追龍のレビュー・感想・評価
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通常の黒社会の映画とは違う
香港の暗黒時代を実話に基づいて作られた作品。
香港版「ゴットファーザー」と言いましょうか、「スカーフェイス」とも言いましょうか、私としては、香港版「スカーフェイス」と言った所ですかね。
久しぶりに、香港ノワールであり、そのれを堪能したく見に行きました。
正直、前半は、少しだらだら感がありましたらが、後半はテンポもよく、私的には、見応えが有ったな・・・
ちょっと、当時の香港の町が作りものぽくって、CGとスタジオで撮られている事がバレバレでしたが・・・・
また、アジア系に有りがちですが、ユーモアを盛り込むはいいですが、挿入次第では、映画全体がなんか軽くなってしまうかな・・・・
しかし、この手の映画って、香港には、香港の雰囲気と言うか、日本では日本の雰囲気、フランスやアメリカにも、それぞれの雰囲気がありいいですね。
特に食事をするシーンで、ひとつのタバコを囲んでいる人間で回し吸いするシーンなど香港ならではいい感じ・・・・
「男たち挽歌」を久しぶりに見たくなりました。
ドニー・イェンは、いいですね。毎回安定していますが、本作品、正直、格闘シーンなどではあまり魅力がないかな・・・・
もう少し彼を有効的に使って欲しかったな・・・・
本作品、実話に基づく作品だけ有って、「男たちの挽歌」などをイメージして見にくとちょっと肩透かしを食らいます。
あくまでも、当時の香港の黒社会の映画だと言う事です。
【”香港は俺たちのものだ!” 1960年~1974年の香港統治体制の変遷を背景に、香港警察トップと麻薬王に手段を選ばず上り詰めた二人の男の友情を描いた香港ノワールムービー。】
ー1960年、香港警察の探長の座にいたロック(アンディ・ラウ)と中国からの不法移民ホウ(ドニー・イェン)は、当時香港を統治していた英国の警司ハンターの悪辣な暴動鎮静の際に出会い、その後二人は”深い関係”を築いていく・・。-
■Caution 下記、一部内容に触れています。
・1960年台の英国人による統治組織は、汚職と人種偏見に塗れており、結果として多くの香港映画では英国人は徹底的な悪役として描かれる。本作でも然り。
・ロックとホウが警察とマフィアという大きく隔たった立場を超えた友情を保ちながら、手段を選ばずのし上がっていく姿と、”九龍城砦”内での激しい銃撃戦、アクションに一気に気分は盛り上がる。
ー”九龍城砦”のセットが凄いなあ。カメラワークも良いなあ。香港映画のアクションと言えば、”張り巡らされた電線”を使わないとね。
香港アクション映画、復活だなあ・・。と、一人喜ぶ。-
・ファムファタール、ローズの存在感と彼女の過去が分かるシーンとあの銃撃シーン。
ー矢張り、グッと来てしまうよ・・。ー
・他の役のキャラクターもしっかりと立っていて、関係性が連関し、破綻なくラストに流れ込んでいくストーリー展開も見事である。
・そして、随所で流れるR&Bもとても良いのである。センスが良い。
・1974年、英国が香港警察の刷新を図るために”廉政公署”が設立されたため、海外逃亡を画策するロック、あくまで弟を廃人にされたハンターへの復讐を果たそうとするラウを逮捕しようとする廉政公署の署員達の前に立ち塞がった男とは・・。
”12時までは俺がトップだ!”と毅然と言い放ち、友を守るロックの姿・・。
ーもう、格好良すぎます・・、アンディ・ラウ・・。ー
<カナダに逃亡した老いたロックから、電話で囁かれる”こっちに来いよ・・”という誘いをやんわりと断り、香港の遠景を静かに見つめるホウの姿も、沁みるモノがある。
