護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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当たり前とは何かを考えさせてくれる、刑事ドラマとして、そして震災を通じて生活保護の意味を訴えかける作品
あの日あの時、大勢の人が犠牲になった震災で誰もが疲弊していたあの瞬間。
心の余裕などなくて如何しようも無い中で、見ず知らずの他人同士で心を通わせ「幸せ」を実感する瞬間。
生活保護という「当たり前」を保証する制度を通じ、保証されていく人とされぬ人。
凶悪な事件を皮切りに、過去に起きた悲惨な災害を思い返す刑事ドラマとしての一面。
この三者がバランスよく盛り込まれ、「何が当たり前なのか」、「何を当たり前とするのか」、「誰が当たり前を保証するのか」を描いた作品。
守るではなく「護る」だからこそ意味がある、涙無しには観れない映画でした。
劇場という大スクリーンでだからこそより感じる、恐怖、失意、希望、そして未来 。
一見すると描き切るのが難しい内容を丁寧に描写し、その中にも伝えたいことを軸に、様々な人の思いを少ない時間の中でも伝えきった素晴らしいものでした。
是非劇場で観てほしいです
色々考えさせられました
あの時、もっと何か出来たのではないか?こんなに苦しい想いをしていたのかと考えさせられました。
苦しい、辛い、助けてと思っていても中々言い出せないと思うけれど勇気を持って言えば誰かが助けて支えてくれるとのではないかと気付かされました。
これは震災に限らず今何か困っている辛い人がいたら誰かに言って楽になってもらえたら、そんなメッセージがあるように感じました。
何か辛い事がある人が観て心が少しでも軽くなれればと思います。
また命の大切さもとても感じることの出来る作品で出演者の方たちのそれぞれの涙を流す姿に、こちら側の涙も止まらなくなりました。
護られなかった者たちへ…
震災を背景とし、生活保護の話が軸となってストーリーが進められていきました。
どのキャラクターにも過去に護れなかった人がいて、でも今をどうにか生きていかなくてはいけなくて…
最後のシーンでタイトルの意味が色々繋がり
鳥肌が立ったのは私だけではないはずです。
この哀しみに
相応しい言葉が出てこないのでネタバレ注意でつらつらと書き留めておこうと思う。
切ない気分の中にドップリといる今も、この作品に出会えてとても良かったと想っています。登場人物たちは誰も悪くなく、だけどしてはいけない悪いことをしてしまう。震えが止められないような深い哀しみと抗えない怒りの発露の数々を目の当たりにして、やるせなく切なくなった。
ハッキリ言って強者、支配者の論理で構築し執行される日本の行政組織は常に何かしら問題を抱えている。僕らは勤勉に働き、様々な租税を素直に納付し、震災復興税も払っている。今回、焦点を当てた生活保護の問題点も中山七里さんの原作、そしてこの映画を観るまで自分には闇の中。心ある者が勇気を振り絞って作品を生み出し世に問うまで僕らは知る由もない。
今をときめく役者も顔を揃えたが、話が佳境に近づくにつれ全く気にならなくなり、迫真の演技にスクリーンの向こう側に引きずり込まれてしまった。脇を固める倍賞美津子さん、吉岡秀隆さん達も言葉に出来ない素晴らしい演技で、これだけの個性豊かな一流の役者を揃えながら、抑揚がありながら、悪目立ちなど破綻のない瀬々監督の演出の手腕に改めて敬服いたしました。
震災発生3ヶ月後から4年間かけ、被災した沿岸線の道を青森から茨城まで自転車で走破した日々に見聞きしたことが自分の中で木霊している。一生忘れることが出来ない、忘れてはならない光景と言葉が甦っては消えてゆく。
今夜は久しぶりに一献だな
(-_-)
この映画を観るということ
東日本大震災、その絶望下での生活保護の話、申し込む方も受理する方も、ある意味平等に、近い人を失ってたりあるいは失ってるかどうかもわかってなかったり
そんな極限状態の中で、良かれと作られた制度に埋もれて煽りを食う人もやっぱりいて、いかんともなく極端に無力に手詰まる、そしてその人たちにとってそれが一度限りの人生
