誰がハマーショルドを殺したかのレビュー・感想・評価
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不思議な結末
最初はマジメなドキュメンタリーなんだろうなと見始めて、でも監督の容姿がちょっとコミカルだし、広大な土地に埋められた飛行機を掘り出そうというのにスコップしかもってなかったり、探検家みたいな帽子を用意したり、あれ?これもしかしてモキュメンタリー?と思い始めて、最後の方よくしゃべる元サイマー隊員が出てきたあたりでかなり疑わしく、お姉さんを暗殺された弟のインタビューがやけに芝居がかってて、これは確定だわ、でもなかなか面白かったぞと映画を見終わり、でもまだ気になったので調べてみたらナントホントのドキュメンタリーでした。えー!人的なエイズ感染とかとんでもニュースじゃないの?何だかまだキツネにつままれたような不思議な映画でしたよ。
明らかにしていこうという執念、大きすぎる真実?
1961年に、国連事務総長のハマーショルド氏が、飛行機の墜落事故で死んだ原因不明の事件の真相を追って、ずっと追求してきたヨーラン・ビョークダール氏といっしょに、マッツ・ブリュガー監督がアフリカ、ヨーロッパの各地を飛び回る話。 観ればわかるが、監督の中で結論は出ている。しかし、映画の冒頭で 「本作は、国際的な殺人事件なのか、あきれた陰謀説なのか。後者だったら謝ります」 とわざわざ宣言しているのは、なぜか。おそらく、たどりついた結論が、あまりにも大きすぎて、最後の証言者の証言を受け入れれば、すべての辻褄はあうのだけれど、監督本人にしても、それが事実だと100%信じることができないという状況を示しているのだろう。 これから観る人は、(映画内で説明はされるが)ハマーショルド事件を知っていた方が圧倒的にわかりやすいので、簡単に紹介しておきます。 ダグ・ハマーショルド:第2代国連事務総長(任期:1953年4月 - 1961年9月)。在任中に死去した唯一の国連事務総長。 1960年、ベルギーの植民地から独立を果たしたコンゴ共和国は、内乱であるコンゴ動乱の沈静化の援助を国連に求めた。9月、ソ連は、国連軍を編成するとした国連決議に賛成する一方で、政権への支援が不十分とハマーショルドの国連事務総長の辞任を要求した。翌61年9月17日夜、コンゴ動乱の停戦調停に赴く途上で、搭乗機が現在のザンビアのンドラで墜落し、ハマーショルドも事故死した。 撃墜説や暗殺説が広まったが、機内にブラックボックスが搭載されていなかった時代で、事故に至る経緯は事故後の推定と調査に依存する他なく、調査では被弾や爆発の痕跡は一切発見されなかった。 しかし2013年に調査委員会が設置され、2017年公表の調査報告書は、外部からの攻撃や脅威が原因である可能性を示唆した。(以上、Wikipedia から) 本作で真相を追い続けたインタビューの中で、ベルギー人傭兵の戦闘機パイロット(2007年没)が命令されて撃墜したことを証言している。ハマーショルドの墜落死は、旅客機が撃墜された結果だという証言にはたどり着いている。 豊富な地下資源を有するカタンガ州は、1960年にコンゴからの分離独立をめざし内戦を繰り広げた。その際に、ベルギーの巨大鉱山会社が、カタンガの支配層を作り上げ、傭兵を呼び込んだとしている。国連軍はカタンガの傭兵を抑え込もうとしたがうまくいかず、鉱山会社と傭兵に守られたとしている。(最終的には、1963年に独立を断念) 一方、証言の中にたびたび現れる南アフリカ海洋研究所サイマー(SAIMR)。その実情は、5000人以上を抱える、英国主導で作られたと思われる諜報活動・破壊活動の拠点。統率していたのはマクスウェルという常に白衣を着ている白人。彼に会えば、誰もがかしこまるというカリスマ性。しかし、ウマがあわない人間は必ず消す男。エイズワクチンを悪用して、黒人撲滅をめざしてエイズワクチンに細工をして、ワクチンを打つふりをして逆に黒人にエイズを蔓延させようとしたという作戦。サイマーで働いていて、その内情を伝えようとしたために殺されたダクマーという名の女性。 たしかにハマーショルドの話と、サイマーの陰謀は直結している。しかし知りえたサイマーの陰謀はより巨大すぎて、確実にドキュメンタリーと言えるまでの証拠が揃っていない。