ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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長い年月を追ったからこそ
今回もレビューの高評価だけで見てみました。
主人公の生きた長い年月を追っていたため、登場人物も街も、色んなことが移り変わっていった様子が上手に表現されていました。
一番驚いたのは、赤ちゃんだったつばさ君。小学校低学年くらいから、次はハタチ過ぎくらいの青年になり、時代の流れを感じました。大人の登場人物が多少老けるより、赤ちゃんが青年になるほうが分かりやすく、
また主人公が登場した当初のチンピラっぽい?生活ぶりも似ているところがあって、お店での仲裁なんかをつばさ君がしていると、「時代が変わったな。。」と実感。映画の手法としてとても良かったと思います。
ただ、出所後、カタギの仕事に就けば家族3人平凡に暮らせるかといえばそんなに都合よくいかず、ここに主人公補正をかけず、安易に主人公を幸せにしなかった脚本は秀逸だと思いました。でも悲しい。。!せっかく、娘までいると知って、どうにか夫のように、父のように新しく人生を歩こうと就職もしたのに。。世の中甘くはないか。。と思いつつ、
最後は娘のあやちゃんが、花を供えにきてたつばさ君にお父さんのことを質問してくれて、つばさ君も尊敬していた兄貴のことだからちゃんとゆっくり話をしようとしてくれてた、その描写は唯一の救いでした。
来世がもしあるなら、今度は親子3人、穏やかに平凡な毎日を過ごしてほしいと思いました。
後悔を背負った男達の生き様に涙した
『ヤクザと家族』というタイトルに「任侠映画か」と敬遠してしまってはあまりにももったいない作品。もっともこの映画は『仁義なき戦い』『アウトレイジ』『孤狼の血』のようなヤクザ映画とはかけ離れているヒューマンドラマである。そもそもヤクザになってしまったという十字架を背負い、また時代にあらがいながら葛藤し続ける人間たちの映画である。
特に役者陣の迫真の演技には鳥肌ものである。『新宿スワン』『日本で一番悪い奴ら』の要素を含みながら、年齢的にさらに深みの出た綾野剛、いぶし銀で男がほれ込むようなセリフ回しの舘ひろし(実際こんなカッコ良い親分いないはず)、世代をまたにかけた役でも何の違和感もない市原隼人、実直ながら柔軟に生きれない人間くさいヤクザを演じた北村有起哉。個人的にこの4名の演技は圧巻だった。
そしてあのクライマックスには涙が止まらなかった。まあ予想は出来たが。
何となく『友へ、チング』を彷彿させるものもあった。
藤井道人監督作品は、毎回公開初週に観るほど期待度ナンバーワンの監督で、今作も素晴らしい作品を出してくれた。余談だが、昨年の『宇宙でいちばん明るい屋根』は2020年ベストで、歴代でも上位5作品に入るほど好きな映画。改めて、彼の監督としての能力、また良作を引き付ける彼自身の魅力には恐れ入った。撮影監督の今村圭祐氏もまだ若いのに立て続けにこのコンビは凄い。
あと、どうでも良いが、山本(綾野剛)の娘役を演じた小宮山莉渚さんという女優さんが、
清原果耶さんにちょっと雰囲気似てて、藤井監督らしいキャスティングだなと勝手に思っていた。
※訂正
最初に書き込んだ際に、エンディング曲がいまいちスッと入ってこない為、4.5点としましたが、
それは藤井監督の前作との比較であり、これまで満点を付けた他の作品より明らかに劣るものではない為、5点に変更しました。
演者はよかったなぁ。演者抜くと1.5か2.0
評価が高かったので、予定外でしたが鑑賞しました。
総じて演者さんたち、よかったなぁ。ってくらいでした。本作品。
多くのレビュアーさんたちは本作品を高く評価されていらっしゃいますが、僕はどうしても本作には違和感しかないのです。
結末はバッドエンドですが、そのバッドエンドをみた観客の多くが、感傷的になるような演出に納得いかないのです。
ちょっと待て。ヤクザはヤクザ。再出発や、やり直しがしにくいのかもしれん。しかし、それは反社会団体に属した人間の贖罪だと思うのです。犯罪に手を汚した人間にはそれ相応の対価を支払う必要があると思うのです。寛容じゃない社会かも知れません。しかし。間違いなく「良いヤクザ」なんていないのです。法律やルールは破っているわけです。
昭和のヤクザ映画はどちらかというとエンタメアクション系映画だと思ってます。「ヤクザ=ダークヒーロー」的な見せ方です。ですが、本作は時代錯誤的な昔気質のヤクザが、さも時代に取り残された悲しいキャラクター的な描かれ方でそこに物語のポイントを置いている感じが・・・気持ち悪いのです。エンタメじゃなく社会派っぽい描き方をするなら、美化するなよ!って言いたいです。
また、その人間ドラマとしての感動の作り方が、なんというのでしょう・・・記号的というか、ご都合手技全開というか・・・人間ドラマ描くならリアリティを感じさせて欲しいと切に願うわけです。
SNSは怖いけどさ、SNSにあげたらすぐこんなになる?
