「何のために夢を見るか。」キングダム2 遥かなる大地へ NAKATANIさんの映画レビュー(感想・評価)
何のために夢を見るか。
面白かった!
作者が脚本に参加しているということもあって、原作の魅力といったものがストーリー上しっかりと再現されている。
前作のテーマが「夢」についてだったのだが、今作のテーマは一歩踏み込み、「何のために夢を見るか」。
復讐が終わった後に見る夢は、中華を統一するため、天下の大将軍になるため、三者三様の理由が語られる。
各メインキャラクターも非常に良い味を出しており、山崎賢人も前作で演技の下手さがうまい具合に信の頭の悪さを表現する装置になっていてたが、今回はさらにいい表情をするようになった。
信は戦からあらゆることを学んで成長していくことになるのだが、山崎賢人も同時に段々と演技が上手くなっていけばこのシリーズの魅力は今後も伝わっていくと思う。
ただ邦画の限界というか、目についてしまうダサさも多い。
例えば羌瘣の衣装のデザイン。
あえて戦場で浮くようにデザインしたのだろうが、あまりにも浮きすぎてコスプレパーティーにしか見えない。
白って200色あるんやから、もう少し落ち着いた色を選んで欲しかった。
額当ての赤いラインもアニメチックにしか見えないので、せめて刺繍とかにして欲しかった。
(あと清野奈々の演技やアクションはいいのだが、羌瘣を演じる上で年齢が上すぎに見えてしまう。)
あとはそろそろ一対多数戦闘で、囲んでいる兵がいつまでも攻撃せずにあたふた待機するのやめないか?
せっかく邦画史上最高クラスの予算が出ているのだから、しっかりとした殺陣を練って欲しい。
そして1番不満だったのが山本千尋にアクションの機会を与えなかったこと。
なんで中国武術体得していて世界大会優勝している人材を活用しないのかあまりに意味不明。
キャラクターが説明口調というのも邦画あるあるなのだが、もうこういった事柄に関してはマーケティングもあるので、監督や脚本も仕方ないと思ってるかもしれない。
とまあ、いろいろ書き連ねたが、個人的にも作品的も次回作以降が本番。
来年が楽しみだ。
個人的な満足度は6500円ほど。