素晴らしいラストシーンである。
”一国二制度”が中国の強硬姿勢により崩壊していく中、香港映画界は大丈夫なのだろうかとも、ふと思ってしまった作品でもある。
”香港映画界の熱き炎は消えない” と信じたい。>
闇のなかにも光と影
近年今一つ元気がないような気のしていた香港映画。今だと韓流なのでしょうが、自分の多感な時期には香港ノワールなんてものがあったりして、他のジャンル共々勢いがあったものです。栄枯盛衰は世の常という事なのでしょうかね。
そんな時にふと目にしたポスター。前世代的な暑苦しいビジュアルに喰らい付くと、アンディ&ドニーじゃないですか!痺れましたねー。その日のお酒の美味いこと美味いこと。まだ観てないのにね(笑)。
そんなこんなでワクワクしながらの鑑賞でしたが、ワクワクし過ぎると自分の思いが大きくなりすぎて余計なガッカリを生むこともあるので、なるべく魂をフラットに…は出来ませんでした(爆)。もう、ゴールデンハーベストのタイトル時点で危なかった。そして始まる実在した人物二人を元にした、イギリス統治下バリバリの香港の物語。
いやー、良かったですねぇ。事実を濃くした分ケレン味は控え目なので、個人的な好みの方向ではありませんでしたが、黒社会以外に極力触れず、二人を中心とした一時代の流れに終始した作りはお見事だったと思います。二人とも格好良かったなぁ…。
韓流も良いし華流も良い。勿論、邦画だってTV的じゃないのもある。それでも独特の文化が育んだ香港映画。今後とも劇場公開が増える事を願ってやみません。
緩急が楽しめる上質のエンターテイメント
久々に観た香港ノアール!これは面白かった。
舞台は英国領だった1960年代の香港。1974年までの香港はヤクザと癒着した警察の汚職が蔓延した酷い社会だったようだ。これは香港だけに限ったことではないが。
ドニー・イェン演じるヤクザなホーとアンディ・ラウ演じる警察署長・ロックの運命の出会い、友情、そしてある意味腐れ縁。助け合いのぼり詰めるが、よくよく考えるとヤクをさばいて大金を得る大悪党たちだった。
まあ、善悪論などどうでも良くなってしまうのが香港ノアール。二人のキャラが憎めなくて、好きになること必至。
ジョニー・トーの傑作群などと比べると分が悪いが、緩急が楽しめる上質のエンターテイメントだった。
ディテールがなくて人間描写も甘いんだけど、どんどん進んでいくストー...
ディテールがなくて人間描写も甘いんだけど、どんどん進んでいくストーリーがそれらを飲み込む。タバコと暴力と勢いをちょっとした歴史にのせた作品。
今後も期待したいです!
新宿武蔵野館で鑑賞。
アンディラウさんとドニーイェンさんの直筆サイン入りポスターが飾られていました。
普段、欧米系の映画ばかり見ているので、良作な香港映画はとても貴重です。
国家安全維持法により香港映画界がどのように変わるかわかりませんが、がんばってほしいです。。(捕まらない程度に)
時代を再現するためか、いささか古くさい演出
九龍城は、噂ばかりで行ったことも見たこともなかったけど、物凄い所だったんだなあ、と体感するような細かい描写。知ってる人には再現度高いと喜ばれるんだろうなあ、たぶん。
支配するクソ英国警官たちを初めとして、ギャングも警察もズブズブの真っ黒。
のし上がるために汚いことをするホウも、身内には大甘。恩義に熱い男。そういう意味ではだましだまされの要素は(ほぼ)ない。
その分、ドラマとしては単調で分かりやすく、演出もなんとなく今風ではない。それに目をつむれば、丁寧な大作だと思う。
アンディラウ、年齢不詳ですね。それにびっくりです
最高!