尾野さん演じるユカ心のなびき方が、山本と生い立ち似てるだけで一気にいく?
ちょっと待て!14年ぶりでそんなに簡単に受け入れる?苦労の元凶を?
明らかすぎない?敵対団体と悪徳刑事の「ワルぶり」
ラストなんて・・・ありえないよ!生活全部奪われた人が・・・くる???完全泣かせる目的じゃん!
などなどなどなど・・・言い始めたらキリがないほどに、結末に持っていくためのご都合ストーリーが山盛りでどんどん引いていくわけです、僕の心が。
もー少し話に厚みが欲しかった。というか、説得力にかけるでしょ?
昔気質のヤクザも、つい最近まで羽振りがよかったヤクザも、時代の波に飲まれ置いていかれる様はよくわかりましたし、そこに悲哀はあります。栄枯盛衰、力と血で培ってきた勝ち得てきたものも、時代という目に見えぬ力には叶わないということ・・わかります。
そこに人間模様を絡ませてくることもウェルカムです。
とても面白い話ができる予感はします。・・・けど、今回は・・・残念でした。
もっとフォーカスしたらよかったのに。ストーリー。
綾野剛さんの熱演がもったいなかったなぁ。
栄枯衰退
観賞直後は期待していたよりいまいちだったな、登場人物が皆ウェットなのは伝わったがそれならもっと組織の中で過ごした過去のエピソードとか掘り下げた方が説得力があったのではと感じたが、一晩寝かせた事で何処にも行く宛が無かった人達がやくざという疑似家族の組織に属し、その役割をこなす事で居場所を得ていたが時代と共にその居場所すら追いやられ…という話なのでむしろエピソードを掘り下げしないのは正解だったのかなと思った。
自分を犠牲にし親分を守るべき理由などそもそも必要ではなく、そこにしか居場所がないから、そしてそれが自分達の役割だから。
舘ひろし演じる組長の現役当時の存在感とカリスマ性に対極する現在の弱々しい老人の姿、組の解散も考えたがこいつらの行き先が何処にあるって言うんだという台詞が印象的だった。
しのぎに密漁を行う、やくざの高齢化問題や暴対法により口座も携帯も持てない等現実的な描写がされていた。ホモソーシャルを美化するのでもなく安易に救いを与えるでもなく、ここにしか行く宛が無かった者達が結局は何処にも行けず時代と共に滅ぶしかないという物悲しい話だった。
それだけに尾野真千子演じる女性の都合の良い描写が違和感があった。昔一度関係を持っただけのやくざの男に安定した立場の女性があれだけ情をかける利点があるだろうか?と(同じく娘の描写も)
タイトルなし(ネタバレ)
「ヤクザと家族」タイトルからある程度内容を想像して映画館に赴いたが、そんな安直な話ではなかった。
実際にヤクザに出会ったこともないし、明確に認識したこともない。けれども、1999年から2021年にかけてヤクザが社会的に排除されていることは1997年生まれの僕でもわかる。
排除される=ヤクザの存在が許されていない。
