ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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画力はある。役者もいい。けど話が面白くない。 といういつもの藤井作...
画力はある。役者もいい。けど話が面白くない。
といういつもの藤井作品だった。
主人公が家族、特に父親を求める背景が一切描かれず、家族というものが彼にとってなんなのかもわからないまま。
そこを描かないから結局単にステレオタイプのヤクザ像、家族像を壊すことがない。
主人公がヤクザになって初めて知る家族であったり、組長に惚れるエピソードとか、組員とのいざこざを経て絆を深めていく様とか、ユカとの生活への違和感だったり、いろいろドラマは作れそうな要素があるのに。
だから全然主人公に思い入れできず、冗長なアップの連続、大袈裟すぎる音楽に徐々に辟易してくる。
こういう結末を迎えても、まぁそりゃそうだろね、としか思えない。
それと街の描き方が気になった。
ヤクザって市民と切っても切れない関係だからこそ、実在の街か、どこをモデルにしてるのか想像させる何かがないと、14年の変化が伝わりづらいんだよな。なんか嘘くさくなっちゃう。
少し話そっか
ラストが素晴らしい!
煙草と血の匂い
結末を連想させるオープニングシーン
綾野剛の顔がいろいろ違って見える
こんなにいろいろな表情というより、顔をする役者さんっていないと思う
綾野剛がヤクザ?どんな演技をするのかなって、そこは疑いながら観てましたが、すごいですねー
最後まで緊張感もって観させていただきました
木村翼演じる磯村勇斗も魅力的でした
特に最後のシーンは涙腺が緩んでしまいました
ただエンディング曲はいただけない
せっかくの最後の感動の余韻に浸りたいところ、やかましすぎてぶち壊しでした
後、喫煙シーンがこれでもかっていうくらいあるのが気になりました
スクリーンから煙草の匂いがするくらい、多かったです
ヤクザの世界も時代とともに変わっていく
やっぱり普通の幸せがいいなって思わせてくれる映画でした
音楽も効果的に使われていたと思います
観てよかったと思えるいい映画でした
家族と愛に憧れた男の物語
バイオレンスでシリアスな、現代のヤクザ映画……
これは良さそう! と予告を見た時から見ると決めてました
2時間ちょっとはあっという間に過ぎたのですが
これまた今の世知辛さを映す
つらいつらいつらいのオンパレード
普通に生きていたら手に入ったかも知れないものも
普通に生きられないから手に触れる事すら難しい。
唯一のホッとするシーンは
綾野剛と尾野真千子の出会いのシーンくらいか
出演者みんな魅力的だが、大きく包み込むような存在の舘ひろし、繊細で美しくかつ、危うい雰囲気ながら、根底では熱く、愛情深い役を演じた磯村勇斗が特に良かった。
ヤクザを馬鹿にも美化にもしない描き方も良い。
この作品を見て警察に何か思った方は
「日本で一番悪い奴ら」と「ポチの告白」もどうぞ。
今回ヤクザとして出ていた、綾野剛と菅田俊が警察として主演を務めています。
ヤクザ映画の終焉
綾野剛さん良いです!
綾野剛扮する山本は一見、自暴自棄な生活を
していいましたが深層には人との繋がりを
求めていたのだと思います。
それは柴崎組の組長から「行くとこないんだろう」
の一言で涙を流すシーンに現れています。
登場人物の全て社会が変化する中で必死に生きて
いますが・・・・・。
物語全体の感想は「やるせない」と言った所です
しかし、この「やるせない」物語のラストシーンで
見せてくれる次の時代への僅かではあるが一条の光
これにオジサンの涙腺は崩壊したのです。
男には「家族」がいた
「母」と「弟」がいた
「父」と「兄」がいた
そして「妻」と「娘」がいた
男の為すことが「家族」を傷つけ、生きたいと願いながらも最後にはその罪の意識から死ぬことで救われてしまった哀しい男の物語。
家族はどんな時でも家族だった。どれだけ傷つけ、傷つけられてもその根底には愛が流れており、その「家族」と「愛」という半ば呪いのような繋がりが哀しみを加速させる。
喜びも悲しみも、否が応でも全てを共有する家族という特別な繋がりを描いた秀作です。
鑑賞してから一晩が経ち、胸の疼きが治まるどころか更に激しくなるような作品に出会えたことを幸せに思います。
時の流れとは、残酷なのかそれとも…。
観終わってから、藤井道人監督がなにを言いたかったのか、ずっと考え込んでしまった。
単なる社会派ドラマとしてでなく、極道もんの生涯を描いたのでもなく、
なんだろう、この喉の奥に突っかかったままの異物がとても気になる。
しかし藤井監督がこういう設定の映画を撮る時、
一度は必ず背筋が凍るような場面を敢えてこしらえるのは、
なにか意図があるのだろう。
今はまだ解らないけど。
にしても綾野剛のキレッキレに終始、目を奪われる。
あぁ、この人きっと中身が空洞なんだろうな。
スルっと役に入り込んで、スルっと抜けてを繰り返す人なんだろうなと。
そこに良い出汁が出てくるのは、もう少し後の話なのだろう。
周りを囲んだ演者さんたちもとても良かった。
(宇野祥平さんが一瞬だけ出てて笑ったw)
時代とともに、
ヤクザも、モラルも変わっていく…。
それに乗っかるのが正しのか、抗うのが正しいのか、
自分の足元を見つめ直す、良い機会をもらった気がする。
ヤクザは真の家族を持てないの?
