空白のレビュー・感想・評価
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凄い感動作!
こんなに凄い作品だとは…。
全編にわたる眼が離せない展開に心を揺さぶられ、ところどころで嗚咽までもらしてしまう感動作だった。
漁師で厳しい父親(古田新太)は中学生の娘と住んでいる。ある時、娘がスーパー店長(松坂桃李)に万引きの疑いをかけられるが、少女は店の外を走って逃げ去り、彼女を追い駈けて走る店長。その逃走中の突然の交通事故で、少女は不幸にも死亡。
追いかけた店長は少女の父親から責められ、店長も父親もマスコミからの取材攻めにあう。また、少女をハネてしまった自動車の運転手女性も、少女の父親に謝罪に行くが相手にされず……。
ある交通事故が次々と関係者の人生を狂わせていく有り様を見せられながら、「加害者とは?被害者とは?」について考えさせられる。
また、マスコミの情報切り取り方による情報操作とも思えるあたりは、日常感じる疑念。
個人的に、最も感動したのは、葬儀シーンの片岡礼子の登場場面。
それ以外にも、感動させられる場面が散りばめられている吉田恵輔監督作。
<映倫No.122390>
赦す、ということ。
予告を見た限りだと最後に予想外の展開が期待されるのか?と思いましたが最初から最後まで人間模様がリアルに描かれ、大きなどんでん返し等もなく、ある意味現実的な映画でした。
皆、被害者であり加害者であり主観を変えると本当に様々な見方ができて見応えがありました。
もし自分の大事な人が亡くなった時、主人公まで暴挙に出なくても、やはり真実が知りたいと思い過激な行動に出てしまう気持ちも分かります。
誤って轢いてしまった運転手の方が自殺をするまで追い込まれてしまうことも、きっと他人事では無いと思います。
観た人にこれを伝えたい、という明確なものは見えなかったのですが、むしろそれが観た人それぞれで感じるものがあると思うので、そういう伝え方もあるんだなと思いました。
その人間の立場にならないと分からないことを
映画で深く掘り下げて下さり、色々と考えさせられました。
個人的な意見ですが役者さんの自然体が本当に素晴らしい!
娘役の伊東蒼さんも中学時代の自分そっくりで、こんな子は確かにクラスに1人はいるかもしれないという存在を見事に演じていて、田畑智子さんや藤原季節さんも演技がとても素晴らしかったです!
クセの強い役はオーバーに演じることはできますが、どこにでもいるような人間の演技が1番難しいと思いますし、それをこの作品の方達は皆さん本当に馴染んでいて違和感なく見られました。
こう言った作品は見た後に結構モヤモヤすることが多いのですが、最後の古田新太さんの涙で全てが完結したような、そんな不思議な気持ちになりました。
人を赦す、ということの難しさを教えてもらいました。
苦しくて
前半はとにかく苦しくて
登場人物全員が苦しんでる
観てるわたしも苦しい
どこかに救いを求めるけど、どこにもない
万引き、交通事故、毎日どこかで起きてるようなことで、ニュースで流れたとしても気にもとめないだろう
だけど、実際に関わる人たちはこんなにも苦しんで、悩んで、後悔して、行き場のない怒りや悲しみの中で戦っているんだろうな
事故を起こした運転手の母親のシーンに心を揺さぶられた
前半と後半の温度差が凄い、被害者とは…となる
地元蒲郡市が全面協力したとの事で観てみました。
ヒメアノールの監督だし、やばそうだなって思って観ましたが、やっぱりやばかったですね(笑)凄くいい意味で。
誰が被害者で、誰が加害者なのか、現代のリアルっぽくてうわぁってなります。
それにこういう人間周りに沢山いるので、他人事じゃないなと思って観てました。
後半は若干明るくなっていきましたが、HappyENDとは個人的には思えてません。それくらい、出来事が簡単に解決出来ることではないし、闇が大きかったんですね。
良作
