アナザーラウンドのレビュー・感想・評価
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デンマーク愛
アカデミー賞の、授賞式でトマスビンターベア監督が話したスピーチがとても印象に残っており、公開されたら必ず観に行こうと決めていました。
公開期間にタイミングが合わなかったのですが、たまたま期間限定で上映されている映画館があったこともあり、無事スクリーンで見ることがでしました。
作品はドキュメンタリーのようなデンマークの日常を切り取った内容で、アクション系など刺激を求める方には物足りない所もあったのかなと思います。
しかし、平凡な教師を演じるマッツと、その教師仲間達の血中濃度を検証する実験は、見ているうちにどんどん惹き付けられるものがありました。
何気ない毎日の中で誰しもが抱える葛藤や悩み、その中で懸命に生きている人々。まさに人生とは、生きるとは?を考えさせられる作品でした。
リアルな日常を陰影効果を使いながら写し出している所や、登場人物の内面を表しているような音楽(ピアノ)の使い方が絶妙だと感じました。
そして、ラストのマッツのダンスにはこの作品に関わったすべての人とデンマークへの愛がとても感じられました。
母国を愛する力が一つの作品になり、明日への活力になる。当たり前だと思っていたことが制限され、新しい生活が求められる世の中だからこそ、何気ない日常へ目を向ける機会をもたらしてくれた、そんな映画だと実感しました。
ラストだけ最高だった(他はまあまあ面白い)
よく考えたらかなり笑えて、説得力のある映画だと思う。ザ・中年の危機といった感じの主人公が序盤で自己憐憫から涙を流すシーンが可笑しかったし、酔って顔面にケガして路上で寝て発見されるシーンも笑ってしまった。子どもでも飲酒するデンマーク社会を自嘲している印象も受けた。一方で、アルコール依存症の切実な描写もあり、ズドンと突き落とされたかと思うと、かっこ悪いけど大切な友達という存在に後押しされて、夫婦の危機を克服したり、若き心を解放してモダンジャズで踊り狂ったり…地味でしみったれた人間模様だけどなんとも普遍的な物語に思えた。
何を感じれば良かったのだろうか
冴えない高校教師のマーティンと3人の同僚は、血中アルコール濃度を0.05%に保つと仕事の効率が良くなり想像力が増すという理論を証明するため、実験をすることにした。朝から酒を飲み、常に酔った状態を保つと授業も楽しくなり、生き生きとし、生徒たちとの関係も良好になり、良い方向に向かっていくと思われたが、実験が進むにつれて次第に飲酒に制御がきかなくなり・・・という話。
アルコール依存症になって死ぬ奴が居たり、嫁に逃げられたり、ラストのダンスもなんだかよくわからなかった。
この映画を噛み締めて、今日も一日頑張りたい
この映画を見て予定調和で退屈と言っている人もいるみたいだけど、あと1日だけこの映画のことを考えたりスタッフロール最後のアイダへ思いを向けてもらいたい。
映画を見て1日経った今でもあのスタッフロールラストの言葉に涙がでそうになる。もっともっと長い人生を経てアイダに感じてもらいたかったことが、この映画には詰まってるんだろうな。
人生が辛くなったとき、この映画を肴にお酒を一杯飲みながら「もう1日頑張ろう」と思える気がする。
いつかきっとこの映画に感謝することになる。私にとってはそんな映画でした。
LIFE GOSE ON!
