護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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佐藤健とドラゴン桜の髪型を比較する作品
震災・生活保護・疑似家族の絆と泣かせるテーマを
ふんだんに盛り込み心が震えるでしょう
さあ泣きなさいと押し付けられている気がして
ちょっと途中で白けてしまった
無理に殺人事件としないで震災後の疑似家族の絆にテーマを絞り
施設で育った落ちこぼれの佐藤健が大学受験を目指し
阿部寛がドラゴン桜となって合格させるという方が何倍も面白かったのではと少し思ってしまう
殺人事件としてはあまりにも稚拙で原作者を知っている人なら
未読でもタケルサトーが犯人ではないと一発で分かりそこも冷める
そして任侠映画の極道のような声を振り絞るのは
彼のファンは喜ぶと思うがそれ以外は興醒めをする
肝心の事件についてだが
か弱い女性であるカンちゃんがスタンガンという武器で
生活保護担当者をバッタバッタと殺害していくのは
いくら何でも無理がある
憶測だが事件現場まで役所の車を使い
トランクから大人の男を持ち運ぶのは
女性が一人でするのは体力的に不可能に近い
仮に出来たとしても髪などが現場に落ちる可能性があるので
まともな犯人ならそんなミスはしない
最低でも髪を縛って帽子をかぶるぐらいはさせるべき
それでも現場検証で発覚できない警察は相当間抜けだ
何よりも警察が防犯カメラや役所車を調べないのは
杜撰以外の何ものでもなくいくら作品とはいえちょっと無理がある
これだけ公務員が亡くなればまずは同じ職場の者を疑うのが基本だろう
クライマックスとなるカンちゃんの北の国殺害未遂現場だが
途中からタケルサトーの手錠がなぜか外され
ドラゴンは何もせずに延々と美しき兄妹愛をサポートする始末だ
終始事件現場や聞き込みで思わせぶりな態度をして
名刑事を演じてきたドラゴンだがまったくのポンコツぶりが露呈され
ちょっと情けない
本格ミステリーを謳っていないならこれらがあっても特に気にしないが
一応は名作的な扱いなのだからそれならきちんと作品を作って欲しい
最後に言いたいのは震災という重いテーマを扱う割には
全体的に細部が軽く甘い
男性2人は不老不死のように震災から10年が経過しているのに
外見の変化は一切なくカンちゃんだけが大人になり殺人を覚えてしまった
理由や動機はともかくあんなに残酷に人を殺しておきながら
警察と一緒になっても表情や態度にまったく不審な点を見せないのは
少々無理があると思う
タケルサトーの髪型はどんな時も美容室帰りのように
髪型が決まっていて揉み上げや襟足は5分前に切ったばかりと錯覚する
対するドラゴンは震災前から床屋を拒否する男のように
中途半端に伸びた髪と無精髭がお決まりのセットで
いついかなるどんな作品でもこれを通すのは
彼の高身長と好感度の高さから許されるようだが
彼同様に偏屈な俺には通用しない
生活保護の闇の部分
予告から佐藤健さんの演技が際立ってるなぁと、そのイメージから映画鑑賞でした。
実際に観てみたら3.11以降の数々の問題点。特に生活保護に焦点をあてられてました。
僕ぐらいの中年以降の方には大震災について、思い出したり、映像を見るのは厳しい人が多いと思いますが、この映画については観てみたら損はないかと思います。
地震後に生活保護について、どれだけの苦労があったのか、それは市役所側にもそうですし、受ける方にも。。
こういう事は、無駄に得する人がなくなって、必要な方々に100%うまく行くことは中々難しいと思いますが、100%に近づかせる事がどれだけ難しいのか、ご教授いただけます。
佐藤健ももちろんですが、出演されてる皆さんの演技が素晴らしかったです。
オススメです。
佐藤健と清原果耶にやられた
面白かった。 震災とそれによる人為的な『命の選別』。 テーマ自体が...
演者、とくに清原果耶の演技が光るものの、緒形直人演じる役場の責任者...
製作者側の悪意を感じる作品
ほとんどあり得ない物語をノンフィクションのように仕立て、演技力のある役者を使って説得力を持たせるという手法にうんざりしました。
同じように生活保護のケースワーカー(CW)が登場する「すばらしき人生」の描写は概ね納得できたものの、「護られなかった者たちへ」(←生活保護を受けられなかったという意味でこの漢字を使ったのでしょう。)の方はこれはないだろう!と腹立たしくなりました。
私は、30数年の市役所職員生活で最初の5年間、生活保護のCW業務を経験しています。
その頃に比べると、確かに生活保護申請の審査は厳しくなっていると思いますが、申請を却下しても必要に応じて何らかの支援策を講じることは今も昔も変わりません。
百歩譲って餓死するまで見放すことがあったとしても、「護られなかった者たちへ」のCWのように、公務員という立場にありながらあのような極端な行動に出ることは99.9パーセント以上あり得ません!
0.01%にも満たない可能性の物語を商業映画(エンタメ)として公開したことに、製作者側の悪意を感じたのは私だけではないはずです!!