誰が悪いとか誰のせいであるとか、そういうものを追い求める作品ではないというのは皆 思うところだろう。
ネタバレを含みますので未視聴の方はご注意を。
花音ちゃんの逃げた理由。
監督がどういう風に表したかったのかを推察するに。
実質彼女を店長の彼が奥に連れて行き、何かしたのかしなかったのか、というか
下心的な思惑を見せたのかどうか。
これは我々視聴者は、松坂桃李が演じるのだからあるはずはないと思い込む。
「親に来てもらうから名前を」そう言われただけで死に値する恐怖が彼女を襲ったろう事も容易に想像はつく。
だが、当たり前だが正解と言うのはない。
飛び出して来た少女を轢いてしまう事について。
これは日頃運転するものにとっては、非常に恐怖となる出来事である。
この場合、どうして避ける事が出来なかったかというと
駐車中の車の影から飛び出しているせい。
駐車している車の脇を通り過ぎる時、私は比較的 飛び出しを念頭に置いて出来ればあまり近距離で通り過ぎないようにしている。
馬鹿な子どもが不用意にドアを開けて転がり出て来ても、出来ればそれに接触しなくて済む せめて2メートルは離れたいと思っている。
だが「この時にかぎって」それをしなかったその時に限って人は飛び出して来るのだきっと。
一旦轢かれた人をさらに轢いたトラックはどういう回避行動があったのか。
これはいろんな場合があるとは言えかなり困難な事案かもしれない。彼についてのみその後の登場がない理由について考えるとメンタルの操縦方法が見えて来るのかもしれない。
でも、起きあがろうとしていた彼女を木っ端微塵にしたのは彼なのだが。
花音の担任の若い教師は、実質彼女の責任ではないものの直前に彼女に向けた自分の言動についてかなり後味の悪い思いを抱いている。
母は自分の娘に対し愛情を残してはいるものの、中学生の女子が一緒に暮らすには甚だ気の毒な父親のところに
言い方は悪いが、結局 置き去りにして自分は新しい生活をしている点において、最も自分に落ち度はありませんみたいな顔して父親を責めてるが、私なら あり得ないとしか思えない。
時々会えば良いってものじゃない。
たぶん 父親は 置いていけと強硬に言っての離婚だったのかもしれないが 私ならいっときも気が休まらず気になってしょうがないだろうなあと思ってしまう。
轢いてしまった女性の苦悩
その家族。
母親の最高の怒りがああいったセリフで表されるかと震える思いがした。
そう言われた古田父の気持ちの動きの微妙な点も脚本として秀逸。
松坂桃李演じる店長が死んだと思わせる演出もその後の寺島しのぶも
彼女でなくてはならなかったキャスティングに納得。
マスコミに追いかけられている間は ウザくて煩わしいが
彼らが全く報道しなくなるのも忘れられたようだと腹を立てる
古田新太のあの顔で日々暴言を吐かれ続けたら
夢にも出てきそうでノイローゼにはなる、
その男が後半、乗り越えたあたりから、この映画はグッと面白くなるのだった。
最後の気合いの入ったにいちゃんの奥野瑛太さん。
最近よく見ます。
ちょい役の頃から印象に残る役者さんだった。
ああいう役やらせたら天下一品。
邦画を見た満足感
これよこれ、このどうしようもない人間ドラマ
古田新太の演技が最初と最後で全然違うのはもうバケモン
私が1番嫌なキャラは母親
クズに子供押し付けて…その後もあったりする関係ならなぜ引き取らなかったのか。
鬼。鬼畜なのは母親だと思う。母親のせいで起きた事件
子供が出来た腹で会う頭がやばい
重たく辛い
告知を観た時から重たそう、観るのに覚悟がいるな
と思ってたけど、想像通り辛い2時間が待っていた。
一つの事件の当事者たちのその後、
報道だけでは分からない事実と心理描写を
これでもか!とやってくれてとても辛くリアリティーがあって良かったけど、たまに低予算だなと思わせる
クオリティがあって、ワイドショーのスタジオとか
気になってしまった。
登場人物に誰も正しい人がいなくて、誰か一人でも
まともな人がいないのかと思ったけど、
