劇場公開日 2021年9月23日

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空白のレビュー・感想・評価

全418件中、61~80件目を表示

4.0【不思議と温かい気持ちになれるヒューマンドラマ。そして、空白の意味。】

2022年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

・2021年公開の日本のヒューマンドラマ映画。
・スーパーアオヤギで万引き未遂をしたと女子中学生 花音が店長 青柳にバックヤードに連れていかれるも、逃げ出す。走って逃げいている途中で花音は交通事故にあい死んでしまう。普段から横暴な態度で人と接する花音の父 充は、娘の身の潔白(万引きをしていない)を証明しようとスーパーアオヤギをはじめとした関係者を相手に執拗に辛辣に迫っていく…という大枠ストーリー。

[お勧めのポイント]
・どこか心がほぐされる×考えさせられる(実は)あたたかいヒューマンドラマ
・古田新太さんの心・行動の変化にグッとくる
・伊藤蒼さんの映画[さがす]とのギャップが圧巻

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

[物語]
・一番大事な確信を見せない(空白のある)物語、ここが考えさせれる一番のポイントになりました。映画冒頭で万引き未遂で捕まる花音ですが、こちらが鑑賞する映像だけでは「本当に万引きしたか否か」の確信が見えずに進んでいくのです。その上で、「万引きをしていないことを証明しようとする父」「万引きをされたから注意しようとしただけのはずが交通事故に合わせてしまったこと、そこから生まれた状況に苦しむ店長」がベースとなって話が進んでいきます。そして、その2人を取り巻くのが「正義を押し付けるパート 草加部」「(新しいパートナーとの間でできた)身重の元妻 翔子」「花音をはねた車を運転していた女性の母緑」「充の弟子として漁師として働く龍馬」…中心の2人だけでなく、周囲を取り巻く人々の行動や価値観が無駄なく、絶妙に混ざり合って1つの物語が構築されており、見応え抜群でした。

[演出]
・𠮷田恵輔監督と言えば、以前、映画[ヒメアノ~ル]を観させていただいて、そのえぐすぎる表現などに衝撃を覚えた記憶があります。そんな前提知識があったので、結構身構えて鑑賞したのですが、全然違いました。笑 いや、良い意味で違ったのです。びっくりするくらい「人間の心の動向」を丁寧に描かれているように思いました。
 - 例えば、充の弟子の龍馬は、表面的には今風のチャラそうな若者ですが、その奥にある優しさを魅せてくれて、こちらを温かい気持ちにさせてくれたり。
 - 例えば、正義を押し付けるパート 草加部は、人に頼られることで自分の本当の弱さを隠したいがための行動に見え、強制の優しさ・正義感がもたらすものは一体…ということを考えさせてくれたり。

・などなど、全ての登場人物の心の動きが無理なく無駄なくこちらに伝わってきて、いろんな角度で考えるきっかけをくれる演出になっているなぁと感じました。私自身は、とても良い意味で「𠮷田恵輔監督」というブランドを裏切られた一作になりました。

[映像]
・映画[ヒメアノ~ル]とは異なり、えぐい映像をリアルに魅せることは一切ありません。にもかからず、交通事故の凄惨さ伝わる。演技と台詞で魅せる工夫に感じました。

[音楽]
・際立って感じたことはありません。

[演技・配役]
・すべての役者さんが素晴らしかったです。鑑賞後に意識せずとも全員覚えていられるくらいに、それぞれのキャラクターの特性が伝わってきました。
・伊藤蒼さんは映画[さがす]で初見でした。その後、こちらの作品を観たら、その演技の違いに衝撃。個人的には[さがす]→[空白]の順番でよかったと。この順番で観たからこそ、この「ほぼ無口な演技」が素晴らしく感じました。
・古田さんはさすがですね。嫌味っぽい暴君さは最大限、でもどこか憎めなくなるような優しさが垣間見える。娘を亡くした辛すぎる状況でありながらそれでも成長していく充(父親)、を感じ取り、どこか嬉しさすら感じてしまいました。これぞ「共感」というやつですね。
・弟子の龍馬役の藤原季節さんも素敵。今風の若者×でもいいヤツの感じが見事で、この映画を暖かくしてくれるキーマンの役割を見事に果たされていたように思います。
・松坂桃李さんの魂の抜けた店長役も寺島しのぶさんの「押しつけの正義・親切」草加部役も、本当に皆さん、役者さんであることを忘れるくらい、登場人物そのものにどっぷり浸かって観れてしまう、素晴らしい演技だったと思います。

[全体]
・総じて、見応えのあるヒューマンドラマでした。
・タイトル「空白」をどのようにも解釈できる。キャラクターそれぞれが持っていた「空白」、万引きした瞬間が見えない「空白」、父と娘の「空白」…