うだつの上がらないおっさん4人の人間讃歌ムービー
仕事も家庭もうまくいかない教師のおっさん4人組は
アルコールの力を借りて、人生の軌道修正をはかる。
アルコールのおかげで、はじめは授業も家庭も良い感じの軌道に乗ってうまくゆくんだけど、当然ながらアルコール摂取量はどんどん増えてゆく。
それに比例して、順調になったかに見えた4人の生活に、4人それぞれの形で亀裂が生じる。マッツの場合は、離婚?別居?に……(妻が子供を連れて出て行く)
それでもマッツ含む3人が転落する手前でなんとか踏みとどまれた一方で、トミー1人は破滅へと進んでゆく。
アル中になり全てを失ったトミーは自殺してしまう。
(直接的な描写はないけれど、酔っ払って職員会議に参加したから解雇もんだし、老犬と船に乗って海原に出た後、老犬だけが船に残された描写から、トミーは飛び込み自殺をしたと推察できる)
試験合格に喜ぶ学生と、トミーの訃報を聞いたおじさん3人との心理描写の対比がとてつもなく切ない。
トミーの葬儀の後、感傷に浸りながらレストランで食事をとる3人。マッツのもとに、元妻からのメッセージが届く。そこには希望を予感させるものがある。
ふと窓から、卒業祝いのパレードが通るのが見える。
「おい、あれはうちの高校生だぞ!」
港で卒業生達と落ち合うおじさん3人。
卒業生達の若さと青春が眩しい。
少し躊躇しつつも、卒業生達と祝いのシャンパンをあおるマッツ(ここがフライヤーの場面)
そして、軽妙な音楽の中、アルコールに浸って、
ただマッツは踊り狂う。
そこに言葉はいらない。
なにはともあれ、おじさんの人生は続くのだから。
アルコールをテーマにしつつも、
生きることや人生について物語る映画でした。
あえて希望のあるエンディングにした、監督のエピソード(この映画を作るきっかけを与えてくれたお嬢さんが、製作中に亡くなる。娘のために、暗いエンディングにしたくなかった)とか、メガネ坊(自殺したトミーの教え子)の仕草とか、おじさん4人が酔っ払って楽しそうにわちゃわちゃするシーンとか、いちいち心鷲掴みにしてくる。
めちゃくちゃ笑ってめちゃくちゃ泣いた。
おいおい飲み過ぎだよ
印象に残ったこと
音楽:
冒頭の誕生日祝いで食事をしている場所のなんとも縁起の悪い歌詞の男性コーラス
音楽の授業での合唱
少年サッカーチームの歌声
飲んだくれおじさん四人のダンスのシーンの曲
卒業パレード
窓:
書斎、キッチン、四人が飲んでる家のリビング
どこも大きい窓、北欧ってこうなのかな。素敵。
学校生活:
日本との違いや共通点が知れたこと。進学に関すること、保護者の姿勢など。
職員室の自由な感じ(ソファーなの?職員会議)
素敵だな、羨ましいなと思ったのは仲間。
何がどうということではなく、生活がなんとなく何もかもうまく行ってない苦しみで、涙を見せられる仲間。
奥さんとはすれ違いだ
子育てが爆発的にタイト
老犬の介護
子供が好きだけど自分は家庭がないこと
仕事、私生活のモヤモヤを吐き出せるっていいな。
だから、こんな高校生のノリに近い実験をみんなでやろうってことにもなったんだろう、
冷静に考えたら普通大人はこんなことしない、リスキーだもの、笑!
悲しかった、トミーは愛犬と心中しようとしたのかな。お酒は人を極端な心境にさせるかも知れない、変な方向に勢いづけてしまったのか。
このシーンは酒呑みに対する警鐘だと感じた。
さてコロナ禍でもう随分と友達や同僚と飲むことからご無沙汰だ。週末にでも始めて自分からリモート飲み会の誘いをかけようか、なんか飲みたい気分。
単純に呑んで笑ってみたいな、ウス〜い内容の作品ではないよなあ〜
中年男性4人組。それぞれの悩み、人生の行き詰まりアリ。
ただ、途中4人の中の誰か一人でも『Drunk 』実験中、ストッパー的な役目があればリアリティが増したのかなあと思う。これはラストにも繋がる。
デンマークはよく知らないんですが、主人公の妻が云っていたように、飲んだくれ・アル中が多い国民性なのか?