「証言者が頭の中で勝手に作りあげた陰謀論だ」 と言われても確実に反論できるところまでいっていない。監督自身が 「真実だと思うか?それとも陰謀説だと思うか?」 と観客に聞きたくなる気持ちもわかる。あまたの証言から、サイマーと言う集団の存在は明らかだが、行ったと言われることのひとつひとつにしっかりした証拠があるわけではない。これでは、フィクションの域を出ない。しかし、ここまでつかんだことを、映画監督として公開しないわけにはいかない。伝えたいが、絶対的な証拠をつかんでいるわけではなく、証言の積み重ねのみ。そのジレンマが、冒頭の 「本作は、国際的な殺人事件なのか、あきれた陰謀説なのか。後者だったら謝ります」 という宣言になったのだと思える。 それでも伝えようと公開した理由は、最終11章で聞ける監督のモノローグだろう。「ダイヤや金が出るアフリカを自由にしたい白人。アフリカを自由にしようとするハマーショルド。そして彼は殺された。白人にとっての脅威だから。いなくなって得するのは世界のビジネス。ハマーショルドがいれば、アフリカは30~40年前に、闘い始めていだろう」 という思い。この思いが、本作を公開にふみきらせたのだと思う。
ハマーショルドの死は解明された?
1961年ローデシア、ノードラ(Ndola),で飛行機が墜落、まるで、アニメのような煙が上がる。 それから、国連事務総長ダグ・ハマーショルドの飛行機が墜落したのを解明したくそのドキュメンタリーを作ると。6年もかけたらしい。 映画.comの解説に下記のように書いてあるから、説明は要らないと思う。 国連チャーター機墜落事故の真相に迫るドキュメンタリー。1961年9月、当時の国連事務総長ダグ・ハマーショルドはコンゴ動乱の停戦調停のため、チャーター機でコンゴへと向かった。しかし、ローデシア(現ザンビア)の上空でチャーター機は墜落事故を起こし、ハマーショルドを含むすべての乗員が死亡。 上記の情報、コンゴは、現在はコンゴでキンシャサが首都である、動乱の多い国を指す。ハマーショルドはアフリカを非植民地化したかったと。そうなると、当時、かなり敵国を作ったろう。このコンゴはベルギー領だったからね。 カタンガ(Katanga)と言う地域(ウランやコバルトがとれる地域)にベルギーの鉱山の大会社がある。この地域(南部)はUNと戦い、市民の死傷者を多く出した。ハマーショルドはMoise Tshombeと交渉するためローデシアに飛んだ。その時、飛行機がが墜落と。 当時、ハマーショルドの父親が飛行機の破片を貰ったと。破片に穴が二つ空いていたので、父親はこれに関して、調査を依頼したが断られたと。 わあ。。当時はブラックボックスなんてなかったから、コントローラー、マーチンはパイロットとの会話をメモ書きしていたが、それを破棄してしまった。そして、書き直したと。 NAVGAC US ネーヴィラジオ基地(サイプレスにある)からのオフィサーの証言。ガンの音が聞こえ 『打った!』と聞こえたと。そして、『墜落した』と。ハマーショルドの飛行機の墜落をあとで知ったと。 ここで話は急展開、SAIMR's operationの一人アレクサンダー ジョーンズにインタビューする機会を得た。ここでインタビューに答えることは危険なことだが、自分自身に終止符を打ちたいという理由で話し始める。 SAIMR's operationの本部はヨハネスブルグにで50000人をかかえていたと。 マックスウェル(Maxwell )という白の上下を着ている人が中心になっていたようだ(?) しかし、彼らの目的はまずモザンビークからAIDSを医学を通して広めるためであって、それはワクチンを通して広めたと。そして、恐ろしいことに黒人を全員殺すのが目的でAIDSにみんながなれば、みなを殺せると思っていたらしい。 Congo Red がハマーショルド殺したと。(あまり良くわからなかった)??? 最後に字幕にアレクサンダー ジョーンズは南アフリカここを去ったと。そして、最近国連に行って、ハマーショルドの死の解明を依頼したと。 いまの科学者はワクチンを介して、HIVが広まるのは難しいとしている。その証拠は見つかっていないと。
色々衝撃的だがラストの曲は?!