まともな人なんて考えたらいないよなと、
みんなどこか狂ってて自分が正しいと思ってないと
生きられない世界だよなとなんなく思いました。
初めこそ、ヤバ!みんな狂ってんじゃん!と思ったけど
そこが愛おしいとも最後は思えました。
ラストが本当の救いなのかは疑問なんだけど、
それでも捨てきれない希望はあるのかな。
善の押し売りおばさんの最後はどう捉えたら良いの
だろうか?苦手な人ではあって、どうでも良い人では
あるのだけど、可愛いそうでもあった。
あと、この手の映画のマスコミの報道のあり方は
本当に胸糞悪い。
これが報道のリアルだとすればテレビは信じられなく
なってしまうな。
良い映画
人が死に、そこに物語が生まれる。
死ぬ場面をリアルに描写できるのが映像の利点だと
高橋ヨシキ氏がスプラッター映画を語る際に述べていたが
この映画も、確かにそうなんだと思う。
その監督のこだわりがなければ、あんな死に方させない。
この映画の最大の重要シーンなんだと思った。
松坂桃李は、たぶんあの年代では日本一演技が巧い。
スゴイ役者だと思う。
BGMも最大限に削ぎ落し
外連味や、演技うまうま俳優たちが並ぶ中
見栄をなるべくきらさせず、空虚に描ききる能力の高さ。
ストーリーもずっと面白い。
すごい映画だと感じた。
問題は、ものすごく暗く、鑑賞後の感情にダメージがあるため
見るべきタイミングが難しいし、見たくなければ見ない方が良いと感じた。
辛い、そして良い映画だけど、個人的には人にすすめたくない映画。
ジェームズ・ガンのスーサイドスクワッドで描かれる命と
カノンちゃんの命が等価なのか、、これが映画の面白みだと思う。
あと登場人物、全員うまかったが
漁港で「許可とってますよ」というディレクターが
死ぬほどリアルだった。
あそこで半笑いするのは、本業の人しか分からないはず。
後半がいい!
運転手だった女性の告別式で母親が言う言葉には頭が下がる。
自分の娘が自殺したにもかかわらず、謝罪。そして、もう、許してやって欲しい、と。
職人のスーパー店長への言葉に「あー、世の中捨てたもんじゃないなぁ」と思えるシーン。
美術室に残されていた絵の中にイルカの雲の絵が。。。海に浮かぶ一船。
その時、初めて父と娘の心が結ばれた感じが、無言の涙によって伝わってくる。
88点
後悔してからでは遅いよね。
娘が1番可哀想。最悪。
その後轢いた女の子とその母親、
それと同じぐらい可哀想な
追いかけたスーパーの店長。
とっさに出てきたらそら無理。
追いかけててあーなるとは思わん。
そっからの人生どん底に変わる。死にたくもなる。
それは現実でも僕でも誰でもそうなる。
だから気をつけて生きたい。
無関心だった父親、親権を本気でとらなかった母親が
1番悪い、どう悲しんだって、娘のことを思ったって
手遅れなのだから。
親の次に悪いのはまぁまぁ距離あったのに轢いたトラック。あれは完全不注意。
店が急になくなる事もあるやろうしスーパーの人らは最悪ではない。
メディアもリアルあんな感じ、親と同じぐらい悪い。人の人生変える力ある事を忘れてるのかマヒしてるのか…
ボランティアのおばさんもその次に悪い、私利私欲。あのボランティア女の子も可哀想。
誤った正義感と罪悪感
こんな最高な映画は久々です
この映画は、基本的に主人公以外、人の気持ちを考えず、自分の勝手な正義感で行動をする人間ばかりだ
学校の先生達は生徒の気持ちを考えず自分の正しさを押し付け、スーパーの女も同然である(メディアは論外であるが誇張しすぎている気がしなくもない)
前半と後半のセリフである、『スーパーの店長ですよね』という言葉は
同じ言葉でも相手の気持ちを思う意味合いが全く違い、主人公は人の優しさに涙する
父親は
不器用で、人の気持ちを考えず、決めつけで物事を考える、典型的な昭和育ちの人間ではあるが
終盤の、被害者が死んでから娘の気持ちを分かろうと絵を描き、漫画を読むシーンは最高に愛おしい(化粧用品を公園に捨てるのはいただけないが)
