ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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涙が…
3つの時代のヤクザの移り変わり。
昭和のヤクザは、義理と人情で親分と子分。そんなイメージしかなかった。
平成になり、不景気がヤクザをもおそい、令和は、ヤクザより怖いのはヤクザを怖がらないネット社会の若者たちなのか?
綾野剛さんと、舘ひろしさんの演技は良かった。舘さんの声もステキだが、セリフ無しの演技がたまらない、しびれる。さすがだ❗
後半の、カタギが家族を持つ苦悩。
そう甘くはない現実。
おもわず涙が…
でも、1人が他の人に与える影響力って、これほどにまで大きいのだなと…
最後、つばさの笑顔に救われました。
あれ無かったら、後味悪かった。
(最後のほう、急いでまわした感が残念でした)
「ヤクザと憲法」を彷彿させるリアリティ
動と静の綾野剛なかなかやるな。
ヤクザと社会。
ヤクザは現代社会において 弱者なのかもしれない
前半は 見応えあるヤクザドラマ
後半は 胸が痛くなる程の人間ドラマ
一人の男がヤクザであるがために
関わった人々の人生が 全て台無しになって行く
その様は
ヤクザ・極道 そう呼ばれていた人々が
今後社会から淘汰されて行くだろうと思い知る
暴力と声を荒げ 他者を威圧することでしか
生きる術を見つけられない彼等は
現代社会において 弱者なのかもしれない
兄貴分・中村が 生きて行くため『じゃあ俺はどうすれば良かったんだよ!』と叫ぶ
ヤクザであれ一般人であれ
生きることは容易ではなく
社会の中で 自分はどう生きて行けるのかと
考えさせられる
ヤクザという世界を通じ繁栄と衰退を描いた良作
少しでも報われたのかな…。
因果応報と言うけれど
血のつながりだけが家族じゃない
愛を求め、守ろうとした男の物語
舘ひろしのゴッドーファーザー感がぴったりはまっていた。
男気、重厚感、包容力、カッコよかったです。
こんな漢なら一生着いていきたいっと思うのも納得。
反社会的勢力はあまり好きではないが、彼らには彼らの生き方や信念、極道を選んだ理由があるのだなと改めて考えらせられた。
綾野剛は半グレ→ヤクザ→カタギの三役をしているが主人公の成長をしっかりと演じ分けれていたと思う。
市原隼は数年前まで主演映画多めで、個性的だから脇役とか難しいと思っていたが、いつの間にか脇役でも主役を引き立てる存在になっていてよかった。
二ノ宮隆太郎は今一番舎弟が似合う男だと思う、ちょっとバカだけど憎めないお調子者はまり役。
今作で一番よかったのは磯村勇斗、仲間に見せるリーダーの顔と、憧れの男に寄せる尊敬のまなざし、敵にに見せる冷酷な態度、すばらしかった。
中でもラストシーンの表情は心を掴まれました。
ドキュメンタリー映画「ヤクザと憲法」でも描いていたけれど、社会に必要だからヤクザが在るのに、次第に抹消されてしまう理不尽さがなんとも悲しい。
社会に爪弾きにされた者同士が生きるために選んだ道を「害悪」だからと排除してしまうのは根本的解決にはならないのだと考えらせられた。
日常で反社には絶対かかわりたくないけど、彼らを過剰に恐れたり軽蔑したり一方的に憎むのは当事者の権利であって部外者は公平に物事を見極めないといけないと思った。
愛がなければ憎しみが増す、愛の形が家族であり、愛を求めるのは当然の権利だと主張するいい作品でした。
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劇中セリフより
「ちょっと話そうか」
受け継がれる物語の中に生きた証がある
誰かの心に生き続けられるような人生を歩みたいものです。
時代。
栄枯衰退
観賞直後は期待していたよりいまいちだったな、登場人物が皆ウェットなのは伝わったがそれならもっと組織の中で過ごした過去のエピソードとか掘り下げた方が説得力があったのではと感じたが、一晩寝かせた事で何処にも行く宛が無かった人達がやくざという疑似家族の組織に属し、その役割をこなす事で居場所を得ていたが時代と共にその居場所すら追いやられ…という話なのでむしろエピソードを掘り下げしないのは正解だったのかなと思った。
