劇場公開日 2021年1月29日

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「ヤクザ映画に新しい方向性を示したような作品」ヤクザと家族 The Family 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ヤクザ映画に新しい方向性を示したような作品

2021年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

正直当初は観る気は無かったんです。
が、お嫁さんが面白かったと言ってたのと、レビュアーさん達が思いの外好印象だったから足を運んで観てきました。
こうゆうのちょっと気になると観たくなりますよね。
で、結論から言うと観に言って良かったです。
いわゆるヤクザ映画とは違い、でもそれらはちゃんと踏襲していて新しいヤクザ物になっていたと思います。
それぞれの世代を三遍に渡って描いたのは中々の試みだったと思いますね。
それとオープニングとエンドに見られる構成。そう、まず思ったのはスコセッシを彷彿とさせる作品作りだった事でした。
もちろん意図したものでないかもですが、それらをヤクザ物に落とし込んだのはとても面白かったです。
前半と後半でガラッと変わるのもメリハリがついて観やすかったし、感情移入しやすかったですね。
それと主演の綾野剛。芝居というか表情の切り替えが自然ですごく良かった。
メイクでなく、芝居で時間の経過が感じられるのはすごい。舘ひろし他、役者陣も良かったですね。
物語は皆家族という場所が欲しかっただけなのに、気がつくと指の間からこぼれて行く。
そんな連鎖を自分の世代で断ち切るかのような描写、少し悲しくもとても良かったです。
エンドロールでの歌も作品の最後に相応しく、深みを増していたと思いますね。
何か、ヤクザ映画に新しい方向性を示したような作品でした。
いや、とても面白かったです。

白波