しかし、ヤクザにはヤクザのストーリーがあるし、周りを取り巻く環境は整備されているのか・僕たちはヤクザの何を知っているのかと考えさせられた。
綾野剛が好きで、1日は映画が安いし、ヤクザもの好きだから観に行こうという気持ちでしたが、深くて暗い光が遠い余韻に浸っています。
グロ耐性がある大人には是非観てほしいです。
※ここから先ネタバレ注意
市原隼人が殺した理由が雑みたいなレビューを見るけど、個人的な見解だと、綾野剛に責任がないのはわかってるけど行き場のない憎しみ・悲しみをぶつける先が他になかったんじゃないかな。帰ってきてお世話したのが元々の原因っちゃ原因だし。自暴自棄になって捕まりたかったのもあったのか。でも、刺してる間の後悔は背中からとても伝わってきたな。
血と契、家族の絆を別の側面から描く
山本賢治という男がヤクザになってからの20年の物語。親分から盃を受けヤクザになるまでの序盤、ヤクザとしてブイブイ言わせていた中盤、そして殺人の刑期を終えて戻ってきてからの終盤、3つの時代を描く。
ストーリー重視かと思っていたが、バイオレンスなシーンの撮り方が結構臨場感や迫力があって驚いた。そして14年という長い期間が経っていることを示唆する箇所がいくつかあって、その変わりようにビックリ。年月の経過の演出がうまかった。
肝心のストーリーだが、賢治という1人のヤクザの物語としても面白いのだが、地方ヤクザの現実という意味でも面白かった。さらにタイトルが「ヤクザと家族」だから家族という視点も重要。シャブ漬けで死んだ実の父、拾ってもらった柴咲組の親分(盃を交わした親子)、そして刑務所に入っている間に生まれた実の娘と愛する女。ヤクザが築く家族関係なんてそんなものかもしれないが、一つとしてマトモじゃない。実の親子の血のつながりを拒否し、契で結ばれた親子の絆に救いを求めていったが、結局血のつながりに回帰していったように思える。最後、賢治が求めた家族の形は時代の波に流され崩壊したまま終わってしまうかに思えた。でもラストに待っていたのは、賢治の娘が賢治のかわいがっていた翼に賢治の人物像を尋ねるシーン。お互い実父がヤクザという2人が、父はどんな人間だったのかと知ろうとするのはなぜだか感動的だった。「ヤクザと家族」というタイトルにふさわしい結末だ。
観終わってから、あーそういえば「新聞記者」の監督だったっけと思い出す。原作なしでこれはかなりすごい(新聞記者も原作ありとは言いづらいけど)。今さらだけど、藤井監督すごいぞ!
太刀ひろし
Vシネマみたいなドンパチやりあうのではなく、リアルなヤクザの時代の移り変わりを描いた内容でした。
舘ひろし様、渋くかっこいいのですが、ヤクザ役は大根っぽかったのでみていて少しみにくかったです。
あれが舘ひろし様でなく違う俳優さんだともっといいと思ったのは私だけでしょうか…
エンディングはちょっとわけわかりませんでした。警察に止められてたのに、なぜ堤防まで行けた?