何せ、歴史の授業中に教師が生徒に『君は一週間どのくらい飲酒する?』と聞いていて、その質問された真面目な生徒の飲むアルコールの量がどエライな!とビックリ驚愕し、何故にこんな大っぴらに先生に話すのか??と思いきや、
最後にデンマークは16歳から飲酒OKと字幕に書いてあり、やっと納得。
しかし、若い人も呑む量がハンパないですね。
デンマークのどの辺りで撮影したか解らないですが、田舎ののどかなサッカーグラウンドの青い芝生に夕陽がさしたり、朝焼けや海の夕焼け、晩秋にバカンスに来た地の湖や自然の景色がとても美しかったです。
じき冬が近づいているシンとした空気や、冷気が伝わってくる。
主人公が奥さんとまだやり直しがきくのであれば、やり直して欲しいと思いました。奥さん、主人公ともに後悔のないように‥。
ラストはあんな事があったのに、またお酒かあ?
と思いましたが、ある日突然4人組の中の一人の親友を亡くしてしまった主人公の気持ちを察しました。
そして、やはり人の孤独の深みなど解らない。
また、このお国柄アルコールで亡くなる人が多いと云う風刺や、声高には云わないメッセージも入っているのかなと。
『○○に捧ぐ』とは‥。監督さんの身近にそんな方がいたのかな?
お酒を飲み、喪服でジャズバレエを踊り、その死を偲ぶ。
愉しいお酒ではなく、偲ぶお酒。
日本にはお通夜がある。皆でビールを飲みながらお寿司を食べながら、時にしみじみと故人との想い出話を語り合ったり、懐かしく笑ったり。
後日、火葬と告別式。
ワンクッションありますね。
欧米とは弔い方が少し違う。
ラストが(どちからというと)悲しいお酒になるのは、ちょっと関係あるんでしょうか?
余談ですが‥
最近の外国映画の予告編と邦題は余りにも作品とのギャップあり過ぎるような‥。
この作品もたまたま面白そうな映画やってないかな?と探して、簡単なあらすじと、一応予告編も観ました。
個人的には好きな作品でした。
けど、どうだろう?予告編のようなお気楽な作品では少なくともないです。
酒飲みには共感の嵐
私はお酒が大好きな人間で、お酒の楽しさを知っている。
お酒のおかげで得た楽しい出来事もあれば、お酒のせいで失ったものがあるという経験は、かなり共感した。
お酒との付き合い方はここ数年考えなければならないというのも感じていた。
私はお酒に関わる仕事をしているのもあって、ほんの数ヶ月前まで毎日お酒を飲んでいた。浴びる程飲んだりもしていた。それで失っているものが多い事も感じつつ、やめずにいたが、友人に禁酒を促され禁酒した。お酒のない生活も慣れたら思いの外強く欲する事もないし、生活がしやすくなった。
でもやっぱりお酒を飲む楽しさを知っているし、お酒の場も好きだし、向き合い方を知っていかないといけないと感じて、飲み始めたところのこの作品だった。
好きに生きればいいと最後の歌では言ってくれた。
主人公達はお酒のおかげで生徒たちを導けたりもしていた。
アルコールのパーセンテージが上がっていって、歯止めが効かなくなって、怪我をしたり、おねしょしたり、私生活がぼろぼろになる。
その流れはとても共感できて、飲んでる時は自分がなんでもできる感覚になって好き勝手やるけど、結果次の日など、後悔しかないという状況はお酒を飲む人にとっては身に覚えがあるのではないでしょうか?
