Summer of 85のレビュー・感想・評価
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刹那的だからこそ
恋も命も一瞬だからこそ愛しく切ない。仮に人の寿命が1000歳になったとしたら、今よりも人生を深く考えますかね?私は考えなくなると思います。
本作はアレックスの初恋の話ではなく、ダヴィドとアレックスの初恋の話なのだと思いました。ダヴィドは恋の儚さ、刹那の恐怖から、アレックスに対して挑発的な態度を取ったのでしょう。
そうでなければ、ダヴィドはアレックスとの言い争いの時に涙なんか流さないですし、バイクで無茶な運転はしません。アレックスを失うのが怖くて愛しすぎたのかなと思いました。
命の儚さと恋の儚さが、オゾンらしく情緒豊かに美しく描かれています。
サガンやグァダニーノ好きなら好きかもしれないです。
久しぶりのオゾン満喫。
映画タイトルやエンドクレジットのオレンジ色に真夏の海のカクテルブルー。80年代ファッションや音楽。最後まで楽しめました。
一夏の恋、嫉妬、失恋して大泣き、、。ディスコ的なところで踊り狂う中、ウォークマンから静かに流れるロッドスチュアートのシーンは、最高。若さ、っていいな、と思って、静かに涙がこぼれました。
ダヴィドのママにパンツ下ろされるウサギちゃん、アレックスの女装、墓の上で踊るヘンテコダンス、切ないのにクスッと笑える場面も良かったです。
キラキラした瞬間を味わう
期待通りThe Cureの曲が流れる瞬間は最高に美しくキラキラしていた。
人の扱いに長けたダヴィドの華やかな容姿とカラッとした青空と夏。
それだけ揃ってたら、誰しもがフラッとしちゃうだろう。挙句墓の上で踊るなんて、深い繋がり感じちゃうよな。
それだけに、変化して行く関係の苦虫感はもの凄い。
夏の雰囲気を味わうには良い作品だった。
飽きたんだ。
ついていけないなぁとゆう感情に、恋愛映画で久々になりました。
燃えるようなスピードでダヴィデを愛した主人公の壮絶な喪失感はすごく共感できたし、いかに彼を愛していたかがよく見えました。にもかかわらず、小説にすることで軽くなって、彼との思い出は過去にして、新しい男の元へ行くってゆう明るい終わり方に、????となってしまった。
恋愛ってそんなものなのかもしれないから、この描き方が下手とかそうゆう風に捉えたわけではありませんが、わたしには理解が追いつきませんでした、、
一方で喧嘩のシーンは辛いくらい刺さりました。特に飽きた、楽しくなくなった、のセリフが胸に刺さりすぎて、初めて映画館で傷つきました、、笑笑
恋愛へのベクトルが変わってしまってこうなるのは至極当たり前のことなんだろうなと思うと、恋愛には絶望感しか抱けないし、主人公のダヴィデへの想いが単なる理想だったんだとしたら、恋愛ってなんなんでしょうかという気持ちで映画館を出ました、、
BL・・・理解できなかった
1985年夏、セーリングを楽しもうとヨットで沖に出た16歳のアレックスは急な嵐に見舞われ転覆し、18歳のダヴィドに救出された。2人は友情を深め、恋愛感情へと発展し、アレックスにとっての初恋となった。ダヴィドの提案で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てた。しかし、ダヴィドが女の子を抱いた事で喧嘩となり、アレックスが暴れて去り、追いかけたダヴィドがバイク事故で死んでしまった。生きる希望を失ったアレックスだが、誓いをするためおかしな行動を取る、という話。
BLだし、自分勝手に暴れるし、アレックスに共感できるところは無かった。
ダヴィドが寝た女性のケイトは可愛かった。
海などの風景は綺麗だった。
新しい明日を生きることは、決して過去を冒涜することではない
カンヌ出品作とのこと。
「僕はいかれてる。やっと気づいた。死に興味があるなんておかしい。・・・僕は、ある死体にたましいを砕かれた」 という不穏な始まり。「死体が生きていた頃のことに興味がなければ、この先を観ることはやめといた方がいい。君の物語じゃない」・・この冒頭のセリフはいい。少なくとも俺は、俺の物語じゃないんだけれど、観てよかった。すっきり心に届いてきた。
不穏な冒頭の数シーンから、快適な音楽を背景にしたオープニング。つかみはばっちりだった。上手いなあ。以降、本作は、2つのストーリーが交互に描かれる。ひとつは、主人公アレクシとダヴィドの出会いから "ある日" まで。ふたりが親友となり、親友以上の関係となっていく明るく幸せに満ちた前半と、その破綻を描く後半。もうひとつは、その "ある日" から現在までを描くストーリー。
レビュアーの多くがすでに書いてくれているように、「青春映画だった」 にまったく同感だ。疾走する愛とその破綻と悲劇的な結末。自分が得意でないというか、好きなジャンルではないと思っていたが、すごくすんなり楽しく観ることができた。この感覚は、イ・チャンドン監督の「オアシス」に出会ったときに感じた感覚に似ている。
この映画でもうひとつ多くの方がすでに書いている、ロッドスチュワートの曲「セイリング」の絶妙な使われ方。クラブミュージックがガンガン鳴る中で、ヘッドフォンで聞く「セイリング」。どんなに愛しても二人でいても満たされない。いつもいっしょにいたかった。触れていたかった・・・主人公の心情をまさに歌う歌詞。海の向こうの懐かしい場所h僕らはわたっていく。君に会うために危険を冒して・・・"ある日" を歌うかのような歌詞。ほんと、うまい。
ラスト。新しい愛にむかうことを示唆するシーンは、自分も60歳超えているので、観た瞬間には「あれ?もうそんな展開に?」と違和感を感じたが、それってずれてたと観終わって気づいた。「新しい明日を生きることは、決して過去を冒涜することではないんだ」 という宣言にも聞こえて、心地よいエンディングだったと理解できた。
いやあ、なんか、観てよかった映画だった。
6週間もあれば、人生変わる!!!
