レディ・トゥ・レディのレビュー・感想・評価
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ジェンダーの視点で芸能に一石を投じた作品
期待以上か期待外れになるか読めず、劇場に足を運ばずじまいだったこの映画をようやく配信で鑑賞。
ダンスは男女のペアで踊るもの、そしてリードするのは男性、という固定概念に一石を投じるテーマで、芸能界で横行するセクハラやパワハラも取り上げている、なかなかジェンダー・センシティブな映画。今となってはこの映画に木下ほうかさんが出演しているというのも皮肉なものですね・・・。
私も以前ペアダンスをやっていて、リーダーとフォロアー両方できる女性は当時もごくごく少数だった。ただ、ふだんフォロー役をしている女性がリードすると、リードされる女性の気持ちや感覚をよく知っているので、リードがやさしく分かりやすく配慮があって、一緒に踊っていて気持ちがよかったことを覚えている。
テーマ設定は面白いし、主演俳優2人もよかったけれど、過剰な演出や脚本のせいか、あと一歩という印象なのが残念。
それでも、一昔前なら疑問にも思われない、どうして女性がリードしてはだめ? 女性同士でペアを組んではだめ? という今の時代のムードに合った、チャレンジングな一作だったと思う。
将来、うまくリメイクされたらもっと面白いのでは、という期待を込めて星3つ。
舞台
人生は舞台である。
主婦には主婦の舞台があり
女優には女優の舞台がある。
演者は与えられた舞台で演じるだけだが
演じる理由は人それぞれ・・・
演じたいから演じる人もいれば必要に迫られて演じる人もいる。
観客を笑顔にするのも、自身を笑顔にするのも、精一杯自分の舞台を全うできるから。
この映画は、改めて自分の舞台で日々頑張ってる人へのエールである。
なんか物足りなさが残る
30代の俳優業と結婚して子供ありの女性二人が、くすぶっていた人生を女性二人のペアで社交ダンスを再開することで輝きを取り戻すドラマ。
個々人のドラマや社交ダンスのルールなどに切り込んでいて方向性や内容は楽しめた。どんでん返しなども綺麗に決まってる。
でもいわゆるフックがなくて、例えば同じ台本でハリウッドでリメイクされた方が面白そうな気がする。
残念
内田慈さんの芝居をたっぷり観たい
という思いで 8:20am という罰ゲームのような1日1回 都内単館 という上映に駆けつけた。
Chscotの売場をエレベーターで上がり、この映画の数少ない出資者と同じエールを抱いて座席に就いた。
しかし その期待はあえなく碎かれる
原因は脚本と演出力
この監督には修練して戻って来て欲しい
【Shall we dance?】
このセリフは、男性から女性にかける言葉という前提なのだろか。
社交ダンスのことは、周防作品と、昔のウリナリの芸能人社交ダンス部から得た知識程度だ。
だから、改めて、この映画のように女性だけでというのは良しとされないとか、リードが云々とか、初めて知った。
売れない女優と、反抗期の娘を抱えるパート主婦。
なんか日の目を見なさそうな二人の挑戦は、練習のヘタ部分の過剰な演出に腹も立つことはあるが、ちょっと痛快だ。
相手を気遣ってリードを交代してみたり、友情もある。
突き詰めてしまうとジェンダーの窮屈さの話になってしまうが、こんな状況は、世界のあちこちに転がってるに違いない。
だから、いつかは変わるだろうと前向きな気持ちは持ちつつ、競技とか別にして、今は、楽しむことが一番なのよ!という一華や真子の言葉は、逆に新鮮だったりする。
肩の力を抜いて観る作品だ。
ところで、ウリナリの芸能人社交ダンス部の企画で、僕は初めてベッキーを知った。
キャイ〜ンの天野くんとペアで、天野くんは、それこそリードはおろか、当時の初々しいベッキーの可憐さの足を引っ張っていたように見えた😁(ごめんね)😁
ベッキーのお父さんが武道館に応援に駆けつけていて、「ジョーズ!」だか「ウマイ!」と言って、拍手して大喜びで応援していたのも覚えている。
いろいろあってテレビの露出は減ったけれども、ベッキーは母親になった。
ベッキーの子供も社交ダンスして、お父さんがおじいちゃんとして、競技の応援に行けたら良いのにと考えてしまった。
作品とは全く関係のない話でスミマセン。
きっつい練習の果てに、ダンスを楽しむ。
日々生活や仕事に追われるだけではなくて、どこかに楽しめる何かを持っておくことは、生きて行く上で、とても大切な何かを教えてくれるような気がする。
アラサー女子の青春映画
売れない女優と平凡な主婦コンビが、競技ダンスを通じて青春を取り戻していくアラサー女子の青春ストーリー。
ラストは主演2人の勢いに何となく誤魔化されたような印象が否めないし、展開もありがちと言えばそうなんだけど、とにかく内田慈が素晴らしい 笑
前作の「ホテル・ローヤル」でも、素晴らしい仕事を見せてくれたけど、〝薄幸だけど生きる力がある中年女子〟を演じさせたらこの人を超える人はいないんじゃなかろうか 笑
主演2人と木下ほうかに救われた作品だと思う。
王道直球の人生応援歌
『女性同士のダンスカップル』のお話と聞くと、昨今注目のLGBTテーマかと思いがちだが、一味違った。
ジェンダーレス的表現もあるけれど、要は、同性、異性、恋人、友人、家族、職場…。関係性はどうあれ、お互い理解し、尊重し、支え合えない相手と、理想的なパートナーシップは築けないという事。
そして、常識、規則、当たり前、と、外部から課される評価基準とは別の所に、自分らしく生きる手がかりがあるという事。
王道のストーリー、ステレオタイプな人物設定、ベタベタのギャグ、説明的な脚本。ソフティケートできそうな余地は多くありそうに思えど、逆にそこが、小賢しさを感じさせずに心地いい気も。
ともかく、伝えたい事はドスンと直球で伝わってくるし、何より、観客を楽しませたい、元気出して欲しい、という気概に満ちている。
ツンデレのライバルなんて、ありがち…と思いつつ、でも好き!とほくそ笑み、『ダンスの細道』に爆笑させられ。
頑張れ、上手くいけ、と拳を握って二人を応援しながら、いつの間にか自分が応援されている。
「自分達の為に踊っている」「楽しいから踊ってるだけ」「黙ってるのは止めたの」「空気は読むものじゃない、吸うもの」など名言も多く、スクリーンに向かって、「ホンマ、それな!」とウンウン頷いてしまった。
小煩い世間の権化たるプロデューサーを、コテンパンにやっつけるでも、排除するでもなく、「踊ってみればいいのにぃ」と、やんわり巻き込んで翻弄するような決着の仕方も良い。
娘との和解を初め、エピソードの幾つかは、映画の尺では致し方ない面もあるが、例えば連続ドラマであれば、もう少し丁寧に見せて欲しい所。
と、散々あれこれ言っておいて何だが、こういうド直球な作品は、四の五の言わず、真っ正面から素直に受け止めて、有り難く、息苦しい現実のガス抜きにさせて頂きたい。
元気出たよ!
小さい頃はできたことが、大きくなるとできなくなることは多い。 社交...
小さい頃はできたことが、大きくなるとできなくなることは多い。
社交ダンスの女性同士の競技会出場もその一つだろう。
大人になり、挫折を繰り返す中で、小さい頃のように、なんにでもチャレンジしていく、姿を思い出し、トライしていく、ことの楽しさを教えてくれる映画だった。
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