綾野剛演じるケンちゃんが1999年にヤクザの覚醒剤を奪ってボコボコにされ別のヤクザの組に入り組員と家族の盃を交わす。2005年に愛した女性がいた時、抗争で弟分を射殺された仕返しに行き兄貴分が刺し殺した代理で刑務所へ。2019年に出所して組に戻ってみると14年前とは全く違ったさびれようで、昔愛した女性を見つけると娘がいて・・・という話。
やくざになったのは自分で決めたんだから、自業自得と言ってしまえばそれまでだが、愛した女性と娘にまで迷惑かけてしまうのは気の毒だった。最後は元弟分にまで憎まれてしまい・・・。
20年間でのヤクザを取り巻く環境のかわり様とヤクザが足を洗う難しさを見せられた作品だった。
切なくて、愛おしい
【過去と現在をつなぐもの】
この生きた証をめぐる物語は壮絶だ。
そして、自分は一体、何者かと問い続けているとしたら、それは、ヤクザも僕達も同じではないかと思った。
(以下ネタバレあります)
↓
彩が、「父はどんな人だったんですか」と、翼に問いかける。
翼は、ヤクザに父を殺されていた。
「話そうか」と答える翼。
このエンディングの場面、とても胸が熱くなる。
賢治は、翼の決意を察知して、行動に出たのだ。
賢治も、ヤクザに父を殺されていた。
賢治は、自ら中村の身代わりになった。
賢治は、自ら翼の意図を察し、行動に出たのだ。
賢治の短い人生は身代わりの人生だ。
ヤクザの人生なんて、こんなものだと、賢治は自分自身に言い聞かせていたのかもしれない。
救いは、ヤクザにではなく細野に送ってもらったことかもしれない。
贖罪でもあったのだろうか。
ヤクザの血で血を洗うようなことはもうないのだろう。
ヤクザの契りの物語かと思っていてが、見事に裏切られた。
自分は一体、何者かと問い続ける葛藤の物語だ。
描かれた反社会的勢力を取り巻く環境や、その変化は、この作品のメインテーマではないと思う。
一人のヤクザの決して長くはない人生を通して見た、家族の過去と現在をつなぐ、重厚な物語だ。
暴力団を追放した国家。しかしヤクザの介在を求める存在が民間にも厳然として存在する以上、ヤクザが抜けた穴を別の存在が埋めるのは当然のことなのかも知れません。
暴対法以後、警察によって痛めつけられてきたヤクザの悲哀を描いた映画です。
人を殺し、14年間の懲役に行っているあいだに世の中が様変わりしてしまい、対応に苦しむ主役が綾野剛で、そりゃあ迫力がありました。
ヤクザを抜けたあとも5年間は銀行取引もできないし、家も借りられないし、まともな人間として生きる道も認められないという現実のなかで、前科持ちの元ヤクザ・綾野剛はほんとうに苦しみ、愛する人を不幸に陥れ、ズタボロにしてしまいます。
警官に言わせると、「ヤクザとして市民社会に与えた被害から見れば、こんなのは甘いぐらいだ」ということですが、家族で朝食を食べる、それだけのことすら認めてもらえない人たちがいるのだという現実は、胸に突き刺さりました。
しかしまあ、現実は、暴力団ではない半グレという存在が、ヤクザの抜けた穴を埋めてしまうものであり、まだしも礼節を知っているヤクザであったほうが良かったんじゃないですか、ということなんでしょうか。
私はどっちも好きではないですけど。
【反社会的組織に身を置いた男と様々な”家族”の関係性の変遷を、暴力団対策法施行前後の彼らの栄枯盛衰の姿と共に描いた社会派作品。綾野剛は日本が誇る俳優である事を再確認した作品でもある。】
ー冒頭とラストで、山本賢治(綾野剛)が、水中を静かに落下していく様が、大スクリーンに映し出される。彼は、その時何を想っていたのだろうか・・。
