ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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エンディングが残念!
舘の抑えめながらドスが効いた演技、枯れていく演技、山本の演技も良かった。終盤、山本(主人公)が、細野(元舎弟)に殺られるが、これは無いでしょ。短絡的過ぎる。常田の歌もイマイチ。残念!シナジー効果は感じられ無かった。
全部込み
社会的なテーマは置いといて、巧みな構成力が際立つ。あの話がここで生きて、あのキャラがこのキャラとこのように交わるといった関係が次々と畳み掛けるように成立して、それは気持ちよいところ。主役だけではなく、それぞれの配役がそれぞれの人生を示していて、ここまで生かされると役者陣も本望ではないだろうか。所謂ヤクザ映画とは趣が異なる映画であるが、全てのキャラ立てをしっかりと作るというのは、ある意味その系譜を継いでいるように思った。誰が良かったではなくて、本当に皆んな良かったし、印象に残るシーンも多数。演出も冴えていた。
血縁によらない共同体という意味では万引き家族が想起させられるが、文字通りの反社会性を帯びている点については忘れようもなく、一方的には肩入れできぬところ。社会はなぜ排除し、そして何を失って何を得たのか。次の問題は何か?警察の問題は扱われていたが、若干過剰だと思うし、ネットの扱いも少し単純。もう少し考察が欲しかったところ。後、幾度と出てくるうなぎのしらすは種の絶滅という問題が実際にあるわけで、その扱いに違和感があった。
愛の話だった
ずっと一緒にいた弟分と、自分のことを家族と呼んでくれた柴崎組の人達と、愛した女性と子供への暖かい愛の話だと思いました。
何があってもその愛する人たちを愛し続けたし、愛する者が虐げられるなら過激な手段であってもそれを選んで行動する。
弟が殺され、どうしても仇を取ろうとした。家族を守るために自分が罪を被ったけれど、出所してみれば愛した家族は社会的に廃れてしまっていて、もう1人の弟は組をぬけていて、もう会わない方がいいと言われる。愛した女性を見つけて、子供がいることも分かって、親父の後押しもあって組をぬけて、もうひとつの家族を守ることを選んだけれど、結局拒絶されてしまう。愛する家族に、出ていってくださいと泣きながら懇願されることがどれだけ苦しいか、見ていてとても辛かった。
親父も死に、愛した女性には会いたくてももう会えない。残った希望の翼の手を汚さず守るためにまた罪を背負って、弟分の恨みも背負って、その弟分に看取られて死んでいく。
出て行けと言われても、あんたが帰ってさえ来なければと言われても、揺るがない愛があり、「ただ愛した」というのがピッタリだと思った。
未来に残した翼とアヤが幸せに暮らせますように。
尾野真千子は男前😍
この映画は日本ヤクザ(反社会的勢力)の衰退がひとりのヤクザの人間ドラマとして描かれる。義理人情を重んじる古典的なヤクザの家族的側面をラブストーリーを絡めて投げつけてきた。
暴対法が拍車をかけたことは事実。一方、犯罪の多様化、巧妙化や日本ヤクザに変わる外国人犯罪組織の台頭を後押ししてしまった。暴対法の警察権限は日本ヤクザだけに適用されるものだからだ(片手落ち)。藤井監督らしいバランス感覚のある正義感は、初めて「デイ・アンド・ナイト」をみた時の感じに通じるものがあった。
キャスティングのバランスもとてもよかった。尾野真千子に期待して観賞したのだか、期待どおり、いや、それ以上だった。柴咲組長(舘ひろし)と山本(綾野剛)の関係はラブラブ。おっさんずラブ? 舘ひろしはカッコよすぎで、コメディタッチになってしまうので、暗い内容を薄めてくれる。細野(市原隼人)、大原(二ノ宮隆太郎)も一緒に引き取る包容力(太っ腹)。若頭(北村有起哉)の切ない、悔しい気持ちもよく伝わってきた。寺島しのぶはひとり年を取らないw 尾野真千子もあまり変わらない。女優さんのメイクにまでは口を出さない? いや、まだ出せないのかな。若いから。
