ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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演技が素晴らしいし、監督の手腕がさすが。
最近映画館で観るものが不作気味だったところに。
きました、これは素晴らしい。
綾野剛の役幅って広いですね。印象に残っているのは「怒り」の気弱な役ですが、今回はバリバリのヤクザ。めちゃくちゃ似合ってる。
サマになってるだけでなく、暴れ放題の若い頃から、組に拾われてヤクザになり、服役してカタギになるまでの年月を見事に演じ切る。
舘ひろしも良かった。比較的少ないセリフの中に何とも言えない暖かさとドスを含むのだけど、大きな手で頭をクシュッとしたり抱き寄せたり、本当の息子のように結ばれた関係に胸が熱くなる。
ヤクザって・・・
好きでやってるわけじゃないんだな・・・
皆ああなるしかなかったのか・・・
ヤクザの人権て… 考えたこともなかった…
組を抜けても、たとえ改心しても、世間にはなかなか受け入れてもらえない…
生きる場所が、他にないのか…
色んな事を感じながら迎えた終盤。
結末がショックすぎた。
あと1人、主人公を慕う食堂の可愛い男の子が成長して半グレになってからを演じた磯村君の演技がとても光っていた。これからが楽しみな若手俳優だと思う。
彼の目の演技、ちょっとすごいですよ。
さすが「新聞記者」の藤井監督。34才なんですね。
凄い才能と技量です。
次の日まで引きずるほどの魂がえぐられるような作品に出会った
1999年から2019年までの20年をヤクザの世界の男たちの栄枯盛衰と愛を求め続けた一人の男の半生を描いた作品、と言えばシンプルに聞こえるが、これはただのヤクザモノ映画ではない。ヤクザ×社会派映画。それは愛と憎悪、義理と人情、金と名誉、差別と偏見、そして社会の変化によって排除されて消えゆく者たちのとんでもなく切なく、まるで魂をえぐられるような、見終わった後その場からしばらく動けないほどの深い深い余韻に包まれる。人によってはその場で叫びたくなるような、もう、とてつもない傑作だ。
愛に飢えた弱く儚い部分と、義理堅く人情に溢れた温かい部分を併せ持った山本という男を演じた綾野剛の生き様が表れた渾身の演技×舘ひろしの包容力と渋みのある演技は観るものを惹きつけ離さない。
◎前半のtheヤクザ映画的なシーン、男のロマン溢れるシーンには女の本能が掻き立てられる。男は強くとか、女を守るものだと言うとフェミニストに怒られそうだけど、やっぱり女って強い男が好きなわけで、ヤクザもの好きには堪らないであろう。
◎2019年からのシーンは社会派映画、反社会勢力によって彼らの存在さえも認めてもらえないような社会でなんとか生きていく柴崎組や山本たち。
足を洗いせっかく手に入れた幸せさえも、社会派の波や圧力に飲まれてあっという間に壊れてしまう。
◎寺島しのぶ、尾野真千子演じる、その男達を愛する女達にも注目だ。
愛してはいけない男を愛してしまうこと、愛する男の命をつなぐこと。
山本は金も、社会的地位も、生きる場所さえも失っても、「家族」と「愛」と「義理人情」だけは最後まで持っていた。
負の連鎖が引き起こしていることも本作から忘れてはならない。
やるせない、切ない。涙なしでは見られない。
全力でお勧めする。是非劇場でこの臨場感を味わってほしい。
タイトルなし(ネタバレ)
「ヤクザと家族」タイトルからある程度内容を想像して映画館に赴いたが、そんな安直な話ではなかった。
実際にヤクザに出会ったこともないし、明確に認識したこともない。けれども、1999年から2021年にかけてヤクザが社会的に排除されていることは1997年生まれの僕でもわかる。
排除される=ヤクザの存在が許されていない。
しかし、ヤクザにはヤクザのストーリーがあるし、周りを取り巻く環境は整備されているのか・僕たちはヤクザの何を知っているのかと考えさせられた。
綾野剛が好きで、1日は映画が安いし、ヤクザもの好きだから観に行こうという気持ちでしたが、深くて暗い光が遠い余韻に浸っています。