歴史色を感じる。
話の展開が始まりからラストまでメチャ面白い。
全ての対決シーン&アクションが最高。
恩義の関係性が色濃く表現されている。
かなりカッコ良く出来上がっている作品。
観賞後に、かなりの満足感❣️
#57 久々の香港ノワール
シネコンで広東語映画観たの久しぶり。
そのくらい最近は香港映画が日本に来ないし、来ても北京語なので、すっかり広東語忘れちゃってたよ(鐘意とか)。
カンフーしないドニーさんは珍しい。ってゆうかヤクザ役自体珍しい気が。
ワイヤーで飛ばさない王晶監督作品も珍しい。
中国本土の支配に負けず、また🇭🇰独特の映画がいっぱい制作されて日本にも来るようになるといいなあ。
時代感、男臭さ、BGM
1960年代の香港を舞台にマフィアと警察でのし上がろうとする2人を描いた物語。
当時の香港は英国が統治しているという事実は意外と重くのしかかってくる。実際にあった話のようなので、そのへんの描き方もうまい。何より当時の香港の雰囲気がとてもうまくつくられている(実際に見たことなんてないけど)。九龍の上を飛行機が飛ぶシーンとかもよかった。そしてBGMには当時のソウルミュージックが使われてたりするのもいい。
その上で骨太の物語が描かれるんだからたまったもんじゃない。同世代(50歳前後)のおじさんたちにはハマる人が多い気がする。
本作のドニー・イェンはアクション控えめなのはやや物足りないがそれも仕方ないと納得しながら男の友情を堪能した。
スカーフェイスを観ているようだった
・香港版のスカーフェイスを観ているようだった。背景美術というのかがとても凝ってて当時の香港の薄気味悪さや汚さはきっとこうだったんだろうなというリアリティがとても良かった。九龍砦の雰囲気も軍艦島やブレードランナーみたいなSFっぽさがあって凄く良かった。
・アパート?を間借りしていたのだと思うけど、凄い貸し方をするんだなぁと思った。ほぼ同居と変わらない。
・主人公の男がジャッキーチェンに見えてしょうがなかった。
・当時の力関係がとても暴力的で嫌な気持ちになった。けれど、あんまり直接的な描写がなかったせいかそこまで深刻な気持ちにはならなかった。
・主人公の奥さんは何故唐突に本土から香港にわたってきたのかがわからなかった。
・警察が売春と薬物とを容認していた実情が恐ろしかった。ある意味、平穏だけど一体、主に国の経済は何で回っていたんだろうと思った。
・ギャンブルのせいで金を盗んでリンチにあった仲間の一人がすぐにギャンブルをしていて笑った。
・九龍砦でクスリを買うんじゃないと説教した男が弟だったのかどうかが、迷った。弟っぽかったけど。後半でクスリ中毒になってたから多分そうだったんだろうけど、家の二階であんなでかい注射器でしてたらバレるに決まってるだろと思った。あの後、クスリ売ってるんだから俺が使ってもいいだろう、やめろっていうなら売るのをやめろよって言っていたけど、やめても買うだろうなと思った。
・ロック探長のうさんくさい相棒がずっと慕っていたのが良かった。
・ロック探長の義父がどうせ張り子の虎だって言ってすぐ張り子の虎じゃなかった・・・ってところが笑えた。
・銃撃戦の時、遠距離で当てるのも難しそうなとこにいるどうでもいいと男は百発百中で主要人物には近距離でも全然弾が当たらなくて少し笑ってしまった。
・生死は運命が、富は天が決めるというのが中国の格言なのか主人公の父親の思い至った考えなのかが少し気になった。説明してたかもしれないけど。
・探長って役職がどういう立場なのかなぁと思った。署長とかそれくらいなのかな。
・ロック探長がずっと笑い飯哲夫に見えてしまった。
・後半から裏切りと暴力が続きまくって少し疲れた。
香港俳優オールキャストの豪華な映画に合った脚本だったけど、ドニーの...
香港俳優オールキャストの豪華な映画に合った脚本だったけど、ドニーの成り上がる展開がもっと濃厚だったら更に面白くなったはず!でもこの年代の香港らしさ満開で楽しかった♪
とてもよかった
中国の田舎から来た若者が出世して表と裏から香港のトップに上り詰める。九龍城を再現していて、行ってみたかった。まだ存在していた当時香港に行ったことがあるのだけどやっぱり怖くて足を運ぶ気にはならなかった。しかしやっぱり行っておくべきだった。しかしそれなら、現在存在している世界のスラムにも行くべきだと思うのだけどやっぱり怖い。
ドニー・イェンが格闘の達人なのにそういった動きを封印して、あくまで粗暴な一般人として泥臭く格闘している。仲間が次々死んでいくのが悲しい。
面白かったけど、テンポが悪くてもうちょっとスカッと没入して見れるようにして欲しい。
カッコイイ…古臭いけど。
香港の汚職警官と裏社会を仕切る男同士、ホウとロックの契り、堅い友情のお話。演じるのは芸達者な役者ばかりなので安心して観られます。
初っぱなからBMW2002が出てきて、クラシックなメルセデス2台向き合わせたり…車もカッコイイ。九龍の雑多な街はリアルで臭ってきそうな感じ。ヤクザな稼業をしているので当然、危険な目に。ホウの弟が薬に溺れたり、仲間が殺されたり、凄惨なシーンも多いのですがお話の筋がしっかり通ってるので、それほど気になりません。ホウとロックに共通して敵対するのは英国人ヘンダー。絶大な権力を持ち、逆らえません。
深い恨みのあるホウはいつの日かヘンダーをやっつけようと思っています。
それを理性あるロックが抑えている。長い年月を経て復讐の時がきます。
エンドロールが始まっても、席を立たないで下さいm(_ _)m大事なシーンが残っています。
全く、悪人に見えない!!