衝撃的過ぎて これは真実なのか都市伝説的陰謀論に過ぎないのか‥‥ それは真面目なドキュメンタリーというより マイケルムーアのようなドキュメントエンタメぽさもあるから だけど その体にしなければ‥‥公開できない内容にも思える とは言え 語られる内容は色々考えさせる 戦争が終わっても すぐに平和が訪れるのではない そのまま傭兵になるものも沢山出る 地獄の黙示録のカーツ大佐の如くアフリカにもカリスマとなり自らの隠れた王国を作る者もいたであろう‥‥ いや いるだろう。それは今も続くアフリカの混乱を見ればわかる だが、この映画は最後に流れるアフリカの音楽 アフリカを舞台にした中で唯一のアフリカの音楽 これを聞いた時 そう こんな世界でも アフリカにはこんな音楽がある この曲は何か調べたがわからなかった 民族音楽ぽい 素朴な音 だが 散々の恐ろしい内容から まるでサウナ我慢の後のビールか 空腹で食べた沢庵の逸話か この音楽を味わう為に この映画があったのでは‥‥‥そう これだけの未だに終わらない侵略があっても アフリカには決して入れない 侵略され得ない 何かーそれは 文化もそう 自然もそうーを感じる事になった。 今これ見たら コロナワクチン出来ても射ちたくなくなる
「ルック・オブ・サイレンス」後に近い疲労が残る
監督たちはそこまでの結論(まだ解決したわけじゃないが)を求めてなかったのに、どんどん引きずり込まれる現実とまともに対峙出来ない心理状態にあったのかな。 でないと、白い服で戯けていられない。 命だけはご無事でありますように。
【”事実は小説より奇なり・・か?” ”ある事件”を調査する二人の男が、その事件の裏の更に大きな闇の組織の存在に気付き・・。グイグイと引き込まれていくドキュメンタリー映画。真偽や如何に・・。】
ースウェーデン人のダグ・ハマーショルドは、1953年に歴代最年少(47歳)で第2代国連事務総長に選出させる。 理想主義者であった彼は、東西冷戦状態の時代の中、又黒人の人権が確立していない中、反植民地の考えの基にアフリカの人々を支配国から取り戻す動き<イスラエルとアラブ諸国の紛争調停、西洋諸国の植民地化から独立するアフリカの国々の調停>に出た。 当然、南アフリカや、西洋諸国からは敵視されることになった。 1961年9月18日、彼はコンゴ動乱における停戦調停のため、モイーズ・チョンべ大統領と会談するためにアフリカを訪問していたが、チャーター機が墜落し事故死する。 何故か、詳しい調査がされないまま、長らくこの事故は原因不明のままになっている。ー ■今作の監督、マッツ・ブリュガーと長年ハマーショルド事件を追うヨーランが事件の真相を追ううちに、その背後にあった謎の闇組織が存在していた事に気付き・・。 <謎の闇組織> ◆南アフリカ海洋研究所 サイマー その最高責任者のマクスウェル(故人)及びサイマーの真実の姿が、二人の調査で徐々に明らかになって行く過程が実に面白い。 ・サイマーは海洋研究などしてはおらず、傭兵養成所など複数の闇のミッションをこなす組織であった事 ・マクスウェルについては、複雑な人物であったが、根本は白人至上主義者であった事。カリスマ性を備えていたという証言や、晩年は精神を病んでいたという証言、常に白づくめの衣装を身に着け、医者を自称していた事・・。 ・サイマーの文書にハマーショルド暗殺計画が記されていた事。ハマーショルドの死体の襟元にあった”♠のA”の意味。 ・ブリュガーとヨーランが、且つてサイマーに所属していた人々に連絡を取るが悉く断られるが、”何故か”アレクサンダー・ジョーンズだけが、インタビューに答える。そして、彼の口から述べられる驚愕の事柄の数々。 -黒人に予防接種と称して、HIVウイルスを注射していた・・etc.ー <ハマーショルド事件の真相に迫るブリュガーとヨーランが辿り着く衝撃の<事実>。 だが、この事実は世界的に容認されているわけではなく、国連の長年の調査にも、南アフリカと英国のみが拒否しているというテロップが流れるラスト。 真偽や如何に・・。> <2020年10月18日 刈谷日劇にて鑑賞>
ジャーナリズムとはこうあって欲しいものだ
調査を進めていくうちに思わぬ結論に出会う。その過程自体がサスペンスとなっているという・・・こういう映画の作り方もあるんだな。 昔ラジオで誰かが言ってた。良質なドキュメンタリー(映画に限らず)番組とは何か?最初に想定していた結論とは違う方向にどんどん話が進んでいくような番組のことである。と。そんな感じの映画です。 てゆーか、ジャーナリズムは命がけだ。昔のことであるとはいえ、証言者も命がけ。でもだからこそ意味がある。 ジャーナリストから提供される情報の価値は、そのジャーナリストがかけているものの重さに比例するのかもしれない。 なぜ彼らが命をかける必要があるのか?彼らにそこまでの責任を負わせる必要はあるのか?もし自分がジャーナリストだった場合、命をかけられるのか? ジャーナリストとは民の知る権利を代弁している存在だからだ。だからこそ「自分の命が惜しい」からといって保身に走り、出すべき情報を出さないことは許されない。 今述べたことは極論であると思うが、本来のジャーナリズムが負うべき責任であることに変わりはない。 なんて、外野の俺はいくらでも好きなことが言える。実際、命をかけるという行為は並大抵のことではないよな。
ただただびっくり!
