いのちの停車場のレビュー・感想・評価
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味わい深い名作
訪問医師を主人公にした映画。華々しい病院や奇跡的な治療とかではなく、末期患者と向き合う味わい深い作品。
当代の日本の演技派映画俳優をこれでもかというほど集めた超豪華俳優陣。吉永小百合や西田敏行は言わずもがな、広瀬すずや松坂桃李も合わせてこの4人だけで大満足です。それに加えて、石田ゆり子・小池栄子・田中泯・柳葉敏郎らが脇を固めるなんて豪華過ぎるでしょ。伊勢谷友介もやっぱり上手いよな。
特に松坂桃李、本当に良い俳優になったなぁとしみじみ思う。新聞記者で一皮も二皮も剥けた印象だ。
広瀬すずの役柄の幅広さも物凄い。可愛いキャラから真面目なキャラまで、これぞ女優という存在。
試写会の際に吉永小百合さんが感涙し話題になりましたが、そりゃそうでしょう。俳優の犯罪とかコロナ禍とか障害が多かったかと思いますが、そんなことでお蔵入りにするにはあまりに勿体ない感動作です。是非映画館で観て欲しい。
吉永小百合が稀代の大女優で、実年齢からは考えられないほど若く見え...
吉永小百合が稀代の大女優で、実年齢からは考えられないほど若く見える美人であることは、誰もが認めることだろう。
だが、さすがに40代か50代であろう、しかも救急救命の医師を演じるのは、いくらなんでも無理だ。
原作も知らないので、見るまでは、どこかの地方都市のおばあちゃん医師の話しだと思っていたら、まったく違った。
冒頭の交通事故患者を緊急手術するシーンでも、動きが遅い。同年代に比べれば、吉永小百合は元気なのだろうが、緊急をようする手術をしている医者にしては、もはや“よぼよぼ”した感じすら漂ってしまう。
別に救急救命の医者であった設定でなくても良かっただろう。吉永小百合なら、都会の外科医では、体力的にも限界なので、故郷の診療所にもどった、おばあちゃん先生くらいじゃないと見ておれない。
さらに故郷の金沢に帰ったところで、「お父さん」がいたことには、あまりにも違和感。「このお父さんはいったい何歳なんだ? 100歳くらいか?」と思ってしまったが、その割には元気だし。
どうせ無理なら、最初からはっきりと、吉永小百合の設定年齢を明確にしてもらった方が、割り切て見られた。テロップで「救急救命医師・52歳」とかって出してくれれば、諦めもつくのに、設定年齢について、まったく触れられないので、ずっと気になってしまった。
吉永小百合が結婚したかどうかの話題の時も、「学生時代に彼氏はいたけど、その彼が海外留学をしてそれから自然消滅でそのまま独身」みたいな説明のセリフがあった。多分、治療法を相談した相手なのだろうけど。
思わず「何十年前の話だよ」と突っ込みを入れてしまった。
吉永小百合本人がどう思っているかは、もちろん不明だが、できれば、はっきりと「あなたは普通じゃ考えられないくらい美しい、おばあさんですよ」と言ってあげたくなってしまった。
また、終盤のお父さんを安楽死させるかどうかは、必要なのだろうか? 結末は、観客任せで考えてくださいということなんだろうが、それなら序盤から、お父さんの具合が悪くて、ずっと安楽死を望ん板ことにするなら、ともかく、終盤になってから、とってつけたように安楽死がどうのという話をもってこられてもなあ、と言う感じ。
しかも結論がでていないし。
西田敏行や松坂桃季、広瀬すずなどの演技は良いのと、人気者なので、とりあえず、色々と命に関することを色々を詰め込んでみましたと言う感じ。
雰囲気は良いのだけれど、それだけで、生と死という大事なテーマのわりに、終わってみればなんとも中途半端で軽い感じになってしまっている。
次々に人を看取っていくが、誰か一人の死に際に深くかかわった方が、良かったのではないかな。
途中までは感動的に見られただけに、景色もいいし、役者さんたちも素晴らしかっただけに、なんとも中途半端な感じで残念な軽い映画だったなあ。
田中泯76歳。吉永小百合76歳。父と娘です。
2021年映画館鑑賞60作品目
7月5日(月)イオンシネマ石巻
原作未読
大病院の緊急医療に携わっていた医師がイレギュラーで金沢にある診療所に転職する話
患者は大病院の入院を拒否し在宅医療を選んだ末期癌や障害者など
主人公の父は病気の痛みに耐えかね安楽死を望む
悲しくて辛い映画
このての話となると条件反射で「感動ポルノ」などと詰る人には鑑賞は向いていない
自分はわりとこういう話が好きだ
だが条件がある
