「頑張りはよくわかるが水平線は見えている」キングダム2 遥かなる大地へ トレモロさんの映画レビュー(感想・評価)
頑張りはよくわかるが水平線は見えている
原作を尊重して、できる限り表現しようという気持ちはよく伝わってくる作品。キャストも豪華でかなり合っていた。
しかし、1作目はストーリーの構成上、個と個の戦いに焦点を置けたが、今作からは軍VS軍の戦いになり、どうしても戦闘描写が大味になってしまっている。
また、1作目は起承転結が分かりやすかったが、今作は、原作での尺が長くそれを再現するために、開始数分で戦争が始まり、そのままずるずる最後まで戦争で、あまり起承転結も盛り上がりどころも感じられなかった。
キャストが豪華であると触れたが、吉沢亮や橋本環奈など今をときめく俳優が顔を揃えているが、登場時間が短く、見どころも特になし。
これらの問題点は全て原作を忠実に再現しすぎたことに起因するもの。キングダムは登場人物が非常に多く、戦争での戦闘や戦略が主軸の漫画だから、このような出来になってしまうのは必然である。
プラスアルファでいうと、王騎の再現度は最高なのに呂不韋はなぜそんな感じ?デンとした大物感が呂不韋の最大の特徴かつ魅力かつ憎めないところなのに、ただの矮小なじじいになってる。
仮に続編を作ったとしても、これらの課題を解消することは困難でしょうから、残念ながら、3以降は映画館で観ることはないでしょう。
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