護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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人と人が織りなす複雑な社会生活
東日本大震災が生み出した人災(生活保護受給)にフォーカスを当てた作品。
原作は読んでいませんが、この映画は絶対に観ようと思い公開初日に映画館へ。
私は埼玉県の東日本大震災で被害を受けた方々が沢山移り住んできた地域にある映画館に足を運びました。周りはお年寄りの方が大半を占めておりおそらく被害を受けた方もいたのではないかと。劇中に遺体が安置された映像が流れるとどこからか嗚咽混じりの泣き声が聞こえできました。もしかしたら当時の事を思い出したのかもしれません。
作品の感想として、護りたい護ってほしい護った護られなかったというのは人それぞれであり、人々の思いや行動がすれ違い、どこにもぶつけようがない憎しみが誤った形を作る。利根の「死んでいい人なんていない」という言葉に全てが集約されているようにどんな人間であっても生きている意味がある。そう思える為には自分の身を守る、大切な人を守る為にこの国の子供達を愛し大切にしなければならないと言うこと。愛を持った子供達はきっと他人を尊重できるから。この映画のタイトルでもある護られなかった者たちというのは全員に当てはまるようにも思えた。
そして最後のシーンは全てをのみこんだ海が皮肉にも蒼然と美しくさえ思ってしまう様は生命の原点を彷彿させ命が還っていったのだと思わせるほどに生命を感じずにはいられなかった。
タイトルの意味と重さ
「護れなかった」、じゃなくて「護られなかった」
一文字違うだけで立場が逆になる
震災で生きててよかった、と思う人と、生きててよかったのかな?と思う人、初めて3人で寝た夜に言った台詞がタイトルにも関連してて、見終わった後に気付いた
実際に震災で被害を被った訳じゃないけど、被害者やその家族のことを考えると物凄く考えさせられる
早いもので震災から10年
いちえふのような大きな事件ではないが、映画の台詞を借りれば「怪物」が起こした人生や心を大きく変化させた出来事だったんだな、と改めて考えた
それにしても予告だけで判断すると佐藤健が犯人なんだろうな、と思ってたけどフタを開けたら、清原果耶の静かに見える、とんでもない憎悪をラストシーンで見せつけられた
完全に阿部寛と佐藤健を食ってた
あんな可愛い顔してるのに…
佐藤健は普段の役柄とは真逆だったけどいい演技してるし、倍賞美津子も本当に素晴らしい演技
震災や貧困、生活保護など扱ってるテーマは重いけど、見て損はない映画
原作の良さを自ら放棄。中途半端に。
前半の避難所のシーン尺取り過ぎ。
3.11の凄さは他の作品以外でも十分語られているのにわざわざ原作に無いシーンをふんだんに織り込む必要があるあった?
かんちゃんの服装とラストの回収くらいしか意味見出せないんだけど…
って言うかかんちゃんの母親、津波で逝かせてしまうって!
長屋で家に帰りたがらないかんちゃんのシーンが有るからこそ3人の絆がより強くなる!って良いシーンなのに(怒)
『生活保護受給者は子供を塾にすら行かせられない!』って怒りのシーンはもっと深くても良かったと思う。
生活保護のシーンは全体的に大人しめだよね。
やっぱり御上に目をつけられたく無い?
1番のビックリ点はかんちゃんガクブル女の子設定って事!
原作もそうだっけ?(結構前だから…)
初回の殺人もアパートの一階だったはず。
女性じゃ全く動かない成人男性(約70K)を古い階段の上を2階まで引きずって上げるなんて!