息子同然の藤原季節とのシーンは最高にムカつくし、暖かくて、面白い
前半でストレスが溜まるが、人々は事件と関わりを気に成長し、後半では嬉しさと優しさで最高のカタルシスが生まれる
どんな事件が起こっても、どんな過ちを犯しても、人はそれを許容し、その経験から成長して、助け合いながら生きていくことができる
映画という枠を超えた最高傑作
追記
寺島しのぶの自殺未遂後のキス未遂の演技が最高すぎる
明日、自分が主人公になるかもしれない物語
謎解きやカタルシス、どんでん返しがあるようなストーリーではありません。誰もが当事者になりえる事故を題材に、誰が正しいとか間違っているとか、何が善で悪でとかをはっきりさせるのではなく、関係者それぞれが抱える苦しみや葛藤、思いを紡いでいきます。それぞれの立場を丁寧に描いてはいますが、結局のところ絶対的な答えは示さず、まさに「どう折り合いをつけるのか」がテーマで、観る人が誰に感情移入するかによって意見が分かれそうです。はっきり言って暗いし、重いし、苦しくなるけれど最後まで目が離せない映画です。
ストーリーに派手さが無い分、俳優陣の演技が光っていますね。古田新太の狂気じみた感じや、松坂桃李の陰キャ感、寺島しのぶのめんどくさい感じ...そして何といっても事故で亡くなる娘役の伊東蒼が素晴らしい。女優でありながらこの印象の薄さやオーラの無さを出せるとは末恐ろしい(ほめてます)。彼女が出演する最新作「さがす」にも期待です。
交通死亡事故から負の連鎖を見事に描くシリアス映画
とにかく古田新太さんの鬼気迫る演技。
得意技。
見入ってしまう。
それに尽きる。
これまで関心を示してこなかった一人娘を交通事故で失い、手のひらを返したように関係各位への攻撃が始まる。
さすがに愛娘がこんな事になればどんな親でもそうだろう。
古田新太さん演じる父親の事故後の言動はデフォルメとも思えない。
だから観ていて映画っぽい気にならず、やり過ぎぐらいの演出と脚本が抜群にマッチしていた。
もっと冷静にとか、
大人な対応でとか、
そんな事は出来はしない。
そこへきて、片岡礼子さん。
こういう立ち位置のキャラをやらせたら渋くて唸る。
古田新太さんだけが目立つ映画にならず、ココで見事に均衡が保たれた感じだ。
ヒメアノ〜ルに続いて同様の緊張感を描く吉田恵輔監督脚本作品はお気に入りになった。
2時間を切る長さだが、スッキリまとまりドロドロしっぱなしではなく最後は見ている側に考える時間をくれたような作品でした。
釈然としなかったのは、事故のきっかけになった彼女より直接死亡の原因となったトラック運転手は何故謝罪シーンがなかったのだろう。
業務上過失致死で即効懲役をくらったのかな?
「空白」の意味は父と娘の時間
「空白」の意味は父と娘の時間だと思いました。娘が死んでから父親は娘のこと何も知らないと気づいて、その空白を埋めて娘を知っていくお話。ラストシーンでは父が娘のことを少しは理解できて、今までの空白の時間を埋められたように感じて号泣しました。(泣)
私はハッピーエンドに感じたし、
周りの人間をもっと好きになろう、
知ろうと思いました。
お別れが来る前にね。笑
ラストに光が射す
ヒューマンサスペンスとあるが、これサスペンスかな??
父親の言動はクレイジーだし、第三者から見たらやり過ぎだろうと思うけど、事故で大切な人を亡くした時、行き場のない思いを誰かのせいにしたくなるのだろう。
後半父が娘のことを知ろうと絵を描いてみたり、少女漫画を読んでみたりするのがよかった。ここまで胸が締め付けられるようなシーンが多かったけど、クスっと笑える。
ラストも切なくもとてもよかったです。
あと寺島しのぶさんのパートのおばちゃんが強烈で、でもこういう人居そうだなぁと思いながら観ました。
店長にも父親にも、ラストでほんの少しの光が射す。
そんな終わり方でよかったです。
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