みんな反省して実験をやめるが、トミーはそのまま飲み続けて、アルコール依存症になる。
そして死んでしまった。
死ぬ直前にピーターが生徒に少しお酒を飲ませて試験をしているシーンで、「失敗をしたらまず失敗を認める」みたいな事を言っていたんですよね。
それが、トミーは失敗を認めずお酒をやめる事をせずにいたからという伏線回収もあった。
作品としてとてもストレスなく観れたけど、少し説明が多いなとも思った。
(私が無言の演技や展開が好きというのもあるので、、)
良い風に言えばわかりやすいのでしょうが。
とにかく、お酒を飲む自分にとっては身近な問題として教訓の多い作品でした。
最後に、マッツミケルセンこんなにかっこよかったっけ!?
寝顔にちょっとドキッとしてしまった。
ステキな役者さんだと改めておもいました!
ワールズ・エンド 酔っぱらいは世界を救うみたいのを期待しました キルケゴールに失礼
デンマークの渋い男優さんたちの映画でした。0.05%の血中アルコール濃度を保つと仕事の効率が上がるという仮説を検証して論文にしようと言い出す高校教師の同僚に同意して4人の仲のいい先生たちが昼間から飲んで授業をする。主役の歴史の先生。保護者から苦情を突きつけられる。つまらない授業で、その内容も生徒からダメ出しされるほど。やる気ない表情のナイスミドルの俳優さん。それが、酒飲んで授業すると、生徒の興味を引き出し、授業が盛り上がる。だけども、生徒たちがそもそも未成年なのにかなりの酒豪揃い。イギリス首相のチャーチルが大酒のみで、ヒットラーが下戸だったというエピソードから授業を始めると、生徒たちがわっとまえのめりに。酒にしか興味がないような生徒たちだからツカミはOKに決まってる。わざとらしいよ。音楽の先生も酔っぱらって誉めると、生徒の歌が素人からプロ級に変わる。わざとらしい。それで結局0.05%では我慢出来なくなって、酒量が上がりみんな酩酊状態に。アホな展開。しかし、足腰立たなくなった演技はアカデミー賞。でも、40前ならいざ知らず、50過ぎてこの状態はシラケるよ。おまいら、分別盛りだろ❗ 看護師なのか夜勤の多いカミサンとのすれ違い生活はあるものの、カヌーキャンプで子供がいるのに、透け透けテントであヘアへ合体。なんだ仲いいじゃん。少年サッカーチームのコーチをやっている友達が愛犬をつれてマリーナからボートで泥酔状態で出船して死んでしまう。それで、葬式場面を挟んで、残された仲間の夫婦仲が良くなる。なんだかな~ 0.05%とか細かいことどうでもいいじゃん。オイラは納得できなかったよ。このストーリー。日本人向けではないね。ちょっと、騙されたな。キルケゴールに失礼。
美しき世界観
マッツ・ミケルセンはじめ 主人公4人に圧倒された。「血中アルコール濃度0.05%」を保つと元気がでて、前を向ける。というものを教師4人らが実験したお話である。
人生のお話だとは…鑑賞する前は思いもつかなかった。
これはマッツだけでは無く冴えない(最初は)教師4人の話だ。マッツら4人の授業は見てるこちらまで羞恥心を感じさせるものだった笑。生徒のやる気さえも損ねるものだった笑。
そしてその後「アルコール濃度0.05%」と言う言葉が登場する。
割と早い段階で登場したので前置きがあまりなく見てて苦ではなかった。飲む前と飲んだ後を対照的に分かりやすく表現していたので良かった。(なんと言っても演技のうまさ)
アルコールを摂取して 授業では大盛況!! 見てるこちらも面白かったし、こんな先生がいたら…などと考えていた。
もちろん実験のため成功したらもっと濃度を高めていく。いやーな雰囲気がムンムンしていた…。はい!予想は的中……。
みんなヨレヨレのシワシワになっていた。気性は荒くなるは頭はクラクラするは…嫌なことしかない。「アルコール(お酒)が人をだめにする。」、「その人の本性。」という噂は本当なのかもしれない。僕は高校生なので飲んだことはないがニュースで見るものとは別に本当の怖さを実感したかのようだった。世の中にはいろいろな依存症がある「スマホ依存症」、「アルコール依存症」などなど。「依存症」という言葉の重みをこんなにも感じたのは初めてだ。
クライマックスにかけては マッツ・ミケルセンのタップダンス。そしてあの盛り上がりが最高の締めくくりとなる。生徒たちをいいこすぎる(泣)。「What a life」という曲と映画がものすごくマッチする。良い良すぎる。
デンマークがあんなにも美しいものだなんて…。いつかは行ってみたい!あの素晴らしき世界観。
そしてお酒を飲んで(適量!!)優雅に黄昏れたいなーと思った今日この頃。いつか実現してみたい。
飲んだくれおバカ映画なのかと思ってましたースミマセン!