60年代を舞台とした香港ノワールで、実在の人物をモデルにした物語。
これまでにもあらゆる形で描かれているですが、面白かったです。
カンフーしないドニー・イェンって事は、知ってましたが、気にならなかったですね。(ケンカあるし、ドンパチやるし。)
只、観賞後の印象は、ドニーもアンディもまるで悪人に見えない!
ドニー・イェンは、髭・グラサンと強面キャラを作っていますし、ポスター見ても悪人面なのに全編通して仲間想い・家族想いが全面に出過ぎてる。
アンディ・ラウは、単なる野心溢れる実業家くらいにしか見えない。
やってる事は、麻薬密売の犯罪なのに、それが事業起こす程度の感覚。それが当たり前過ぎるくらい当時はカオスだったのか!
香港の九龍と云えば映画やゲームのネタの定番ってくらいカオスの代名詞でしたが、今、どうなの?
(カンフー映画好きなのに香港とか旅行にすら行ったこと無いので。)
敵?側が絵に描いたようなクズ悪人っぷりなので、ドニー側に酷い事してる感が無く、遣り返してますが、それが逆に壮快ですらある。
こういう作品は、主人公側も観客が不快に思う程度の、それなりの極悪ぶりを演出しないと、その存在を認めてしまうことになります。
敢えて言いますがこの系統の作品は、簡単に言えば悪人同士の潰しあいですから、生い立ち等に同情することはあっても許してはいけない事で、どんな悲惨な結末でも観客には「自業自得だよね。」って思わせないといけないと持論を述べます。(笑)
過ぎた野心は身を滅ぼす!
個人の感想なので反論は受けません!(笑)
後、これも個人的な感想ですが、互いの友情という部分が、なんと言うかアンディ・ラウの方が強く感じ、ドニー・イェンの方は、恩を返す為に助けるシーンは在れど、以降は、ビジネスパートナー的な付き合いにしか感じず、友情演出弱いかなと?
まあ、何だかんだ言っても良い作品でした。
最後に、他のレビューでも書きましたがアンディ側にいる太った警官役の人(ケント・チャン)この人、善悪問わず警官役でしか見ないんですけど(笑)
男の友情!でも、ロック>ホウ。
久しぶりに会えて嬉しかった。また映画館で見ることができてしあわせ!こんなことで幸せになれることが幸せです。全体をゆっくり見る余裕が出てきたのでしみじみと泣けました。チウ役(ベン・ウさん)、悪役だけど可愛げがあってうまい役者さんだなと改めて思いました。
ところで、香港って誕生日を祝う習慣が60年代にもあることに明確に驚いた。最初はロックの上司のガンの誕生日パーティー(チンピラもそれを知っている!)、次はホウの弟の誕生日プレゼントの万年筆。仏教だけれど、英国占領下にあったからなのかなあ。インファナル・アフェアでも警察上司が潜伏させてる部下(トニー・レオン)の誕生日覚えてたなあ。ヨーロッパでも昔は誕生日はごく少数の裕福な層しか祝えないものだったから、香港に浸透したとしたらかなり急速だなと思った。香港でも豊かでお金がある家庭だけだろうけれど。一方、「占領する」ということは、文化的習慣といった柔らかい暴力性をも伴っているということなんだろうか。
(2020.10.19.)