堤防でなぜ刺される?GPSでもついてた?ストーリーとか良かったと思っただけに残念でした。
煙
素晴らしい作品でした。圧倒されました。
時代の描き方が上手で、携帯や服装然り、タトゥーをいれている人が銭湯に入れているなど、ヤクザなどの特定の人物が時代の流れに影響されている部分が描かれており鳥肌が立ちました。
最初からヤクザではなく、血の気が短く自分の父親を許せない主人公がシャブの売人をボコボコにするところから物語は始まりますが、甘ったるい実写化作品が多い日本映画では久々に観れた荒々しさでした。こんなにも早く手を振るうとは…と驚かされました。それと年齢の分け方が上手で、髪型だけでなく顔立ちや仕草で歳を取った様子で見せているので違和感なく見れました。
親父に拾われ、女を好きになり、復讐を果たすという流れは山本賢治の素直さがもたらした全てで、本当にいい人なんだなと思うばかりです。そして14年の月日を経って出てきた世界はもう別物。かつての柴咲組はほぼ壊滅。かつての子分は別の職に就いていた。そして由香の元へ行き普通に戻ろうとする。でも、この時代特有のSNSでのインターネットタトゥーは強烈なもので、平和すらも死んでしまいました。最後の最後は実の父親と同じ死に方、しかもかつての子分が恨み節を吐きながら。見ていて辛かったです。
希望を残すラストながらも、ひたすらに物語は残酷でした。主題歌のFAMILIAが全てを包んでくれました。本当に素晴らしい映画を見ました。ありがとう。
鑑賞日 2/1
鑑賞時間 12:05〜14:30
座席 G-9
不条理は一般の社会にこそ蔓延している
綾野剛ファンとして3回観に行き、4回目はいつ行こうか考え中。本作は一人の男のヒューマンストーリーとして今年度の最高傑作と言って良いと思う。演技派の綾野剛が集大成と言い切るだけのことはある、重厚感あふれる一代叙事詩としても見応え充分。
137分という長尺を感じさせない中盤までのスピーディーな展開、重苦しい空気が漂う後半、そしてやるせない結末には熱い余韻が残りました。(追記あり)
…と、Twitterではフォロワーさんとともに絶賛し、それはもちろん本気ではありますが、Twitterでは言えない別の側面から本音をいくつか。
まず、すいませんね、誰も興味ないと思うんですが、自分は直接ヤクザに関わったことは一度もありません。他の大多数の方同様、至極全うに生きてきました。
ただ、はるか昔、中学のときに田舎ヤクザの組長の娘が同級生に居ましてね。結構これが酷かったんですよ。
時代が時代だけに、彼女は自分の後ろにある「力」を振りかざし、教室を支配しました。もちろん教師もPTAも見て見ぬふりです。彼女はアヤのような清楚な可憐さは1ミリもなく、金髪にピアス、スカートを腰までズラしてトイレで取り巻きと一緒にタバコをふかす、ただのアバズレでした。
しかし当時の狂ったような教師達の「身だしなみ検査」も彼女とその取り巻きはお目こぼしでした。真面目な生徒だけ前髪は眉毛より上とか、パンツは白とか変な規則で縛って頭おかしいでしょ?それこそ社会の不条理じゃないですか?
親からは関わるなときつく戒められていたため、交流など殆どなかったんですが、彼女のために授業派しばしば中断され学校は大荒れ。皆が大変迷惑したことを覚えています。今、彼女が肩身の狭い思いをしててもザマアミロとしか思いませんね。
もう1人、こちらは別の幼馴染ですが、いわゆる恋愛体質でいろんな男性とお付き合いをした結果、あるときパート先の出入り業者でもと暴力団員の男と良い仲になり、泣いて止める親を振り切って家を出て行ってしまいました。
もちろん予想通りの酷い目に遭わされ、早々に男の元から逃げ出しましたが、男は何度も実家に押しかけ、やがて親を脅すようになったため、彼女は遠くの縁戚を頼って数年隠れて暮らす羽目になりました。
自分は一度だけその男を紹介されましたが、綾野剛のようなイケメンでもなく、山本のようにピュアな心を持つ男でもない、ただ頭も悪く執念深い粗暴なブサイクデブだった印象しか残っていません。
後日その男は傷害だかなんだかでお縄頂戴となり、彼女はなんとか実家に帰ることできたそうです。シャブ漬けにされてなくて良かった良かった。
ま、現実はそんなもんです。
この映画見て、綾野剛や市原隼人や磯村勇斗のイケメンぷり、悲劇的な物語に惑わされた一部の方が、ヤクザに人権がないなんてーとか日本の社会が不寛容ーとか言ってますが、はあ?何言ってんすか?