演技力のある魅力的なキャストたちで、セリフが緻密に回収される構成。真面目な脚本。ロマンチストで、誠実な監督の人柄を感じる。悪く言えばちょっと青臭いのだが、若い人も年配の人も魅了し、納得させる内容。
社会変化の早い潮流についていくのはカタギもヤクザも警察も大変な時代。政治による手当てが後手後手になると弱いものから淘汰されてしまう。国や地域の中で食物連鎖が進むだけ。不条理だ。
柴咲組が4人だけになった時のシノギが「うなぎの養魚の密漁」とは、泣かせてくれるw
運転中の大原が射殺されたのは組長を釣りに誘って出かける場面。
山本ら3人が拉致されるのも漁船。
綾野剛と尾野真千子がお互いの境遇を話す場面も駿河湾の夜の浜辺。
最後のシーンも尾野真千子の娘役が花を持って堤防を訪れる。
尾野真千子は大の釣り好き。BSの釣りびと万歳にも出ていて、1メートル、8.5キロのヒラマサを70分間のやり取りの末にあげている。男前だ。
尾野真千子、女子大生にはきつかったというコメントが目立つが、アタシは、ホステスをしながら、勉強する極道の女なんだから、チャラチャラした女子大生とは違うわけで、違和感はありませんでした。ベッドサイドでの「それも込みだろ」「今、やろうとしたでしょ。」「やらねーよ❗」の場面も好きだなぁ。女の度胸満点。この映画でますます女をあげたと思う。助演女優賞あげます。
この線でしょう。藤井監督。
綾野剛が不良系演じるのにハズレない。日本で1番悪い奴ら、新宿スワン...
物悲しい瞳が素敵な 綾野剛!
タダチケットが有ったので 何を見ようか?考えて口コミが良い この作品を見ました。
邦画独特の あの感じです。
ハリウッドの あの 底抜けに明るい 派手さは無いのですが、何とも物悲しい瞳を持つ
綾野剛 にやられました。
この人って 天才だったんだ! そう思えるほどの演技力で 尖った瞳を輝かせていた若い時代から 優しい物悲しい瞳に変わった中年時代まで 見事に役分けしていたと思います。
カラッとした映画ではないのですが、いい映画を見た という感想です。
息苦しい社会・・☆
「新聞記者」を送り出した藤井道人監督とスターサンズの作品。
前作に劣らずの物語。
暴対法が出されてから、ヤクザの状況が変わったことがわかる。
ヤクザを擁護するわけではないが、世の中全てがクリーンになることは
おそらくないと思う。
舘ひろし演じる組長が言うように、ヤクザでしか生きるしかない人はきっと
今でも存在するのだろう。
そんな問いを突きつける作品。
「アウトレイジ」のような派手な残酷さもなく、「虎狼の血」の暴力もなく、
それでいてヤクザの葛藤や逡巡を描いている。
役者が揃っていて、見応えがあるし、綾野剛の少年期からラストまでの演技が
素晴らしい。
舘ひろしの静かな存在感。
磯村勇斗が良いエピソードを作っていて、どう収束させるかと見ていたら
最後まで楽しむことが出来た。
コロナ禍で、自粛警察などが出現して今もどんどん息苦しくなって来ている。
何が正しいのか?問われているような気がする。
裏社会は形を変えて生き続ける。
ヤクザのリアルを描いたという点では評価できる。いろいろなタイプのヤクザを見せられると、普段関りがないだけに、あーこういうものかと納得する。若頭の中村が「男を磨く」と言っているが、真っ当な(?)ヤクザはそんな気概をもって稼業を続けているのだろう。中でも綾野剛の演技は鬼気迫るものがある。少年時代の行き場を失ったチンピラから、バリバリの本格的なヤクザになり、刑期を終えて状況の変化に迷い悩む姿まで、見事に演じ分けている。ヤクザの盛衰と共に、彼の姿を心に刻むだけで、この映画を見た価値はあるかもしれない。
作品の内容はというと、共感できる所がほとんどなかったのは残念だ。「家族」というテーマに沿って物語は分かりやすく進行していくが、テーマの深堀りが決定的に足りない。家族とはこういうもんでしょうという、誰もが抱く一般的な先入観から話を組み立てているように思う。映画を見るうえで一番大切なものは「発見」や「気づき」であると思っているが、テーマの深堀りが欠けているため「発見」の乏しい作品になってしまった。この点は藤井監督の「新聞記者」にも同様な感想を持ったため、レヴューに書いた記憶がある。