グロ耐性がある大人には是非観てほしいです。
※ここから先ネタバレ注意
市原隼人が殺した理由が雑みたいなレビューを見るけど、個人的な見解だと、綾野剛に責任がないのはわかってるけど行き場のない憎しみ・悲しみをぶつける先が他になかったんじゃないかな。帰ってきてお世話したのが元々の原因っちゃ原因だし。自暴自棄になって捕まりたかったのもあったのか。でも、刺してる間の後悔は背中からとても伝わってきたな。
血と契、家族の絆を別の側面から描く
山本賢治という男がヤクザになってからの20年の物語。親分から盃を受けヤクザになるまでの序盤、ヤクザとしてブイブイ言わせていた中盤、そして殺人の刑期を終えて戻ってきてからの終盤、3つの時代を描く。
ストーリー重視かと思っていたが、バイオレンスなシーンの撮り方が結構臨場感や迫力があって驚いた。そして14年という長い期間が経っていることを示唆する箇所がいくつかあって、その変わりようにビックリ。年月の経過の演出がうまかった。
肝心のストーリーだが、賢治という1人のヤクザの物語としても面白いのだが、地方ヤクザの現実という意味でも面白かった。さらにタイトルが「ヤクザと家族」だから家族という視点も重要。シャブ漬けで死んだ実の父、拾ってもらった柴咲組の親分(盃を交わした親子)、そして刑務所に入っている間に生まれた実の娘と愛する女。ヤクザが築く家族関係なんてそんなものかもしれないが、一つとしてマトモじゃない。実の親子の血のつながりを拒否し、契で結ばれた親子の絆に救いを求めていったが、結局血のつながりに回帰していったように思える。最後、賢治が求めた家族の形は時代の波に流され崩壊したまま終わってしまうかに思えた。でもラストに待っていたのは、賢治の娘が賢治のかわいがっていた翼に賢治の人物像を尋ねるシーン。お互い実父がヤクザという2人が、父はどんな人間だったのかと知ろうとするのはなぜだか感動的だった。「ヤクザと家族」というタイトルにふさわしい結末だ。
観終わってから、あーそういえば「新聞記者」の監督だったっけと思い出す。原作なしでこれはかなりすごい(新聞記者も原作ありとは言いづらいけど)。今さらだけど、藤井監督すごいぞ!
ヤクザの勃興と衰退から置かれた立場をどう解釈すべきか、これは悲劇か必然か
「エリートすぎる映画」に映り、何度反芻しても消化不良を起こす。どちらかというと、出来すぎていて感情を生む隙がない。圧倒されすぎて、感想を書こうとしている今も。
健坊が家族として迎え入れられ、のしあがっていく様は圧巻。時代が変わろうともヤクザという地位は不変だと思われていた。しかし、14年でガラリと変貌する。黒塗りのセンチュリーやセルシオからプリウスに変わったように、社会を義理人情で治安維持にする姿などまるでない。悪しきレッテルだけが貼られる。そこに寄り添うヤクザと言う名の家族はすっかり痩せ細り、幸せどころか人権をも失う。これは社会が孤立させているのか、因果応報なのか。悶々とした感情が彼らの遠吠えから問いかけられる。その一方で、「半グレ」が対等する今も透けており、生きるには形を変えて適応することの必然性も垣間見える。そうした感情の錯綜が作品全体のメッセージをぼんやりとさせている。よって、圧倒されただけに留まってしまった。これは相性の問題だとは思うが。
現代に突き刺す「ヤクザ」の行方。「The Family」の副題からも分かるように、ヤクザはもうそこにいない。「家族」だけは途切れることのないものとして残っている。では、彼らは今どんな存在にならねばならないのか。現代の無情は仕方なしと思ってしまう自分もいるのだが。書き終えようとする今も、整理はつかない。
太刀ひろし
Vシネマみたいなドンパチやりあうのではなく、リアルなヤクザの時代の移り変わりを描いた内容でした。
舘ひろし様、渋くかっこいいのですが、ヤクザ役は大根っぽかったのでみていて少しみにくかったです。
あれが舘ひろし様でなく違う俳優さんだともっといいと思ったのは私だけでしょうか…
エンディングはちょっとわけわかりませんでした。警察に止められてたのに、なぜ堤防まで行けた?
