劇場公開日 2020年7月3日

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「この超絶的に奇妙なカメラワークに心酔しっぱなし」アングスト 不安 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0この超絶的に奇妙なカメラワークに心酔しっぱなし

2020年7月3日
PCから投稿

83年に本国公開された際はあまりの衝撃ゆえ1週間で打ち切りになったとか。出所したシリアルキラーがまたも衝動に駆られて身を疼かせる本作は、まるで犯人の精神状態を体感するようなヴィジョンが生々しく展開する一作だ。が、公開から40年近く経つ今となっては、ホラー描写に震え上がることはなかったし、主人公の行動が笑ってしまうほど悲しく滑稽に見えることも多かった。

逆に、本作が今なお誰にも越えられない鉄壁を持っているとしたら、その筆頭に挙げるべきは超絶的なカメラワークだ。主人公の周囲をふわりと漂ったかと思えば、突飛な行動に合わせてカメラも突発的に感応し、またある時には主人公を「やや斜め上」から見つめる。さらに屋外シーンではどうやって撮ったのか見当もつかない超俯瞰が炸裂。見れば見るだけ本当に奇妙で、目が離せなくなる。まさか衝撃、震撼ではなく、魅了、心酔させられるとは。私は頭がおかしくなってしまったのか。

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牛津厚信