ザ・ハントのレビュー・感想・評価
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中二感のないサバゲー
マンガでも映画でも小説でもいいが作品が作品世界を展開している。そこへ突如、天の声(作者の脚注)が出てくるような仕組みのことを「メタ」と冠することがある。
(よくわかっていないが、たぶん。)
日本にはメタの構造をもっているマンガやアニメが多いと思う。銀魂のように脱力していて、それは辛辣な批評にたいする回避策にもなっている。メタフィクションてやつ。
そうこうするうちに、メタ構造が多様化した。
こじんてきな解釈として、登場人物が作品内世界を抜け出して、話しかける──ことだけでなく、構造にネタめいた気配をもっているものが、もはやぜんぶメタだと思う。
がんらいこれもネタの構造をもっている。物語は人狼のようなサバイバルゲームだが、和製のような中二展開やこけおどし感がない。死にざまはリアルで、そのリアル度とは裏腹な哄笑をはらみながら、すさまじいテンションで生き残り闘争が展開する。
ネタのポイントとして第一に挙げられるのが、俳優のポジショニング。
たとえば役所広司と津田寛治がでてくるドラマで、さきに役所広司が死んじゃうってことはない。俳優格の上下だけでなく、事務所都合的にも有り得ない。もしそれをやるとネタになる。ただネタでもぜったいにやらないだろう。The Huntは、まず、それを無視している。
imdbのtop500圏内のEmma Robertsがものの10分で頭を撃ち抜かれる。これがどれほど痛快な構造か、おわかりになるだろうか。和製の人狼ものでは、ポピュラリティと顔偏差値順で生き残りが決まる。例外はない。ぜったいにない。くやしかったら森田甘路が最後に生き残るドラマつくってみろや。──とわたしは思う。
つまり、転じて、なぜ和製でメタが流行るのかというと、メタ構造をしていながらも想定内だから──なのである。観衆は見る前から、銀時や新八や神楽がどこまでふざけるかを知っている。メタでさえ水戸黄門のようなもの──なわけ。
ところがあっちの奇才がメタをやるなら、予定調和をしなきゃならない理由はひとつもない。冒頭数十秒で山崎賢人と土屋太鳳がやられても、メタですからってことにしとけばいい。──という話。監督の来歴にCompliance(2012)があり反骨な作風をなるほどと解するものがあった。
また、これは偏見ではなく現実的なロジックだが、巨乳は、業界や作品や絵づくりのなかで、そこに注意が集中してしまわないように、三番か四番あたりの位置に居るものだ。それを打破しているBetty Gilpinに新しい時代性を感じた。It’s fucking great.
明るく楽しい人殺し映画
人が死ぬことをエンタメとして見せる低俗な思想のもと
作られた映画だが、それを気にさせない
明るく楽しいちゃんと振り切った割と珍しい描き方をしている。
命の重さや尊さを描かず
爽快感あふれる軽妙なテンポで人が死にまくる。
こんな映画ばかりみてるとバカになる
と、言えるほど振り切っているので
エンタメとしては成立しまくっている。
単純に面白い。
人が人を狩る映画は割とよくある設定だが
ダークな要素を一切捨てる潔さは
素晴らしい。
この映画や、グラフィックノベルの
サブリナなどを見て思うのは
日本も陰謀論者が増えてきているが
それはテレビを見なくなったせいだと思う。
テレビがつまらないのはコンプライアンスと
スポンサー、作り手が無能になってきたせいだが
ある意味で数多に増えたメディアの中では
一番の無思想なところは再評価されるべきだと思う。
このままいくと日本も陰謀論者が
さらに増え、自分は選ばれた人間だと勘違いした
バカたちが暴れ出す未来も近い気がする。
あのトランプちゃんが驚愕した問題作
良作
狩る方と狩られる方の攻防を描いている本作だが、何となく同じブラムハウスのプロデュースした、「パージ」と被る。だが本作の方が理由もわからずただただ狩りの対象となるという世界観であり、その訳のわからぬ理不尽さが好きである。
冒頭から早速始まるのだが、「この人が主人公か?」と思うと派手に体が飛び散るというシーンが続き、そのいい意味で期待を裏切る所が面白い。想像していたよりもスプラッタ的表現がキツいが、コメディ要素もあり、90分間非常に楽しみながら鑑賞出来た。
サバイバルだけでなく、騙し合いもあり、意外な人物までもが敵だったりもする。また、主人公は元軍人であり、身体能力には秀でた物があったが、返り討ちに遭うというリスクを狩る側が考えていなったどうかは謎だ。後半は立場が逆転する為、気持ちいい反面その辺が気になる所である。きちんと黒幕も用意されており、ラストは1体1の肉弾戦だ。このシーンもこれまでとは違った爽快さがあり、時折現れる笑いポイントを押さえつつ、ラストまでノンストップである。全米では上映禁止期間もあったそうだが、本作にはアメリカの病巣とも言える貧困の差や人種の差が色濃く出ており、メッセージ性が強いからだろう。近年またブラムハウスが乗りに乗ってこの様なインパクトのある作品を作ってくれることを期待したい。
常に疑心暗鬼
信じられるのは主人公だけ。いや、主人公でさえも信じられなくなるほど、予想つかない展開ばかりでした。
富裕層が一般庶民をハントするという"ヤバい"映画。SNSのデマから発展し、人違い(?)で選ばれた主人公は、ひょうひょうと罠をかいくぐって行きます。何を信じていいか分からないまま突っ走る急展開ストーリー。90分がこれほど短く、濃密に感じられた映画は、ドントプリーズ以来かも。
私は大好物の映画です
メッセージ性が弱いとか、物語の深みがないとか、主人公が強すぎるとか、残酷なシーンが多いとか、そういうことを気にする人は観てはいけません。階級格差とか陰謀論とかもただの味付けでテーマはそこにはありません。この映画はホラー映画ではなくサスペンス映画でもなく、B級ドタバタ・コメディー映画です。それも極上の。
映画が始まって最初にフォーカスされた人が最後まで生き残るというホラー映画のセオリーを逆手に取った序盤、主人公になりそうな人がみんな死んじゃってから出てくる本当の主人公、人間狩りの話はどこに行っちゃったんだよという中盤、無駄に強い主人公で立場が逆転する終盤、そしてラストの「ああ、勘違い」。これほど観客をナメた映画はありません。大好きです!