見て損無しの傑作
やんちゃな時代の第1章。ヤクザ全盛期の第2章。は十分盛り上がり楽しめたが、衰退期の第3章はなんともいえない挫折のストーリーだわ。
【以下、思いっきりネタバレ注意】
組長は、ガンで全く覇気がなく組員もほんの一握りで十数年も組のために刑務所に入っていて帰ってきた男は組にもプライベートでもむしろ招かれざる客状態。
それにしても尾野真千子が可哀想過ぎるわ。大学の学費を稼ぐためにキャバクラでバイトして偶然知り合って惚れられた男がヤクザで殺人犯で刑務所。しかもその子を身ごもって女手1つで育て上げたにもかかわらず、男が帰ってきたことによって勤めていた役所を追われ、宿舎も追われ、娘も転校を余儀なくされるとはトホホ過ぎる。。。。
またせっかく手に入れた幸せを壊されたラストの市原隼人の衝撃も理解できなくはないわな。(本当は、写真をSNSにあげた男が一番憎いだろうが。。。)
タイトルなし(ネタバレ)
1999年。両親を亡くして、荒れた生活を送る二十歳そこそこの若者・賢治(綾野剛)。
先ごろ死んだ父親は覚せい剤使用の果て、頼りの薬を得られなくなっての自殺だった。
それからすぐのある日、行きつけの韓国料理の食堂で、居合わせた柴咲組の組長・柴咲博(舘ひろし)を、敵対する暴力団のチンピラによる襲撃を救う。
それからほどなく、町中で覚せい剤を売っている輩を襲撃し、彼らの薬と金をまんまと奪取したが、それがバレ、暴力団員に拉致されてフルボッコ、命を失う寸前のところで、柴咲組組長の名刺が出て来て、命拾いをする。
それが縁で、賢治は柴咲博は「親子の盃」を交わすことになる・・・
といったところからはじまる物語で、物語はその後、2005年と2019年との3つの時代を描いていきます。
覚せい剤には手を出さない柴咲組組長と、覚せい剤を憎んでいる賢治は、世間のレールの上では生きていけない何かしらのはみ出し者(アウトロー)ではあるが、いわば昔気質のヤクザという設定。
心底の共通点がある故の、ファミリー、疑似家族というわけである(心情的には、ほとんど家族である)。
そんな彼らが、本家を同じくする敵対組織との抗争になり、賢治が相手組織の若頭を殺(と)り、服役するまでが2005年の物語。
ここまでは、これまでのヤクザ映画とあまり変わらない(というか、ほとんど似たか寄ったか)。
ただし、町の臨海部にそびえたつ工場群のインサートショットを含め、藤井道人の演出は堂々としたもの。
『新聞記者』で現代社会への問題提起をした監督にとっては、描きたかったのは2019年のパートだろう。
暴対法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)が施行されたのち、かつては必要悪という認識(多かれ少なかれの差はあれど)だったヤクザたちは、ほぼ絶滅危惧種、というか、存在自体が否定される状況となり、ヤクザをやめてからも、暗黙の「5年ルール」で人間としての権利を奪われてしまう。
それに拍車をかけるのが、SNSを通じての同町圧力で、賢治の舎弟だった細野(市原隼人・好演)がヤクザをやめ、産廃処理作業員として生活していても、生きづらさを吐露するシーンは胸を締め付けられる。
そんなヤクザの地位に取って代わったのがシロート集団、いわゆる半グレたちで、かつての柴咲組のシマでブイブイいわせている。
そのリーダ格が、行きつけの韓国料理の食堂の息子・翼(磯村勇斗)で、彼は、自分の父親がかつて柴咲組組員で敵対組織から殺られたことを長じてから知り、父親の仇を討ちたいと、心の底で望んでいる。
終盤、映画のキーになるのが細野と翼で、現代社会を描くには必要な設定で、なるほど、と思うのだけれど、最終盤になってから、賢治のヒロイックな行動と悲劇的な結末が、どうも嘘くさい。
いや、娯楽映画と肚をくくっての映画ならば、このヒロイック悲劇もある種のカタルシスになるのだろうが、藤井監督にはもうひとつ斜め上を目指してほしかった。
賢治のヒロイックな行動で救われた(かのようにみえる)ふたりが出会うラストは、やはりひと昔以上前の映画の決着点にしか見えず、個人的には、登場人物だれもがバラバラになってしまうようなラストがよかったのではないかしらん、と思う次第です。