子供の頃の私がなりたかったのが国連事務総長。 世界平和の為に尽力したいと願う小学生でした。 ハマーショルドって小学生の私がそのまま大人になったような人だったのですね。 彼が生きて活躍できていたらアフリカはずいぶん違っていたでしょう。 でもアフリカの資源に群がる欧米列国と白人至上主義にとっては邪魔でしょうがなかったのでしょう。 まるで安っぽいハリウッド映画みたいな陰謀が実際に行われていたとは! そして国連でも調査されていたのに、そんなことさえ私は全く知りませんでした! その両方に驚愕!! 昨今の黒人差別問題の根深さに改めて気付かされます。お金持ちゆえに「名誉白人」の私達日本人、いつの間にか白人の視点で差別問題を見ていませんか?白人至上主義者にとっては私達日本人もただの黄色い猿に見えているのですよ。 黒人の次にワクチンを打たれるのは黄色い猿かもしれません。 長年に渡っての調査を映画の形で実らせた監督は凄いと思います。そして命の危険にさらされながら証言をした関係者にも敬意を表したいと思います。 恐らく今までに世界でおきたあれこれに、あの国やこの国が裏で関わっていたに違いないでしょう。 そしてこれからも。
マクスウェルの悪魔
第2代国連事務総長のハマーショルドと言えば、小学生の頃伝記を読んで感動し、尊敬する人物の一人として挙げていたことがある。それ以来の久々の再会だ。
これはとんでもない映画である。マクスウェルの手記や元傭兵の証言やパイロットの告白が真実なら、とんでもない映画である。ハマーショルドの墜落死から始まって、取材につれてあれよあれよと仰天する話が転がり出てくる。この映画を見ている限り本当のことのようにしか思えないが…。
初代事務総長のリーが朝鮮戦争に西側の立場から国連軍を介入させたことで批判されたのに対し、ハマーショルドはあくまで政治的に中立を保つという国連憲章の原則を貫いたがためにかえって軋轢を生じた面もあったようだ。
亡骸の襟元に挟まれたスペードのエースのカードというのも、いわくありげで気になる。
どう楽しむか?受けとるか?が問題だ!www
映画内で描かれている、話されていること、陰謀説が正しければ それはそれは、とんでもない話である。 昔の事件だとしてもです。 事件の真相を明らかにしていく過程の演出が良いです。 見せ方上手。 え?そーなの? え?嘘でしょ? ええー!まじで? そりゃ、まずいでしょ! どんどん、どんどん、どんどん、どんどん私の頭の中には陰謀説でしょ! となっていきます。 でも、なんだろ。 昔、「某探検隊シリーズ」や「未確認物体系」とワクワクしながら見ていた時に 「なぜニュースにならないんだろ?こんなすごい話が」とよく思っていた。 その感覚に近い物があるんですよね。 うーーーむ、その点も含めて存分に楽しみました。 いやいや、この映画で語られていることは事実でしょ!と思ってます。 何年後かの新聞の見出しを心待ちにします。
ハマーショルドって誰だかわからんが面白そうということで鑑賞 “ダグ...
