空白のレビュー・感想・評価
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キャスティングが素晴らしい!
仕事が繁忙期、その中で観賞した秀作!
伊藤蒼や野村麻純、どこで見つけてくるのってくらいはまり役だし、藤原季節はめちゃくちゃ存在感があったし、名前は知らないけど副店長?を演じた方もなんか良かった
これだけのキャストを集めた裏方が、どれだけ優秀な人たちか…
娘の通夜の場面、片岡礼子が古田新太に発した言葉に心震えた
偶然、本日は日本アカデミー賞当日、俳優も作品も候補にすらなってないなんてどうなの?
とんでもない映画ですよこれは…
もう映画見る前には戻れないくらい、とてつもないお話だった…
人生通して 何回も見るか? と言われるとしょっちゅうは見ないけど、折に触れて思い出すというか そういうレベルで胸に突き刺さるものがある映画だった。
この話はとにかく それでも生き続けないといけないのか? だとしたら我々の人生は何のために続くんだろうか? というぐらいとにかく取り返しのつかない事態に飲み込まれていく人々を通して それでも生きるてるってことそれ自体は本質的には前向きなんじゃないか…
と思わせてくれる 希望 を描いていると思う。
人生に生じた傷とか苦しみとか、もう取り返しのつかない沢山のことがあってもそれでも全部背負って、それ込みで やっぱり希望はある!
こういう話に俺は本当に弱い笑
とにかく登場人物たちへの追い込みがえげつなくて
松坂桃李がお弁当屋さんに泣きながら電話してるところとかもうホント 苦しい… としか言いようがないけど
それでも 本当にさりげないというか弱々しいながらも不意に訪れるささやかな励ましにほろりと来てしまう…
吉田監督の作品はまたしても本当に凄い!!
やられた
立ち位置を変えてみる
スーパーで万引をした少女(伊東蒼)を追いかけたオーナー(松坂桃李)だったが、少女は道路に飛び出し車にひかれて死んでしまう。
少女の父親(古田新太)はあらくれ漁師タイプで、娘の死が納得できない。
登場人物は多いが、みんな良い処もあれば悪い処もある。メディアを除いて。
見ているとどんどん不安になっていくのは、みんな何処にでもいそうな人たちばかりかも。
追い込まれたときは、自分の立っている位置を変えてみては。
そして本当の父になる
もし、この作品のメインビジュアル、泣き顔バーン!土下座バーン!でなんとなく鑑賞を避けている方がいらっしゃったら、騙されたと思って一度観てください。本当に良い映画です。
事故で娘を亡くした被害者の父・添田と、そのキッカケを作ってしまった加害者・青柳の2つの視点から物語が進みますが、どちらも良い意味でかなり嫌〜な感じです(笑)
相手の立場に立とうともしない、自己中な人たちのデカい主張や善意の押し売りの中で、思いやりのある人たちが心を痛める社会。観ていて気分の良いものではないかもしれませんが、ぜひ添田というキャラクターを観てください。
最初は「娘を失った父親である"自分"」が可哀想で暴れていただけの添田が、後半、亡き娘の遺品と少しずつ向き合い、少しずつ本当の父親になろうとする姿には心を打たれます。
死んでから向き合おうとしたってもう遅いんだよ!と思いながらも、あのいじらしい姿には愛おしさすら感じます。終わりには全てのキャラクターに愛着が湧くほど、人物描写が丁寧で好きです。
「ヒメアノ〜ル」もそうでしたが、最後の最後にこれまでの感情が一気に押し寄せる幕の閉じ方もとても美しいです。本当の感動は言葉にできないと言いますが、まさにこの作品がそうです。素晴らしい映画でした。
ずっしり、きました。
公開中はタイミングが合わず、家でもなかなかじっくり観られる時間がなく、昨日ようやく観られました。
伊東葵ちゃんを初めて認識したのは、『湯を沸かすほどの熱い愛』だったかな。まだ全然子供だったけど、すごく存在感のある子でしたね。
この『空白』でも、出番は少ないのにすごく印象的だった。ていうか花音の最期が衝撃的過ぎて声出ちゃった(家で良かった)。
「父の狂気が暴走」っていうコピーがあったけど、充の言動を理解できてしまう私は狂気の人なんだろうか?
