ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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刑務所の暮らし
刑務所では、ヤクザの受刑者の場合、親族以外は誰も面会できないため
山本賢治に家族はいないので14年間外部との接触は全くなかったという。
ヤクザではないけれど後ろに警戒すべき組織があるような受刑者もそうかもしれない。
その昔、学生運動で逮捕された人に面会するため拘置所に行ったことがある。
クリスチャンの恩師がその人のメンタルを支えようと何回も通っているのを知り
友人から一緒にと誘われた。
実際行ってみると面会は二人までということで、恩師は何回も来てるからと遠慮し、
友人と私だけで会った。
友人は、家でケーキを作り庭の花を摘んで束ねてきたが、
そういうのは禁止になっていて、拘置所の外にある指定の店で買い物をし
相手の名を書いて先方に届けてくれるように頼む。
でも手紙のやり取りはOKで何回かした。
しかし刑が確定し刑務所に移ると、家族以外面会禁止となり手紙のやり取りもできなくなった。
そのため支援者の一人が書類上結婚して夫婦となり、パイプ役となって情報が伝わってきた。
そんなパイプ役のいない山本は14年間、閉ざされた世界で、どう生きていたのか?
「由香、14年間お前のことばかり考えていた」というのは、それが支えだったのだろう。
そして刑を終えれば、きっと弟分の細野は飛びついてくるし
親父をはじめ組の人間たちが大歓迎してくれるし
煙たがっていた中村だって喜んでくれる。
それらの妄想が潰えた時の山本の気持ちを思うと辛い。
最後に細野に「ごめん」と言ったのは
彼の幸せを壊してしまったことへの謝罪とともに
彼に罪を犯させ、収監されれば、自分と同じようなことが
繰り返されることへの謝罪でもあったのだと思う。
ヤクザ映画の最終章
たまたまなんだろうか。ヤクザを描く新作が2本同時期に公開されているのは。作品が持つ視点は全く違うとはいえ、いまやヤクザ稼業は衰退の一途を辿り、風前の灯火だという現状は共通の背景としてクローズアップされている。
この「ヤクザと家族 The Family」で描かれる平成から令和にいたるヤクザ社会の20年間が明らかにするのは、昭和の映画を彩ったかつてのヤクザ像とは大きく異なり、若者からSNSで嘲笑され、社会から抹殺された存在としてのヤクザだ。
2016年に公開されたドキュメンタリー映画「ヤクザと憲法」は、衰退するヤクザのたちの人権について踏み込んだ作品だったが、本作はそういった面にも細やかに触れながら、これまでの経緯といま彼らが置かれている現状を非常にわかりやすく、かつ良くできた脚本に練り込みながら、描いていく。
家族の温かさを知らない主人公 賢治。表の社会から見放された彼がやっと見つけたヤクザ一家という家族は、時代に翻弄されながら、ついに消え去ろうとしている。裏社会の主役はヤクザから半グレへと移り、任侠は廃れ、ヤクザは家族も人間としての存在すらも消されてしまった。賢治が行き着く場所は果たしてどこにあるのか。孤独な男が心から求める家族、そして安らぎとは。
綾野剛×藤井道人というタッグが描き出す「真の家族」へのあくなき問いは、僕らがとうの昔に忘れ去ってしまった熱い何かを思い出させる。
ここまでいいとは思わなかった
「新聞記者」はちょっと過大評価だと思っていたので、ここまで映像ショットが撮れる監督だとは思わなかった。けっこうしびれるカメラワークのシーンが随所にあった。後半の綾野剛の淋しそうな、諦念してしまっているかのような、表情がいい。その意味では主役のキャスティングも正解。この映画、従来の暴力団同士の抗争だけではなく、改正暴対法や暴力団排除例の導入後の、反社会的勢力が根絶やしにされようとしている厳しい情勢を描いている点で非常に画期的である。反社会的勢力は銀行口座を開設することも、使い捨てでないケータイ電話を契約することもできない。ヤクザを止めても5年はその状態が続く。その諦観するしかない彼らの「悲しさ」が後半映像や役者の顔に描かれている。従来のシノギの変わりにうなぎの稚魚の密漁を資金源としているのは、鈴木智彦さんの「サカナとヤクザ」という本でも描かれているけれど、その辺りの彼らの変貌が悲しいのだ。ネットの怖さを知らない無邪気な青年がSNSで漏らした写真から、せっかく堅気の仕事を得たばかりの彼らにも、反社会的勢力のレイベリングと排除がはじまり、彼らと関係のあった市民も巻き添えをくらう。旧来の暴力団ではない、いわゆれ「半グレ集団」のリーダーも登場する。その木村翼役を演じた磯村勇斗君がなかなかよかったと思う。
いろいろな形の家族みた
なんだろなー
帰る時に、空見ちゃうような映画でした。
家族感じ、家族とは何かを考える映画でした。
ヤクザを今までにない時間的視点で見ることができる映画。
当然ですが
当然といえば当然ですが、ヤクザ映画にhappy endはないっ。
ひたすら、悲しくて寂しいです。それはもう最初から最後まで。最後は怒涛で凄絶です。
10年ひと昔と言ってましたが、今は3年ひと昔、それが14年も刑務所の中ですもんね、そりゃ浦島太郎状態ですよ。
でも、結局しがらみってのはぐるぐる廻るですよね…悲しいことに。
昔の任侠暴力三昧は影を潜め世情や社会を通した哀しみが全面にでたヤクザ映画が増えましたよね。これはその代表作でしょう。もうヤクザ映画ではなくて、TSUTAYAにおくならジャンルはドラマですよ。
いつか時代はかわり、つばさ達
も淘汰される時がくるのでしょう…
不器用者たちの家族
ひょんなことでヤクザの親分に拾われた家族なき若者が、色んな愛を知りながら不器用に生きる話。
最初から最後まで息苦しい。
主人公の不器用すぎる家族愛が本当に辛い。
誰が悪いとかでないから余計に苦しい。
でも、少しばかり光があったことが唯一の救い。
この映画を邦画として観れたことが誇りです。
あと、本編が終わったからといって帰るのはめちゃ勿体ないです。(結構いてビックリした)
millennium paradeのFamiliaがこの映画に、ばっちしハマってます。
綾野剛、やっぱり良い。
新宿スワンの時の綾野剛。
良かったなぁー
今回のはどうだろう??