それは丁寧に作られていること
豪華キャスト陣なら尚良い
最低ノルマはクリアしている
泣けるポイントはたくさんある
親子に死が絡むと涙が溢れるのは加齢のせいか
一本の映画の尺に色々なエピソードが詰まっているので詰め込みすぎの感もなくはないが苦痛に感じるほどでもない
吉永小百合主演だからサユリストのために作ったのだろう
それならサユリスト以外が吉永小百合抜擢にケチをつけても意味がない
自分はサユリスト以外でも楽しめると確信している
田中泯の芝居が特に良かった
不思議とちゃんと親子にみえた
吉永小百合が年相応の役をやらないのはご愛嬌
逆に76歳に見えないんだから仕方がない
安達祐実もそうだろ
話はちょっと違うが杉村春子は晩年まで舞台で『欲望という名の電車』の主人公のブランチ・デュボアを務めた
役者とはそういうものだ
この作品の欠点はラスト
サワコの朝
父の安楽死を実行し警察に逮捕されるところで終わるのかと思ったらそうはいかない
吉永小百合が手錠を嵌められるシーンを撮りたくなかったのだろうか
あと全く似てない物真似を見せられる苦痛は堪え難い
その最後はどうなの?
どっちに転んでも、不幸な結末。
でも、それを観客(原作なら読者)に委ねるのはどうかな…。
それにより評価が下がる気がした。
その他にも、色々と突っ込みどころ満載でした。
感動を煽り過ぎて、あんまり…って感じ?
あと、もう昭和のスターの主演は止めておいた方が良いかもね…。
吉永小百合さんのあたたかさ…
初めて、吉永小百合さん主演の映画を観ました。
とにかく、吉永小百合さんの人としてのあたたかさに演技以上のものを感じましたし、ご本人にある内から出る人のあたたかさが最初から最後まで充満しているような映画でした。
医療現場には、このような人が必要だし、このようなお医者様がいて欲しいとつくづく思います。
個人的には、広瀬すずさんと松坂桃李さん目当てで観に行ったのですが、アカデミー賞最優秀賞を取った二人の演技も素晴らしいですが、それ以上に田中泯さん、松金よね子さん、柳葉敏郎さん他の方々の演技が凄すぎて、それだけでも鳥肌ものですし、リアルな現実を垣間見たような気がしました。
レビューを見ていると賛否わかれますが、俳優さんの演技だけでも見応えありますし、終末を迎える患者さんに寄り添いながら、何も出来なかったとしても日が照らす太陽のような存在を演じてくださった吉永小百合さんのそのあたたかさに私も触れることが出来て、観て良かったなと思いました。
"絵に描いたよう物語"の映画
正直、今年のワーストムービー候補です…笑
今の日本映画界で吉永小百合を上手く使える映画人はいない、ということを改めて証明してしまった様な作品でした…80年代以降、良い作品もたまにはあったようですが、迷走しっぱなしだと感じるのは私だけではない筈です。
吉永小百合のプロダクションは何にも変わっていないなと思いました。
この素晴らしい女優にお金を掛けずにもっと良い作品をプロデュースしてほしい…小百合ファンだけでなく、そう思う邦画ファンは多いのでは?(もちろんこの作品のテーマは良かったとは思いますが…)
作品としては、NHKのドラマ『夢千代日記』をピークに、残念ながらずっと下り坂です。
吉永小百合の良い作品が観たい…そんな作品にもし出会えたなら、邦画ファンの長年の溜飲が下がる思いでしょうね、きっと…。
嘘でしょ
1もつけたくないレベルの駄作。吉永小百合さん、松坂桃李さんをはじめ全てのキャストの良いところを最大限に行かせていない。泣かせようとしすぎて、この映画で何を伝えたいのか、何を感じて欲しいのかを演出できていないじゃないか。それにこのキャストの名を聞いたらほぼ全員が「名作じゃね?」って期待してしまうはず。それを越すような名作を望んだばっかりにショックでした。
吉永小百合さんに忖度し過ぎ
どうして?と疑問の多い作品。底辺に流れている一生懸命な真摯さは分かりますが、色々キャスティングや演出に無理があり過ぎて物語が飲み込めなかった。
まず、今や30代元気な体育会系がメインの救急現場にこのお年の医者はいない。本当に50才に見えればまだ良いが、これはコントだよ!仮に沢口靖子でも鈍臭さが目について痛かっただろう。吉永小百合の場合、声が既に騙せず、低く年齢的に嗄れており、医療現場での動きも医者の冷静さや決断力は見られず、モタモタだった。
次いで会議室のシーン、明らかに彼女に気を遣っているのか、彼女が入室する際、15名程で机を囲んでいるのだが全員が国旗掲揚の如く吉永を見過ぎ。天皇か!