堤防でなぜ刺される?GPSでもついてた?ストーリーとか良かったと思っただけに残念でした。
煙
素晴らしい作品でした。圧倒されました。
時代の描き方が上手で、携帯や服装然り、タトゥーをいれている人が銭湯に入れているなど、ヤクザなどの特定の人物が時代の流れに影響されている部分が描かれており鳥肌が立ちました。
最初からヤクザではなく、血の気が短く自分の父親を許せない主人公がシャブの売人をボコボコにするところから物語は始まりますが、甘ったるい実写化作品が多い日本映画では久々に観れた荒々しさでした。こんなにも早く手を振るうとは…と驚かされました。それと年齢の分け方が上手で、髪型だけでなく顔立ちや仕草で歳を取った様子で見せているので違和感なく見れました。
親父に拾われ、女を好きになり、復讐を果たすという流れは山本賢治の素直さがもたらした全てで、本当にいい人なんだなと思うばかりです。そして14年の月日を経って出てきた世界はもう別物。かつての柴咲組はほぼ壊滅。かつての子分は別の職に就いていた。そして由香の元へ行き普通に戻ろうとする。でも、この時代特有のSNSでのインターネットタトゥーは強烈なもので、平和すらも死んでしまいました。最後の最後は実の父親と同じ死に方、しかもかつての子分が恨み節を吐きながら。見ていて辛かったです。
希望を残すラストながらも、ひたすらに物語は残酷でした。主題歌のFAMILIAが全てを包んでくれました。本当に素晴らしい映画を見ました。ありがとう。
鑑賞日 2/1
鑑賞時間 12:05〜14:30
座席 G-9
不条理は一般の社会にこそ蔓延している
綾野剛ファンとして3回観に行き、4回目はいつ行こうか考え中。本作は一人の男のヒューマンストーリーとして今年度の最高傑作と言って良いと思う。演技派の綾野剛が集大成と言い切るだけのことはある、重厚感あふれる一代叙事詩としても見応え充分。
137分という長尺を感じさせない中盤までのスピーディーな展開、重苦しい空気が漂う後半、そしてやるせない結末には熱い余韻が残りました。(追記あり)
…と、Twitterではフォロワーさんとともに絶賛し、それはもちろん本気ではありますが、Twitterでは言えない別の側面から本音をいくつか。
まず、すいませんね、誰も興味ないと思うんですが、自分は直接ヤクザに関わったことは一度もありません。他の大多数の方同様、至極全うに生きてきました。
ただ、はるか昔、中学のときに田舎ヤクザの組長の娘が同級生に居ましてね。結構これが酷かったんですよ。
時代が時代だけに、彼女は自分の後ろにある「力」を振りかざし、教室を支配しました。もちろん教師もPTAも見て見ぬふりです。彼女はアヤのような清楚な可憐さは1ミリもなく、金髪にピアス、スカートを腰までズラしてトイレで取り巻きと一緒にタバコをふかす、ただのアバズレでした。
しかし当時の狂ったような教師達の「身だしなみ検査」も彼女とその取り巻きはお目こぼしでした。真面目な生徒だけ前髪は眉毛より上とか、パンツは白とか変な規則で縛って頭おかしいでしょ?それこそ社会の不条理じゃないですか?
親からは関わるなときつく戒められていたため、交流など殆どなかったんですが、彼女のために授業派しばしば中断され学校は大荒れ。皆が大変迷惑したことを覚えています。今、彼女が肩身の狭い思いをしててもザマアミロとしか思いませんね。
もう1人、こちらは別の幼馴染ですが、いわゆる恋愛体質でいろんな男性とお付き合いをした結果、あるときパート先の出入り業者でもと暴力団員の男と良い仲になり、泣いて止める親を振り切って家を出て行ってしまいました。
もちろん予想通りの酷い目に遭わされ、早々に男の元から逃げ出しましたが、男は何度も実家に押しかけ、やがて親を脅すようになったため、彼女は遠くの縁戚を頼って数年隠れて暮らす羽目になりました。
自分は一度だけその男を紹介されましたが、綾野剛のようなイケメンでもなく、山本のようにピュアな心を持つ男でもない、ただ頭も悪く執念深い粗暴なブサイクデブだった印象しか残っていません。
後日その男は傷害だかなんだかでお縄頂戴となり、彼女はなんとか実家に帰ることできたそうです。シャブ漬けにされてなくて良かった良かった。
ま、現実はそんなもんです。
この映画見て、綾野剛や市原隼人や磯村勇斗のイケメンぷり、悲劇的な物語に惑わされた一部の方が、ヤクザに人権がないなんてーとか日本の社会が不寛容ーとか言ってますが、はあ?何言ってんすか?