とはいえ、力作であることは確かですが。
映画を観終わって思い出したのは、ドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』(これは観る前から想起していましたが)と、金子正次脚本・主演、川島透監督『竜二』です。
不幸を精算した綾野の笑み
綾野の映画はネガティブな終わりが多い。今作、一見そう観えるが、最後は自らのカルマを清算して亡くなったような気がします。海の中の彼は笑みさえ浮かべていました。生まれる前からヤクザとして苦闘して、精算して死ぬこと選んできたとしか思えません。確かに私たちの生きる3次元の世界では、ヤクザは悪です。しかし、宇宙の流転から見ると、悪でも善でもない。ただ、生まれた環境の中で起きる出来事でしかないのかも知れない。それにしても親父の舘ひろしの貫禄が凄かった。いぶし銀のような輝きがありました。いずれにしても、3次元の現代社会はIT の凄まじい発達により、グレーの世界が成立しなくなりつつあります。悪を隠蔽することがますます出来なくなりました。ただ、悪がなかったら善がないわけで、悪が消える事はありません。仏教で言う10界互具は永遠なのでしょう。
不自由なく育った人が観ても。
評価がすごく良いので観に行きました。好きなキャストとか監督も関係なく。
しかし、反社に関わると本人も周りも不幸になるんだよ。と教わっただけのような気がします。自分か恵まれてるからかそれほど感動しない。
ケンジだって幸せになりたかっただろうに。改めて親の責任はあると思った。最後に海で3台のスクーターの音を聞いているケンジの表情が幼く見え印象的でした。
うーん、これって本当に良い話ですか?
酷評です。
好きな人はごめんなさい。
タイトルから先ず決めて、そこにストーリを肉付けしていって作ったような作風。
変にいい話風に持っていきすぎてバランスが崩れ珍妙な作品に。
舘ひろし組長が本当に良き人としたくあらば、綾野剛組員を勧誘したりせず、
寧ろ突っぱねて日の目の人生を歩ませようとする→しかし綾野剛は命の恩人である組長に恩返ししたいが為に、反対を押し切りやくざへと転身。
みたいな流れにしないと、組長が自身の利益の為にいい人風を装って若者をだます最低な汚いクソ野郎に見えてくる。
冒頭での流れからそこが気になりだすと、やはり劇中も登場人物がやる事成すことマジで唯の自業自得過ぎて全然同感出来ませんでした。
後半の物語が現代(令和)になってからももやもや
言い方汚いですが、てめえで選択した道、若しくはそれしか選択出来なかったにせよ、自分で進んだ道に対して言い訳がましく社会や環境が悪いと、
他人のせいに、自身の責任を他人に押し付けまくる汚い大人たち。
社会に羽生られ、うじうじと自身の過去を棚にあげ、母親に怒られたこどものようにいじけ倒す姿は本当に滑稽。その環境が嫌なら逃げずに先ず戦えよと思いました。
社会はお前らのお母さんじゃありません。知ってましたか?
この物語の肝は過去に好き勝手イキりまくった挙句、その清算を渋る責任債務者の話。
それに巻き込まれ、、割を食うのははいつも罪のない子ども。本当可哀そう。
自分が行った行動が今後どのような結果になるのか、登場人物誰一人1㎜も想定していない所は笑っていいのか逆に痛快でした。
新しい時代について行けなかったかわいそうな奴らって描き方だが正直ふざけんなって思いました。
人は変われるし変わらなければならない。成長をやめ、アップデートをやめ、変わらないことを選んだ人間ははっきり言って燃えないゴミと一緒。
人はいつ死ぬか。思考停止し、成長をやめたところから死は始まるように思います。
人間舐めんな。社会舐めんな。
彼らを見て反面教師的に学びぶことが出来ました。
本当にありがとう。
結果思いのまま書いたから酷評になってしまいました。
うーん、これって本当に良い話ですか?
ユーモアなき逸品
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