あんな乱暴な人は大嫌いだけど、表現方法がそうなだけで、娘を見ていなかった自分への後悔と娘が悪者のように言われる悔しさで逆恨みしちゃうのはわかるし、殴りはしたけど殺すまではしないし、陰でなにかするんじゃなくちゃんと姿を見せてるし、情報操作するメディアや誹謗中傷を撒き散らす正義もどきの匿名犯罪者に比べたら、充の方が全然いい。
店長も、基本的にはいい人なんだろうけど。
でも商品を持ってお店を出ないと万引きは成立しないんだよ?花音は商品を手に取っただけでカバンやポケットに入れることすらしてないのに、いきなり手首を掴んで引きずってくのはそっちの方が問題。私だったら逆に訴えてやる。
でも、そのつもりがあったから花音は逃げたんだよね。。
そしてきっといつもは大人しい店長が、万引きをどうにかしなきゃって思ってたところにそれっぽい子が現れて、思い切って捕まえようと行動したら逃げられて、引くに引けなくなったというよりは、行動している自分に興奮してるように見えた。その結果あそこまで追い詰めることになって。。
充よりも店長の方に狂気を感じたのは私だけ?
お弁当屋さんへのキレ方も怖いし。その後電話し直したのはエラかったけど。
救われないのは、楓。
元々充は楓を、許さないとかじゃなく花音の死に関わってるとすら思っていなかったんでしょ。
確か「関係ない」とか言ってた気がするし。
充にとっては本当に関係ない人に対するいつもの態度だったのが、楓にとっては責められているように感じてしまった。
充がちゃんと自分の思いを伝えることのできる人だったら起こらなかった、悲劇。
彼女の死と緑の言葉は、充が変わるきっかけにはなったけど、その対価としてはちょっと、重過ぎるよね。。
それに対してダンプの運転手はその後全く現れないのも、ほんといろんな人がいるよなぁと思わされた。
「全員被害者・全員加害者」っていうコピーは、ちょっと間違ってますね。
情報操作するメディアと、誹謗中傷を撒き散らす正義もどきの匿名犯罪者は、加害者でしかないし。
学校も、「いじめが見つかったらどうするんだ?」って言うような教師は、子供たちにとって完全に加害者。
偽善者は問題ないけど、自分にとってのいいことを人に押し付けたり、そうしない人を悪く言ったりし始めたらもう加害者。
この映画の中で一番「狂気」感じたのは、実は草加部さんでした。。
絶賛されているけれど…
凄い作品と、良い作品…心に残る作品は違うんだなぁと個人的な感想。
古田新太と松坂桃李の熱演はさすがだったけど、ただただ父親の態度にイラつき、途中までは不愉快で仕方なかった。
全て、娘の事も顧みず、話しかける事すら出来ない態度を取って来た自分が悪いのに、娘が亡くなってしまった事で、それを店長や別れた奥さん、全ての人の責任かのように振る舞う姿に腹が立った。加害者と被害者、いつ自分がそのどちらかに立たされるか分からないと皆さんおっしゃっているけれど、最初から少しでももっと娘を見ていてあげれば、少しでも話せていれば、こんな事にはならなかった筈。
ラストに向けて娘の事を解ろうと少しだけ気持ちが変わったのは良かったけれど、それでも最初から怒鳴り散らしている姿ばかりで、見ていて苦痛だった。
ただ、ここまで腹立たしく思わせられるのは俳優さんとしてさすがでした。
一番可哀想だったのは、最初に彼女を轢いてしまった加害者かな…彼女の立場は、いきなり飛び出して来た少女をよけきれず轢いてしまい、加害者となり、それで憔悴し謝罪も受け入れてもらえない…彼女の立場はもしかしたら、自分もそうなってしまうかもしれない…と思わせられる1番の立場だった。
お父さん嫌い
結果的にちょっとあんまり好きではない話だけども、イマイチなところも含めてまぁリアルっちゃリアル
最初の事故・弁当屋の電話
・自殺した娘の謝罪、娘の母の謝罪 とかとても良いシーンはたくさんあった
父親については疑問、自分も毒親育ちだからか
許したくない。
何で娘と向き合えなかった?なんで化粧品捨てた?