まぁ健と阿部ちゃんの演技に救われた感ありありのは作品。
良い映画でした
震災がテーマの作品はドラマも含めていくつか観ましたが、どんなに悲惨なものだったのだろうと考えるといつも悲しくなってきます。生き残った人達が肩を寄せあっていく様、行政への理不尽な思い、そして行政の人も、みんなが一生懸命だったと思います。殺人はいけないし極端ですが、辛抱して辛抱して色んな事を乗り越えて来られて、同じ日本の離れた地域で悲しい思いをされた方々が、今日も幸せで一日を終えていて欲しい、投げかけられた生活保護の問題もありますが、とにかくそう願わずにおれない映画でした。
演出面では、役がそれぞれはまっていて、役者がみんな上手かったです。最も意外だったのは犯人で、透明感と同時に持ち合わせている暗さが躊躇なく存分に発揮されていて、その度胸が評価できると感じました。
護ろうとした者たち
“魂が泣く”とは言い得て妙だ。
事件が起きた背景を知ると憤慨と哀しみで胸が締め付けられる。誰も本作の犯人を責めることはできないだろう。もっとも憎むべき相手は国なのかもしれないが…。
本作は社会福祉の在り方や不条理さを巡って描かれるミステリー。未だ大きな爪痕を残す3.11東日本大震災の背景も絡められることにより“護られなかった”との言葉がより幅広い意味合を持ち私たちに訴えかける。
大筋は原作と同じであるが(細かい部分は大きく脚色されている)、映画の方が東日本大震災との関係をより深く絡めながら時系列も細かく入れ替えている。映画の脚本も申し分ない。
かんちゃんを護ろうとした利根
飢えで意識が薄れていく中で利根とかんちゃんを護ろうとしたケイさん
家族を護ろうとしたが護れなかった笘篠ーー。
『護られなかった』とはケイ達のように生活保護を受けられずに命を失った人、東日本大震災によって命を失った者、それにより愛する人を失った者たちのことで、私たち皆が大切な“何か”を護ろうと生きている。
本作を観て涙を流す人は多いだろう。だけどただ泣いて終わりではない。護られようとすべきものが護られず、護に値しない者を護る(不正受給など)今の法律と歪んだ社会が変わらないといけない。そのためには私たち一人一人が声をあげる必要がある。
そして、終身雇用制度が崩壊し、幸せな未来が約束されない不安定な現代の日本を生きる私たちはまさに「一寸先は闇」で、よほどの資産家か富裕層の家庭出身でない限り、誰しも貧困の沼に引きずり込まれる可能性があり、本作に描かれている事は決して他人事ではないのだ。もし自分自身が、または愛する人や身近な人が貧困の沼に陥った時に、私たちはどうすればいいのか、ラストのカンチャンのSNSへの投稿が印象的だ。
以下原作から。
「声の大きいもの、強面のするものが生活保護費を掠め取り、昔堅気で遠慮や自立が美徳だと教え込まれたものが今日の食費にも事欠いている。護られなかった人たちへ。どうか声をあげてください。恥を忍んでおらず、肉身に、近隣に、可能な環境であればネットに向かって辛さを吐き出してください。この世は思うよりも広く、あなたのことを気にかけてくれる人が必ず存在します」
それにしても、ちょっとした役にも主役級のキャスト達が顔を揃えていて、豪華すぎる。かんちゃんに清原果耶を差し出すあたりも心憎い。
もう一度観るには重すぎるけど、より多くの人に観てもらいたい作品だ。
殺人に至るまでの加害者の気持ちに共感ができない
利根とかんちゃんの不遇の幼少時代をもう少し描いてほしかったと言うのがタイトルになった理由。
あと、ラストの利根が笘篠刑事に語るシーンで目の前の少年を津波から助けられなかった後悔は映像にして最初の方に入れてくれればいつまでも利根の心の闇として、また忘れない後悔として残っていたことがラストで笘篠に語ることにより少しは癒されるというふうに私はして欲しかった。
生活保護の不正受給も描いているので少し思ったことを書き添えると生活保護を受けないと食べるものも買うお金がない人が受けられなくて息子が大阪の芸人でかなり稼いでいるにも関わらず母親等が生活保護を受けていた事実も過去ありましたよね。その人たちには是非映画を見て欲しいです。
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