世界クラスの上級国民
控えめに言って史上最高クラスのスリラー・アクションじゃないかと思う。
主人公的な視点がどんどん切り替わる序盤は良い意味で想像を超えてくるし、
物語の着地ってとこにも単に勝った・倒した・ハッピーエンド!じゃない爽快感がある。
社会風刺もたっぷり効いていて、まさに偏見 vs. 偏見みたいな。
特に主役・クリスタルキャラクター造形というか表現というか、
もうとにかくカッコよくって、「アトミック・ブロンド」とはまた違う強さというか
個人として生き残る、強くて賢い主人公っていうのに痺れた。
それにしても、エマ・ロバーツはやっぱり美しいと思って見てたら…笑
ホラー/スリラーであり、アクションであり、コメディであり社会風刺でありっていう
よくぞ90分でここまで全部盛りみたいな作品を仕上げたなって。
ゴア描写が大丈夫だよっていう人にはぜひ強く勧めたい。
メモ
互いが、自分の正しさを主張している。
富裕層は傲慢さ、庶民は無知によるバイアスから。
原因は違同じ状態に陥っているのは滑稽。
作中でも触れられているがジョージオーウェルの動物農場の影響を受けている作品。
ブタの名前がオーウェルだったり、主人公がスノーボールと呼ばれていたり。
序盤の「主人公風な人物がすぐに殺される描写」により物語の予測不能性から、物語の展開・結末に期待感が醸成される。加えて、多くの登場人物を交えながらテンポよくストーリーが展開される為、ワクワク感を維持しながらあっという間に見終わってしまった。
富裕層と貧困層の対立、および、その原因の傲慢、無知、共感性の欠如。インターネット上で根拠なしに発展する陰謀論、情報のリークなど現代社会の問題を扱っている。
陰謀論を唱えること自体が、その妄想を現実化させる事もあるのだと、妙に納得した。
つかみが早くて良い
いきなり理不尽な場面から物語が展開することは、定石。SNSででっち上げられた「私有地で人間狩りをしてる」というデマのせいで会社をクビになったCEOが、そのデマを現実のものにし でっち上げに関係した人間を集めて狩るという話。
何だったら、デマでクビにした会社の人間に復讐すればいいのにと思ったり。しかしそんな会話をしてた自分らを恥じずに、デマを流した人間を殺そうとする心理、「人を殺す」という「責任」を自分ではない誰かにその責任を追わせる心理描写。そこが問題点なのかなと。殺人や人間狩りのシーンより何よりその心理の動きこそ問題があって上映禁止があったのかなーと。
まぁB級だよね。
絶句・・・
素晴らしい爽快感
それぞれの立場や経歴など一切関係なく
強い者のみが勝ち残るこのストーリーは
観ていてスッキリしました!
様々なサバイバル映画がありますが
これほどハッキリとしたストーリーはなかなかないと思います。
色々な角度からの「勘違い」が自身の生死に関わることをこれほとまでに面白く描いたこの映画は、ネット依存に陥った人類のある意味リアルだと思いました。怖い怖い。
すぐ撃つ・刺す
私が好きなプラムハウスプロダクションの作品らしく、下手すれば三流映...
ホラーだけど実は…
ふと目を覚ますと猿轡で森の中。
歩いて行くと開けた場所に大きめの木箱。
開けると子豚と共に大量の武器。
それを取るや否や何者かに狙われ、あれよあれよと人が死んでく。
そう、これは都市伝説と噂されていたマナーゲート。
セレブが人狩りを楽しむ荘園だと。
ハンガーゲームに近い気もする。
R-15なので、結構内臓とか出てくる。
うわぁ。
目ん玉にハイヒールぐさーとか。
お腹にぐっさり槍刺さるとか。
一体なぜ自分たちがこんなことになったのか!
黒幕をやっつけてやるぞーって。
そして何故か猛者が1人混じってる。
上から目線で人狩りを楽しむ輩を手玉にとって殺しにかかる。
さてさて、ここまでの情報でどんなイメージを持つだろうか。
バトル・ロワイアル的な、グロテスクで緊迫感溢れる殺し合いを想像しないだろうか。
しかし、見始めてすぐ分かる。
意外にもコミカル。
ハッピーデスデイとか、キャビンとか、タッカーとデイルとか、ホラーだけどコミカルな映画。
グロいシーンはあるけど、コメディチックだから気持ち悪いとかではない。
良くも悪くも予想を裏切られる。
結構面白かった!
ベティ・ギルピンが出ていなかったら底辺。
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