泉谷しげるさんがベットに横たわる妻とのシーンも吉永さんをメインに置くことに気遣い過ぎて、本来なら夫である泉谷しげるがもっと妻の近くに座り泣くところを、カメラ的に吉永がメインに座り、遠巻きに大きく離れて泉谷しげるが泣いているという不自然さ。
広瀬すず、桃李さんと小児患者家族とのシーンも同じ。ここまで来て、立たせたいタレントが多くてドラマの邪魔になっていると分かる。
小池栄子さんなんて最初と最後だけで、最後階段登っただけという端折り方。彼女の役は要らなかった。
あと、医者なのに色んな場面で広瀬すず他みんな情に脆すぎ、泣き過ぎ。50の医者が人が亡くなって抱き合って泣くか??
西田敏行さんも最後食堂で吉永役から話を聞くシーンで、「まさか○○死何て違うよね?」と素人の様なセリフ。現場何年やってるの?介護に疲れて殺すなんて想像できる世界なのに、まるで初めて聞いたかの様な設定。ガッカリでしょ。
もし吉永小百合の年齢の人をキャスティングするなら、、、年増のキレる女医(お払い箱)が診療所に出向かざるをえなくなり、そこで生死と出逢い、自分よがりな性格に気付き改めて行き…そこで診療所が立ち直される、とかか??
主役としての生き方はもとより命の大切さは全く見えないし、何の感情移入もできなかった。と言うのも、彼女が良い子の役しか演じないから、そのええかっこしいが邪魔をして、映画の本質を作れていない。と断言する。
そして、やはり皆様が言う様に「お父さん!」と呼ぶ人が夫にしか見えない。石田ゆり子との恋バナシーンなんかは痛い痛い。痛過ぎた。
どうして誰も止めないのか?
良いセリフやシーンもたまにあるだけに、その嘘がフィクションに収まり切れな過ぎている事は、考えて欲しい。大の大人が大勢で何を作ってるんだろうか。
命の仕舞い方
現代医療制度、延命治療、老老介護、尊厳死、積極的安楽死・・・。
在宅医療現場を通して、終末期医療の様々なケースについて問題提起してくれる本作。
ただ、患者一人一人のケースに対して、もっときっちりとオムニバス形式にしてくれた方が良かったようにも思う。
原作が章ごとに別のトピックについて書かれているとは知らなかったので、本作のみを観ていると、各トピックごとの登場人物が、その後もストーリーに関係してくるのかどうかわからなくて、なんとなくスッキリしなかった。
また、どちらかと言えば観客の情緒、情趣に訴えかける造りだが、医療における諸問題は法律や制度によって人々が不具合を被っている部分が非常に多い。その辺りについても観客への論理的レクチャーや解説を作品内に上手く挿入した方が、各トピックに描かれた「問題点」を深く理解出来て、鑑賞から得られる知見が増すだろう。
先に「痛くない死に方」を鑑賞済だったので、本作からもかなり深い情報を得られたが、もしそうでなかったら、理解はもっと浅くなってしまったと思う。
それにしても、吉永小百合さんは実に若々しく矍鑠としておられる。
言葉遣いが丁寧で品の良さが印象的だった。
昨今は「敬語は他人行儀で冷たい」「タメ口は親しみがあり暖かい」という認識が広く普及しているきらいがあるが、どうも「敬語」「丁寧語」を特別視し過ぎているように思う。
(尤も、国語教科書や参考書に「敬語」は「特別な言葉」と書かれているのだから嘆かわしいが)
幼少期、ウルトラマンや仮面ライダーを見ていると、登場する大人の女性は大抵「自然な」「ですます調」だったものだ。
決して「特別な言葉」などではなく、日常会話が「丁寧語」だったのだ。敬語は「暖かくて親しみのある美しい日本語である」という認識を、再び台頭させたいと思うのだが、夢物語だろうか。
子供の頃は小百合さんの魅力がわからず、サユリストなる人々がなぜあんなにも多くいるのかわからなかったが、
本作を見ると、いつか自分もあのように年齢を重ねたいと改めて思った。
古都 金沢の美しい風景の中で「生と死」について、想いを巡らせる2時間であった。
可もなく不可もなく
だいたい今そういう状況ですよね!