ヤクザに携帯売って、アパート貸して、犯罪に使われたらどうすんですか?我が子の幼稚園にヤクザの子供が入園したら、そりゃ園長に猛抗議しますよ。イケちらかしてる綾野剛がスクリーンの中で涙を流し、苦悩してる姿に皆さん共鳴してるだけで、自分の職場や生活圏内に元ヤクザが入ってくりゃ全力で避けようとしますよ。
そして日本ではそれが全うな反応なんです。より健全で安全な社会を目指すため、暴力団は徹底的に排除されるべきなんです。警察も議員も悪いことしてるのにーとかの話とは別問題です。社会の在りようの問題なんです。
ヤクザはその人生の中で他人を傷つけ迷惑かけてきた罪を、その身をもって知るべきなんです。
「(監督のコメント)ヤクザは刑務所で親族以外面会禁止。自分がその立場だったら、すごくつらいなと」
は?組員が面会に来たら組を辞めたくても辞められないじゃないですか。辛い?当然でしょ。刑務所は快適さを求めるホテルじゃないんですから。人権に制限をかけられるという罰を受けに来てるんですから。何寝ぼけたこと言ってるんですかお坊ちゃま。
この映画はめちゃくちゃ好きです。今年最高の作品になると確信してます。舘ひろしの迫力にシビれ、綾野剛のぷりケツ…いや刺青をガン見し、尾野真千子との夫婦漫才っぽい可愛いやり取りに悶絶しましたよ。最後の翼とアヤのシーンでは爆泣きしましたよ。ええ、名作です。綾野剛ファンで良かった。
しかし色気ダダもれの綾野剛にシャブ中の如く溺れる一方、SNSで、この才能あふれる有名私立大学出身監督のキラキラした青臭いコメントを読み「バッカじゃねえの?お花畑の住人か」と思ったことも事実です。
すいません、空気読めなくて。
ーーーー追記ーーーー
名作と言い切りましたが、個人的に言及しておきたい不満点も挙げておきます。
・オープニング。アレ出されたら、もうラストに至るまでの話の展開が想像できて面白さ半減です。他の映画でもたまにあるけど、よほどの「そう来たか」展開じゃない限り、この手法は禁じ手にしてほしい。
・ガチの綾野剛ファンだけど(小声)さすがに19歳役はビジュアル的に厳しかった。顔の皮膚のたるみとか声がおっさんとか。ただ青年時代を他の若手が演じたら、作品としてここまで評価が高かったかは疑問なのでヨシ!
・ユカへの執念。これ普通ならヤバいストーカー案件。
・ユカ母娘を待ち伏せした朝から秒で仲良くなってるけど、そこの過程を省略して「大事な家族になりました」って雑過ぎじゃないですか?
・ラスト、そもそもこんな結果になったのは市原隼人が「写真くらいいいじゃん」と言って撮らせたのが直接の原因だし、ネットにアップしたヤツが一番悪いのに、山本を刺すなんて逆恨みもいいとこ。この結末見ると、やはりヤクザは暴力で解決しようとするんだな。こりゃ自分の生活圏に近づいてこないようにしなきゃなって改めて思った。
・ミレパのMV素敵過ぎるけど、ネタバレ感半端ない。情報解禁時の宣伝は、ネタバレ撲滅推進派議長として検閲を厳しくして情報の統制を敢行したい。
・銭湯のシーン、もっと長くアップで全身舐め回すようなカメラワークを!できれば正面から!3分は見たい!
作品の好きなところ、素晴らしかった点も列挙したいが、いい加減長文になり過ぎるので割愛…残念。
平成と令和とヤクザと
ヤクザは悪か、善か、
物語は静かに始まる。
話の舞台はどこかは明言されないがどことなく広島を思わせるような地方の栄えた街のできごと。(もしかしたら広島を連想するのは多少虎狼の血の影響があるのだろう)
賢坊が肉親を亡くし天涯孤独の身になり、そこから柴咲組の子分となるまでは淡々と進む。
そして、親子の契りを交わす盃の場面は往年の任侠映画のような音楽と題字。
ここから前半は義理人情で突き動くベタながら見応えある任侠映画が続く。
そこから主人公が兄貴の罪を被って刑務所で14年過ごす。
そして主人公が出所してから物語ががらりと転調する。
この転調が面白い。
華やかで、そして、グロテスクで、しかしカッコいい、どこか憧れる。
そんな第一部とは打って変わって惨めで、辛くて、ひたすら暗い第二部。
画面も第一部と第二部ではだいぶ撮り方を変えていて同じ夜、同じ人を殺す場面でも印象がかなり違う。
今までヤクザといわれれば全て悪。
ヤクザに関わる人とは交際をもってはいけない。
ヤクザと交わりを持ったことで芸能界を引退した人もいた。
今思えばその人は「人として恩を感じた。セーフだと思っていた。」と語っていた。
しかし、この映画を観た後ヤクザだからといって一括りにして足を洗っても社会復帰も許さない、これはどうなんだとも思う。
確かに、ヤクザは警察の代わりに夜の街のトラブルを解決したりという治安維持の側面も持っている。(いわゆる、毒を持って毒を制す。みたいな??)