ハマーショルドって誰だかわからんが面白そうということで鑑賞 “ダグ・ハマーショルド” 1953年から1961年まで国連事務総長を務めノーベル平和賞も受賞した方でした。 ハマーショルドは反植民地を掲げ、アフリカ解放のための活動もしていたそう。 ハマーショルドを乗せた国連チャーター機が、アフリカ・コンゴで墜落し彼も死去。 本作はその墜落事故の真相を追うドキュメンタリー。 事故の調査を進めると、それは思わぬ展開に、、💉 植民地支配していた側の国からは、理想主義を掲げる彼は疎ましい存在だったようで、、当時も撃墜説がかなり有力だったようです。 どの時代にも、裏組織、陰謀があると思うけど、事故?事件?から60年経った今だから作れた作品かもしれないですね(厳密に言うと、30年位前のネタもある) 何年か後には、コロナの真相も明らかになるのだろうか?! ドキュメンタリーなのかフィクションなのかちょっとはっきりしない部分もあるけど、興味の尽きない内容でした。 Netflixあたりが配信してくれるとおもしろいんだけどなぁ。
単なる陰謀論ではないと思う。
地味な題材かと思っていたが次から次へと謎が出てきてどんどん話が膨らんで行った。良くできたドキュメンタリーだと思う。残念ながらあまりにも時間が経ってしまったので証拠が出てくるとは思えないが、こういうことがあったようだというのはいつか機会を見つけて家族にも教えてやりたいと思った。上映中マスクをするよう言われて従ったのだが、ここはエアコンの効きが悪くて辛かった。
見終わって絶句。
ハマーショルド墜落事故は全く知らなかったが、一体どんな事件だろうと鑑賞。字幕に眼球と思考をついていかせるのが大変だったが、終盤に驚くような新事実が出てくるところで、背中に戦慄が走った。アフリカ大陸を食い物にする大国の「ここまでやるか」という手法に、人間の底なしの強欲と残虐性を知る。そういや94年のルワンダ大虐殺も大統領機の墜落がきっかけ。当時から関与を疑われていた某国の政府が正式に調査委員会を立ち上げたのはごく最近の話。 国際社会(というか国際的に権力をもっている国々と、その従属下の国々)が闇に葬ったままの事実が、良心ある人びとの手でこれから明らかにされることを願う。コンゴ産のウランが核兵器製造に貢献したということも考えると、過去のことではなく遠い国のことでもない。コロナワクチンができても、アフリカ大陸に届くのは最後ではないかと思ってしまう。ほんまにホラー映画よりホラー。猛暑のなか寒くなった。
やりすぎ都市伝説が好きなら。。
1961年、当時の国務総長ダグ・ハマーショルドが飛行機墜落により死亡。その事故の真相を追っていくととんでもない陰謀が出てくるっていうドキュメンタリー。
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ドキュメンタリーだけど、フィクションのように撮っていて、さらにその明らかになっていく真相もなかなか信じがたくてこれはドキュメンタリーなのか?と疑いたくなる。
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例えば、ハマーショルドの遺体の首に死を意味するスペードのエースのトランプが挟んであったなんてキャッツ・アイかなんかの話ですかって感じだし。暗殺したやつがそんなカードをわざわざ残すか?怪しいじゃん。
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さらに、途中ででくる南アフリカ海洋研究所の偉い人(白人至上主義)が、常に全身真っ白の服を着てたなんて、いかにもじゃん。なんかの演出入ってるじゃん。
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まぁいろんな調査をしてるんだけどそこには裏付けが取れないものもあるし、本当っぽいものもあるし。やりすぎ都市伝説を見てる感覚で見ると結構面白い。あーいう胡散臭いのが苦手な人は無理かも。
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誰が殺したのかは明らか