本当に申し訳ない位に見えてない、餓死なんか無くなっちゃいないし、今後どっちかといえば、増えると考えるのが普通
イノベーションも再配分も、きっとどっちも要る、ウダウダいってる間に困窮極まる人もいる
呑気に映画観てこんな感想垂れてるのもどうかではある、気付きの多い作品、経済は回んなきゃいけないし、回り切らなきゃいけない
生活保護の実態
震災で大切な人を失ったり、生きているのが自分でいいかと感じたり、様々な痛みを抱えた
人々。おおきな災害のあとの復興は、生きるための支えが必要な弱者が取り残される。そしてそれだけでない生活保護の実態。日常の生活保護の実態に、とても近いとおもった。他国は現金給付が多いが、日本はケースワーカーとともに自立支援がセットの本来は誇るべき制度。なのに。あまりに人員が足らない。ケースワーカー1人辺り100にん以上の担当の自治体は、ざらにあり、丁寧に関わる余裕すらない。ノルマのように給付制限を、求められ、また威圧的な対象者でも、人員や組織の仕組みのために、一人で対処する危険な状況ににおかれる。結局それらは、当事者に皺寄せがいく。やれなかったらどうなるか、あんたたち分かってただろう!。当事者たちが声を挙げないと拾えない、専門職がリスクを予見しても、動けない環境におかれているのが生活保護の実態だ。
魂が泣いた
エンドロールは泣いたことを隠すためのものなのに、
サザンの曲が流れてまた涙が溢れた。
こういうの困るんだよね、明るくなった時。
散々驚愕のラストに涙すると聞かせられたので、
おそらく真犯人はあの人と想像していた。
そして、やっぱりの結果だったので、
ミステリーとしては3.5。
私としてはラストの佐藤と阿部のシーンが心に刺さった。
黄色いジャケットの意味が明らかになり、
阿部がお礼を言うシーンでは思わず嗚咽が漏れそうになった。
震災時福島にいた私としては、
常々放射能汚染に比して津波被害が軽く扱われている気がしてならなかった。
放射能汚染で直接的に亡くなった方はいないが、
津波では非常に多くの方々が命を失っている。
阿部のように今でも家族を失った傷が未だに癒えない方々や、
佐藤のように目の前の命を救えなかった自責の念に苦しむ方も多かろう。
改めて人々の思いが胸に迫った。
よって、ヒューマンドラマとしては4.5。
それにしても放射能被害者への手厚い補償に対して、
津波被害のそれの貧弱さはどうにかならないものだろうか。
佐藤、阿部両者の演技は見応え十分。
アカデミー賞の主演、助演はぜひこの2人にと思わせられた。
どんでん返し、大失敗。
佐藤健×阿部寛ということで期待して鑑賞。
大震災と生活保護という題材なので、観てて楽しい話ではありません。
原作は未読です。
鑑賞後の素直な感想ですが、この物語に「犯人は誰か?」みたいなプロットやどんでん返しを狙う仕掛けは要らなかったと思います。
しかも途中で何となくわかってしまい、大失敗です。
おかげで犯人の動機も手段もちぐはぐで意味不明になり、物語が破綻してしまいました。
冒頭から、主役たちがヘンに狭い空間で接触していたり、ラストの無理な符合も「そんなバカな」と言いたくなってしまいます。感動しかけて出かかった涙も止まってしまいます。
災後の混乱した中で、彼らが出会っていた演出はあり得ないし無用だと思います。
倍賞美津子さんの演技が素晴らしい分、もっと違う演出が出来たのではないか・・と悔やまれる残念な作品になってしまいました。
夢も希望も…
佐藤健主演で、阿部寛と清原果耶が脇を固め、倍賞美津子に吉岡秀隆に緒方直人に…
その他、有名どころがぞくぞくと登場してくる。これに主題歌が桑田佳祐…
もの凄いお金かかってるよね 苦笑
別に皮肉ろうとは思ってなくて、寧ろその豪華俳優陣はそれぞれBestを尽くしたと思う…
なのに、観賞後に感じた〝物足りなさ〟は何故なんだろう…
災害で失われてしまった家族
弱者に寄り添えない行政
行政を悪用する不埒者
支援制度の限界
様々な立ち位置の登場人物全てが〝護られなかった者たち〟ということか…
「誰も悪くないんだよ。悲しいけれど」
そう言われているようで…
綺麗なようで、何だか夢も希望もない物語に思えた…
暗くて捻れている阿部寛!