コレはもうポスターのミケルセンのカッコ良さに惹かれて観ました!血中アルコール度を0.05%に保ち続けるとどうなるか。仕事も過程もうまく行っていない中年教師をミケルセンが自然に冴えない中年を演じてます(でもそこはかとなく漂うカッコよさ)
途中まではみんなイケイケどんどんで全てうまくいくかのように思わせておいて、やはりそんな事はなく。
悲しい展開になって…でも最後の卒業生に囲まれる中ダンスを踊るシーンは、え?結局妻とうまくいくの?どういう展開?なんて疑問も吹き飛ぶ素敵さでした!ミケルセンカッコよすぎ!!
生徒たちの国家の合唱の素晴らしさとか、サッカーチームのメガネ坊がトミーの手を握るシーンとか(可愛くてもう!好き!)ミケルセンの家族でカヌーの旅行に行くシーンとか大好きなシーンがたくさんある映画でした。
お酒は飲んでも飲まれるな、色々あるけど人生は美しい✨な映画です!好き!
もし、この作品を見なければ
北欧•デンマークの(我が国の常識から見れば)ネジの外れた飲酒事情を知ることは無かったと思います。
異国文化を覗き見ることが出来たうえに、「北欧の至宝」ことマッツミケルセンが踊るキレキレのジャズバレエを堪能できるので、大変お得な映画です。
それだけではなく、お話についても
「鬱屈を抱えた仲間たちが」、「事態を好転させるために悪い事をはじめる」、「最初は上手くいくも」「徐々に深みにはまり、とりかえしのつかないことが起こる」、「すべてを失ったのちに残るものは…」
みたいな話かと。
これは、ジャンルは違えど、私の好きな邦画である「日本で一番悪い奴ら」とも共通する骨組みだし、こういうタイプの映画が大好きって人は結構いるのではないでしょうか。
幕切れについても、お酒のネガティブな側面をクローズアップさせたのちに、もう一回ポジティブ面も描くという説教臭さを抑えた着地。
それをマッツミケルセンがダンスで体現するという洒落た演出が良かったです。
ただ、「中年の危機」モノとして壊れた夫婦関係も描くのはいいとして。
奥さんが浮気してましたは微妙かな。なんか唐突かつ、腑に落ちない展開に感じました。
「マンネリでギクシャクした関係に陥った→酒で一瞬修復しかけたかに見えた→やっぱり生活が荒れて、より一層関係悪化→そして…」で良かったような。
悪い飲酒とそれによる弊害を描いているわけなので、パートナー側の責任に転嫁するのは何だかな…と。序盤のギクシャクした家庭の風景がよく出来ていたので蛇足ではないでしょうか。
とかく北欧っていうと「かもめ食堂」のほわほわした感じとか、IKEAのシンプルでお洒落な家具とか思い浮かべがちです。
「北欧のそういう面に憧れる人には、本作とミッドサマーを観せてあげたいなあ」などと思い至りました。
人によって印象は随分異なるだろうが。
飲酒をする人間としない人間とだとだいぶ受け止め方が異なる映画だろう。ほぼ毎日呑む僕の感想は、1)酒は飲みすぎてはいけない。2)何を飲むかよりも誰と飲むかはもっと大事。映画を見終わって帰宅して早速家内と呑んだ。しかしこんなに楽しそうに酒を飲む演技をできるメンバー(酒の力を借りたのかもしれないが)をよくも集めたものだ。デンマーク映画は年に2−3本観るが大変印象に残る作品だった。良い意味でエンデイングの予想は大きく外れた。
恐怖のアル中ホラー~最後まで酒から抜けられないのは誰だ!