ヤクザに携帯売って、アパート貸して、犯罪に使われたらどうすんですか?我が子の幼稚園にヤクザの子供が入園したら、そりゃ園長に猛抗議しますよ。イケちらかしてる綾野剛がスクリーンの中で涙を流し、苦悩してる姿に皆さん共鳴してるだけで、自分の職場や生活圏内に元ヤクザが入ってくりゃ全力で避けようとしますよ。
そして日本ではそれが全うな反応なんです。より健全で安全な社会を目指すため、暴力団は徹底的に排除されるべきなんです。警察も議員も悪いことしてるのにーとかの話とは別問題です。社会の在りようの問題なんです。
ヤクザはその人生の中で他人を傷つけ迷惑かけてきた罪を、その身をもって知るべきなんです。
「(監督のコメント)ヤクザは刑務所で親族以外面会禁止。自分がその立場だったら、すごくつらいなと」
は?組員が面会に来たら組を辞めたくても辞められないじゃないですか。辛い?当然でしょ。刑務所は快適さを求めるホテルじゃないんですから。人権に制限をかけられるという罰を受けに来てるんですから。何寝ぼけたこと言ってるんですかお坊ちゃま。
この映画はめちゃくちゃ好きです。今年最高の作品になると確信してます。舘ひろしの迫力にシビれ、綾野剛のぷりケツ…いや刺青をガン見し、尾野真千子との夫婦漫才っぽい可愛いやり取りに悶絶しましたよ。最後の翼とアヤのシーンでは爆泣きしましたよ。ええ、名作です。綾野剛ファンで良かった。
しかし色気ダダもれの綾野剛にシャブ中の如く溺れる一方、SNSで、この才能あふれる有名私立大学出身監督のキラキラした青臭いコメントを読み「バッカじゃねえの?お花畑の住人か」と思ったことも事実です。
すいません、空気読めなくて。
ーーーー追記ーーーー
名作と言い切りましたが、個人的に言及しておきたい不満点も挙げておきます。
・オープニング。アレ出されたら、もうラストに至るまでの話の展開が想像できて面白さ半減です。他の映画でもたまにあるけど、よほどの「そう来たか」展開じゃない限り、この手法は禁じ手にしてほしい。
・ガチの綾野剛ファンだけど(小声)さすがに19歳役はビジュアル的に厳しかった。顔の皮膚のたるみとか声がおっさんとか。ただ青年時代を他の若手が演じたら、作品としてここまで評価が高かったかは疑問なのでヨシ!
・ユカへの執念。これ普通ならヤバいストーカー案件。
・ユカ母娘を待ち伏せした朝から秒で仲良くなってるけど、そこの過程を省略して「大事な家族になりました」って雑過ぎじゃないですか?
・ラスト、そもそもこんな結果になったのは市原隼人が「写真くらいいいじゃん」と言って撮らせたのが直接の原因だし、ネットにアップしたヤツが一番悪いのに、山本を刺すなんて逆恨みもいいとこ。この結末見ると、やはりヤクザは暴力で解決しようとするんだな。こりゃ自分の生活圏に近づいてこないようにしなきゃなって改めて思った。
・ミレパのMV素敵過ぎるけど、ネタバレ感半端ない。情報解禁時の宣伝は、ネタバレ撲滅推進派議長として検閲を厳しくして情報の統制を敢行したい。
・銭湯のシーン、もっと長くアップで全身舐め回すようなカメラワークを!できれば正面から!3分は見たい!
作品の好きなところ、素晴らしかった点も列挙したいが、いい加減長文になり過ぎるので割愛…残念。
ヤクザは悪か、善か、
物語は静かに始まる。
話の舞台はどこかは明言されないがどことなく広島を思わせるような地方の栄えた街のできごと。(もしかしたら広島を連想するのは多少虎狼の血の影響があるのだろう)
賢坊が肉親を亡くし天涯孤独の身になり、そこから柴咲組の子分となるまでは淡々と進む。
そして、親子の契りを交わす盃の場面は往年の任侠映画のような音楽と題字。
ここから前半は義理人情で突き動くベタながら見応えある任侠映画が続く。
そこから主人公が兄貴の罪を被って刑務所で14年過ごす。
そして主人公が出所してから物語ががらりと転調する。
この転調が面白い。
華やかで、そして、グロテスクで、しかしカッコいい、どこか憧れる。
そんな第一部とは打って変わって惨めで、辛くて、ひたすら暗い第二部。
画面も第一部と第二部ではだいぶ撮り方を変えていて同じ夜、同じ人を殺す場面でも印象がかなり違う。
今までヤクザといわれれば全て悪。
ヤクザに関わる人とは交際をもってはいけない。
ヤクザと交わりを持ったことで芸能界を引退した人もいた。
今思えばその人は「人として恩を感じた。セーフだと思っていた。」と語っていた。
しかし、この映画を観た後ヤクザだからといって一括りにして足を洗っても社会復帰も許さない、これはどうなんだとも思う。
確かに、ヤクザは警察の代わりに夜の街のトラブルを解決したりという治安維持の側面も持っている。(いわゆる、毒を持って毒を制す。みたいな??)