妻子を震災で亡くし、いつもと違う雰囲気の阿部寛。こういう役も良いですね。動機と殺害方法に無理がありすぎて犯人がわかりませんでした。原作もあの通りなのでしょうか? うろ覚えですが「(助けを求める)声を上げればいいんです。誰かの耳には届きます。世の中は捨てたもんじゃありません」のセリフは良かったです。不正受給する人もいれば、申請すれば救えたはずの命もある。難しい問題です。子役のお嬢さんは上手ですね
犯人の心理描写が支離滅裂
犯人がなぜ、残酷な殺人を犯さねばならない心理状態になったのかがさっぱりわかりませんでした。
しかもこのタイミングに?です。
犯人は「護るべき人を護りたい。そのためには自分が犠牲になっても良い」と考える人で、だから、「護られなかった人」の悲しみを晴らすために殺人者になったのだ……と、理屈では理解できます。不自然さ満開ですが。
さらにストーリーの中でそれがまったく語られず、唐突感でいっぱいです。
また、それぞれのキャラクターが、まったく深掘りされていないような気がしました。
林遣都さんが被害者たちのことを「何が人格者だ!何が善人だ!!」と憤慨するシーンがあるんですが、なぜそう感じたのかがわからない。
震災で膨大な生活保護申請者がある中で、厳格に審査をせざるを得なかったのは、この映画を観なくても理解できるし、窓口での対応を見たなら余計に「断るのはつらいんだろうな」と共感できるのではないか?????
登場人物の思考や行動があんまりにも浅すぎやしないか……と、違和感でいっぱいになりました。
でも、震災は多くの犠牲者を出し、役所は膨大な問題を抱えさせられ、二次被害、三次被害を生み出していったことを、被災地から離れた人間に再認識させてくれたことは良かったと思うので、星一つおまけです。
家族の絆より強いものは❗️
いや〜良かった〜。倍賞さんの枯れ方も良かった。み〜んな良かった。今季、1番だよ!
完成披露やTVで清原果耶ちゃんが出ないからチョイ役かと思ったら、何と何と。朝ドラとの関係で出られなかったのかな?
時期を同じくして気仙沼市民て市民じゃん。
この前は長沼に行ったので、今度は勾当台公園の後ろから3番目に行こう。
凄い偶然で刑事と後の犯人が避難所で声を掛けていたなんて、刑事の子供の最後を見ていたなんてグッと来た。
近くにいたおばちゃんなんか、後半からず〜と泣いてたよ。
俺はエンドロール聞きながらた、また泣いた。
倍賞美津子さんに尽きる
ストーリーは、大衆向けに作られ、メリハリを付けつつも、そこに社会問題をポンと振りかける、瀬々監督らしい映画構成だなと思った。相変わらず役者陣は豪華で一流なので、多少ストーリーがチープに感じられつつもやはり見てしまう。
なかでも倍賞美津子さんの役作りは素晴らしかった。おそらくは一番この映画の中で伝えたかった肝となる部分で、一気に見ている側を引き寄せる力がある演技だった。最後は悲しかった。
本作内のケースワーカーが語った「みんなに看取られながら亡くなるのはもはや無理なんです」みたいな台詞が痛烈だ。まあ、お前が言うなよってのはあるけど、実際自分もそうなるのか。年金で賄えるわけもない老後。70歳過ぎても働かなければやっていけない人が多くいるこの国。
どうしてこの国は見せかけは先進国なのに、こんなに将来が真っ暗なのか。
映画を見て少し暗くなった。
自分を曲げる
被災と孤独と貧困。オープニングや所々で流れる、被災当時の回想。これが良く出来ていて、切り替わる度に息苦しくなる。だからなのかわからないのだが、上手い具合に話は進んでいくわりに現代パート俯瞰気味に見てしまい、終盤になっても「あー。」位に留まってしまった。役者陣は勿論素晴らしかったのだけれども、少し物語っぽさが強かったのかな。「あー!…それはやっちゃうよなぁ…」と思える強い何かがもう少しあればな、って感じでした。
それにしても、最近はふわっとした感じで終わるのが多い気がするのは気のせいかしら。
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