しかし、ヤクザがきっかけで抗争が起こり、多くの犠牲者が出ることも否めない。
全てが善でもなければ、全てが悪なわけでもない。
と、そう考えさせられた。
役者さんの演技も皆一流。
割と淡々と進むのに最後まで飽きる事なく観れたのは役者さんの演技あってのことだと思う。
演技も演出も音楽も全てにおいて日本映画の最高峰だと思った。
最後に。
この映画を観て僕は三人吉三という歌舞伎を連想した。
世界の裏で生きているアウトローたちが暗い夜に華やかな悪事を尽くして最後は因果応報とばかりに皆死んでいく。
僕の中で出た結論としては、この三人吉三で和尚吉三が言うこの一言である。
「悪いことは出来ねぇなぁ」
タイトルなし(ネタバレ)
いくらファミリーつっても、舘ひろしのマイホームパパっぷりが過ぎてて、ヤクザの親分感のかけらもなかったような..
そのせいで余計周りが苦労したんじゃないかと想像に及んでしまう。
そして綾野剛の最期。まさかのあの人にやられるなんて! でした。
全体的には眠気も誘われずよいお話でしたが、わりとツッこみ所あるなと感じました。
脚本も演技も見応えがあり、ズシリときます。
まともなヒューマンドラマ
休日天気が悪いと、映画の日。
天気の良い日が続いてたので、作品はノーチェック
物色してて、これは無いなとレビューを見ると、そんなに?ってぐらい高評価で、決定。
任侠ヘルパー的な物をイメージしてがが、どんどん進むにつれて、これはまともなヒューマンドラマで、なるほど良い映画で、役者も皆さん良い表情❗
ただ、、、良い映画と思えば思うほど、、すいません。。舘ひろしさんじゃないだろ。。と。。
見た目は良いのにねぇ、、、
好い人過ぎて任侠っぽさが無い。。
もっと往年の迫力ある役者さん居るだろ、、、と残念な感じも。。
例えば、役所広司とか、西田敏行さんとか小林稔侍さんとかだったら、任侠親分も優しいお父さんも本気な演技が出来てたであろう。
ヤクザよりもネットの方がよっぽど怖い
ワンデーフリーパスポート3本目は「ヤクザと家族 The Family」です。
綾野剛×舘ひろしということで中々期待していた本作。昨年は「初恋」のみだったヤクザ映画だが、今年は今作と「孤狼の血Ⅱ」の2本が公開。ヤクザ映画好きとしてはたまらない1年です。
評判がかなりいいため、逆に不安に思ってしまう。どんなもんかと疑心暗鬼な気持ちで鑑賞。
評判通りの出来でした。
まさか、ヤクザ映画でここまで泣けるとは...。
抗争だけじゃない、彼らの生き様や苦悩を美化せず描いている。
1999年、父親を失い細野と大原でその場しのぎの生活を送っていたケン坊こと山本賢治(綾野剛)。ある日、行きつけの愛子(寺島しのぶ)の店で飯を食べているとチンピラが店にいた柴咲組組長(舘ひろし)を襲うが、山本がその危機を救う。
紛れもなく過去最高の演技をした綾野剛。
最初は新宿スワンかと思ったが、女を襲うシーンは日本で一番悪い奴らを思い出し、まさに彼の俳優人生の集大成だなと。自身のインスタで「渾身の作品が生まれました」と綴っていただけはあるなと。素晴らしい演技でした
もちろん、舘ひろしを始め役者全員生き生きとしている。個人的には寺島しのぶと岩松了が好演だったと思う。寺島の安定感のある優しく頼れるみんなのお母さん的存在、岩松の妙に苛立つ生意気で実は弱い刑事。
まさか岩松了を一日で2回見れるとは思っていませんでしたけどね笑
脚本、映像、演出共にお見事。
テンポは良いわ、街並みの懐かしさや自然の美しさをとても綺麗に写しているわ、体当たりで迫力のある演出にはドキドキするわで大満足。
伏線回収も美しく、同時に難解さもあるため何度でも見たくなる。よくわからなかった点があるので、そこも含めまた見よっかな。
主題歌が流れた途端、涙がボロボロとこぼれ落ちた。