トマス・ボー・ラーセン一択やろー。(偏見だ。)13日の金曜日でイチャイチャしてるカップルが犠牲者ってくらい明解やろー(偏見だ。)
行き着くところは、やっぱこうだよね! 北欧インテリアで魅力度2割増し!
映画のあらすじ読んだだけで爆笑してしまったなんて、今までなかった経験だ。
なので期待度高めで鑑賞。その割には、、、のことろも無きにしも非ずだったけど、おしゃれな北欧住宅・インテリア雑貨に囲まれ、いいおっさんたちがエセ理論の探求の挙句、単なる依存症になって迎えるカタルシスをユーモアたっぷりに紡いでくれた。馴染みのなかったデンマークという国の、豊かさゆえに陥りがちな人々のギクシャクした感じが丁寧に描かれていたと思う。部屋の光量の低さも、酒を注ぐグラスのグッドデザインも、窓から見える景色も、実に美しい北欧の世界。これと同じことを日本の学校やコーポを舞台に描いても荒むと思った。残念だけど。
すぐ日本と比べてはいけない
デンマーク
ドイツの北・スカンジナビア半島の間に位置する
バイキングの流れをくむ立憲君主制国家
高福祉高負担国家・世界一幸福な国として知られる
(こういう根拠の薄いランキングには更々疑問だが)
がこと飲酒に関しては年齢制限が原則なく
(購入等には一応制限がある)吞んべえ大国と
しても知られている
酒を浴びるように飲んでいた学生時代を知る
教員を務める中年4人組が張り合いのない
毎日を送るうち誕生日で集まった時に
アルコールの血中濃度を0.05%に保つと
脳の回転が良くなるという仮説をもとに
授業の前に酒を飲んでいくように
なるごとに起こる出来事
なんてことはないテーマのようで
仕事中に酒を飲むなんて不謹慎極まりない
という風潮は日本では当たり前で
海外にもそれなりに現代社会ではあると
思いますがそうした常識を破った先に
見える世界といった描写が印象的でした
呑んべえ大国でアルコールの血中濃度なんて
気にしてる人がよほどいないみたいのも
エッセンスなんでしょうか
まあそんな4人ですがやはり酒
歯止めが利かなくなり酒をどんどん飲んで
いく事で色々問題が起こってきてついには
仕事をクビになってしまったり
奥さんが家を出ていったり散々になってきます
色々な酒がでてきます
パブでみんなで飲むビール
誕生日会で飲むシャンパン
食欲がなくて飲む冷やした白ワイン
酔うためだけに作ったごちゃ混ぜ酒
楽しい奴も悲しい奴も悲喜交々
それらを乗り越え
卒業する教え子を送り出し祝杯をあげるエンディングは
何とも言えない爽快感がある物でした
この映画は単に飲酒を礼賛するわけでなく
本当の自己責任がどこにあるかを突き止める
作りとなっています
日本ではコロナ禍もあり飲酒事態が反社会行為
みたいな取り上げられ方もしますが
結局自己責任の範疇でコントロールするしか
ないのですね
自分は風呂上りの缶ビール一杯で十分なくらい
なのでなにがなんでも飲みたい人たちの
鬱憤まではわかりかねますが
ちなみにデンマークはコロナワクチンの接種率