しかし、ヤクザがきっかけで抗争が起こり、多くの犠牲者が出ることも否めない。
全てが善でもなければ、全てが悪なわけでもない。
と、そう考えさせられた。
役者さんの演技も皆一流。
割と淡々と進むのに最後まで飽きる事なく観れたのは役者さんの演技あってのことだと思う。
演技も演出も音楽も全てにおいて日本映画の最高峰だと思った。
最後に。
この映画を観て僕は三人吉三という歌舞伎を連想した。
世界の裏で生きているアウトローたちが暗い夜に華やかな悪事を尽くして最後は因果応報とばかりに皆死んでいく。
僕の中で出た結論としては、この三人吉三で和尚吉三が言うこの一言である。
「悪いことは出来ねぇなぁ」
タイトルなし(ネタバレ)
いくらファミリーつっても、舘ひろしのマイホームパパっぷりが過ぎてて、ヤクザの親分感のかけらもなかったような..
そのせいで余計周りが苦労したんじゃないかと想像に及んでしまう。
そして綾野剛の最期。まさかのあの人にやられるなんて! でした。
全体的には眠気も誘われずよいお話でしたが、わりとツッこみ所あるなと感じました。
_φ(・_・どうしようもない悪循環の中で
主人公山本は若かりしヤンキー時代にヤクザの組長柴咲を殺し屋から助け、柴咲の人柄に惚れて組員となり頭角を表していきます。他の組との抗争で殺人を犯して刑務所へ14年、出所して戻るが組長は病気に、組は暴対法によってすたれていた。組長の説得でカタギに戻るが、、、、。
どうしようもなくヤクザという悪循環が全てを台無しにしていきます。
ヤクザを足を洗っても5年は一般人とはみなされないんですと。
ヨリを戻した女との家庭も元子分の家庭も世間の目がズタズタに壊していきます。
山本は元抗争相手の組長と昔子供の時に可愛がっていた馴染みの韓国料理屋の息子が抗争間近なことを知ります。そして、、、、。
山本は自らその悪循環を犠牲的に断ったんだろうな。コレは自己犠牲の映画でしょ?
山本が悪循環を断った事で家族になるであろう2人の若者が助かるんですから。
太陽の光も掴めず暗闇に落ちる山本、笑っている彼を想うと不憫でならない。
藤井作品 絶対悪、絶対正義でないところ、強さも弱さも兼ね備えているのが人間だという描き方が大好きです。
作品名に込められてる意味って
もしかしたら、The Family をタイトル末尾に付けた理由についてわかったかもしれない。
主人公山本には、ヤクザと”家族”の関係を結んだが、親父からも言われて組を抜けることを選んだ。
そして、ホステスの由香と”家族”になったが、それはSNSへ投稿された写真一枚で崩れた。由香からは土下座でもう会わないでほしいと。
家族ってなに?への切り込みがなかなか面白かった。
ヤクザと契りを結んだ家族も、子どもを通したつながりだった家族からも遠ざかることとなり、
最後は、一般的に家族とは言えない、関係の遠い翼のために決着をつけに行く。
多分山本にとっての”家族”は、契りや法律などの縛りのある家族ではなく、家族=自分の居場所となるところ、人なのであって、それがThe Familyなのではないかと思った。
翼に若いときの自分を重ねた山本は、先回りして自分の手を汚すことで翼を救う。
善では人を救えないと悟って、悪で人を救うというねじれも気にしないのは、きっとThe Family のためだからだろうなと。
色々とリアルにはありえないし、男気の言葉で片付けられたくないような心地よくないシーンもあったけれど、目をつむることにする。
その救いは、ラストの翼から自身の子へと引き継がれるような予感で終える。
それは、血で血を洗うことの悲痛なねじれに終止符を打ってくれるような、人の死や悪で人を救うねじれの連鎖が山本によってなくなったような、希望なんだろうと思って少し救われた気がした。
しびれた!!