ということを描いてくれている。。
さまざまなエピソード✨が散りばめられている
現状把握したい方にオススメ
現役医師の作家さんが原作なのでその迷いや苦しみがリアルに描かれているなと感じました
お医者さんの勧めに沿ってみて
命が縮むこともあるし、伸びることもある
伸びることを望まない人もいる
お医者さんも一人の人。
人それぞれ。。みーんなそれぞれそれでいい。
それでも太陽は登る!
東京の急性期医療を扱う総合病院の救命救急センターで働く救急部門の責...
東京の急性期医療を扱う総合病院の救命救急センターで働く救急部門の責任医師・白石咲和子(吉永小百合)。
ある日起こった大事故の救急現場での事案の責任を取り、退職。
実家の金沢に帰郷し、在宅医療を行う「まほろば診療所」で働き始める。
これまでの現場と異なり、在宅医療を希望する患者は様々。
そんな中、歳老いた父(田中泯)は、脳の機能障害からくるアロディニア(異痛症)という他の刺激を痛みとして感じてしまう病気を発してしまう・・・
といった物語で、物語の大半は、在宅医療を受ける様々な患者とのエピソード。
結果的には、エピソードの羅列にしかならず、とってつけたように、父親の死とどのように向き合うかという物語が最後に展開される。
吉永小百合主演最新作、つまり「スター映画」としては致命的な欠点があり、医療物語では患者と医者は、よくてフィフティ・フィフティ。
特に在宅医療の場合は、完治が難しい患者が中心なので、ウェイトは患者側に偏らざるを得ない。
つまり、在宅医を主演に据えた時点で、主演俳優を際立たせるスター映画にするのは難しい。
結果、患者側の描写は浅く、数を増やすしかない。
で、もうひとつ問題があって、医師側は数を増やした患者に対して常に「受け」の芝居をせざるを得ず、演技としての見せ場が少ない。
その結果、完治の見込みのない父親を、医師としてどうするべきか・・・という、在宅医療の問題とは別の問題を潜り込ませなくてはならなくなり、その問題すら解決の糸口は明示できない・・・というジレンマに陥ってしまった。
なので、製作側が本気でスター吉永小百合を使って、在宅医療の問題に切り込もうとしたならば、
1.吉永小百合が在宅医療を受ける側
2.吉永小百合が在宅医療を受ける年老いた夫の伴侶
のどちらかであるのが相応しく、
1.の場合ならば、この映画での、夫・泉谷しげる、妻・松金よね子の妻役でじっくりと演じるか、田中泯の妻で医療について詳しくない妻役で深堀りした方がよかったのではないかと感じました。
そもそも、吉永小百合さんもかなりのお歳なので、総合病院の救命救急センター責任医師というバリバリに動かなくてはいけない役には限界があるように感じました。
泣いた。
命の終わりが近づく当人やまわりの人達の感情が上手に表現されていて惹き込まれました。
吉永小百合さんのようなお医者様だったら西田敏行さんの台詞にもある通り間違いなく人を安心させる医者だなぁとつぐつぐ感じた。
松坂桃李さんの車が赤いベンツなのがちょっと違和感でしたが、趣味なのかなぁ。
う〜ん...なんだかなぁ...