何か聞いた事ある声だなと思ったらking Gunの2人。そりゃ染みるわけだ。いつぶりだろうか、ここまで泣いたのは。
ただ、淡々とし過ぎているんじゃないかと思う。
重厚感が無く、グッとくるものが少ない。衝撃が伝わってこなかったりと残念な部分がいくつかある。
挿入歌や編集にもっと手を加えて欲しかったな。
暴力団組員は組を辞めても5年は人として見られない。口座も家も社会からの信用も得られない。
更生しようにも出来ず、またヤクザになる羽目に。
ヤクザが怖いのはもちろんだ。出来れば関わりたくない。
ネットでは平気で人を傷つけ自殺に追い込むことが日常茶飯事となってしまっている。罪のない一般人を殺すのだ。本当に恐ろしいのはどっちだろう
深く苦しく今の時代に必要な映画でした。
ヤクザ映画を見ない、見たことがない方でも是非見てください。オススメします。
追記
良く考えればですね、これ雰囲気に騙されているんじゃないかなと笑 綾野剛と主題歌は神だけど、映画の脚本としては欠点沢山あるように感じました。
とにかく思うのは柴崎とケン坊の関わりが薄すぎる。なんでそんなに思いを託せるのかが分からないし、いまいち感情移入できない。もっと思い出あってもいいんじゃない?釣りにくらい行かせてあげたらよかったのに
という訳で★0.5下げます...笑
_φ(・_・どうしようもない悪循環の中で
主人公山本は若かりしヤンキー時代にヤクザの組長柴咲を殺し屋から助け、柴咲の人柄に惚れて組員となり頭角を表していきます。他の組との抗争で殺人を犯して刑務所へ14年、出所して戻るが組長は病気に、組は暴対法によってすたれていた。組長の説得でカタギに戻るが、、、、。
どうしようもなくヤクザという悪循環が全てを台無しにしていきます。
ヤクザを足を洗っても5年は一般人とはみなされないんですと。
ヨリを戻した女との家庭も元子分の家庭も世間の目がズタズタに壊していきます。
山本は元抗争相手の組長と昔子供の時に可愛がっていた馴染みの韓国料理屋の息子が抗争間近なことを知ります。そして、、、、。
山本は自らその悪循環を犠牲的に断ったんだろうな。コレは自己犠牲の映画でしょ?
山本が悪循環を断った事で家族になるであろう2人の若者が助かるんですから。
太陽の光も掴めず暗闇に落ちる山本、笑っている彼を想うと不憫でならない。
藤井作品 絶対悪、絶対正義でないところ、強さも弱さも兼ね備えているのが人間だという描き方が大好きです。
座長の心意気が全キャストを本気にさせる!
映画の日なので、一番鑑賞者が少なそうな時間を狙って久々にシネコン
『ヤクザと家族 The Family』
1999→2005→2019って、ポスターにもあるように、ヤンチャな青年と関わった人達の20年を描いた作品
もう出尽くした感もあるし、一つ間違えばVシネマ風になる題材を、見事に料理する主演・綾野剛の心意気とオーラが、全出演者に伝わってるのが、画面からビシビシ感じる。
ここまで全ての役者さんの演技に魅せられる作品はそうない。
1999年の描写は、私的には1970年代後半って感じで、キャストの実年齢的にチョッと無理あるかな!?って思いつつも・・・・
終盤の2019年を想定した見事な配役と言うしかない。
昭和・平成・令和・・・義理人情が重んじられる時代を生きた世代には、グサッと刺さる。。。。
今年これを凌駕する邦画はあるのか・・・・!?って感じの作品でした。
*2021年からインスタにもこのレビューと同じHN『eigatama41』で、投稿開始( ^ω^ )!
映画好きの皆様〜作品談義等はそちらに宜しくお願いします。
あの日の続きを語ろうか
老後のヤクザの実情が切ない。
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