ヤクザのリアル、世間との位置、在り方を知ることが出来る構成の良さもさることながら、なにより役者陣が最高。
館ひろし、綾野剛、市原隼人、豊原こうすけらの演技は圧巻。
鳥肌ものだった。
綾野剛の心理描写もていねいでそれを表情で語る演技は凄い。
最後に色々な困難を超えて垣間見える愛には感動。
本人の性格に起因するところは少なからずあるにせよ、親の壮絶な死による青年期の難しい環境により、複雑な人格形成を強いられた主人公の山本の人生と悲しい最期のことを思うと、謙虚に感謝を持って生きていこうと思わざるをえないし、ただひょっとすると山本の人生は決して間違ってはいないのではとも思わされた。
正義を全うした最期があのような形であったとしても。
時代に作られてしまい、世間に国に作られてしまいがちな中でも自分に正直に立ち向かっていた山本の自我を讃えたい。
過去に起因して現在の評価が何もかも全てきめられてしまう習慣は必ずしも正しいとは限らないのではないだろうか。
環境、まわり、年齢のせいにして挑戦を躊躇するような考えがよぎりそうになるのなら、山本の勇姿を振り返るようにしたい。
ヤクザと家族の家族であり続けたい。
イメージと違ったが悪くない
予告編を見て刑務所から出所後の元ヤクザが生き難い世界を描いた作品かと思っていたが、
そこにたどり着くまでが長かった。
ヤクザになるまで、ヤクザとしての全盛時代から事件まで、そして、出所後と3つの時代を通し
て、家族を守るために戦い抜いた漢の姿が描かれていた。
世知辛い世の中に押しつぶされたかに見える救いのない晩年であったが、ラストシーンは良
かった。
確かにSNSの時代だけど
作品はメチャメチャ面白かったです。136分って自分にとっては長過ぎる時間だけど、それを感じさせませんでした。
舘ひろしの組長が強くて優しくて前半は義理人情のファミリーの世界観がよく描けていたと思います。確かに任侠映画にはありがちなのですがそれでいいのです。綾野剛も舘ひろしも豊原功補も良かったですが、翼くん役の若い人(すいません、名前は分かりません)が凄く良かったです!
しかし時代の変化を一つのテーマにしているのは分かりますが殺人で刑期を終えた元ヤクザと一緒に住んでる家族が職場や学校からSNSの書き込みが理由で追いやられるなんて言うのは盛り過ぎだと思います。
SNSの書き込みを真に受ける人事もおかしいし、例えそれが真実でも今の労務基準では不当解雇ですよ。逆に時代に逆行していると感じました。それだけ気になりました。
舘ひろしと磯村勇斗の無駄遣い
舘ひろしが最近カッコいいって思ってて、しかもヤクザの組長を役やるって聞いて楽しみにして観に行ったのに。
事務所から止められて、台本を読んだ舘ひろしが出演を決めたっていうのと、扱う題材が面白いじゃんって理由でワクワクしたのに。
舘さんはガッキーとの入れ替わるドラマくらいしか知らんけど、カッコ良い!って思ってからYouTubeで動画検索して観まくってた。とんねるずとの絡みが最高にお茶目で可愛い舘ひろし。
あぶない刑事観たことないけど観てみよう。
綾野剛の演技が元々好きではない。前から思ってたけど、らりるれろをハッキリ言えない俳優ってどうなの?それをカバーできない演技力この人にあるとは思えないのに舘ひろしと共演すんの?
狐狼の血の冒頭から豚の糞を食わされてヤクザに殺される駿河太郎が、この映画では敵対してるヤクザ側で嫌ーな役ってのをニヤニヤ観てた。加藤役の豊なんとかってキョンキョンの不倫相手の俳優は何か綾野剛より嫌い〜。あの顔でカッコつけてる演技がきもい〜。
尾野真千子は、小栗旬の妻役で出てた映画も観に行ったけど、なんか喚き声が雑音なんだよね。自分に酔ってるのは良いんだけどマジで感情込めたシーンやると声が雑音なの。ここまで耳障りな声を発する女優観たことない。最高の離婚なんて終始雑音。この映画に出なくても良かったんじゃない?