非常に高いそうで国民580万人全員に
ほぼ打ち終わっているそうです
【”酒は飲んでも、吞まれるな!”酒を百薬の長にするか、酒により身を破滅させるかは、自らの意志次第。この作品は、生きる事を尊ぶ、やや捻りを入れた人生賛歌でもある。】
◆この映画の撮影4日目に、この作品に出演予定だった娘さんを交通事故で亡くしたトマス・ヴィンターベア監督に謹んで哀悼の意を表します。
そして、その悲しみの中、映画製作を続けた気概に対しても・・
ー 高校で歴史を教えているマーティン(北欧の至宝、マッツ・ミケルセン。誰がこの素敵な異名を付けたのか知らないが、激しく同意する。)は、歴史教師の仕事、家庭生活に行き詰まり、無気力な日々を送る。
そんな中、心理学教師ニコライの誕生日を祝う同僚の体育教師トミー、音楽教師ピーターとの会食中に話題になったノルウエー哲学者フィン・スコルドゥールの奇想天外な学説
”血中アルコール濃度を常に0.05%に保つと人生が向上する・・”
を真に受け、ほろ酔いで教壇に立ったマーティンの退屈な授業は徐々に生徒を魅了する面白き授業に・・。そして他の3人の教師達も・・。ー
◆感想
・マーティン達のアルコールによる"人生充実実験"が、酒に呑まれた彼らの弱さを露にして行く過程の描き方の巧さ。
- 自分達はアルコールをコントロールしていると思っていた4人が徐々に酒に呑まれて行く姿。身に覚えが数々あるなあ・・。-
・アルコールにより、明るく前向きになり、妻や子供達との関係性も良くなって行くマーティン。
- だが、酒に呑まれたマーティンは、積年の妻への不満を口にしてしまう。それは、言ってはいけない言葉だった・・。-
・酒に呑まれた体育教師トミーの死を挿入することで、今作が只の酒飲み達の映画ではない事を、雄弁に物語っている。常に控えだった幼きサッカー選手のメガネ坊のセンスを見抜くシーンからの、トミーが、酒に呑み込まれて行く姿。
ー メガネ坊が、トミーの棺桶の上にそっと置いた花一本・・。ー
・ 再後半、心理学教師ニコライのアドバイスにより(コラコラ!)試験の緊張を解きほぐし、見事に試験に合格した生徒の嬉しそうな表情。
そして卒業パーティーでの皆の弾ける笑顔。
距離を置いていた妻からの”私も寂しい・・”と言うメールの言葉。
酒をラッパ飲みしながらの、マーティンの軽やかなダンス!ダンス!ダンス!
ラストは見事な海へのダイブ!
- 嬉しい時に酒を飲む楽しさを再認識し、軽やかにステップを踏むマーティンの姿がとても素敵である。ー
<この作品は、アルコールをコントロールする事で、豊かな人生を見つけようとする4人の男達の姿を描いている。
そこでは、生きる事の素晴らしさと共に、酒に呑まれてしまった恐ろしさもキチンと描かれている。
出来れば、アルコールの力を借りなくとも、豊かな人生を歩むのが一番であることを伝える映画でもある。
矢張り、酒は楽しい時に朗らかな気持ちで飲みたいモノであるなあ・・。>
デンマーク人のための映画?
