊厳も保証されない。
ドキュメンタリーではあるが、出演者のプライバシーを保護するため、アニメーションという手法で制作された作品。
ぜひ、劇場で目撃してほしい。

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caduceus

4.0複雑な気持ち

2022年6月15日
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日本でのほほんと暮らしている自分にとって、可哀想だなぁ、大変だなぁとは思っても想像は出来ない。故郷があるのに帰れない、普通に家族と一緒にいれない、そうこうしているうちに大人どころか中年の域に入る。一体なんなんだろう?

密入国の過程を見ているとナイトトラベラー(だったかな?)を思い出しました。

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Oyster Boy

3.0ドキュメンタリーとしての凄さはあるがアニメ映画としては…

2022年6月15日
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鑑賞方法:映画館

本作の主人公アミルが辿ってきた人生はそれはもう壮絶だった。しかも自分よりも年下。現代を生きる人がこれほどの経験をするのかと思わせる内容だった。
アフガニスタン政府も腹立たしいが、本作を観てより怒りを覚えるのはロシアの警察だ。賄賂、暴行、レイプ、窃盗、なんでもありじゃないか。そんな状況で生き延び逃げ切ったアミルの人生を少しでも追体験できる映画だった。
そして流れる音楽もなかなかいい。「Take On Me」が流れるシーンなんて、アフガニスタンの少年がa-haを聴いているんだ!ってだけで親近感がわいてしまう。他にもDaft Punkの曲はとても印象的な使われ方だったし、Roxetteも懐かしかった。
でも、アニメ映画としての出来という意味ではよろしくない。動きもぎこちないし、表情も乏しい。さらにはアニメだからこそもっと攻めた表現もできたはずと思ってしまう。本人たちの顔を出さないために?それならばドキュメンタリーテイストの実写ドラマにしてもいいはず。アニメ映画としての評価となるとこの程度の点数になってしまう。

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kenshuchu

4.5普通の人達なのに普通に生きられない過酷さ。

2022年6月14日
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年代が記される度に自分は何歳でどんな生き方していたなー、なんて思い巡らしてしまった…。自分と同じ普通の人達なのに自分の意思では生きられない過酷な世界。いろいろつらすぎる。語られる主人公もそんな中のごく一部のひとりに過ぎないと思うとなお厳しい…。みいってしまいました。

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peanuts

3.5今回も言い訳がましく、、

2022年6月14日
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鑑賞方法:映画館

毎度悩みながら書いている映画評(そうそう上達しません)ですが、中でもドキュメンタリー作品の評は苦労します。
今作は、アフガニスタンにおいてソ連軍撤退(1989年)後、国内支配をめぐって激しさを増した内戦で国を追われ難民となる「主人公アミン」が、自分と家族を振り返って語る物語です。
そもそも、この「ドキュメンタリー」を「アニメーション」にして語る背景には、とても過酷で理解の域を超える経験と境遇、そして20年間語ることをしてこなかった事情と、アミンの想いのインパクトが強いものとなっており、歴史に疎く、語彙力に乏しい私如きには到底筆舌に尽くしがたく、この評も内容が薄くなっております。すみません。
なお、作品中アミンが「ロシアの警察」に対して繰り返し罵倒します(それだけのことを、自分と家族を含めた多くの同じ境遇の人たちがされた)が、(現在の)日本の難民への対応も「とても褒められたものではない」ので便乗して叩くのではなく、きちんと自分事として捉えましょう。
公開規模もあまり大きくありませんし、「たまの映画なら『トップガン マーベリック』を観たい!」という貴方、それで全然いいと思います。が、いずれ配信でも、もし見かけたら是非観てみることをお勧めいたします。

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TWDera

4.0涙は出なかったけど,心が泣いた気がする

2022年6月14日
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涙は出なかったけど,心が泣いた気がする

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jung

4.0Flee from the Black.