紙一枚で生死が決まるわたしたちへ
担当者を心優しいロボットに
強烈な目力の演技
やはり傑作といえるでしょう。
猟奇的で凄惨な連続殺人事件を紐解くミステリー仕立てですが、そもそも3.11東日本大震災時に端を発しており、登場人物が悉く其々の悲惨で過酷な過去を抱えています。それに加えて生活保護という問題提起も織り交ぜているために、物語は暗鬱で悲愴な空気感に覆われて進行します。
その上、アクション、ラブロマンス、或いは自然の風景美という、観客が陶酔し、のめり込むようなシーンやエピソードは皆無で展開しますので、終始重苦しい映像が続きます。震災時の悲惨で殺伐とした映像だけでは、観客に厭悪感が強まるので、過去と現在が頻繁にフラッシュバックして、観客を戸惑わせ幻惑させることで興味をつないでいきます。
ミステリードラマなので、いきおい会話劇主体で物語は進行しますが、台詞は少なく、特に佐藤健扮する主人公・利根は寡黙で無愛想ゆえにト書きの演技が多く、その思いや考えが全く見えてこず、本来なら観客は飽きてきますが、不思議に彼の一挙一動に惹きつけられていきます。
それは、彼の異常な目力のせいです。右の瞳は黒目が大きく見開かれて輝いて見える一方、左の瞳はやや上方に偏る三白眼です。いわば右眼は慈愛に満ちた天使の瞳、左眼は憎悪に満ちた悪魔の瞳。愛と憎しみが同居した、善行か悪行か、何をしでかすか全く読めない、危険で異様な迫力が、作中利根には常に滲み出していました。彼の目に顕在していた、人が持つ慈愛と憎悪こそ本作のテーマであり、この人類普遍のテーゼを重く深く訴えてきます。
瀬々敬久監督としては、『64-ロクヨン-』に通じる命題です。
更に、事件の容疑者である利根を追及する刑事・笘篠役の阿部寛が、また寡黙で専ら目力の芝居によって演技していました。そのために、登場人物の“目”に引き寄せられ、ずっと追いかけ続けるという、観客にとっては一瞬も目を離せない非常に疲れる映画であり、その分、時間が凝縮されたような濃密な視覚体験だったといえます。
ミステリードラマではあるけれど、事件を解決することが本作の主眼ではありません。従ってラストで明らかになるドンデン返しも、それほどの驚きは湧いてきません。
3.11の震災には、恐らく日本人の凡そ半分の人々にとって、一人一人にドラマがあったと思います。他愛ない小ネタから命のやり取りを伴うものまで、各々の記憶に深く刻まれています。本作は、その一つを取り上げた衝撃的なドラマですが、それ故に幾らか共感できる所はあるものの、残念ながら、物語そのものは、私には心の底から得心出来るものではありませんでした。
時間が経過してもあと引く
自分の無知を恥じた
いつも原作がある時は、先に原作を読んでから(小説に限りますが)見るのですが、最近はひと月弱で公開が終了してしまうので、東日本大震災に生活保護を絡めたテーマだという程度の知識で鑑賞しました。まさに、私自身、そのどちらも表面的な部分しか見ていなかった、知ろうともしなかったことを恥じました。あの大災害で、せっかく生きのびたのに、様々な不条理の中で結局、失われてしまった命が、いったいどれくらいあるのだろう。
もちろん、生活保護に関しては、震災に限ったことではないのですが、今のコロナ禍でもそうですよね。ニュースではコロナ感染による死者数しかわからないけれど、関連で命を落とした人は想像できないほどたくさんいるはず。改めて、自分の無知を恥ずかしく思いました。
映画は、時代が行き来してわかりにくいという声もありましたが、私は、役者さんの細やかな表情づくりや演技で、何の違和感もなくストーリーを追うことができました。
主演の佐藤健さんはもちろんですが、個人的にはやはり阿部寛さんの役の重みと存在感が素晴らしかったです。最後の二人で海を見ながら語るシーン、阿部さん演じる笘篠刑事の表情と言葉が、やぱり切なくて苦しかったです。
投げられた問題提起をしっかり受けとめて熟考しなけれは。
震災のためなら悲しい事です
言葉少ない雄弁な映画
原作は未読だが、3人が出会うきっかけを「東日本大震災で被災した」と改変していて、全編に渡って震災の傷がうずいている。
そのため、事実上の悪役である被害者2人もまた、震災の被災者であり犠牲者として描かれている。
コロナ禍のため、撮影時期が4月から6月になったため、映画の風景も雨や曇天が多くなっている。これが作品の雰囲気に大きく影響している。
いつまでも晴れることのない湿った重い空気は、彼らの晴れぬ哀しみを表しているかのようだった。
サスペンス仕立てではあるが、映画の本質はサスペンスではない。
各自が抱える哀しみによって紡ぎだされる、悲劇と再生の物語である。
俳優陣は皆、セリフに頼りすぎない表現で雄弁に語り尽くしていた。
誰も震災の辛さを口にしないがために、唯一の非被災者である林遣都が感じた疎外感は、映画を見る我々の疎外感でもある。彼の目を通して、我々はあの日を追体験していたのかもしれない。
良かった
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