自分を犠牲にし親分を守るべき理由などそもそも必要ではなく、そこにしか居場所がないから、そしてそれが自分達の役割だから。
舘ひろし演じる組長の現役当時の存在感とカリスマ性に対極する現在の弱々しい老人の姿、組の解散も考えたがこいつらの行き先が何処にあるって言うんだという台詞が印象的だった。
しのぎに密漁を行う、やくざの高齢化問題や暴対法により口座も携帯も持てない等現実的な描写がされていた。ホモソーシャルを美化するのでもなく安易に救いを与えるでもなく、ここにしか行く宛が無かった者達が結局は何処にも行けず時代と共に滅ぶしかないという物悲しい話だった。
それだけに尾野真千子演じる女性の都合の良い描写が違和感があった。昔一度関係を持っただけのやくざの男に安定した立場の女性があれだけ情をかける利点があるだろうか?と(同じく娘の描写も)
老若男女に見て欲しい
行くとこあんのか?ケン坊。
こちらの期待値にしっかり応えてくれた映画。役者が皆、成りきってて。舘ひろしなんて、こうゆう役しかもうできないだろうけど、その役が板についていて美しいとさえ思えた。役にのめり込んじゃった感のある綾野剛は、このあと役がちゃんと抜けるのか?って心配さえしてしまった。
ある知人が、「なんでヤクザは義理だ人情だっていうか知ってるかい?彼らは自分たちにそれが欠けているのを知ってるからこそ、声高に求めるんだよ」と言っていた。そういう意味では、ヤクザには心休まる"家族"がないのだろう。親父や兄貴や舎弟を「家族=身内」として大事することは、廻り回って自分を守ることなんだよなあ。
昨今でいえば、ヤクザ社会のキリキリした空気なら「孤狼の血」のほうが上を行ってた気はする。だけど今どきのヤクザは、暴対法この方、めっきり世知辛くなってしまってて、その世相を見事に描き込んだ今作は、その盛衰と悲哀を映しきったヤクザ映画だった。
ラスト、溜めた末に言う台詞に涙。その言葉こそ、痛みを知る者がかける言葉だよ。
別感想として。
たぶん、NHK「カーネーション」放送当時、NHKらしからぬ叶わぬ恋のストーリーに驚き、胸を焦がした身としては、綾野剛と尾野真千子の二人が同じスクリーンに映っているというだけで、ついつい目が潤んでしまったことを付け加えておかないとね。
全力の魂
演技が素晴らしいし、監督の手腕がさすが。
最近映画館で観るものが不作気味だったところに。
きました、これは素晴らしい。
綾野剛の役幅って広いですね。印象に残っているのは「怒り」の気弱な役ですが、今回はバリバリのヤクザ。めちゃくちゃ似合ってる。
サマになってるだけでなく、暴れ放題の若い頃から、組に拾われてヤクザになり、服役してカタギになるまでの年月を見事に演じ切る。
舘ひろしも良かった。比較的少ないセリフの中に何とも言えない暖かさとドスを含むのだけど、大きな手で頭をクシュッとしたり抱き寄せたり、本当の息子のように結ばれた関係に胸が熱くなる。
ヤクザって・・・
好きでやってるわけじゃないんだな・・・
皆ああなるしかなかったのか・・・
ヤクザの人権て… 考えたこともなかった…
組を抜けても、たとえ改心しても、世間にはなかなか受け入れてもらえない…
生きる場所が、他にないのか…
色んな事を感じながら迎えた終盤。
結末がショックすぎた。
あと1人、主人公を慕う食堂の可愛い男の子が成長して半グレになってからを演じた磯村君の演技がとても光っていた。これからが楽しみな若手俳優だと思う。
彼の目の演技、ちょっとすごいですよ。
さすが「新聞記者」の藤井監督。34才なんですね。
凄い才能と技量です。
次の日まで引きずるほどの魂がえぐられるような作品に出会った
1999年から2019年までの20年をヤクザの世界の男たちの栄枯盛衰と愛を求め続けた一人の男の半生を描いた作品、と言えばシンプルに聞こえるが、これはただのヤクザモノ映画ではない。ヤクザ×社会派映画。それは愛と憎悪、義理と人情、金と名誉、差別と偏見、そして社会の変化によって排除されて消えゆく者たちのとんでもなく切なく、まるで魂をえぐられるような、見終わった後その場からしばらく動けないほどの深い深い余韻に包まれる。人によってはその場で叫びたくなるような、もう、とてつもない傑作だ。