2022年6月14日
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 逃げるという選択は苦しいものだ。逃げるの対義語が追う、挑む、立ち向かう、といったポジティブな言葉だけに、逃げることは如何にも否定的に感じられてしまう。
 説明責任から逃げてばかりの政治家は、たしかに見苦しい。悪事を働いても、嘘を吐き公文書を偽造して逃げ切る。そんな人間が道徳を正規の科目にして愛国心を説いたり、防衛費の倍増を主張したりする姿を見ると、吐き気がする。この国は終わったと思う。自分が政治家だったら決して逃げないと考えたりもする。

 しかし危険が迫っている状況から逃げるのは当然の行動だ。津波や洪水が来たら、誰でも逃げる。人災も自然災害と同じだ。迫害する者や服従を強いる者から逃げることは、否定されるべきではない。むしろ積極的に逃げるべきだと思う。
 最近の日本語には、ブラックという便利な言葉が出来た。ブラック企業という言葉が最初だが、ブラック部活といった使い方もする。個人の尊厳や人権を侵害するような組織をブラックと呼ぶ。国家などの共同体についても使える。日本はややブラック程度だが、アフガニスタンはどう考えてもブラック国家だ。

 共同体がブラックになるのは、指導者が強制的にそうする面もあるが、大半は共同体の住民が、個人よりも共同体を優先することを受け入れるからである。ナチスを生んだのはドイツ国民だ。ヒトラーに熱狂した。日本の軍事政権を生んだのも日本国民である。日の丸に熱狂して、国や天皇を否定する人を非国民と呼んで迫害した。
 国家主義の熱狂は恐ろしい。ガンバレニッポンの精神は戦時中とそっくりだ。敗戦から77年を経て、戦争の悲惨さを忘れた政治家は軍事費を倍にしろとか、台湾有事に備えろなどと吠えている。日本は再び愚かな戦争に突き進むのか。

 国家がブラックだったら他の国に逃げ出すしかない。この世の中がブラックだと知ったら、この世から去るしかない。タイトルの「Flee」は「逃げる」という英語だが、より強い意味の「逃亡する」で使われる。Flee from the Black.

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耶馬英彦

4.0実話なんですよね…

2022年6月13日
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久々に内容を咀嚼するのに時間がかかった映画でした。平和な国で暮らす限りは絶対に理解できない『国難から逃れてきた人々』の映画。観たからといって、この映画の真意が完全に理解できたなんて思ってません。
ただ、生きているだけで誰かに命を狙われる人々がいて、それが恐ろしく理不尽なことであったとしても、第三者が表立って助けてしまうとvs国同士の戦争に繋がる危険性がある。それ以前に自分の命が脅かされる危険性もある。
道徳的には到底正当化できない手段であったとしても、何もしてくれない人々に縋るよりかはマシという現実に、ストーリーを追いながら愕然としてしまいました。
逃げたくて逃げてるわけじゃない。そんな主人公の気持ちが痛いほど伝わる実話でした。

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BONNA

4.5ジャン・クロード・ヴァンダム

2022年6月13日
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序盤こそa~haのテイク・オン・ミーが流れ軽快な雰囲気で始まるが、そこからの人生がひたすら重く辛い理不尽な描写が続く

アフガン難民という言葉はニュースで聞いてはいたが、実際の内情はわからずこのような映画で現実を知る

とにかく過酷で悲惨、辛すぎる⤵️

とりあえずロシア警察がクソ!!

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うんこたれぞう

5.0アフガニスタンから辛くも亡命した1人の青年とその家族の苦難、そしてその先に広がる未来に寄り添う優しいにも程がある前代未聞のドキュメンタリーアニメーション

2022年6月13日
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先のオスカーで国際長編映画賞、長編ドキュメンタリー賞、長編アニメーション賞の3部門ノミネートされたという報道で一体どんな作品なのかと激しく興味をそそられましたが、祖国アフガニスタンからデンマークに亡命した青年アミンの実体験を描いたドキュメンタリーながら本人の素性を隠すために映像を全部アニメに置き換えたもの。フェイスダブルという技術を使って登場人物の顔を全く別人のものに変換した『チェチェンへようこそ ゲイの粛清』とは異なるアプローチで画期的。アミンとその家族が体験する苦難は現実のものとは思えないほど壮絶ですが、それゆえにさまざまな出会いと別れを経て最後に訪れる全てを包み込むかのような穏やかな静寂が胸に沁みます。

キーワードはa-ha、Roxette、ジャン=クロード・ヴァン・ダム、チャック・ノリス・・・自分の部屋に『ブラッドスポーツ』と『地獄のコマンド』のポスター貼っている少年なんてナイスガイに決まっています。もちろん私も『地獄のコマンド』Tシャツを持ってます。

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よね

5.0純粋たるアニメ枠ではないので注意。人を選ぶが対抗以上。

2022年6月12日
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今年164本目(合計440本目/今月(2022年6月度)11本目)。