怖い映画である。並みのホラー映画よりもずっと怖い。何が怖いかと言えば、本作品で紹介されているのと同じような事例が世界中で起きているに違いないと思わせるところが怖い。 当方はいわゆる陰謀論者ではないので、何でもかんでもCIAの陰謀だと言うつもりはないが、かつてラングレーに所在して3万人とも言われる職員が働いていた組織が、実は大したことはしていませんでした、という方が逆に信じ難い。似たような組織であるMI6やモサド、かつてのKGBも、世界情勢をただ調べて報告するだけの組織ではなかった筈だ。国防総省のNSAやDIAがどういうことをしていたのかはスノーデンの告発に詳しい。本作品の中で何度も言及される、ジェームズ・ボンドでお馴染みのイギリスのMI6は対内工作のMI5に対して対外工作を担当しているらしい。いずれもトム・クランシーやロバート・ラドラムの小説からの受け売りだが、当たらずと言えども遠からずの筈だ。本当のところはおそらく当事者にしかわからないようになっているのだと思う。 そういうブラックボックスみたいな組織が60年近く前に何をしたのかを探ろうとするのが本作品である。国家権力の裏の顔とも言うべき組織を探るのだから、それ相応に危険が伴うのは当然だ。本作品があたかもフィクションであるかのように撮影されているのは、少しでも作品の影響力を弱めようとしているための気がする。諜報機関の存在自体を相対化する狙いもあるだろう。裏の組織と言っても人間で構成されている訳だし、考えてみれば彼らも役人だ。精神構造は前例踏襲主義と保身で成り立っている。 役人にはいくつか種類があり、当方の勝手な分類では、手続を担当する事務職と実行部隊である現場職のふたつがある。霞が関の官僚はみんな事務職であり、警官や自衛官などは現場職だ。と言っても警察の上部組織や自衛隊の上部組織は事務職であり、官僚である。 事務職の中には現場職に命令を下す立場の人間がいて、現場職は基本的に上官の命令を忠実に実行する役割である。現場に出る警官は皆そうだ。権力構造がそうなっているからで、現場職の仕事は権力の実力行使である。つまり権力の忠犬だ。犬のお巡りさんがどうして犬なのかがおわかりいただける話である。猫のお巡りさんだと勝手気儘過ぎて権力の実力行使がカオスになってしまうのだ。犬ぞりはあるが猫ぞりがないのと同じ理屈である。犬は命令に従い、吠え、噛み付く。犬は役人に向いているが猫は向いていない。 権力の走狗たる役人たちが、前例を踏襲し自分たちの既得権益を守るために何をしたか。そこには常識では考えられない異常な精神性がある。森友問題で嘘八百を並べ立てた前国税庁長官や新財務事務次官の厚顔無恥な国会答弁を思い出すと、役人の中でも上級官僚になるとほぼサイコパスと同じような精神性になることがわかる。そうでない役人は国民のためにならない不正なことをした事実を恥じるし、中には自殺する人もいる。 権力は異常者を生み出し、権力を背景とした実力行使をする。「007殺しのライセンス」みたいに殺人などの重大犯罪を犯しても権力によって守られる。各国の権力が互いに実力行使をすると戦争になるが、戦争にならない程度に闇に紛れて現場をかき回すのが諜報機関だ。現場は暴力にまみれて裏切りや逃亡が横行する。忠犬だったはずの役人たちが猫のように自分勝手になるのだ。それを次にやってきた現場職が制圧する。 役人と言っても武器や格闘術がある現場職だからやることは恐ろしい。国連の事務総長を殺すくらいは朝飯前だろう。アメリカには巨大な軍需産業がある。世界の紛争がなくなると軍需産業は衰退し、場合によっては消滅する。紛争が必要な人々は権力に働きかけて紛争の火種を絶やさないようにするだろうし、その実行部隊は現場で雇う傭兵と役人たちだ。トランプ大統領の発言はまさに軍需産業を代弁している。誰がハマーショルド事務総長を殺したのかは明らかである。 世界の紛争は必要だから起きている。人々の不寛容や無理解はマスコミやネットを通じて刷り込まれる。これからも何人ものハマーショルドが殺され続けるだろう。本作品を観て悪い予感を覚えない人はいないと思う。
虚飾の雰囲気が気に入らない
すごい内容だと思います、これが事実だとしたら…。決して嘘とは思わないまでも、出だしからフィクション的な演出が強くて、せっかくの強烈な事実が、ものすごーく薄っぺらになってしまっている印象がしました。 確かに、架空の秘書という存在との会話や表情などを通して伝わってくる情報は絶大ではあったけれど、もっと分かりやすくしてほしかった気がします。あれでは故意に難しくしているようにしか感じませんでした。 焦点はぶれぶれで、一生懸命に見なければついていけないかもしれません。しかしながら、そのズレでいく感じがまた最大の魅力のように感じました。だから、必至に見てください。決してタイトル通りのドキュメンタリーではないと思うので、その辺も注意しながら見ると、捨て置けないと思うかもしれません。 ただ、あまり真実味をもてなかったところが、やっぱこの作品の最大の難点だと思います。
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