凄く見たくて今日やっと観れました!
それに、他の豪華キャスト
舘ひろし、小野真知子、駿河太郎(孤狼の血では、私的には1番記憶に残ってる役者さんです。
磯村侑斗(今日から俺は ヤンキーやらせたら絶対と思ってた相楽)
このメンバーです。面白くない訳ないです。
やはり、良かったですね。
ヤクザ映画から、ヤクザにとっての苦悩が
ちゃんと伝わってきました。
本質的に豊原さん演じる加藤や、
駿河さん演じる川山には
凄い嫌気がさしましたが。。(今回の駿河さんも
流石の演技でした)
少なくとも、柴咲組には嫌悪感は
さほど感じなかったというか
良いのか悪いのか解りませんが
同意する部分までありました。
ラストのシーンは悲しかった。
皆が生きやすい
良い世の中に進化していって欲しいです。
やくざにしかなれなかった人々の悲しみ
藤井監督の作品と綾野剛さんと舘ひろしさんのメンバーで見たかった映画でした。3部構成になっていて、綾野剛演じるやくざの父が麻薬で死んで、絶体それだけはやらないと決め、舘さんが親分の組に入る、抗争に巻き込まれ上役の代わりに刑務所に十何年も入る。兎に角、最初はやんちゃなを演じ、舘さんのファミリーとして動き。刑務所出てきたら、法律が変わりやくざでは生きていけない
時代になって体を使う仕事を始めて、好きだった尾野真千子演じる彼女と再会して、公務員として働く彼女の家に転がり込む。自分の子供としりながら家族として過ごす。昔の知り合いと働く場所で写真を撮られSNSにあがる事で彼女がソープ嬢だった事や仲間に嫌われ。泣く泣く別れることになるが彼女の携帯の留守電に残した言葉が泣けます。家族で良かった…。最後は死んでゆくのですが、若い時のギラギラした眼と亡くなる頃の優しい眼を綾野君は表現してて、とても良かったです。
じんわりとくるヤクザの物語
タイトルどおりいわゆるヤクザものでなく『ヤクザ』を取り巻くひとと環境に視点を当てたストーリー。スマホ一台買えない、恋人とも付き合えない。何よりヤクザやめても5年は反社。
若者がながれないように、犯罪の金が流れない為の措置なのはさておき。。今のところ私の人生には全く関わりのない話だから、じんわりな感じだけどそんな世界の娘に生まれた人や息子に生まれた人には堪らないルールだ。。
キレキレな映画
表現が思いつかないのだが
頭の中ではキレキレな映画と残っている。
綾野剛さんの演技はもちろん
磯村勇斗さんの演技力に凄みを感じた映画。
今後の映画が楽しみである。
そして、舘ひろしさんの
何もかもの振る舞いが、カッコいい。
演技力の凄さの先の深みを感じれる。
役者がバケモンすぎる
ストーリーは決して難しくなく
登場人物の背景や感情、変化が割とわかりやすく描かれているので、余計なこと考えずに映画に集中できた。セリフの違和感とか演技とかは実際のヤクザに会ったことも話したこともないしそもそもが分からないから「そういうもの」として観れた。
自分の中でヤクザのイメージはあっても
実際どんなことをして生きて死んでくのかはわからない。それでも感じることの多い映画だった。
どうしようもなく時代に流されて淘汰されていく様が本当に切なくて、哀しくて、でも温かい部分もあって。
「綺麗事だけじゃ飯食っていけない」
このセリフが心に残っていて、色んなことを考えた。
一度沈んでしまった人間に救いはあるのか。
真っ当に生きることは許されないことなのか。
それはヤクザに限ることではないし、
自分がこれからの時代を生きる社会の一員としてどう生きていきたいかを考えさせられた。
本当に語彙力がなさすぎて
感じたことを言葉にするのが難しくて
すべて涙になってしまったけど、
それくらい複雑で深い感情になった。
映画の詳しい演出とか、役者の演技の良し悪しとかに詳しくはないし、ダサいとか寒いっていう意見があるのは、作品にとって当たり前だと思うけど、
この作品の役者は全員バケモンやった。
綾野剛をはじめとして浮いてる役者はいなかったし
役者の作品にかける想いが伝わってきた。
主題歌、エンドロール含め本当に良かった。
いずれサブスクとかに出るんだろうけど、
おうちでぬくぬく見るのではなくて、
ぜひ、映画館で見てほしいと思う。