・最後に、この映画を通して私個人が感じた「空白」の哲学を。ありがとうございました。
 「表面ばかりを気にして生きている限り、誰しも空白(の期間や関係)を持ってしまうもの。でも、その空白は、後で何かを埋めることによって、人生をもっと本質的にもっと前向きに生きれる可能性を秘めた素敵なモノでもある。日々、目の前のことに必死になることも大切だけど、たまには自分自身の空白を探して、そこに何かを埋めてみては?もしかしたらそこには、優しさとか喜びとか幸せとか、とても大切なもので埋められるかもしれないよ。そんな風に人生を大切にしていってくださいね。」

#映画 #空白 #邦画 #2021年 #ヒューマンドラマ #𠮷田恵輔監督 #古田新太 #松坂桃李 #田畑智子 #藤原季節 #趣里 #伊藤蒼 #片岡礼子 #寺島しのぶ #意味深 #温かい気持ちになる#全体3.7 #物語3.7 #演出3.8 #演技3.8 #配役3.8 #映像3.5 #音楽3.5

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3104arata

4.5誰も救われないハッピーエンド

2022年5月30日
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鑑賞方法:DVD/BD
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といぼ:レビューが長い人

3.0救いがすくない

2022年5月28日
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悲しい

怖い

難しい

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SATIZA

5.0これこそ邦画。

2022年5月22日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

難しい

CGは最小限で、派手演出もなし。ストーリーはあらすじ通りでそれ以上でも以下でもない。
それでも人間の感情表現描写オンリーでこんなにも面白い。脇役それぞれが最高に輝くし主演の古田新太&松坂桃李のどうしようもない普通の人間っぽさが染みる。
事故に関わった人たちが何を考えて、変化にどう対応して行くか。
コストで海外に勝てない邦画こそこうあるべきと思わせてもらいました。

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お肉

5.0ここ最近で見た映画で一番良かった

2022年5月17日
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鑑賞方法:DVD/BD

とても見応えがありました。

不運が重なってしまって、事故に遭ったが、執拗に店長を責める父親。一人娘を亡くして一方的になってしまうのは分かるが、それにしてもこの人はずっと自分が正しいと思って生きてきたタイプなんだな、と。亭主関白な父親だと自己主張の出来ない子供になりがちなんですよね。厳格なわりには子供のことをなにも知らない。

"透明なマニキュア"もキーワードになってて面白かった。父親は娘のことを信じてたというよりは自分の中での娘を作り上げてたんだなと思った。

追い詰められた店長が弁当屋さんにクレーム入れるシーンは心が痛みました。人間極限まで追い詰められると自分がされた嫌なことを他人にやってしまうんですよね。

車で跳ねてしまった中山さんが自殺して、葬式で添田父が「俺は謝らないからな」って言葉を放った時こいつマジかよって思ったけど、その後の中山母の対応が大人でしたね。本当はあなたのせいで娘が死んだくらいには思ってるはずなのに、それでも娘に非があったことを認め頭を下げる。普通の人じゃできないですよ。今まで人のせいにして自分が正しいと思って生きてきた添田には衝撃だったんでしょうね。そこから改心していく様子も面白かったです。ここの親子の対比がうまく描かれていてすばらしい。

もしかしたら、店長はわいせつな行為をしたのかもしれない、中山さんは法定速度を守ってなかったのかもしれない(それだと罪の意識に苛まれて自殺してしまうのも辻褄が合う)と色々考察できるのも面白い。

そしてトドメを刺したトラック運転手は、取り調べの後一回も出てきてないんですよね。轢いてしまった時も「うわぁ…」みたいな態度だったしあまり自分に責任を感じていないのでしょう。事件の後も忘れてのうのうと生きてるから物語からも離脱したんでしょうね。強く思い悩む人がいる一方でこういうあっけらかんとしてる人もいるのがリアルでよかったです。

とりあえず、自分が一番正しいんだと思って生きている人に見せたい映画でした。

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一発屋

4.5父親の変化

2022年5月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

自分勝手で怒鳴り散らす漁師の父親。
母親は離婚して別の家庭を作り、父親と同居の中学2年の娘は話しかけるのもやっと。
そんな中娘が万引き容疑でスーパーの店長から逃げ出す際に交通事故で亡くなってしまう。
あまりにも無残な娘の遺体を目にした父親は娘の命を奪われた原因を見つけるべく激しく奔走する。
その過程で父親は娘のことを何一つ知らなかった事実をいやでも突きつけられ、外部の人間に向けていた怒りの目を娘のことを知るほうへ徐々に向かっていく。
何も知らなかったけれど、最後に親子だった証を見つけることができた。

父親の変化がとてもよく伝わる映画でした。

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映画鑑賞初級

4.0どちらが悪いのか?