アレックスが転覆してしまい、そこに救世主ダヴィッド登場。そんな九死に一生を得た的な所から
ダヴィドはビショ濡れのアレックスを自宅に招く。
そこから2人の物語が始まっていく。
ダヴィッドのママがアレックスの服を脱がせるシーン。
そんな馬鹿な………。はさておき。
どんどん惹かれ合う2人。
触れ合っていても不安を拭えない、虚しさが残るアレックス。それは好き過ぎるがゆえの感情何だと思う。
そして、ケイトとダヴィドの関係を知り
心乱れるアレックスとダヴィド。そんな時に冷静になれる程大人ではない。大人でも狼狽する。
ダヴィドはアレックスの想いが重いと言う。束縛しないでくれ!!と言う。
そして、アレックスに飽きたと言う!!
このシーン胸か苦しかった。
そしてお店を飛び出すアレックス。
それを追いかけるダヴィド。
そしてダヴィドは事故にあってしまう。
↑
追いかけると書いたか、追いかけたのかは分からない。
空想です。
16歳の夏。
人生が変わった夏………。
今日も素晴らしい作品に出会えて感謝致します。
'85の夏に飛び込んで!
映像のアナログな質感、ファッション、音楽、人物、
'85の夏がこれ程までに美しく燃え、青春があがく程にもがく程に何故か無情の多幸感に包まれる。夏の終わりにドはまりです。
The cure の「Inbetween Days」はストリートシングスでも見事にダブリンの若者を演出していたのを思い出した。
文学的で哲学的
死の乗り越え方は、それぞれの向き合い方があって。
たとえ他から理解されなくても、文学的で哲学的でとても美しい。
出会いから別れまでひとつひとつのシーン、音楽がかっこよくて綺麗でその時代を描いてるのがいい。
昔の映画を見てるようで、でも新しくて。
悲しいけど、前を向いて生きたくなる映画だと思う。
あとアレックスがとても綺麗で可愛くて、肌綺麗でこれはドキドキするし一目惚れするよって思いました。
理想の自分と出会い本当の自分を知る
一見、
進路に悩み、自分にどんな服が似合うのかも分からない少年が
自分の理想の友人と出会い愛し合う作品に見えるけれど
『触れても満たされなかった』というセリフにあるように自分の理想の人物像に彼を当てはめていたためその人物像と違った彼を受け入れなくなってしまい喧嘩したが、もう一度触れて本当の彼を知ろうとするシーンはとても記憶に残るものだった。
6週間という時間は1人の少年が愛と別れを経験するには長すぎるが、同じように脆い少年を理解するには短かったのかもしれない。
死人に口なし、と言うが明確な真実を与えず理想を理想のままに描くのがなんともオゾン監督らしい。
タイトルなし 見る前と見た後の感想は随分違った。 しょっぺ〜しょっ...