人と向き合うのが怖かったから・そんな自分を許せないから
それなら何でそんな性格になったのか。
父の謝罪は聞けたけども。
もう全部遅いじゃん
あの子が自殺したのも、
全部向き合っていたら、何か変わったはず
それを不器用・こういう人間だから で片付けていいのか?
イマイチだけど
ヒメアノ~ルの完成度が高すぎたので期待しすぎてしまった。悪くはないけど単調で想像の範囲に納まる映画でした。古田新太の声っていまいちドスがきいてないことが驚きでした。あんな怖い顔してるのに。寺島しのぶももったいない。今風の面白い設定だったのにもうちょっと馴染ませられなかったのかしら?アタクシお節介でござい!みたいな演技、アレならいなくてよかった。そんな中、弁当屋に電話してキレる松坂桃李と車にはねられて血を吐くカノン役の子、スゴかった。場面が締まりました。
誰にだって、思うところに何かある…それがじわじわとあぶり出される展開
親父がどうしようもなく悪い奴ではないが、自分ルールで生きてて周りには面倒がられてるのが速攻解ると「あーこの家は大変だ~」とため息が出る。
元嫁が買い与えたスマホを窓から捨てたりするがぶっ壊れる勢いで投げないのは思い入れがあるのか?
古田新太演ずる親父、娘死んでからスーパー店長、マスコミ、学校、同級生に失った怒りをぶつける。そんだけ娘への強い想いがあるなら、死ぬ前からもっと娘に興味持てよ…って思う。今更ギャーギャー喚く割に親父は娘の事何も知らない。
スーパー店長の松坂桃李…万引き被害で店が苦しいから必要以上に娘を追いかけてしまい娘が事故死、間接的な死に関わった事でマスコミのニュースでは煽りに使われ、スーパーのイメージはダウン。客は減りスタッフも辞めていく。
年増のスーパー店員の寺島しのぶ、年は離れてるけど惚れてる店長のピンチに入れ込んで色々運動するけど、職場では浮いてしまう。
最初に娘をはねた女性ドライバー…娘をはねた時点ではまだ娘は死んでなかったがはね飛ばされた娘はトラックに引き殺されてしまった…あまりのショックに呆然自失、罪の意識に苛まれて自殺。
娘をはねた女性ドライバーの母親…親父に謝罪はしていたが、自身の娘である女性ドライバーが自殺後、お悔やみにきた親父に強烈な恨み節を喰らわせる。
マスゴミらしさはそこかしこに散見しており、ワイドショーなど実際に下らないと思う身としてはこんなものとしか言い様がない。
これだけの内容のごった煮を拵えて、いきなりバッサリと終わらせるので映画としては奇をてらった感じ。
とてもリアルであるが故に気になる部分も
まず、とても面白かったです。古田新太さんの添田やパートの草加部さんは本当にそこら辺にいそうで、物語にグングン引き込んでくれました。草加部さんの良い人なんだけど距離感がウザい感じ…絶妙すぎます。ストーリーも野木のアツさ、轢いてしまった女性の母親の意思の強さがアクセントになって感動しました。
しかし。こうしたリアルさ故にちょっと作り過ぎてるかなという部分が妙に目立ってしまいました。
・これぐらいの事件で繰り返しワイドショーで話題になるか?店長の顔を街中で覚えられて写真撮られるか?
