「この5月は 綾野剛 強化月間です🎬」ヤクザと家族 The Family washikaoさんの映画レビュー(感想・評価)
この5月は 綾野剛 強化月間です🎬
綾野剛&磯村勇斗。
この2人の俳優が心底大好きなので、上映を心待ちにしていたのですが、まん延防止期間にてあっという間に終わってしまいまして。
映画館で観れなかったのが本当に残念でならなかったので、Netflixの配信を待ちわびておりました。
しかし。
なかなか観れていなかった。
勿体なくて。(早く観なよ)
藤井道人監督も「新聞記者」を観てたちまちファンになりまして。どうやったらあんなに凄い映画つくれるんだろう。もはや才能って言葉が陳腐に聞こえるレベル。
そして、とうとう。
観た。
驚愕。
残酷。
「涙」なんか、一滴も、一粒も流れなかった。
たぶん、この感情が本物の「感動」だと思う。
主演の綾野剛さんに対して、若干トラウマになった。
これほどまでに、感想がなかなか出てこない映画は初めて。ラスト、翼の表情がすべてを物語っていたように思います。
このラストの翼と彩のシーンが「未来」を思わせるので、少し救われました。
山本賢治の、父への思い。
木村翼の、父への思い。
共通点。
どちらも、同じ人間に殺された。ということ。
(↑役者に心理描写を委ねたのかもしれませんが、実はこの部分の映像的な描写をもう少し観たかったのも事実。そうなると最後のシーンはもっと残酷かな…それも嫌だな)
それでも、やっぱり私は山本には生きていて欲しかった!
由香も彩も生きているのだから、いつかまたどこかで会えたかもしれない。
生きてさえいれば「お父さん」って親孝行な言葉が聞けたかもしれない。
そう、生きてさえいれば。
しかし、由香に責められた山本の表情から想像するに、淡く夢見た未来には絶望しかなかったのかもしれないな、とか、山本は死ぬつもりで海に行ったのかな、とか、いやでも待てよ?普通の人間になりたかっただけなんだよな、とか、え、でも普通の人間は殺人したりしないよね、とか、人間の業とか宿命とか、因縁とか原因と結果とか、無駄に色々考察してみたりした。
この世の中のあらゆる喜劇や悲劇、喜怒哀楽の大半は「家族、家庭」の中にある。そこに重きをおいた社会派なテーマは素晴らしすぎました。
…人権は人間が幸せになるためにあるもの。
今は何のためにある言葉なのだろうか。
もし機会があれば、映画館で観たいです。来年の日本アカデミー賞では必ず台頭してくると思うので、その時にぜひ映画館で。
ここ数日、会ったことも話したこともない、この世の中のどこかにいるかもしれない「山本賢治」という人間に想いを馳せている。
こんなに何日も引きずる作品はなかなかないので、大スクリーンで観るときは覚悟して観ます。
こんなトラウマを抱えて、残りの強化月間、果たして乗り切れるのだろうか。
【追伸】
山本ヤクザ絶頂期時代。店で乱闘した後、サングラスを直しながらの優しげな台詞「ママ、酒」には軽く眩暈。これはカッコいいにも程がありますね。