ヤクザ映画ではないヤクザ映画
変わりゆくヤクザ世界の20年を描いた。
役者陣の素晴らしい演技、久しぶりに映画館で観るべき映画でした。
ヤクザである・あった(過去)だけで、二度と普通の生活には戻れない。
SNSは国民主体の総監視システムなのね。
ヤクザに同情するわけではないけど、SNSは怖い。
平成ヤクザの悲哀
3時代を描くと言うので昭和、平成、令和と描くと思いきや平成ヤクザ一人の物語。それだけ平成はヤクザにとって激動の時代ってことかな❗ヤクザ映画も変わって行くと言う悲哀が良く出てる映画。綾野剛アカデミー賞獲っちゃうかな❗
昔のヤクザと今のヤクザ
ヤクザ、任侠はちょっと苦手ですが、そこまでコテコテじゃ無い。
ひと昔前の所謂ヤクザという者は色々生きづらい現代。義理人情だけじゃ生きていけない。
最初、この役に市原隼人?!と思ったけれど、進むにつれて なるほど!!ってなった。
綾野剛、本当は細やかで普通に生きたかった不器用なヤクザ。
良かったです。
ラストのシーン、ささりました。
素晴らしい!だが、1つだけ…
ヤクザの子という立場から見える世界、起こる出来事。それによって見えてくる大切なもの。最後の終わり方は衝撃的だったけどケンボウにはよかったのかな(涙)
本当に素晴らしかったのですが、しっくりこなかった事が1つ。ケンボウと娘さんが両親に全然似てないのは最後まで違和感でした。それこそ理不尽な社会の中キャスティングしたのかな!?と色々考えてしまいました。
ヤクザは生き方ではなく、居場所
ワンデーフリーパスポートの2本目
ヤクザものは好きではないのですが、家族や絆を訴えるような予告にひかれて鑑賞してきました。期待どおり、これまでのヤクザものとは一線を画す、心に響く良作でした。
本作では、組同士の激しい抗争をメインに据えず、徹底して山本賢治にスポットを当て、周囲の人とのつながりの中で、賢治の人としての成長や家族の絆を描きます。と同時に、差別や偏見、無責任な誹謗中傷など、現代社会の抱える闇にも警鐘を鳴らしています。
父親を覚醒剤で亡くし、刹那的な生き方しかできなかった賢治を変えたのは、柴崎との出会いです。初めは反発していた賢治が、親子の契りを結び、その考え方や生き方を変えていく様子が丁寧に描かれます。賢治にとってヤクザは、生き方ではなく、居場所だったのだと思います。世間からも家族からも捨てられたような賢治にとって、柴崎の包容力はとてつもない安心感を与えてくれたのではないでしょうか。
山本賢治役の綾野剛さんの渾身の演技も光りますが、それを支えているのは、なんといっても柴崎役の舘ひろしさんの演技でしょう。圧倒的な貫禄で存在感を発揮し、賢治にかける一言一言が泣かせます。
賢治と柴崎は血縁のない、親子の契りを交わしただけの関係です。それでも賢治は、柴崎を実の父親のように慕います。それは、自分を拾ってくれた恩に報いるといった面もあったでしょうが、それ以上に絶対的な居場所を与えてくれる安心感がそうさせていたのではないかと思います。この絶対的な居場所こそが家族であり、賢治にとっては、それがたまたまヤクザだっただけなのです。
その一方で、血縁のある実の娘や愛する女性には受け入れてもらえず、そこに自分の居場所がないというのは、なんとも皮肉なものです。家族とは何か、何をもって親子というのか、いろいろと考えさせられる内容でした。
ヤクザに人権はない。確かにそうかもしれないし、それでいいと思っていました。しかし、それがちょっとだけ変わった気がします。もちろんヤクザを認める気はないですし、社会から根絶すべきだとも思っています。だからといって、少なくとも足を洗い、カタギになった人間まで誹謗中傷で責め立てることが許されていいわけがありません。ましてやその家族にまで矛先を向けるなど、もはやどっちがヤクザかわかりません。ヤクザにしろカタギにしろ、最も大切で守りたいものは家族なのだと、改めて感じました。先に観た「哀愁しんでれら」とそこは重なるのですが、心に響く重さは比べものになりませんでした。
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