結論から言うとちょっと私には合いませんでした。何を言いたかったのか?デンマークの飲酒事情?私はよく分かりませんでした。
デンマークのお酒事情がよくわからないし、そもそも臭いでバレるんじゃないかと思ったり、後半の悲劇もなんかあまり悲壮感がなくしょうがないよね、まあ飲んで踊ろうか!みたいな流れは全く相容れない気持ちで観ていました。
あんなに酒飲んでパフォーマンスが上がるんだったら皆んなやってますよね。
中年の抱える問題は分かりますが、職場が同じであれだけしょっ中会って飲めるのだからストレス発散はできているだろうに。あんな実験にかこつけたクソ飲酒で親友を失ってまた飲み始めて踊る?だから嫁に愛想尽かされると納得。しかし妻側に落ち度を作ったり都合よく和解の連絡ってかなりシラけました。
タイトルもアナザーラウンドってまったく反省もなにもしてない感じで結構嫌な気分になりました。
役者と音楽は悪くなかったと思います。
追記 そのあと考えたのですがこれは喜劇なんですね。そう考えるとラストも納得できます。妻からの都合よく来る復縁メール、アナザーラウンド、最後踊って海に飛び込むシーン。
とびっきりの祝杯を
酔うと脳が活性化するというぶっ飛んだ設定に惹かれて鑑賞。
教える立場としてのモチベーションが上がらない教師4人がお酒にハマっていく話をベースに映画は進行するのですが、1章では体験、2章では快感、3章では喪失と希望とテーマごとに分けているのに、何の違和感もなく物語が進んでいく見せ方がお見事だなと思いました。楽しいと辛いが入り混じって感情をメチャメチャにされちゃいました笑
最初の飲酒ではむしろ授業に支障をきたしてしまったのに、何度か飲んだり、飲む量をわずかに増やしたりすると、効果が発揮され授業を楽しいものにできたという感覚がきっかけとなり、血中アルコール濃度を少し上げていきます。そこからの授業はヒトラーを用いた授業で爆笑を掻っ攫ったり、生徒を煽ったり、超優しく接したりと、四者四様ですが、それぞれがうまくいきます。ここでは、お酒を飲むことにより、何気ない話が弾むような居酒屋の光景を映しているように思えました。
そこから家族の関係も取り戻していくマーティンですが、更に更にとお酒の量を増やしてしまい、全員飲んだくれてしまいます。店で暴れ回り、小便を垂れ流したり、家族に怒鳴りつけたりと、一気にお酒の怖さを映しているように思えました。完全にアルコール依存症だなと思ってしまいました。役者の方も酔っ払いの映像などを見て真似されたようなのですが、もう酔いどれそのまんまだなと思い関心しました。
そこから依存症から立ち直っていく様子も映していきます。しかしその途中で、立ち直れず死んでしまう人もいる恐怖を同時進行で描いていきます。死を悟って海へと出て行くシーンは芸術的にも見えてしまったので、この映画とことん凄いなと思ってしまいました。
そして葬儀後、少しだけお酒を飲む残された3人、その外ではお酒の効果を活かした授業で伸びた生徒たちが浴びるように飲んでいて、そこに3人も突っ込んでいきます。「お酒は適度に、だけど美味しい」というのを体現するようにダンスを舞うマーティンは映像的にも映えて、観ている側も興奮してしまうような感情を覚えながら映画は静かに終わっていきます。
自分は普段お酒を飲まないのですが、この映画を見ているとあぁ〜美味しそうだなと思ってしまいました。人生に幸せを提供する、とても心に残る映画でした。デンマーク映画侮れん。
鑑賞日 9/4
鑑賞時間 18:40〜20:45
座席 G-8
マッツの魅力タップリプロモ映画
マッツミケルセンの出演作を一本も観たことなくて鑑賞。
ストイックでちょっとダメなとこもあるけど、家族や奥さん、友人たちを愛してて、押し付けがましくなく人の世話も焼けて頭が良くてダンスができて、要所要所でほろほろ涙シーンがあって、間接照明に照らされる表情が色っぽくて、酔っ払ってて艶っぽくて結局最後ハッピーエンドでカタルシス消化って、監督さん、マッツのこと好きすぎでしょ!?
マッツの魅力がこれでもかってPRされたプロモ映画と言って言い過ぎでない。
ええ、私もしっかりマッツにノックアウトですよ。これから出演作どんどん観るよ、そりゃ。
真面目な話をすると、もう少しアルコールの危うさやそれに伴う家族関係の不安定さをリアルに描いてくれていたほうが良かったなとは思うけど、まあマッツPR映画ですから。マッツが格好良くてこそ。
さーハンニバルから観ようかな(振り幅)
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