ラストの彼の穏やかな微笑みは、存在自体がこの世から消えゆく中、まるで彼が母体に帰っていく安堵感を表しているように、私には見えた・・。ー
◆1992年の、暴力団対策法施行時の事は、良く覚えている。
世間では、”これで暴力団はいなくなる・・”という意見が殆どであったが、私が学んでいた学校は、反体制の気風が高く、法律を学んでいた私の恩師の一部は、暴力団員の人権が無くなるという危惧を唱える方と、暴力団員たちの行為が、より闇に紛れていく事を危惧する方が多数いた。
だが、そのような意見は世間的に論議されることもなく、私自身も、”ヤクザなんて、この世から居なくなれば良い”と安易に考えていた・・。
勿論、今でも、反社会的組織及び行為は全否定するが・・。
<この作品の素晴らしき点>
・そのような世間常識に違和感と問題意識を持ち、自ら脚本を執筆し、ヤクザを描きながらも、”ある社会的メッセージ”も込めた素晴らしき映画に仕立て上げた藤井道人監督の姿勢
・この稀有な監督は、”ヤクザに人権は、必要ないのか ”(今作品では、五年縛りと言う表現をしている。)というタブー視されても仕方がないテーマを塗しながら、彼らが消えゆく過程を、
”家族とは何であるのか”
という普遍的テーマを軸に一級のエンターテインメント作品として、描いている。
・演者の素晴らしさ
1.舘ひろしさん
任侠道を重んじる普段は笑顔が爽やかな、だが自分のシマを犯してくる侠葉会会長、加藤(豊原成補)に対してのドスの効きまくった啖呵を吐く、柴崎組組長を演じた舘ひろしの凄さであろう。
「終わった人」で、新境地を開かれたなあ・・、と思っていたら、あの凄いオーラ漂う姿を演じる姿。凄かった。
そして、令和の時代、癌に侵され、弱弱しくなった姿も見事に演じている。柴崎組の盛況、衰退を彼が、見事に体現しているのである。
2.綾野剛さん(山本賢治)
圧倒的な演技力と存在感である。
19歳からの20数年を、違和感なく演じ切る凄さ。
チンピラから、柴崎組長に見い出され、オヤジとして慕う隆盛期の銭湯での入浴シーンの身体の凄さ。
且つて、体脂肪率を一桁台にしていた時期もあったが、あの上半身の凄さは、只物ではない。
そして、刑期を終え、令和の世に出て来た白髪交じりの姿と、漂う寂寥感。
この俳優の映画作品は、殆ど見ているが、今作が、彼の代表作の一本になる事は、間違いないであろう。
3.尾野真千子さん(由香)
賢治が愛した女、由香を演じた尾野真千子の愛しい人と再び出会えた喜びと、彼が同居を始めた途端にSNSで情報がリーク、拡散され町を愛した男との娘と共に後にする悲痛な姿も忘れ難い。
4.愚かしきマル暴を演じた、岩松了さん
ヤクザと癒着したマルボウとして、見事に演じている。
ー 我が学生時代の師が憂慮した
”暴対法施行によりヤクザが闇に紛れていく事”・・ー
5.磯村優斗さん(成長した翼)
こんなに凄い演者であったとは・・。
暴対法に規制されることなく、自由に振舞う翼の姿が、新しき反社会的存在として鮮やかに描かれている。
藤井監督は、暴対法の限界も提示しているのである。
<この映画は暴対法施行前後の、ヤクザの栄枯盛衰を描いているが、決して且つての任侠映画ではない。
一人の”家族の愛を知らずに育った男”が、初めて様々な”家族”の暖かさに接し、”家族”と共に、必死に生きた姿を描いた物語なのである。>
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