タイトルなし
見る前と見た後の感想は随分違った。
しょっぺ〜しょっぺ〜よ〜。
登場した時からダビッドはちゃらい感じはあったけど。
アレックスと女の子の関係は可愛かった。
私もダビッドに勝手な理想像を作ってしまってたせいかな。
アレックスの不器用な恋は本当に可愛かった。
原作あるけど、オゾン監督は主人公に厳しい恋愛映画多いw
青春の輝き
若い日のひと夏の切ない恋。
短く熱く燃えた夏の日の恋。
一瞬で恋に落ちた2人の若さがキラキラとまぶしかった。
私は歳を取りすぎたのかな…
ストーリーには、
あまり心動かされなかった。
約束通りお墓の上で踊る姿は、
純粋でまっすぐな愛を感じた。
女装姿が
とても可愛かった。
そこ、ツボでした^_^
墓の上で踊れ
80年代の空気感が見事に再現された作品。
80年代の半ばって、世界的に見ても文化が爛熟を迎え退廃に陥っていた頃で、閉塞感のせいで若者が無軌道に生きていたイメージがある。映画を見ていると、フランスでもそうだったんだな、という雰囲気がよく分かる。ベルリンの壁が壊され、新たな世紀を目前にして、これまで見たこともなかった新しい文化、コンピュータとネットワークが世界中を繋ぐパラダイムシフトまではまだ少し遠い、そんな時代だ。
そして(こういう言い方はどうかと思うが)退廃といえば同性愛である。
主人公は青年ふたり、ダヴィドとアレクシ。アレクシは少年でも通じるくらい幼さが残っている。この二人がまた大変美しい。正直若い男の子に興味はないのだけど、このふたりは良い。そんなふたりがいちゃつくのを眺めているだけでも良いのだが、やがてふたりの間に決定的な破滅が訪れ、酷い別れ方をした直後、ダヴィドは無謀な運転の末バイク事故で亡くなってしまう。
二人の幸福が絶頂の頃、ダヴィドは「どちらかが死んだら、残された方は墓の上で踊る」ことをアレクシに誓わせていた。物語はそれを実行したアレクシが逮捕された時点を境に分けられ、2つの時間軸を交互に描いていく。逮捕されたアレクシは、二人が過ごした「362時間8800秒」を小説として書き出す。見つめ直し再認識することで、ダヴィドとの日々に訣別を果たしたアレクシが新たな一歩を踏み出すところで、物語は終わる。
考えてみれば、わたしはアレクシとほぼ同年代だ。だからこそ、まだ大人になりきらない世代の目から見たあの時代の空気感に、共感と郷愁を覚えるのだろう。これに関しては本当に見事だと思う。
そして自分はさておき、あの時代に青春を送るという体験の瑞々しさについても、「青春の瑞々しさ」という世代を超えた共通感覚は別として、なんというか痛いようにわかってしまう、伝わってしまうものがある。ああ、なんかちょっとひりつくような、こそばゆいようなこの感覚。
美しい
主演2人がとにかく美しい。
ダヴィドは憎いくらいの人たらしで超絶魅力的。
わたしも身近にこんな人がいたら凄く刺激的で魅了されるだろうから、
アレックスの苦しさが胸に沁みて沁みて…
風景の美しさ、ノスタルジーな雰囲気、爽やかだけど色気があって、儚い…
だけどアレックスにはどこか現実的な人間味を感じて。
とても印象に残る作品でした。
1985年、夏のフランス、海に近い小さなとある町。 2年前にこの地...
1985年、夏のフランス、海に近い小さなとある町。
2年前にこの地に引っ越してきて両親と暮らす16歳の少年アレックス(フェリックス・ルフェーヴル)。
ある日、友人の小型ヨットを借りて沖に出た彼は、天候の急変で転覆してしまう。
幸い、近くを通りかかった18歳の少年ダヴィド(バンジャマン・ヴォワザン)のヨットに救助され、ふたりはその後意気投合し、やがてその関係は友情を越えたものになっていく・・・
といったところからはじまる物語で、フランソワ・オゾン監督によるストレートなボーイズラヴもの。
青春の儚い日々をいつくしむように全編フィルム撮りされた映像は瑞々しい。
80年代という空気感を表現するのに、このフィルム撮りは必須だったでしょう。
アレックスにとっては「初恋」と呼ぶにふさわしい、ダヴィドへの想い。
しかし、自由人であるダヴィドはアレックスだけでは飽き足らず、英国からやって来た21歳の女性ケイト(フィリッピーヌ・ヴェルジュ)とも関係をもってしまう。
「きみだけでは物足りない、そして、きみはぼくを束縛する、自由になりたかった」とダヴィドは言うが、本心のところでは、アレックスを試しているともいえる。
嫉妬に駆られたアレックスは激昂し、ダヴィドのもとを飛び出すが、バイクで後を追ったダヴィドはスピードの出しすぎで事故ってしまい、帰らぬ人となってしまう。
「どちらかが先に死んだら、残ったほうは、死んだほうの墓の上で踊ろう」との誓いどおり、アレックスは実行に移すが、その想いは周囲のひとびとには通じない・・・
1985年という時代は、周囲のひとびとは、アレックスの行為を常軌を逸したものと捉えており、まだまだ同性愛に対する理解は進んでいなかった。
そんな時代だった。
映画のラスト、アレックスは気を許せそうな新たな友をみつけるのだけれど、瑞々しい初恋がぶっ壊れたような感じで、個人的には余計な付け足しに感じられました。
このラストで大幅減点です。
アレックスを演じたフェリックス・ルフェーヴル、ダヴィドを演じたバンジャマン・ヴォワザン、どちらも意外と垢抜けない感じで、個人的にはいまひとつかなぁ。
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