サンダーロードのレビュー・感想・評価
全7件を表示
おかしさを通り越して哀愁や胸の痛みすら覚える奇作
奇妙な映画と言わざるをえない。冒頭12分間にわたる長回しの中、いったい何を見させられているのだろうと思う。全てがアドリブのようにも、緻密な演技のようにも見えるが、くすくす笑いはやがて苦笑いに転じ、もはやこれをコメディに分類していいのかさえわからない。少なくとも踊ってる彼はとにかく必死なのだから。
口を開くと人を不快にさせる。すぐキレる。かと思えば後悔し、また次の瞬間には私はこんなに苦労してるんですよ、と主張する。すぐ身近なところにもこんな人間の一人や二人いるような・・・もしくはそこに重なるのは自分自身だろうか。そういった鏡面的なものを感じるからこそ、彼のことを決して見放せないのかも。
かつて母親が歌に感化されて故郷を飛び出したように、彼にも全身全霊をかけて誓う時が来る。人生とはその瞬間の訪れを信じてひた走るサンダーロードーーーー未だ聞いたことのない歌の真髄に少しだけ触れられた気がした。
少しは黙ってろ。
ベネツィアよりサンダンスの方が好きだわ、やっぱり。
離婚後、娘の監護権を元嫁と争う事になった痛い男の話。失読症だが、よくしゃべる。うっざい。マジでうざいです。
前日見た「佐々木」も痛かったけど、この主人公ジム・アルノーも負けてません。母親の葬儀でのスピーチから訳わからんフラダンス。娘の前で演じる良いお父さん。親友家族と食卓を囲んでもイタイ話しかできません。全身全霊がイタイ。離婚した元嫁が一人娘のクリスタルの監護権と給料と年金の半分を寄こせ裁判でも。痛さ全開で判事に絡みます。敗訴を弁護士に告げられて、ドドドドとブチ切れて、最後は破れたパンツ。あぁ、イタイw
親友の救いで上向き気分も、状況が劇的に変わる訳じゃ無く。これがアーバズレッな元嫁のオーバードーズで裁判は吹っ飛び、念願の父娘生活。
それだけ。教訓も高説も何にもない、あるイタイ男の生活をのぞき見してる風な物語。勤め先でも、家庭でも、押さえつけられ、鬱になりそでやってらんないよ、と言う野郎共は共感してしまいそうなジム・アルノー役は、監督と脚本の三役のジム・カミングス。どこまでが体験談なんでしょうか?って言う詮索は無しで。
ジム・カミングスの次作も楽しみです。
好き。結構。
主役のシーン多すぎ。
主役のシーン多すぎで、最後の方はちょっとうざかった。
切れ方がどこか中途半端でね、ちょっとね。
突っ込みをいくつか。
読字障害とのことだけど、もう治ってるのかな。訴状のあたりでそんな感じがしたけど。
娘がお母さんが巨乳とか言ってたけど、そうでもない気がしたが。
後半、元相棒に家に送ってくれとか言ってたけど、ガラス割った車はどうしたんだろうか。
まあ、勢いがある映画ではあった。
障害があると生きにくいけど、、、、、応援するよ。
教会のシーンから始まる。母親ブレンダが亡くなった。気になった言葉はジェームス(ジム カニングス)の母への哀悼の言葉や母親の好きだったブルースの曲、サンダーロードのダンス。教会の葬儀に出席している人々はちょっと?というような雰囲気だ。
でも、いいことに、司会の女性は『哀悼の表し方はいろいろある』という。この言葉が好き。この言葉がジムに安心感を与えたかどうかは察することができなかった。
ジェームスは識字障害で母親が教科書を読んでテープに吹き込み耳から学問を学ばせた。学業は大変だったろうが母親がいたからこそ、ここまでこられた。彼はテキサスのクリスチャン大学(LCU)を卒業したようだ。
まず最初の衝撃は母の死。それから、解雇、娘クリスタルのクラスでの性的発言、離婚訴訟、親権を失う、識字障害、次から次へと、彼に、困難が降るかかる。降りかかるというより彼が故意にそれを選んでるように思える。上手く説明できないが、運が悪い人は運の悪いことが続くといった方が適当だろう。識字障害もだが、彼は、怒りやすく、怒ると見境がつかなくなるし、人々との会話のリズムに乗れないし、話が飛びすぎるし、なにかパニック症候群のようにも見えるし、タイプA的な人のようにも見える。診断できないが、精神的な問題を抱えている。その彼に
司会の女性は『哀悼の表し方はいろいろある』というのが、私は心のなかで、ジムに『安心していいよ。そのままの姿でいいんだよ。』といってあげられるような気がした。
この障害のひとつひとつがジェームスの人生にかかってくるが、この映画だけを観ているとコメディーのように滑稽な印象を与える。でも、現実問題はジェームスにとっていきていくのは挑戦なんだよね。
この世の中はジェームスにとって生きにくい世の中かもしれないけど、二人で助け合っていってほしい。応援するよ。
最後の親子二人のシーンは『孟母三遷』を思い起こさせた。
蛇足:この映画のもとは13分の短編。
2016 (winning Jury prizes at Sundance
Jim Cummings' 13-minute short Thunder Road
https://vimeo.com/174957219
良い映画
人生に挫折した中年男(失読症という設定)が、もう一度再出発しようともがくが、過去に囚われてきっかけを見つけられず、"あたふた"する物語(笑)
タイトルは、ブルース・スプリングスティーンの曲から…でも、スプリングスティーンのサンダーロードは劇中でかかること無く、ちょっと肩透かし(笑)
色んな場面でクスッと笑えるシーンは多いんですが、主人公である警官ジムの言動がちょっと突飛過ぎて…???…という感じでした…鑑賞中、何度か置いてきぼりを喰いました(笑)
…言葉の壁を感じると、ちょっとストレスですね。
この作品、アメリカ人には彼の行動やその人生の社会的背景に共感出来て、面白く何とも哀愁があるんでしょうね…。
スプリングスティーンの楽曲がタイトルだったり、ロッテントマトでは96%フレッシュと高評価だったりで、かなり期待してたんですが、今ひとつ楽しめなかったです…残念!(笑)
正しい1針
離婚協議中の嫁に娘の親権問題と、母親の死で動揺する、失読症を持つ情緒不安定な警察官の話。
母親の葬儀のスピーチで上手く語れない上に、キティちゃんの故障で段取り通り進まず無音で踊り出すところから始まり、障碍も!?と思わせる主人公。
直情的で恐ろしさも感じながらも、本当は優しいし、親バカな主人公が上手く立ち回れずキレてしまったり、パニック染みてしまったりする中で、派手な嫁の無茶な要求に向き合わなければならなくなり、追い詰められていく様子が痛々しい。
この流れからの落とし方は、とことんまで!?それともすがりつき許容されるのか悟るのか?
自分には思いもしなかった展開で、良い意味でやられた感じ。友達も良いし上手いね。
かなりしっとり、重さと哀しさを感じるストーリーなのに、what′s!?(笑)なネタもあったりして、面白かったし、踊らされた気分にされた。
全7件を表示