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とっても面白かったです。音楽も凄く良かったです。また見に行かなくては!アジアのノワールには欧米にはない湿度感があって、とても惹かれます。
ホウは社会的には悪役ですが信用と恩義に重きを置くいい役。妻子や仲間を亡くすたびに悲しみにくれる姿には心が痛みました。最初は一人で沢山を倒してイップマンだ~!と思ったけれど裏切られてからは…。仕返しはちゃんとした!
そしてアンディ・ラウ!私にとってど真ん中の役者さん。こんなに素敵なスターが居たなんて!スーツ姿、ヘアスタイル、所作、声、演技も完璧で清潔感溢れる姿にワクワクしました。指輪がとても似合う手と指に見とれてしまいました。
当時の香港の様子:九龍城砦、すれすれに飛ぶ飛行機、瓶のコーラにストロー、車はBMW、VW、Mercedesとドイツ車なんだーなど細部まで当時を再現する熱い思いが伝わってきました。
今の香港情勢に胸が痛む。当時の英国&香港警察が、今の中国&香港警察と重なる。
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7/31。今回はローズ(ファー)をきちんと追うことができました。最期、子ども時代のファーと重なった姿がホウの悲しみと悔しさを表していて胸に突き刺さりました。
最後の三竦み(二竦み?)は絵としてこれ以上ないほど美しかった。歌舞伎の決まりどころみたいで「待ってました!たっぷり!」と声をかけたくもあり一方で滂沱の涙がマスクを濡らし(忙しかった)…。また見に行こうっと!
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8/5。兄(ホウ、ダイウェイそれぞれ)が弟を思う気持ちと同士愛に胸を打たれました。お前の仲間はもう居ないんだ、家族のことを考えろと言ったロックのことばを聞いてホウがロックの正面に向き直りロックの目を見つめて「あんたは仲間だ」と告げて後ろ手でハンターを2発撃つ場面はすごくかっこいい!この映画の一番の見所シーンだと思います。この映画の主役はドニー・イェンであることがよくわかりました。
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8/10。場面によってアンディの背中が丸く見える時がありました。が、猫背でも年でもなく鍛えて背筋が発達しているためと仮説を立てました。だからスーツ姿の後ろ姿がカッコいいのだと思います。筋肉はついているが西洋人の骨格ではないのでアジアのすんなり感が醸し出されている。ロックが一人で九龍城砦にのり込む時の音楽がすごく好き!
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8/14。不覚にも一番楽しみにしていた箇所で寝落ちしてしまった…。いつもより後方の席に座ったので気持ちが緩んでしまったに違いない…。今回の注目は後半の怒り全開の暴力ロック!チウの(ホウに対して)失礼な言葉にカッとしてビンタを食らわしたり「とっとと耳拾え!」と言う場面。ここはローズ経由でロックとホウの攻防が心の中で行われている、かなり緊迫した場面です。麻雀卓囲むロックが白のワイシャツの袖を肘までまくり上げている姿には色気があった。
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8/19。何回見ても飽きない理由がわかった気がする。カメラワークとセットの垂直と平行が上手く組み立てられているからではないだろうか。だから観客は時には俯瞰し、時には見上げる。時には役者と同じ目線で、時には美しい決まりどころを絵の様に眺められる。空間の垂直感と迷宮的平行感を醸し出しているのは九龍城砦。これなくしてこの映画は成立しなかったろう。
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8/20。ホウの大変な怪我の後にホウの妻になったのはあの看護婦さんなんですね!看護の優しさがある妻とは思っていましたが、今やっとわかるとは!なんて鈍い私…。でもそこいらをコマコマ描かずに話を進めるのいいです。無駄なく芯が通ってる。
暗黙の掟
香港で成り上がるチンピラと、彼を泳がせ繋がる汚職にまみれた警察署長の話。
イギリス人警視を殴り倒してしまったチンピラを、署長が助けて繫がる二人の男。
チンピラはドラッグで勢力争い、署長はコネを作って覇権争いと、ドロドロとした世界をそれぞれ自力でのぼって行く展開で、なかなか繋がっていることの利が押し出されて来ないけど、他にも黒い勢力、人物が多々登場していてめちゃくちゃ熱い!