愛に飢えた弱く儚い部分と、義理堅く人情に溢れた温かい部分を併せ持った山本という男を演じた綾野剛の生き様が表れた渾身の演技×舘ひろしの包容力と渋みのある演技は観るものを惹きつけ離さない。
◎前半のtheヤクザ映画的なシーン、男のロマン溢れるシーンには女の本能が掻き立てられる。男は強くとか、女を守るものだと言うとフェミニストに怒られそうだけど、やっぱり女って強い男が好きなわけで、ヤクザもの好きには堪らないであろう。
◎2019年からのシーンは社会派映画、反社会勢力によって彼らの存在さえも認めてもらえないような社会でなんとか生きていく柴崎組や山本たち。
足を洗いせっかく手に入れた幸せさえも、社会派の波や圧力に飲まれてあっという間に壊れてしまう。
◎寺島しのぶ、尾野真千子演じる、その男達を愛する女達にも注目だ。
愛してはいけない男を愛してしまうこと、愛する男の命をつなぐこと。
山本は金も、社会的地位も、生きる場所さえも失っても、「家族」と「愛」と「義理人情」だけは最後まで持っていた。
負の連鎖が引き起こしていることも本作から忘れてはならない。
やるせない、切ない。涙なしでは見られない。
全力でお勧めする。是非劇場でこの臨場感を味わってほしい。
タイトルなし(ネタバレ)
「ヤクザと家族」タイトルからある程度内容を想像して映画館に赴いたが、そんな安直な話ではなかった。
実際にヤクザに出会ったこともないし、明確に認識したこともない。けれども、1999年から2021年にかけてヤクザが社会的に排除されていることは1997年生まれの僕でもわかる。
排除される=ヤクザの存在が許されていない。
しかし、ヤクザにはヤクザのストーリーがあるし、周りを取り巻く環境は整備されているのか・僕たちはヤクザの何を知っているのかと考えさせられた。
綾野剛が好きで、1日は映画が安いし、ヤクザもの好きだから観に行こうという気持ちでしたが、深くて暗い光が遠い余韻に浸っています。
グロ耐性がある大人には是非観てほしいです。
※ここから先ネタバレ注意
市原隼人が殺した理由が雑みたいなレビューを見るけど、個人的な見解だと、綾野剛に責任がないのはわかってるけど行き場のない憎しみ・悲しみをぶつける先が他になかったんじゃないかな。帰ってきてお世話したのが元々の原因っちゃ原因だし。自暴自棄になって捕まりたかったのもあったのか。でも、刺してる間の後悔は背中からとても伝わってきたな。
血と契、家族の絆を別の側面から描く
山本賢治という男がヤクザになってからの20年の物語。親分から盃を受けヤクザになるまでの序盤、ヤクザとしてブイブイ言わせていた中盤、そして殺人の刑期を終えて戻ってきてからの終盤、3つの時代を描く。
ストーリー重視かと思っていたが、バイオレンスなシーンの撮り方が結構臨場感や迫力があって驚いた。そして14年という長い期間が経っていることを示唆する箇所がいくつかあって、その変わりようにビックリ。年月の経過の演出がうまかった。
肝心のストーリーだが、賢治という1人のヤクザの物語としても面白いのだが、地方ヤクザの現実という意味でも面白かった。さらにタイトルが「ヤクザと家族」だから家族という視点も重要。シャブ漬けで死んだ実の父、拾ってもらった柴咲組の親分(盃を交わした親子)、そして刑務所に入っている間に生まれた実の娘と愛する女。ヤクザが築く家族関係なんてそんなものかもしれないが、一つとしてマトモじゃない。実の親子の血のつながりを拒否し、契で結ばれた親子の絆に救いを求めていったが、結局血のつながりに回帰していったように思える。最後、賢治が求めた家族の形は時代の波に流され崩壊したまま終わってしまうかに思えた。でもラストに待っていたのは、賢治の娘が賢治のかわいがっていた翼に賢治の人物像を尋ねるシーン。お互い実父がヤクザという2人が、父はどんな人間だったのかと知ろうとするのはなぜだか感動的だった。「ヤクザと家族」というタイトルにふさわしい結末だ。
観終わってから、あーそういえば「新聞記者」の監督だったっけと思い出す。原作なしでこれはかなりすごい(新聞記者も原作ありとは言いづらいけど)。今さらだけど、藤井監督すごいぞ!
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