・ラストのお弁当褒めてくれたあんちゃん、褒めすぎじゃないか?一言「あそこの唐揚げ弁当好きだったんで残念っす、うす」だけでよかったのに!
・店長がトゥーリさんではイケメンすぎて同情できん!
・なんで娘は母親ではなく父親と暮らしてたんだろうという疑問。一言でいいから説明欲しかったなぁ
あと3か所無駄に笑えるシーンがあって興醒めしました。
・添田の土下座返し!
・草加部のどさくさキッス!
・ニートのちゃっかり2ショット!
この3つの笑いはいらなかったな〜
ということで観る価値のある素晴らしい作品でしたが、変なところが気になる今日この頃でした。
空白
藤原季節演じる野木龍馬が良いやつすぎる。1番熱い男。
絶望の淵に立たされた父親の変容は見ていて泣ける。
誰が悪いのかという話ではなく、どうやって自分の後悔と向き合っていくかの話。
自殺した女性の母親と、主人公の対比が鮮やか。
娘の犯した罪は自分が背負っていく、なんて言葉は自分も苦しいはずなのになかなか出る言葉ではない。
この言葉によって主人公も明らかに変わった。
翔子に謝る姿は感動した。
子どもを幸せにしてほしいという言葉は切実。
スーパーのおばちゃんは、最初この人物必要かどうか疑問だったが、このキャラクターのおかげで前半と中盤が飽きずに見れた。
すごい圧のある作品
古田新太の迫力
怒りと悲しみ
自分への憤り
松坂桃李の物語が進むにつれての変化はさすが
孤狼の血で思ってはいたけれど
娘を交通事故で失った男と
その原因とされたあるスーパーの店長の物語
スーパーの従業員の寺島しのぶと
添田の元妻の田畑智子が良かった
古田新太演じる添田のキャラクターがもう
とにかくめんどくさい
頑固で横暴で人の話なんて聞かない漁師さん
全てを無くした二人の
悲しみの先にあるものは・・・
よく出来た作品
ありそうで無さそうで
無さそうでありそうなところが引き込まれる要因かと思います。
それぞれの立場、それぞれの性格の人間模様をとても上手に描いています。
ほどよい刺激も散りばめられ終始飽きない映画。
救われないような結末ではないので気持ちよく観終われます。おすすめです。
自己主張の重要性
とある不幸な事故を媒介にして、ほんのりと事故に関連している人々はお互いが複雑に絡み合い、傷付き合っていく。そして少女が死んだということに追い詰められ、その苦しみから解放されようとする。
不幸のドミノ倒しを見ているような気分だった。絶対的な加害者がいないことで、出来事の収集がつかない。全体的に自己主張の弱い人が損をしていた気がする。他人の気持ちに寄り添う事は大切だが、その以前に自分の本心を大切にすることが重要だと感じた。
人
被害者が加害者で加害者が被害者で、人の罪が次々に出てくる映画でした。
どこの目線からみるかで色々変わってくる作品だなと思います。
キャストさんがいいですね。
自分がどこの立場になってても辛い映画でした。
娘のことを何も分かってなかった父親が、ラスト、唯一、雲がイルカだった時の絵を見た時に、あの父親が、少し救われた気がしました。
同じ景色を見て同じ気持ちに慣れてる瞬間があったんだなと、よかったなと。
疲れたなぁ・・・。
内容は、ある女子中学生による万引き事件を発端とした交通死亡事故とそれに関係する周囲の人間模様と心理描写の際立った作品。登場する全ての人物が被害者でもあり加害者でもある撮り方と事実と真実の違いや時間の経過による心理的な変化が緻密に練り上げられ見所ありました。空白が青空に白いイルカと会う瞬間がカタルシスの解放になり素晴らしい作品だと感じました。ドライブマイカーも観てみたいです。
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