2022年5月3日
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ハンバーグ

3.5登場人物は友人にはしたくない人達ばかり。脚本がよくできている。

2022年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

担任の女性教師を除き、いかにもいそうな、しかし余り友人にはしたくないクセのある人達ばかりが出てくる作品。蒲郡を舞台にしているのに登場人物が皆標準語を話すのには違和感がある。タイトルの空白とはどういう意味なのかは半分くらい観ないと分からない。"さがす"にも出ていたが伊藤蒼という女優(今回は出番は僅かだが)は実に将来性があると思った。前回に続いて出来の悪いい父親を持って誠に不憫。ラストは若干物足りないが、リアリティーのあるよく出来た脚本だと思う。

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Yohi

3.0怒りは誰にでもある

2022年4月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怒りぽっく他人に暴力的なことをしていた父をもつ娘。
その娘がスーパーで万引きをした。
そのことを見ていた店長が娘と話をしようとしたが、娘は逃げ出し店長が追いかけ娘は事故にあって死んだ。
父は店長のことを恨み嫌がらせをした。
ある日、父は娘のことをちゃんと知り、自分が悪かったと受け入れたという内容だった。
父は他人に暴力的なことをしていたが、この作品をみたら誰でも自分の中の怒りを他人にぶつけてしまうことはあるんだと思う。
怒りをぶつけることで、自分がどう思うかでこの先の行動につながっていくのではないかと思う。
店長は嫌がらせをどれほど受けても他人にその鬱憤をはらすことなく受け入れていたのはすごいなと思った。

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やっすー

4.0スッキリしない最後がいい

2022年4月26日
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人が素直になる瞬間がたまらなく好き
なので自分の中でこの映画は邦画でかなりの上位

出来事全てがいい映画でした

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w_MAXL_rose

4.0それぞれの再生

2022年4月24日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

本当の意味でそれぞれの再生の話

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リキテン

3.5なんか

2022年4月21日
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もやがかかってスッキリしない感じでした。
結局印象悪い人の方が最終的に…のパターン
良い人は損する感じがなんともいえない気分になりました。
あの年になるまで自分を客観視出来ないのは周りのせいでもあると思う。
演技すごい引き込まれます。
自分の娘の葬式でそれでも謝ることができるのすごい。
あと若者めっちゃ良い人。

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ビタミン

4.5救いようのない結末

2022年4月16日
iPhoneアプリから投稿

公開当初かなり気になっていたが、観に行けず。
先日Netflixで観たレビュー。
『ヤクザと家族』でどハマりした河村光庸さん/スターサンズの作品。

『ヤクザと家族』同様に誰が悪いでも無く、救い良いのない結末。
ただ、物語の発端(中学生の万引)や被害者の父親のキャラクターから、何が善/何が悪を考えさせる映画。
寺島忍さん演じる草加部さんのキャラクターからの「正しさとは」「正義とは」を考えさせられる。

『ヤクザと家族』同様に感想は百人百色。
鑑賞者側に問い掛けるような内容で、様々な感情を生み出す映画。

これほど感情を揺さぶらせる映画、制作・配給会社は無いと思わせられる。
なぜ劇場で公開当初観に行かなかったのか後悔。

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ちゃんつる

3.5空白と題しながらも物事の多面性を感じさせる良作

2022年4月12日
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鑑賞方法:映画館
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bluecinema

3.0いいけどちょっと唐突

2022年4月11日
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役者、演出とも雰囲気良かった。
「疲れたな」の一言効いた。
けど、古田新太の激改心振りが少々唐突。
交通事故も、あれ絶対トラックの運ちゃん寝てたでしょ?とか諸々不完全燃焼感。

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百万両

4.0時間と優しさ

2022年4月2日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

どうしようもなく心に空いた空白を埋めることができるのは、
時間と何気ない人の優しさ。

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上みちる

4.0辛いけど。

2022年3月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

どこか希望の持てる作品。前半は辛いし腹が立つし不愉快だし。自分を肯定化してとにかく誰かのせいにしたい父。表面上は謝っても何処か自分のせいではないと思っている店長。それにつけこむお節介なおばさん。大ごとにしたくない学校。バズりそうな部分だけ切り取るマスコミ。結局一言の謝罪もないトラックの運転手。こんだけ色んな立場の人を描いていたけど、思ったよりごちゃついてなかった。
こんだけ最悪な奴でも、見捨てない人がいる。そのことと加害者の一人が自殺し、その母親の対応によって、父の明らかな変化が現れる。誰かが犠牲にならないと気付けないとは愚か。でもホッとした。

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いつこ

4.0空白

2022年3月23日
iPhoneアプリから投稿

古田新太演じる父親への嫌悪感やマスコミへイライラしながら見ていましたが、ラスト30分で考えさせられました。加害者が誰一人居ない、そのせいでどう折り合いを付ければいいか分からない父親の気持ちが分かりました。悪者が居れば憎めるのに、暴走していた父親ですがだんだんと加害者は居ないと感じる父親の絶妙な演技が素晴らしかったです。「みんなどうやって折り合いつけてんだろうな」というセリフが刺さりくるしかったです。

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ねこ

5.0久しぶりに素晴らしい映画に巡り会えた

2022年3月16日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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あっちゃんのパパ

3.5古田新太のクソ親っぷりと松坂桃李の愚図野郎振りが胴に行ってて見事で...

2022年3月16日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

古田新太のクソ親っぷりと松坂桃李の愚図野郎振りが胴に行ってて見事でした。
個性の強い登場人物を豪華キャスト陣が見事に演じていました。
面白かったです。

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tuna
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