そこまでの綾野剛と尾野真千子の恋愛シーンなくて、刑務所から出てきて尾野真千子を求めるところを観ていたら、しつけー男だな、ほっといてやれよって思った。
現代のヤクザ映画しか知らんけどアウトレイジ、龍三と7人の子分たち、狐狼の方…。いつも公開されれば観に行って満足して帰ってた。今回も予告を観る限り面白そうと思った私が馬鹿だった。
ヤクザが廃れていく話なら、たけし映画の龍三と7人の子分たちのが一億倍面白かったよ。好みによるでしょうけど。
見せ場だと感じたシーンは舘ひろしの「俺のタマを…」のくだり。舘ひろし渋い〜。ヤクザが廃れていくストーリーなのはワカル。だけど、だったらニューヤクザの磯村勇斗のところでドキドキワクワクするシーンもっと魅せてくれても良くねーか。
舘ひろしと磯村勇斗の無駄遣いだと思った。あと地味に寺島しのぶも無駄遣い。
ヤクザ映画!しかも舘ひろしに磯村勇斗\(^o^)/って思って行ったからダメだったのかな。
いやー、そんな下心なくても面白くなかったよね。なんでこんな評価高いんだ。一緒に観た人は良かったって言ってたけど。
付き合ってくれた人に、この映画の直後なんだが私2回めだけど口直しで新感染半島観たい!って言ったら付き合ってくれた。観終わったら「瞬きする間がないくらい面白かった!」だそうです。私は2度め泣かなかったな。初回はハンカチ口に押さえて号泣でしたが。
今年1番かも。
今年で1番かもしれない、人生に残るような作品かもしれない。そう思うような作品でした。
青年期〜30.40代までを演じ切る綾野剛。その他キャスト。役者だけに変化があるのではなく、スクリーンへの映り方にも変化があり感心させられました。
作品を通しては主人公に全く救いがないなと思いましたが、確かに幸せな時間はあったのです。
柴咲組の人達や由香たちと過ごす時間。そこには血は繋がっていなくとも家族の絆が、愛がありましたね。
やはり1番辛かったのは北村さん演じる中村が「薬をやるほど堕ちてない!」と言っていたのに最後シャブを打ってしまう、その末路がすごく辛かったです。
時の流れは社会だけでなく人を変えてしまう。その影響力の大きさを感じる作品でした。
キャスティングは何も問題なかったと思います。個人的には磯村勇斗さんが素晴らしかったと思います。
もちろん、ほかの役者さんたちもその「登場人物」にしか見えませんでした。
また、劇中の音楽や主題歌が素晴らしいなと。
主題歌のfamiliaもあってこの作品が完成するのかなと思います。歌詞が映画にリンクしていてすごく切なく心に残ります。
映画を見た方はぜひfamiliaを聞くだけでなくMVも見て頂きたいです。
とにかく、見て損はない映画です。私の人生に残る作品になりました。こんなに素晴しい作品に出逢えたことに感謝しております。
最後が少し残念
派手なシーンは序盤で大きな抗争なども描かれてはいない、ヒューマンドラマに近いので女性も楽しめます。
最後、市原隼人演じる弟分に刺されるのはいただけなかった。
あのシーンで、誰かに殺されるだろうとは予感していたが、他の方も言うように動機が薄いこと。
あとは、綾野剛演じるケンジが時代変化の被害者かのような終わり方。
もちろんケンジが主人公でケンジは仲間の仇打ちという正義が大義だが、彼は殺人犯に変わりはない。
どんな奴でも殺された人にも家族や仲間がいるのだから、その殺された人の家族や仲間に今度は逆に仇打ちにされる終わり方の方が考えさせられるのではないか。
ヤクザが現代では、社会的に弱くなった理由にも繋がっていくと思う。
ケンジも被害者でもあり加害者ということを出した方がよかったと思う。
それ以外は、主題歌含めとてもよかった。
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