この女医さんは、誰の命とも、きちんと向き合ってないじゃないですか…。
小池さん、石田さん、伊勢谷さん、サラッと通り過ぎすぎでしょ。
小児がんの子どもとのやりとりも、広瀬さんと松坂さんの関わりの方がメインだったし、
これは、吉永小百合さんの女医さんが、終末医療と向き合うお話ではないのですね…。
結局、お父さんとも、なんだかフワッとしてのラストだし…。
田中泯さんがお父さんっていうのも無理があり過ぎだし、
どんなに吉永さんが、お歳の割にお若くて美してくても、夫婦にしか見えないんだもん...。
非常に良かった「痛くない死にかた」と比べてしまったので、余計、なんだろう、これ?でした。
とりあえず、原作読んでみます。
原作の大事な部分は全カット
雰囲気だけの映画。泣かせようとしてきているのだけは分かる。
原作ではリアルな医療の可能性と限界、命に対する葛藤、患者やその家族との診療方針の相談、その結末、「死」というものの流れとそれに対する心構え等描かれているのに
映画はみんなで集まってごはん食べたり、思い出話したり、患者が死ぬ時やたら周囲が感情的になるところだけ大袈裟に切り取ったり。
豪華キャストの無駄遣い。
命の在り方、医療の在り方、高齢化問題を真剣に考える必要があります。
自分もいのちの停車場を最初から最後まで、しっかりと観て来ました。
まほろば診療所の医師役である西田敏行さんが、劇中で患者さんを不安にさせる医師、安心させる医師、がん治療で平均寿命が伸びる一方で、飢え死にする方々がいる事を話していた事や、在宅介護、在宅医療の在り方、医療現場の在り方、安楽死問題等を真剣に捉えています。
後、高度先進医療の在り方も真剣に捉えています。
未だパンデミックが収束すら出来ず、かつてない規模の高齢化、格差等諸問題が世界全体で解決出来ない状況にあります。
いのちの停車場も、上記の諸問題に対してどうあるべきか、解決するにはどうしたら良いのかを問いかけています。
豪華俳優陣そろってるのに残念!
大切なテーマだが、泣かせよう、泣かせようとする演出意図が邪魔して、泣けなかった。それぞれの物語が多すぎて、時間の関係で関係性を描けないためか、所々違和感が出てしまった。大物俳優が数々出演しているだけに残念な印象です。
淡々と死が続くリアル
エピソードが多すぎるという評価もあるけど、1つ2つに絞って描くことに意味はないと感じた。さまざまな形の「生と死」が次々やってきて、あっという間に通り過ぎていく。多分それが現場のリアルなんだろうなと。母の臨終に際し、寄り添いつつも淡々と死期を告げた医師をふと思い出した。
吉永小百合は、良くも悪くも吉永小百合。年齢設定に無理があったかな。田中泯の演技は秀逸。オチが読めてしまったのは残念で、緊迫感を出すためだろうか、手回しを多用していて手ブレで多少酔った。
泣けるが、若干の違和感も。
涙活目的で鑑賞も、思いっきり泣ける感じではなかった。
先ず、吉永小百合が救急救命の医師と言うことに違和感。緊迫した現場に、あのおっとり感はあり得ない。
在宅医療、緩和ケアの問題でもどこまで踏み込んでるのかと思ったが、深く扱うでもなく…。小池栄子の役の芸者はなに?結局助かるの?そこの伏線は回収しないまま。階段軽やかに登るので、回復したと思わせたいのか?
柳葉敏郎さんや、泉谷しげるさん、西田敏行さん、田中泯さんの演技がやはり流石であるため、所々腑に落ちない場面はあれど、上記の方達のお陰で、祖父母を思いだし少し泣けた。
ラストのシーンは安楽死の準備を見せつつも、見た側の想像にってことなんだろうけど、最後までなんだか濁されたと言うか、ふわぁーっとで終わる作品だった。
死について考える…作品ではあるけど、
主役が柔らかい人なだけあって、死を扱ってはいるが、観たあと重くなるような、引きずってしまうことはない作品だと思う。
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