まず、予告編などからするとアニメのイメージを受けますが、これはここの特集や公式サイト(海外)にあるように「本人特定を避けるため」であるようです。このことは「この物語はストーリーに基づくが人物や状況設定など変えている」とあるように、扱う問題が難民問題とLGBTというセンシティブな問題だけに、こうならざるを得なかったのでしょう。特に本人特定につながる情報に関しては、家族がまだいる(映画内でも明かされる)ことも考えると、うかつに実話ものですってあれもこれも書くことはできないからです。

一方でストーリー「それ自体は」史実のもので、ソ連崩壊後のマクドナルドが出てきたり(もっとも、ウクライナ侵攻を受けてマクドナルドが現ロシアで営業を取りやめたり、ある意味皮肉な一面もあるが…)、大筋においてあることないことは変えていないはずです。

この難民問題も結局はロシアが引き起こしているので(映画参照/1979年の旧ソ連のアフガニスタン侵攻)、まぁそれも考えると「どれだけ迷惑かけている国家なんだ」とは思いますが、「国のトップや思想」には問題はあっても、無関係な市民や文化をたたくのは違いますしね(これをもって、たとえば新潟や北海道に定住者が多いとされるロシア人をみんなでたたき出す、というのがおかしいというのは当然の話)。

難民問題は日本ではこのような形で描かれることは少なく(日本が島国であることによる)、このようにトラックだの闇業者だのに大金を払って国境を超えるということは日本では考えられない(そもそも考えにくい)のですが、当然それは日本や台湾(便宜上の国扱い)など、「ごく一部の島国」がそうであるからにすぎず、当然、圧倒的大多数の国ではこのような方法で人々は理不尽な侵略から逃れ難民化しているのです。

気になった点として、受け入れるべきであろう、それも1980~という、今から(2022年基準)40年前としても、「ソ連(現ロシア)ほどに人権感覚が支離滅裂ではなかろう」と思われる国(スウェーデン、ノルウェーなど)の扱いがひどく(この部分も当時の動画が残っているが、とても40年前とは言えども人のやることではない)、ちょっとそこもどうなのか…というところです(もっとも、この映画はどう解してもそれらスウェーデンたたきをする映画ではない)。

日本には日本で難民問題を抱えており(映画としては「マイスモールランド」など)、それをどう考えるのは日本人(便宜上、当事者など広く含む)の総意に基づくもので、他国の大きな侵略がきっかけで日本に大挙して押し寄せたというのは、あまりありません(第二次世界大戦中や後の混乱期など特有なものは除く。この代表例が「スープとイデオロギー」における「済州4・3事件」や「麗水・順天事件」など)。これに対し、陸続きの大陸ではむしろこういったもの(特にソ連(現ロシア)やISISなどの支離滅裂なふるまいで発生した難民)が圧倒的多数を占めます。
日本ではNHKニュースで報じられる程度ですが、こうした「類型の違う難民の考え方」にもアンテナを張っておかなければ…という、将来、外国人問題を扱いたい行政書士試験合格者からの目線でした。

採点にあたっては、特に減点すべき点はないので、フルスコアにしています。

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yukispica

2.0アニメになって過酷さが伝わらない

2022年6月12日
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鑑賞方法:映画館

寝られる

アフガニスタンのカブールで、アミンの父はタリバンに連行されたまま戻らず、残された家族とともに、アミンは生まれ育ったアフガニスタンから脱出した。その後、家族とも離れ離れとなったアミンは、数年後デンマークへ亡命した。研究者として成功を収め、ゲイをオープンにし恋人の男性と結婚しようとしていた。そんなアミンには、恋人にも話していない20年以上も心に抱え続けていた過酷な過去があった。それを語るというドキュメンタリーアニメ。

主人公、周りの人たちの安全を守るためアニメにし、名前や場所も一部変更したようだが、何をそんなに恐れているのかよくわからなかった。アニメにして過酷さが伝わらなかったのか、過去を語るスタイルがイマイチなのか、とにかくこれじゃあなあ、って感想。
危機感も感じなかったし、BLのエロさもないし、何を感じれば良いのかわからない。合わなかった。
発音の似てる、flee(逃げる)、free(自由な)、flea(蚤)の英単語の違いを学ぶキッカケにはなった。

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りあの