一緒に仕事をする様になってからの方が寧ろ危ういっていうのもなんか刺さるしね。
義があって、漢臭くてアメリカのオールドイタリアンマフィアやギャングの作品を彷彿とさせる様な作品で、非常に面白かった。
黒い友情
実話系ノアールものとして秀逸。
イップ・マン役の次が、麻薬組織のボス・ホウって、役の振り幅でかいよドニー兄。
喧嘩は強いって設定ながら、カンフーは封印してアクション分量は控え目。
汚い手口は何でも使うという汚職警官・ロックを演じる、アンディ・ラウの存在感は凄かった。
W主演は大正解。
実話ベースの警察とマフィアの癒着友情ってテーマなので、語り合いが多かった。
あと、ホウとその部下たち(というか同郷の仲間たち)との友情も熱い。
ただ、いい友情っぽく見せてるけど、やってることは汚職やら麻薬密売だからね。
イギリス統治下における香港の圧政への利用と反抗って視点でいえば、こんな道しか成り上がる術がなかったのかもしれないのだけれども。
もうあの日々は戻らない
ポスターで知り面白そうだと観賞
感想としては
60年代香港のおどろおどろしさ
九龍城の異世界館溢れる雰囲気など
色々新鮮に味わえる作品でした
60年代香港は英国領下で裏社会の魔窟
英国人も香港人の警官も汚職まみれで
実質マフィアに裏社会を仕切らせている現実でした
(これは当時では当たり前でラスベガスもそうだった)
香港警察の探長(刑事クラスっぽい)ロックは
組織の中でのし上がりつつ
英国人警官ハンターを仲間を守るため暴行し
消される危険性のあった潮州からの不法移民
ン・シーホウ(ホウ)を救い二人は友情で結ばれ
ホウはマフィアの親玉チウのもとで働き
裏社会で力を付けて九龍界隈で知られた存在に
なりますが香港に呼んだ妻と子供は
密航に失敗し死んでしまいます
ある日マフィアの抗争が激化してきたため
騒ぎを静めるためロックは九龍のボスを買収しようと
しますがボスの息子にハメられ
殺されそうになったところを今度はホウが助けますが
その際チウに左足をだめにされてしまいます
ロックとホウの友情はさらに深まります
やがて二人は共に成功し富を得ますが
ホウは麻薬で利益を上げながら弟が麻薬漬けになるなど
問題を抱えていき
ロックはあまりに力を付けてきたホウを危険視せざるを
得なくなり英国人から麻薬の取引相手を増やすよう
指示されホウを麻薬の取引先のタイに仕向けますが
そこでホウは命を狙われ仲間を失い
ロックに対し疑いを感じ始めますが逆に命を
狙ってきたマフィアを始末してしまいます
(ここで出てきた工場のセットがこないだ見た
プロジェクト・グーテンベルクでも出てきた気がします)
ホウが香港へ戻ると麻薬漬けの弟が麻薬を売って
貰うためチウに近づき英国人警官ハンターによって
植物人間にされてしまいホウは激高しハンターに
復讐しようとしますがロックは英国人には手を出すなと
くれぐれも言いますが聞こうとしません
お前は英国人の犬かと罵倒される始末
そんなところへ香港警察のトップが変わりこれまで
汚職を見て見ぬ振りしてきた方針が覆され
ロックの元へ徐々に逮捕の危険性が高まるところで
ロックはホウに共に国外逃亡を持ちかけますが
ホウはハンターへの復讐しか頭にありません
そしてホウはハンターを仲間と協力して
暗殺しようとしますがあと一歩の所で失敗
仲間を殆ど失い九龍城に逃げ込みますがそこへ
国外に逃亡したはずのロックが戻ってきて何とか
ホウにハンターを殺させるのだけは止めにきます
その結果は…
昨今ニュースでもあるように
今の香港の情勢は映画界にも波及しているようで
不入りで厳しい状況と聞きます
特に警察組織が中国政府に掌握されたことで
警察ものの人気もだだ下がりだそうです
中国の横暴に英国政府も怒ってますから
こうした「反英」作品なら今後も作られていく可能性が
あるのかななんて考えてしまいました
足をやられてしまう関係上ドニー・イェン特有の
カンフーアクション等は期待できませんがやはり
存在感のある演技は健在でした
アンディ・ラウもスーツの着こなしから
決まってましたね
公開規模がどれほどかはわかりませんが
やってたらオススメしたいです
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